リスクアセスメント
リスクアセスメント(英: Risk assessment)とは、リスク特定、リスク分析、リスク評価を網羅するプロセス全体をいう。
現場にある潜在的な危険(リスク)を事前に見いだして点数化し、危険度の高い箇所から順に安全対策を講じる手法。労災事故対策などで主に用いられるが、JR西日本が2008年に全国の鉄道会社で初めて導入した。
リスクアセスメント
1 リスクアセスメントとは
リスクアセスメントとは、事業場にある危険性や有害性の特定、リスクの見積り、優先度の設定、リスク低減措置の決定の一連の手順をいい、事業者は、その結果に基づいて適切な労働災害防止対策を講じる必要があります。労働安全衛生法第28条の2では、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置」として、製造業や建設業等の事業場の事業者は、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務とされ、その適切かつ有効の実施のために、厚生労働省から「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が公表されています。
2 リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の内容
- [1]事業場のあらゆる危険性又は有害性を洗い出し、特定する。
- [2][1]による労働災害(健康障害を含む)の重篤性(災害の程度)及びその災害が発生する可能性の度合を組み合わせてリスクを見積る。
- [3][2]の見積りに基づくリスクを低減するための優先度を設定した上で、そのリスクを低減するための措置(リスク低減措置)を検討する。
- [4][3]のリスク低減措置を実施するとともに、その結果を記録する。
なお、上記[3]の「リスク低減措置」は、次の順位で検討することとされています。
- (i) 法定事項
- (ii) 危険な作業の廃止・変更等により危険性又は有害性を除去又は低減等の本質的対策
- (iii)インターロック、局所排気装置等の設置等の工学的対策
- (iv)マニュアルの整備等の管理的対策
- (v) 個人用保護具の使用
3 リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の効果
事業場では、次のような効果が期待できます。
- [1]職場のリスクが明確になります。
- [2]職場のリスクに対する認識を管理者を含め、職場全体で共有できます。
- [3]安全対策について、合理的な方法で優先順位を決めることができます。
- [4]残されたリスクについて「守るべき決め事」の理由が明確になります。
- [5]職場全員が参加することにより「危険」に対する感受性が高まります。
4 リスクアセスメントに係るその他の指針
危険性又は有害性等の調査に関する指針のほか、化学物質の取扱に係るリスクアセスメントについては「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が、機械や設備の製造者が行なうリスクアセスメントについては「機械の包括的な安全基準に関する指針」がそれぞれ、厚生労働省から公表されています。事業者は、これらの指針の基づいて適切にリスクアセスメントを行うことが必要です。
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