- 工程管理 process control 【イラスト図解】
工程管理 process control 【イラスト図解】
英語:process control 中国語:工程管理
工程管理とは
「工程の出力である製品又はサービスの特性のばらつきを低減し,維持する活動. その活動過程で,工程の改善,標準化,及び技術蓄積を進めていく.」
(Z 8101-2)
通常,工程管理とは,決められた品質, 納期,コストを実現することをいうが,品質管理では,「品質は工程で作り込む」 との観点から特にこのようにいわれる.
工程の管理が適切さを欠いたり,不十分であったりという状態では,どんなに厳重な検査が実施されていても品質の確保は困難なものとなるし,何よりもコストアップにつなかってしまう.
そこで,工程管理を確実に実施するためには,まず工程管理計画の策定が必要である.通常,工程管理計画には以下の点に留意しなければならない.
①工程において作り込むべき「品質」の明確化.
②管理基準の制定.
③品質達成状況の確認方法の決定.
④検査方式の決定.
⑤品質管理工程表の作成
こうした工程管理計画に基づいてPDCAのいわゆる管理のサイクルを回しながら,工程の安定化を図ることとなる.
工程管理を実施していくうえで,よく 管理図が利用される.管理図による工程管理では「操業条件を確立していって,工程の結果として生まれる品質(管理特性値)の挙動を予測することが可能な」工程とすることがめざされる.
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
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工程管理の3要素は
ものづくりにおける重要課題のひとつは、「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の向上です。 この3要素は、それぞれの頭文字をとって「QCD」と呼ばれています。
工程管理と進捗管理 違い
工程管理では、計画・設計・生産・評価・改善など幅広い要素を調整し、生産性と品質を向上させます。
進捗管理は、プロジェクトの進行状況をリアルタイムで監視して計画通りに進めるためのツールであり、遅延や問題を早期に検出してリスクを最小化します。
工程管理と進捗管理が混合されがちな理由は、どちらも納期内に生産目標を達成することを重視している点にあります。共通の目的があるのは事実ですが、その管理方法や内容には少し違いがあります。
違い 管理している範囲
工程管理と進捗管理の最大の違いは、管理している範囲にあります。工程管理とは、効率的に生産目標を達成できるように、労働力・設備・資材などを幅広く管理することです。生産工程全般を管理範囲とするため、生産計画の立案から実施、評価、改善案の作成まで幅広く行います。
一方、進捗管理とは、業務が滞りなく計画通りに進んでいるかを管理することです。主にスケジュール管理がメインの役割で、作業の遅れなどが生じていないかを常に把握する必要があります。具体的には工程管理の方が管理する範囲が広く、進捗管理はその中に含まれている、狭義の管理方法であるともいえます。
業務内容や役割
工程管理も進捗管理も、計画立案や実施をしながら、生産工程の調整をする点は同じです。しかし、それぞれを細かく見てみると、業務内容や役割に違いがあることがわかります。
工程管理で重視しているのは、各工程が問題なく進行しているかどうかや、過不足なく生産されているかという点です、トラブルがあれば、原因究明や改善案の立案・実施まで行います。
一方、進捗管理はスケジュール通りに生産が進んでいるか、納期遅れの可能性がないかを、主に管理することが目的であり、生産工程の見直しや改善案の立案まで深く踏み込むことは少なく、スケジュール管理とタスク配分の見直しに重点をおいていることが特徴です。
工程管理と生産管理の違い
工程管理と生産管理では、管理している範囲に違いがあります。 両者ともに製造に関わる内容ですが、工程管理は納期の管理を中心にしているのに対し、生産管理は生産ライン全体といったより広い工程範囲をカバーします。
生産管理の扱う範囲は、販売計画から材料の仕入れ・製品の出荷・売上管理まで、製品に関わるすべての流れを管理します。
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