正しい 安全靴サイズの選び方
安全靴サイズの選び方 |痛くない、疲れない靴の選び方
安全靴は,市販の靴に比べて足囲(ウィズ)が3E~4Eとゆったりしています
が,つま先に先しんが装着されているため,スニーカーなどから履きかえる場合
は,以前の靴のサイズでは合わない場合がありますので,試し履きなどによって
確認するとよいでしょう。
次に安全靴の選び方のポイントを説明します。
① 普通に立った状態で足を入れ、全体のフィット感をチェックして下さい。足に圧迫感があったり、どこかが当たったりする場合は、サイズを1サイズ上げて再度チェックして下さい。
② 靴ひもを締めないで、足を前一杯に移動させ、かかとに人差し指が軽く入るか確認し、入らない場合は、サイズを1サイズあげて下さい。
③ 靴ひもを締め、親指のくびれた部分に先芯の後端部が来る事を確認して下さい。およそ合致してればOKです。
④ 足の一番広い部分と、靴の一番広い部分があっているかを確認して下さい。この部分が合わないと、足に圧迫感があったり、靴の中で足が前後に動きやすくなってしまいます。
⑤ 実際に歩いてみて、左図の○部分に強い圧迫感がない事を確認して下さい。
かかとの高さは適当かを確認します。
低すぎると長時問作業でふくらはぎが疲れます。
高すぎると足が前に行きます。
上記の点を確かめながら試し履きをしていく。
また、そのほかに必ず両足を入れるようにする。
なぜなら左右の足で違いがあるからです。
片足で立つ、しゃがむ、少し歩くなどの条件を変えて問題がないか確認することも必要です。
靴のサイズを選ぶ時間帯は一般的に午後3時くらいが良い。
それは、ある程度の疲労感がある方が、フィッティングの善し悪しに敏感に反応するからです。
正しい足のサイズの測り方 | JIS(日本工業規格)の靴のサイズ規格
足長 測定
踵→一番長い指の爪先(人差し指が長い方は人差し指の先、親指が長い方は親指の先)までの長さを測定。この長さが”足長”となります。
足幅 測定
親指の付け根部分の一番出ている点と小指の付け根にある一番出ている点の長さを足の裏で一直線に測定。
この長さがいわゆる靴の”足幅” となります。
足囲を測定
親指の付け根と小指の付け根の関節部(一番に出ている点)を、巻尺を使って一周させた長さを測定します。
この長さがいわゆる靴の”足囲”となります。
靴のサイズは足の長さ、足の太さにも関係します。
日本の靴のサイズはJIS(日本工業規格)に基づき足の長さ(足長)と太さ(足囲)、及び(足長)と(足幅)に二箇所の寸法を表示するよう規定されています。
表の左の縦列が足長で、A,B,Cのアルファベットの下に示される横列が足囲と足幅の数値になります。良く23Eなどと表示されていたりしますが、それは足長と足囲を表示しているにすぎず、履きやすさの目安ではないのでご注意ください。
男性用 靴サイズ表
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女性用 靴サイズ表
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安全靴の手入れ、保管、点検及び交換
安全靴の手入れ:
泥、粉塵がつくと、汚れ、シミ等で革が硬化しますので定期的にブラシをかけ、少なくとも3日に1回はクリームを塗布し、革に栄養を与えます。クリームを塗って革の表面に薄い膜をつくり、キズや汚れを防ぐことが大切です。又靴底の泥や小石の詰まりは、ブラシのようなもので時々落とします。
①柔軟なクロスやブラシでホコリや汚れを落とします。
参考画像出典先:ミドリ安全サイト
②安全靴は、莫大小地などに靴専用クリームをとり、靴全体にうすく伸ばし、磨きクロスで拭きあげる。汚れのひどい場合、人工皮革製のものは、靴専用のローションクリームで汚れを落とします。安全靴は、その後は、靴クリームを塗って拭きあげます。
③安全靴が湿っていた場合は、水分を含ませた雑巾で汚れを落とし、乾い雑巾で表面の水分をとってから靴の中に新聞紙をつめ、陰干し、自然乾燥させます。
乾いた後は②に応じて手入れを行う。靴の表面に白い粉などが吹き出した場合は石けん水で拭き取った後に、②の手入れを行う。
安全靴の使用上の注意、保管
安全靴は,使用および保管に際して次の事項に注意して下さい。
① 甲被や表底が著しく損傷した安全靴は,速やかに交換すること。
② 衝撃,圧迫を受けた安全靴および足甲プロテクタは,外観のいかんにかか
わらず速やかに交換すること。
③ 着脱式足甲プロテクタは,安全靴の先しんの後端にプロテクタ本体が3mm
以上重なるように取り付けること。
④ 表底が発泡ポリウレタンの場合は,熱や溶剤,酸,アルカリ性薬品などに
よって溶解,分解をおこすことがあるので注意すること。
なお,溶剤などの薬品が付着した場合は,速やかにふき取ること。
⑤ 表底が発泡ポリウレタンの場合は,加水分解性があるので,高温多湿,直
射日光を避け風通しの良い日陰で乾燥させておくこと。
JIS T 8101 (安全靴)では,前記事項を含む注意事項は,靴に「取扱説明書」と
して添付するかまたは包装材(個装箱など)に表示することに規定されています
ので,確認しましょう。
点検と交換の目安
安全靴は,始業時に異常がないかの点検をしましょう。
また,長期間使用していない安全靴を使用する場合には,靴底を曲げてひび割
れなどの劣化がないか確認しましょう。
安全靴は作業環境によって耐久期間に大きな差が生じますので,安全靴の交換
の目安は,外観状態によって判断することになります。
安全靴の外観状態による交換の目安としては,次のとおりです。
① 甲革に著しい傷や破れが発生したもの
② 先端部の甲革が破れて,先しんが露出したもの
③ 甲革と靴底部の接合部分の革が破れているもの
④ 靴底の剥がれがあるもの
⑤ 靴底が割れたもの
⑥ 靴底の摩耗が著しいもの(底意匠がなくなっているもの)
この他に安全靴のつま先部に重量物が乗ったり,つま先部が重量物の落下で衝
撃を受けたような場合,外観的に変形が認められなくても先しんの強度が低下し
ている可能性がありますので,交換しましょう。
靴と足と健康
歩行の効果
歩くことは、身体全体の全ての部分が連動する全身運動です。
呼吸する事により心肺機能が向上し、酸素を取り込んだ血液が、脳細胞を浄化して、頭が爽快な気分になります。
足の筋肉を使うことにより大脳への刺激反射も良化し、認知症に予防になります。
歩行することにより、肥満の防止になります。
足の構造
歩行する事により、足の下の筋肉が血管を収縮させ、血液を心臓に押し戻す働きをします。
ポンプの働きを果たすわけで、第二の心臓と言われます。
人間の骨は約200のパーツから構成されおり、そのうち約1/4が足首から下に集中しています。
人間の足は複雑で精密な構造を持っています。人間が二本の足で立ち、歩き、走るといった人間独自の働きが可能なのもこれらの骨と筋肉、靱帯、神経の総合作業なのです。
靴の設計は、足の構造を緻密に研究することからスタートします。
人間が2本の足で立ち、前後左右、自由に身体の移動ができるのも足に3つのアーチがあるお陰です。足の内側アーチ、外側アーチ、前足横軸アーチ、これからの3つのアーチが、歩行時にクッションの働きをします。
長時間、足に負担がかかり続けると、足全体、特に「舟状骨」が下がり土踏まず部分のアーチが体重を支えきることができません。アーチがクッションの働きを失って低くなる、いわゆる「ベタ足」状態です。こうなると歩幅が小さくなり、疲れが溜まり、やがては足の痛みに、さらには腰や肩、内臓まで悪影響を与えます。
参考サイト:ミドリ安全 足の構造より
フィッティングポイントを知る
自分の足に合ったサイズを選ぶための簡単な調整ポイントを紹介。
実際に靴を履き、次の5個のポイントを確認してください。
フィッティングポイント
参考サイト:リーガルコーポレーション
爪先の余裕
歩行時は足が靴の中で前後に動くので、つま先に余裕がないと指がぶつかります。靴の形によって異なりますが、余裕の目安はおよそ1~1.5cm。
また、指の上にも少し隙間が必要。指が押さえつけられると、指の関節上面に「たこ」ができ、指の間に「魚の目」ができ、爪や骨が変形する恐れがあります。
靴の幅は、親指と小指が側面から圧迫されず、若干、触れている程度が良好です。
靴の幅と足の曲がる位置
親指と小指のつけ根の関節部を一回りした長さ(足囲)に無理がないか確認。
甲革が足の形に張り出す場合は、幅のサイズアップを推薦します。
また、爪先に重心を掛けた時に甲部に不自然なほど深いシワが出来るようであれば、足囲に対して靴幅が大きいというサインです。
靴のデザインにより異なりますが、基本的には足の甲に靴がフィットしていることが重要です。さらに、足が曲がる位置 と靴のアーチの基底(幅がもっとも広いところ)とが同位置であることも確認してください。
土踏まづがフィット
足長は同じでも、アーチの長さは個人差があります。アーチを中底とアッパーが支え、締めつけも緩みもない状態が重要です。土踏まずのアーチ部は、軽く足に触れている程度がグッド。
土踏まづの長さがあわない状態で靴に体重をかけ、歩くと、靴の形が崩れ、そのために歩行のバランスが狂って疲労しやすくなります。
くるぶしが履き口にフット
口廻り(トップライン)が、外側のくるぶしにぶつからず、フィットしていることが重要です。離れすぎていると靴の形が悪く見えるばかりか、歩行しにくくなります。
かかと、アキレス腱への圧迫
足を前方に押しつけたとき、かかとと靴の間に小指の第一関節まで入る隙間があればグッド。そしてヒールの真上と重心がくることが重要です。
かかと全体が包括し、安定した感触を得られるがポイントです。
*保護具グッツについては下記の文献に更に詳細な内容が記載されています。
参考文献:
1.保護具ハンドブック 社団法人 日本保安用品協会編
2.知っておきたい保護具のはなし 田中 茂 著
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