帯電防止剤の正しい選び方、使い方 

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エレガード Antistatic agent

帯電防止剤の原理|界面活性剤のメカニズム

英語:Antistatic agent

静電気防止対策として、絶縁体の表面に界面活性剤をスプレーで塗布する方法があります。界面とは、2つの性質の異なる物質の境界面のことをいいます。
界面には水と空気の界面、水と汚れの界面、汚れと衣類の界面などがあり、界面活性剤はこのような境界面に慟いて、表面の性質を変える物質のことをいいます。界面活性剤は洗剤や石けんなどにも使われ、水にくっつきやすい成分を持つことが特徴です。

帯電防止原理

帯電防止原理

界面活性剤スプレーは、別名、帯電防止スプレーとよばれることもあります。絶縁体の表面に塗布すると、空気中の湿気をひきつけ、表面がわずかに導電性を帯びるので、静電気は伝導し流れ去ります。

界面活性剤

静電気対策が手軽にできるため、女性のスカートなど衣類のまつわり付き防止を目的としたスプレー製品なども市販されています。中には表面に膜をつくり、すべりやすくして帯電を防ぐ、帯電防止作用を持つ界面活性剤もあります。

しかし、界面活性剤スプレーにも弱点があります。
表面がアースされていれば、静電気は地球に流れ去りますが、地球から浮いていれば(アースされていなければ)表面全体に広がって分布して帯電し、静電気が完全になくなるわけではありません。これは導体の場合と同じです。
また生産現場などで界面活性剤を塗布することは、加工物の表面に異物を塗ることになり、清浄性を必要とするものには使用できません。衣類の場合も、汚れがつくことになりかねません。
また、いったん塗布しても、時間経過とともに導電性能が劣化しますし、他の物質と接触したり摩擦することによって、せっかく塗布した導電剤が減耗したり、剥離されて導電性が低下することがあります。
したがって、この方法は永久的な静電気対策にはならず、一時的な除電方法ということができます。

樹脂 帯電防止剤 種類、分類|界面活性剤の成分

電荷の漏洩を早めるために,界面活性剤の一種である帯電防止剤を利用する方法は古くから行われている。

帯電防止剤の分子は親水基と親油基を持ち,高分子材料の表面に塗布すると親油基がその表面に向き,その反対の親水基が外部を向いて付着するため,帯電防止剤の分子層の数が奇数か偶数かによって表面の電気伝導性が変化することを示すデータもあったが,実際にはこれほど規則性があるかどうかはわからない。

ともかく高分子材料の表面が帯電防止剤で覆われると,親水基があるためこの帯電防止剤の層は空気中の水分を吸着し,その水分子の層がわずかな電気伝導性を持つため,電荷を速やかに漏洩させる。したがって,空気が極端に乾燥している状態では,その効能は低下することになる。
帯電防止剤を高分子材料に適用するには
① 高分子材料の表面に塗布する方法
② 内部に練り込む方法

がある。

塗布用(外部用)帯電防止剤は使用法が簡便であるが,表面を拭き取ったり洗浄したりすると,その効果が無くなってしまうことが欠点である。練り込み用(内部用帯電防止剤)では練り込まれた帯電防止剤は少しずつ表面に浸出(ブリードアウト)してきて,帯電防止作用をもつ。

表面を洗浄しても,後からまたブリードアウトしてくるから,時間をおけば機能が回復する。しかし,樹脂によっては相溶性が悪く,なかなか均-に混ざってくれない場合もある。また
樹脂との相溶性が良すぎてもブリードアウトしにくくなり,具合がわるい。
ブリードアウトの特性は温度の影響を受け,温度が高くなれば速くなる。
またブリードアウトは高分子のガラス転移点以下の温度では起こりにくい。ブリードアウトするためには,帯電防止剤が高分子内部で拡散して行く必要があるが,分子鎖のミクロブラウン運動が凍結されている状態では拡散がほとんど起こらないからである。

ABSやPMMAなどの樹脂ではガラス転移点が室温より高いため,室温ではブリードアウトしにくい。これらの樹脂では,成形時にブリードアウトさせ,帯電防止l生を持たせるようにしているが,その後表面の帯電防止剤がふき取られると,室温では帯電防止匯が回復しにくい。
帯電防止剤が練り込まれた高分子の表面をコロナ放電処理やフレーム処理(炎による処理)すると,帯電防止効果が促進される場合がある。これは,これらの処理によって高分子表面の結晶が破壊され,帯電防止剤が表面に移行しやすくなることが原因であると考えられている。

また,処理によって高分子表面に極性基が導入され,これが同じような極性基を持つ帯電防止剤を引きつけるためとも考えられている。高分子はコロナ放電などで処理されると,それ単独
でも吸湿性が向上することから,この効果との相乗効果と見ることもできるかも知れない。
帯電防止剤は次の種類に分類されている。
① アニオン系帯電防止剤
② カチオン系帯電防止剤
③ 両性帯電防止剤
④ 非イオン系帯電防止剤
アニオン系帯電防止剤は,帯電防止効果は余り高くないが,表面の変色がなく,耐熱性にも優れている。カチオン系帯電防止剤は帯電防止効果が高いが,これで処理した高分子を変色させる場合がある。
両性帯電防止剤は,カチオン系とともに帯電防止効果が高い。非イオン系帯電防止剤は,帯電防止効果は余り高くないが,高分子への溶解性をよくでき,練り混み用として使用されることが多い。表1に帯電防止剤の例を示す。
この他に,錯化合物など界面活性剤系ではない帯電防止剤や帯電防止性の可塑剤なども研究されている。

表1 帯電防止剤の例

分 類 種     類
非イオン グリセリン脂肪酸エステル
ポリオキシェチレンアルキルェーテル
ポリオキシェチレンアルキルフェニルェーテル
XX-ビス(2-ヒドロキシェチル)アルキルアミン〔アルキルジェタノールアミン〕
y-2-ヒドロキシェチルーy-2ヒドロキシアルキルアミン〔ヒドロキシアルキルモノェタノールアミン〕
ポリオキシェチレンアルキルアミン
ポリオキシェチレンアルキルアミン脂肪酸ェステル
アルキルジェタノールアマイド
アニオン アルキルスルホン酸塩
アルキルベンゼンスルホン酸塩
アルキルホスフェート
カチオン テトラアルキルアンモニウム塩
トリアルキルベンジルアンモニウム塩
両  性 アルキルベタイン
アルキルイミダソリウムベタイン

プラスチック 帯電防止剤の効果|樹脂 界面活性剤の効果

プラスチックの帯電防止では、帯電防止剤を用いてプラスチック自体を導電化する方法が一般的であり効果的である。ほこり付着防止が目的であれば、表面固有抵抗値を少なくとも10¹²Ω台以下にすればよい。

従来から行われている方法としては、界面活性剤をプラスチックの表面に塗布する方法と内部に練り込む方法がある。これは、表面に存在する親水性の高い界面活性剤が空気中の水分を通して静電気を漏えいさせ、帯電防止性を付与するものである。

しかし、これらの方法では効果の持続性が乏しく、水洗いや布ふきなどで効果が低下する。また、空気中の水分吸着を利用しているため、湿度依存性が大きいなどの欠点もある。
これらの欠点を解消する方法として、カーボンブラックを導電性フィラーとして添加する方法がある。この方法は、プラスチック中に分散した導電性フィラーが電荷の通り道である導電回路を形成することで導電性を付与するものであり、効果の持続性や湿度依存性に優れている。

しかし、一般的に約20 ~ 30質量%の添加量が必要なため、衝撃強度などの樹脂物性の低下や外観不良、成形性の悪化などが発生する。さらに、フィラー自体の色の影響でカラフルな
着色ができず、処理コストも高くなるため、限られた範囲にしか使用できないといった問題もある。

ブリードアウトと帯電 |静電気防止剤

ブリードアウトとはフィルム体積中の各種添加剤が経時により凝集固化しフィルム表面にブリーミングし粉化する事です。フィルムを長期在庫時、袋の表面に粉のような物や白い斑点が付着しているのを一度や二度はご覧になっておられると思います。

帯電防止剤はブリードアウトすることによって帯電を防止する効果を発揮しますし、そのため、クリーンルームで帯電防止のポリ袋を使用する際は帯電防止剤を練り込んだタイプではなく、フィルムの樹脂そのものが帯電防止機能を持ったものが効果があります。

bleed out(染み出し)

樹脂 帯電防止剤の選び方|界面活性剤の選び方

ESD管理特性に加え、帯電防止剤を選択するにあたってのポイントは下記のとおり。

1.希釈特性         2.汚染要因

3.寿命と摩耗        4.減衰特性

5.使い良さ         6.経済性、コスト

7.抗菌性          8.人体、環境への影響

9.腐食性          10.水溶性

帯電防止剤を選択するための評価は、抵抗率、摩擦帯電特性、減衰特性、電荷の拡散特性などさまざまなものを指標として使用します。

しかし実際には、使用状況に合わせた指標を中心に評価を行うことになり、監査請求に使用される標準や規格、社内仕様書、顧客先の仕様書などで指定された試験方法、使用目的に合わせた適合基準値、そして最後に製品の設計寿命に合わせた、帯電防止効果の寿命試験を行うことになります。

この寿命試験は、最も重要視されるものであり、極論すれば帯電防止剤の新製品の開発は、ほとんどこの初期特性をいかに保持することができるかということになります。古くは、帯電防止剤を含む素材の寿命は、比較的短いと認識されていたために、多少の寿命があれば、恒久的とか半氷久的等という言葉を使用した、比較的寿命の長い帯電防止剤を含んだ材料もありました。

帯電防止剤、界面活性剤の選び方 |メーカー比較

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コルコート

液晶バックライト及び光学用レンズ、電子機器の設計制作、ケイ素化合物、静電気防止剤の製造、加工、販売。

1951年、世界で初めて透明でかつ耐摩擦性にすぐれたシロキサン膜を形成する静電気防止剤「コルコート」を開発。

静電気防止剤コルコート

スリーボンド |スプレー 帯電防止剤

スリーボンド(ThreeBond Co.,Ltd.)は、東京都八王子市南大沢に本社を置く、工業用接着剤などのケミカル商品を開発製造する企業である。

スリーボンド 帯電防止剤 透明 250ml TB2910B

●スプレーするだけで瞬時に静電気を除去します。
●長時間にわたって帯電を防止し続けます。

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価格:2,275円(税込、送料別)

界面科学をベースに開発した花王の帯電防止剤は、静電気をシャットアウトし、静電気による汚れ付着や成型ラインでの電撃障害を防ぎます。

スミコー | 住鉱潤滑剤株式会社

防錆剤、切削剤、離型剤、洗浄剤等の製造、販売

住鉱 スプレー(帯電防止剤) スミコー帯電防止スプレー 420ml

特長:●帯電しやすいプラスチックなどの絶縁物質にスプレーするだけで、配合の界面活性剤が空気中の水分を吸着させ電気を逃がします。

春日電機 静電気帯電防止剤 420ml イオライザー

主成分:IPA変性アルコール溶剤、ノニオン系界面活性剤、LPG
透明度に優れ、乾燥が早くて使いやすいです
表面への付着力・耐摩耗性・帯電防止に優れています。

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価格:1,123円(税込、送料別)

タキロン株式会社

合成樹脂および同製品ならびに合成樹脂被覆金属製品の製造・加工・販売

コートロン/帯電防止剤

プラスチック表面にホコリを寄せ付けにくい帯電防止剤

硬質塩化ビニールプレートのホコリの付着性が解消されます
無色透明帯電防止剤

【帯電防止剤】コートロン1000ml×12本【タ...

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価格:21,600円(税込、送料込)

松田硝子工業

熱可塑性プラスチックシート成型加工 及び 曲硝子・特殊硝子製造(防犯・防弾硝子)
前項製品への印刷・塗装・ハードコート・偏光・静電気帯電防止等

MX-50 表面塗布型帯電防止剤

MX-50は、食品衛生法・玩具安全基準にも適合している無公害の表面塗布型帯電防止剤で界面活性剤を主としていますが、従来の帯電防止剤にくらべはるかに耐熱性・持続性が良く、優れた帯電防止効果があります。
MX-50 帯電防止剤

関連記事:わかりやすい 現場実践 静電気除去 マニュアル

参考文献:
1.図解 静電気管理入門 著者:二澤 正行 工業調査会
2.静電気の基礎と帯電防止技術 著者:村田雄司 日刊工業新聞社
3.静電気の本 著者:高柳 真   日刊工業新聞社

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