PDPC法

PDPC法-打開策

PDPC法とは

PDPC(Process Decision Program Chart)は過程決定計画図といわれ、近藤次郎博士が開発した手法です。
問題解決をしていくうえで、情報不足や環境などの変化による不測の事態をあらかじめ想定して、不測の事態が発生したときの対応策を計画に織り込み、問題解決への望ましい結果にいたる過程を定める手法です。

とくに、新製品・新技術の開発段階で不測事態の発生が予測される場合や、営業の受注活動のように相手先の事情や競合企業との関係など、受注獲得段階で予測困難な事態が起こり得る場合に活用するのが効果的です。

PDPC法には、計画時に不測事態を想定して、その打開策を事前に幾通りか考え目的を達成する「強制連結型PDPC」と、不測事態の発生都度打開策を考えて、最悪の事態を回避する「逐次展開型PDPC」の2つがあります。

まずは、気楽にスタートからゴールまで書いてみます。そして、いろいろな人たちの意見を聞いたりして修正を加えていきます、リスク検討を行うとき、リスクマトリックス図などを作成して、PDPCに書き込んでいきます。

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PDPC図の作成例と留意点

PDPC法は、解析手法というより発想手法であり、図の作成にも決まった方法はありません。

作成の留意点としては、

①PDPCを作成するにあたって、必要な方策や起こり得る不測事態をできる限り網羅するためには、数人のグループを編成して行なうのが効果的。

②実行段階で当初予期しなかった事態が発生したときに対応できる体制を確保していくことなどが挙げられます。

PDPC図の作成例は下記のとおり。

PDPC法-事例

PDPC図 作成 要点

PDPC法-要点

強制連結型PDPC図の作り方 事例

好ましい状態に導くための強制連結型PDPCの作成は下記のとおりです。

目的を決める

達成したい目的を決めます。PDPCを作成する目的となるものは、計画が進行する過程で、さまざまな不測事態が予想され、簡単には目的を達成できないと思われるものを取り上げます。

目的が決まれば、PDPCを作成するにあたっての条件を確認して、計画の出発点とゴールを明確にします。出発点とゴールは、太い二重の長円で囲んで用紙の中央に書きます。

ここでの目的は、”企画提案書を完成させる“です。出発点は、「企画書を作成する」とし、ゴールを「企画提案書の完成」としています。

PDPC法-目的

楽観的なルートを作成

出発点からゴールに至る楽観的なルートを作成します。このルートが理想的な計画ルートです。
出発点からゴールまで、比較的成功するであろうと考えられる実施結果の事象と、それに対する実施事項を書き出していきます。このとき、一人よりも多数で検討すると、実施事項の漏れがなくなると同時に、いろいろな不測事態を引き出すことができます。

ここでは、「企画書を作成する」という出発点から、「目的・ニーズの把握」を行い「コンセプトの作成」を行います。その結果、「コンセプトが完成」という事象になります。その後、「具体的な設計」が行われ、「コスト評価」もクリアし、「最適策の設計」という事象を経て、ゴールとなる「企画提案書の完成」を達成することができます。

このルートが、楽観的ルートであり、理想的な計画ルートです。

PDPC法-楽観的ルート

PDPC 作成記号 統一

PDPCを作成するときに使う記号は、関係者に共通の認識を持たせることから、統一した記号を使う方がべターです。
出発点とゴールは、二重長円で表示します。

途中のプロセスでは、実施事項を長方形で表し、実施事項を実施した結果となる事象を一重長円で表します。

不測事態が予想されるところはひし形で表し、不測事態を打開する打開策は、実施事項と同じ長方形で表します。

実施事項と事態の進展を表す経路は、で繋ぎます。

PDPC法-記号統一

不測事態 想定

楽観的ルートにある実施事項の結果、不測事態が予想される場合に、それらの事象を挙げます.このポイントをデシジョンポイントといいます。

不測事態ルートでは、できるだけ多くの事象とその打開策を講じておく必要があります。
ここでは、「コンセプトの作成」という事象で、「コンセプトが作成できない」という不測事態が考えられます。このとき、「コンセプトの作成」がひし形に変わり、不測事態が枝分かれします。

また、「コスト評価」で、予定コストで可能なら基本ルート(下部へ)へ行きますが、コストアップになった場合、「コストが高い」という不測事態になり、「コスト評価」がひし形に変わり、経路が枝分かれします。

PDPC法-不測事態

打開策 検討

不測事態が発生した場合は、本来の楽観的ルートから外れます。したがって、楽観的ルートヘもどすべく打開策を考えます。
ここでは、「コンセプトの作成ができない」という不測事態に対して、「関係者と協議」といった打開策を立てています。

そして、「関係者と協議する」ことによってコンセプトができれば、楽観的ルートの「コンセプトが完成」に戻ります。「関係者と協議する」を行ってもコンセプトができない場合を想定するならば、さらに打開策を考えておく必要が出てきます。

ただし、あまり神経質になってすべての実施事項や打開策の不測事態を考えてしまうと、PDPCが複雑になってしまい、収拾がつかなくなります。計画時は、適度な不測事態で止めておくことも必要です。

PDPC法-打開策

最悪を回避 逐次展開型PDPC図の作り方 事例

最悪の事態を回避する逐次展開型PDPC図の作り方は下記のとおり。

問題の初期の状態と最悪の事態を想定

ある問題が発生した時に自体の進展によっては甚大な被害が予想されるものを取り上げて、最悪の事態を回避する防止策をPDPCで検討する方法があります。

例えば、「会社の携帯電話を電車の中に置き忘れた」という事態が発生したとします。このとき、起こり得る事象に「拾つた人が警察に届ける」ということが考えられます。

このケースでは、携帯電話が無事手元に戻つて事なきを得ます。しかし、「見つけた人が持ち去る」ケースを考えてみると、最悪の事態では、携帯電話に登録されているお客様データを悪用されることも考えられます。また「そのまま座席の間に入り込む」ことも考えられます。

PDPC法-逐次型1

防止策 検討

手順1で「拾つた人が警察に届ける」ということになれば、そこで完了です。しかし、「見つけた人が持ち去る」ケースでは、ゴミ箱に捨ててしまうことも考えられますが、問題は「不正通話」と「お客様データ不正使用」です。

不正通話については、取るべき対策として、「携帯電話会社に紛失と通話停止の連絡」を一時も早く行えば、不正通話ができなくなります。

しかし、お客様データ不正使用については、登録されている電話番号を使つて詐欺行為に使用されることが予想されます。このことに関しては、できるだけ早く登録されているお客様に、携帯電話紛失とお詫びの連絡を行いますが、中には連絡漏れも発生することが予想されます。

まず初期の状態が起こらないようにするためには、携帯電話を自分の体とつなげるよう、首から下げるストラップを付けるとか、シャツのポケットにクリップで留める鎖を使用することが予防策になってきます。

PDPC法-逐次型2


参考文献:
図解 よくわかるこれからの品質管理 著者:山田 正美

図解入門ビジネス新QC七つ道具の使い方がよーくわかる本 著者:今里健一郎

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