FMEAとは | 故障モード影響解析
(Failure Mode Effect Analysis:故障モード影響解析)信頼性予測のひとつであり、従来、簡単な新製品開発の設計では故障予防のために主任設計者が自分の経験、知識を活用して開発してきたことを複雑な製品、システムを開発する場合は多くの専門的な知識が必要となるために開発者全員の衆知を合理的にミスが生じないにするために考え出された系統的な手法のこと
■FMEAの手順
FMEA記入用紙を作成し手順に従って次々と項目の検討を行い、結果を記入する
①もしこの部品が故障したら
②どんな故障が発生するか
③それは組み立て品にどんな影響を与えるか
④それは製品にどんな影響をあたえるか
⑤それはどの程度重要か
⑥それはどんな予防対策をすればよいのか
事例:
■信頼性ブロック図
部品の故障の影響を調べる場合に使用するものが信頼性ブロック図であり、「システムを構成する部品間の
機能の接続状態を示す線図」であり一目でシステムの構成が把握できる
FATとは | 故障の木の解析
(Failure Tree Analysis:故障の木の解析)
故障の因果関係を論理記号を用いて樹形図にしてわかりやすくした図式解析手法のこと
信頼性版の特性要因図である
■FT図の論理記号
FT図で使用される論理記号は下記のとうり
■FT図の作成手順
①製品(システム)の故障を選定する。
②製品構成図を参考として見ながら故障の原因をサブシステム、部品まで展開する。
③上記で得られた故障と原因の因果関係を論理ゲートを用いて図を作成する。
④解析評価する
■FT図の事例
ワイブル分布 | ワイブル解析 | 故障率データー解析エクセルファイル
電線の導体や絶縁体の破壊データーの統計的性格は、正規分布になりません。つまり、正規分布を 前提にした、平均と標準偏差の関係が役にたたないのです。何故かというと、破壊現象は、材料の最も 弱いところにできた損傷が一気に拡大するというメカニズムですから、材料の平均的な性格とは関係なく、 最弱点だけで決まるためです。
具体的なイメージとしては、鎖の破断を考えていただくと納得できると思います。 鎖の強度は、個々の環の強度の平均値で決まるわけではなくて、最も弱い環だけで決まります。
1939年、スウェーデンの技術者 W.ワイブル は、工学者らしい、技術的直観を併用して、鋼のテストピース389本について許容応力値を実測し、下記の強度分布(強度が x 以上になる確率)を導き、鋼鉄の許容限界 応力の実測値とよく一致することを示しました。
位置パラメータと形状パラメータ
γ は「位置パラメータ」と呼ばれ、破壊に至らないストレスになります。α は「尺度パラメータ」と呼ばれ、 スケーリングを決定。
m は「形状パラメータ」と呼ばれ、分布の形を決定します。
γが変化すると曲線の始まる位置が変化します、αが変化すると曲線は横方向に伸び縮みします。 しかしγ、αが変化しても本質的な意味(初期故障、偶発故障、磨耗故障)は変わりありません 本質的なのはmです、そこでワイブル分布の式でαを1にし、γをゼロにして固定した式が下記の式です
m<1なら 初期故障型
m=1なら 偶発故障型
m>1なら 磨耗故障型
■故障パターン参考事例:初期故障型|偶発故障型 | 磨耗故障型
初期故障型: このタイプの部品は初期にスクリーングを行えばそれ以後の故障は少ないのが 特長です
トランジスタ 0.4~0.6
コンデンサー 0.6~1.0
抵抗 0.8~1.0
ファンベルト 0.8~1.0
偶発故障型: このタイプの故障はいつでも故障する確率が同じなのが特長です 故障数の分布は指数分布に従います ですからこのタイプの部品は故障が生じてから交換するほうが経済的です
スイッチ類 0.9~1.1
トランス類 1.0
真空管 1.0~1.7
スパーク・プラグ 0.9~1.8
オイル・シール 1.0
水ポンプ 1.0
ボール・ベアリング 1.0~2.0
磨耗故障型: 時間の経過と故障率は高くなりある点を過ぎると故障してない数が少なくなるので逆に故障率は少なくないます
ランプ 1.5~3
電磁リレー 2~3
タイヤ 2~3
ワイブル解析エクセルファイル
*ワイブル分布計算、ワイブルチャートの参考エクセルファイルは下記。
おすすめ 信頼性 参考文献
信頼性工学のはなし―信頼度99.9999…%をめざして 単行本 – 2011/1/1
大村 平 (著)
入門 信頼性―技術者がはじめて学ぶ 田中 健次 (著)
入門 信頼性工学(第2版) 確率・統計の信頼性への適用 福井 泰好 (著)
コメント