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食品工場 製造工程の品質管理

食品工場 洗浄サイクル 食品工場の品質管理
食品工場 洗浄サイクル

食品工場の金属探知機

金属探知機の校正

 金属探知機は塩分や添加物の影響で、配合工程が進むと金属を感知する精度が落ちます。したがって、原料段で金属探知機にかけたほうが異物発見は容易になります。特に、肉類は原料段階で金属探知機、エックス線探知機にかけることで骨等の異物も除去できます。

 金属探知機の校正はテストピースで行います。テストピースは通常、Fe(鉄)、SUS(ステンレス)の2種類です。このテストピースを単純に金属探知機に流すところを見かけますが、製品と同じ容器に入れて流すことで、より正確な校正ができます。できれば、製品にテストピースを混入させたものを流すとより正確です。

 

 

一度金属探知機で除去したものはすべて使用しないことが重要です。そこまで信頼できるように金属探知機を校正する必要があります。

 除去されたものは、全作業終了後に何度か金属探知機に流してみて異物を発見します。その際、ビスやカッターの刃、金属の破片などが見つかった場合は、そのロットすべての出荷停止し、異物の発生した箇所を突き止めます。

 

ビスなら、ワッシヤーなどがあるはずです。すべての異物が発見できなければ、そのロットは出荷停止です。金属探知機を何度かかけて異物が全部ジグソーパズル式に揃わないかぎり、異物が入っていると考えて廃棄処置にします。

 食品工場 金属探知機 校正

食品工場 金属探知機 校正

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食品工場 洗浄状態の確認

食品工場 洗浄サイクルの確認

 品質管理は、下図の洗浄サイクルが回っているかを確認します。ポイントは、①サイクル自体が回っているか、②洗浄後、組立後の洗浄状況の確認と菌検査、そして③状況が悪いときの改善ができているか。これを毎日確認します。

 

器具設備の洗浄は作業終了後に行いますが、その洗浄が適切に行われているかを目視で確認します。洗浄終了後、ATP(アデノシン三リン酸)を使用した検査キットでタンパク質が洗浄されているかどうかを点検します。

 

洗浄終了時点では、拭取り細菌検査を行っても殺菌剤などが残っている場合があるので細菌検査は翌朝の組立て後に行います。使用開始前の拭取り検査は一般生菌数、大腸菌群を測定します。

食品工場 洗浄サイクル

食品工場 洗浄サイクル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注意が必要なのは、設備で回転など可動するところは可動させてから測定することです。回転を始めると、回転部分の洗浄が不充分な場合は菌が検出されます。

 

包装工程の設備は、その設備を通過した前後の製品検査が有効です。ハムのスライサーなら、スライス前のハムとスライス後のハムの細菌検査を行って菌数を比較すればスライサーの汚染が明確になります。

 

洗浄殺菌方法を検討

 細菌検査、目視検査で異常値が出た場合は、洗浄方法を検討します。検出された菌が熱に弱い菌なら、その菌を試験管に入れて、現状の洗浄殺菌の条件で細菌が死滅するかが大切な点になります。

 

殺菌に使用している塩素等の殺菌剤の濃度が適切かを検討する必要もあります。
洗浄殺菌後、設備を保管している場所が適切かどうかも落下菌検査をして検証を行います。
 清掃専門チームで洗浄している工場もあります。製造チームは製造が終わりしだい帰宅し、清掃専門チームが洗浄を行います。ファーストフードの店舗でも深夜に清掃専門チームが洗浄をしているところもあります。
 清掃専門チームが情掃することで、製造チームは製造に集中することができ作業効率が上がります。両チームとも作業に適した服装をすることができるため、製造効率、衛生状態が向上する場合があります。

食品工場 洗浄チーム

食品工場 洗浄チーム

 

 

 

 

 

 

 

 

食品工場 ペスト管理

ペストコントロールは工場管理の指標

 
 細菌検査では大腸菌群の検査を行います。なぜ、大腸菌群の検査かというと、検査が非常に簡単なためです。

簡易法を使えば、ガス発生を確認するだけで陽性と判断できます。二つ目は、人糞を検査すれば必ず陽性になることです。大腸菌群が検出されれば糞尿に近いところに作業場があると判断できます。ペストが飛んでいることも、工場の衛生状態の指標として使えます。

日常点検で自分がペストの気持ちになって工場に侵入できないかを考えます。ドアが開いていれば当然侵入できます。スイングドアなどは作業上、いちいち開けるのが面倒という理由で、開け放しにしている風景をよく見ます。ゴミ箱のゴミも、作業終了後ゴミ置き場に運んでいるかを確認します。
 作業終了後、作業場にペストが侵入しても食べるもの(食物残滓)がない状態にしなくてはなりません。蚊などのペストが生息すれば、クモも生息します。クモの巣が張っている包装室でマスクをして作業していても衛生的な包装室とは言えません。

 工場内に侵入した飛翔昆虫は捕獲しなくてはなりません。捕獲するために、捕虫機を各作業場に設置していますが、捕虫機の電球が切れている場合があります。

 

これではせっかくの捕虫機が飾りになってしまいます。捕虫のためのテープにペストが多数付いていて効果がない場合も同様です。入出荷口のドックシェルターの配送車と隙間が開いているとペストが侵入してきます。

ペスト 侵入防止管理

ペスト 侵入防止管理

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*食品工場の品質管理については下記の文献に更に詳細の内容が記載されています。

 

参考文献:

ビジュアル図解 食品工場の品質管理  河岸 宏和 (著)

生産性向上と顧客満足を実現する 食品工場の品質管理

  弘中 泰雅 (著)

実践!!食品工場の品質管理   矢野 俊博 (編集)

 

 

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