- クリーン・ルーム clean room 【イラスト図解】
- クリーン・ルームとは
- クリーン・ルームの目的
- クリーン・ルーム クラス(清浄度)について
クリーン・ルーム clean room 【イラスト図解】
英語:clean room 中国語:无尘室
クリーン・ルームとは
ゴミ、チリを可能なかぎり除去した部屋のこと
空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、また、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われている空間。
インダストリアルクリーンルーム
工業品の製造工程で用いるクリーンルームであって、主に空気中における浮遊微小粒子が管理された空間
バイオロジカルクリーンルーム
主としてバイオテクノロジーの分野で用いられるクリーンルームで、主に空気中における浮遊微生物が管理された空間。
備考:層流式治療室、層流式手術室なども含まれる。
クリーン・ルームの目的
クリーンルームの定義は「空気中に浮遊する微粒子や微生物が限定されたレベル以下の清浄度に管理されており、不純物やゴミを持ち込まないようにするための部屋」です。簡単にいうと、目に見えない細菌や、視認しにくい小さなホコリなどを取り除き、製品に付着するのを防止するために使用します。なお、微粒子とは極めて小さな粒子を意味する言葉で、その大きさは肉眼で確認できる限度の100分の1程度です。微粒子は一般的な空気調和設備のエアフィルタでは完全に取り除くことができません。そのため、クリーンルームは設計の段階で、細菌や微粒子を外部から取り入れず、内部でも発生させないための工夫がされているのです。
たとえば、クリーンルームの外からゴミが入り込むことがないよう、室内の圧力を制御したり、気流の分布や風の向き、速さなどを調節したりできます。また、クリーンルーム内で作業を行う人が汗をかいて、製品に付着させることがないよう、温度や湿度を管理し、快適な状態を維持することも可能です。さらに、薬剤や清浄水を使用して室内の微粒子の濃度を調節する機能もあります。このように、クリーンルームは用途に応じて、温湿度や圧力、静電気、電磁波、振動、ガス成分などの環境条件を制御することができるのです。しかし、クリーンルームの環境を整え、維持するためにはそれなりの費用をかけなければいけません。ただし、清浄度や大きさによって、設置や維持にかかる費用は変わります。
クリーン・ルーム クラス(清浄度)について
クリーン・ルーム内の空気中の微粒子がどの程度少ないか、つまりどれくらいゴミがないのか?
これらについての規格がクラス(清浄度)です。クラスの示す尺度は、単位体積に含まれる粒子の数で示されます。
現在クラスについては国際統一規格であるISO規格に移行されています。
ISO規格では1m3当たりの空気中に0.1μm以上の粒子が基準になっておりISOクラス1~9までクラスを分類しています。ただし業界では以前より広く慣用されている米国連邦規格を使用する場合が多い状況です。
米国連邦規格では1立方フィート(約30.5cm 四方)の空気中に含まれる0.5μm以上の大きさの粒子の数がいくつかで、クリーンルームのクラス分けをしています。
例えば、0.5μm微粒子が1立方フィートのなかに100個以下の場合はクラス100、0.5μm粒子が10,000個以下の場合はクラス10,000となります。
空気清浄度クラスによる測定粒径と上限濃度
作業内容による清浄度クラスの目安
クリーンルームの清浄度クラスは数字が小さい方が高い清浄空間となるので良いですが、設備費、運転費は高価となります。
よって、業種や作業内容などにより、製品に求められる要求、歩留まりなどを考慮して清浄度クラスが決定されます。
清浄度クラスのレベルはおおよそ下記のとおりです。
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