三現主義 【イラスト図解】
英語:three real -ism
三現主義 とは
現場、現物、現実の3語をまとめた表現で経営管理や改善の基本が現場で現物を見ながら現実的に検討することが重要である事を示している。
現場、現物、現実という言い方や原理、原則を加えて5元主義という表現もある。
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
三現主義と五現主義の違い
三現主義とは、3つの“現”を大事にする考え方です。3つの“現”とは、現場、現物、現実の3つです。
現場・・・必ず現場に足を運び、
現物・・・必ず現物を手に取り、
現実・・・現実を自分の目で見て確認する。
あらゆる仕事や問題解決においては、この三現主義の考え方が非常に大切です。
しかし、三現主義だけでは、具体的な課題や解決策がわかりにくい、三現主義は古いのでは?といった声から生まれたのが、五現主義です。
五現主義とは、三現主義の「現場・現物・現実」の3つの行動に、「原理・原則」の2つの行動を加えた考え方で、いわば三現主義の進化系。
『原理』とは、物事が依拠する根本的な法則のこと。
『原則』とは、原理から生み出される活用上の規則や決まりのこと。
三現主義 トヨタやホンダの事例
三現主義の改善事例として、トヨタ自動車とホンダの事例を解説。
トヨタ自動車の事例
トヨタ自動車は、豊田自動織機製作所を設立した豊田佐吉氏の時代から、現地現物主義を採用しています。その思想はトヨタ 生産方式(TPS)として現在の代表取締役会長の豊田章男氏へと脈々と受け継がれ、肩書よりも実際に現場で現物を見て、現物を知る人が強いというカルチャーが根づいています。
トヨタ自動車はデジタル技術の導入にも積極的に取り組み、日本の製造業の未来を牽引する存在でありながらも、現地現物主義をアップデートしながら事業の中核に据えているのです。
ホンダの事例
ホンダも、三現主義を取り入れた現場改善の取り組みを行っています。
1992年に発行された『ホンダフィロソフィー』では、5項目の運営方針のひとつである「不断の研究と努力を忘れないこと」に関して、研究と問題解決のうえでの重要な考え方として「三現主義」が掲げられ、直接的な経験が問題解決の知恵を生むと記しています。入社時研修など様々なシーンにて、三現主義にもとづいた運営はいまも継続しています。
また、コロナ禍が落ち着いてきた2022年4月には、三現主義にもとづき、リモートワークをとりやめて原則出社とする方針が打ち出されました。対面でのコミュニケーションを重視し、イノベーションの創出を促すことが理由とされています。
ブックマーク