工程能力 process capability
安定した工程の持つ特定の成果に対する合理的に到達可能な工程変動を表す統
計的測度.通常は工程のアウトプットである品質特性を対象とし,品質特性の分
布が正規分布であるとみなされるとき,平均値±3σで表すことが多いが,6σで
表すこともある.また,ヒストグラム,グラフ,管理図などによって図示するこ
ともある.工程能力を表すために主として時間的順序で品質特性の観測値を打点
した図を工程能力図(process capability chart)という.
備考:“合理的に到達可能” とは,経済的・技術的にみて到達可能であることを意味する.」(Z 8101-2)
設計品質に合致した製造品質を得るために設備・機械,原料,燃料,材料・部
品,作業者及び作業方法などに対して行われた条件設定の結果として,「一定期
間継続が期待される安定状態の工程において,経済的ないしその他の特定条件の
許容範囲内で,到達しうる工程の達成能力の上限」のことであり,工程の実績と
は異なる.
対象とする工程の工程能力は,その安定状態の継続する期間により短期工程能
力と長期工程能力に,また安定状態の意味の広狭から静的工程能力と動的工程能
力とに分類することがあり,目的や利用の仕方によって使い分けることが必要で
ある.
評価尺度としては通常工程能力指数が用いられるが,種々の新しい評価尺度が
提案されている
工程育能力指数 process capability index
特性の規定された公差を工程能力(6σ)で除した値.
備考:製品規格が片側にしかない場合,平均値と規格値の隔たりを3σで除した値で表現することもある.」
工程能力の評価尺度の一つ.Cpで表し,一般的な評価基準は次のとおり.
Cp>1.33 :工程能力は十分.
1.33≧Cp>1:工程能力はあるが不十分.
1≧Cp:工程能力不足.
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