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TPM 生産効率の考え方

生産活動におけるロス構造(16大ロス
生産活動におけるロス構造(16大ロス)

PM分析とは | PM分析表 | PM分析実例

慢性不良や慢性故障のような慢性化した不具合を原理・原則に従って物理的に解析し不具合の現象のメカニズムを明らかにしそれらに影響すると考えられる要因を設備上の構造上、人、材料、方法の面からすべてリストアップする方法。

PM分析のPMとは予防保全、生産保全の意味ではなくPにはPhenomenon(現象)、physical(物理的)という意味がありMにはmechanism(メカニズム)machine(設備) man (人)material(材料) method(方法)の意味がある。

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PM分析

PM分析表

判定基準を作成し点検を行う

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PM分析表

 PM分析表の例

故障の原因を部品レベル迄、分析する

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PM分析具体的実例

具体的PM分析表の実例

加工図を描き、原理を理解する

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PM分析実例

慢性ロスと突発ロスの比較

慢性とは常時,同一の現象が,あるバラツキの範囲で発生するものをいい,突発とは,慢性的に発生する現象が,あるバラツキの水準から突発的にとび出したものをいう。同一現象が量的に多くなる場合と,異質の現象が現れる場合がある。

突発的なものは復元的問題であり,何かの条件変動(治工具,作業方法,設備の状態)が起きたときに発生するもので,元の水準に戻すための復元的対策が必要である(図2・6参照)。

慢性的なものはやっかいな問題であり,種々の対策を打ってもなかなか解決されない問題であり,対策としては従来とは異なった革新的な対策,すなわち見方を変えた管理ポイントを新たに設定し,管理することが必要である。

ジュラン博士は,”現代品質経営”の中で次のように表現している。

「突発的なものは,状況の変化によって起きるものであり,その変動要因を復元しさえすれば,元の状態に戻る。慢性的なものは,持続性の好ましくないものであり、従来の管理ポイントを全面的に見直す必要がある。現状打破(Break Through)の考え方が必要である」

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慢性ロスと突発ロス

 慢性と突発の比較

(1) 発生状態による比較

発生状況による比較であり,2・5・1項のとおりである。

(2) 潜在化の程度による比較(表2・4参照)

突発的なものは,現状水準との比較によってロスとして顕在化されやすいが,慢性的なものは潜在化してしまい,顕在化されにくい傾向がある。

それは,気づかない,見逃している,思い込み,あきらめ,効果測定の問題などに起因する。

したがって,慢性的ロスを顕在化させるには,極限値または技術的なレペルとの比較によってはじめて明確になる場合が多い。

たとえば,チョコ停がかなりの回数発生している場合,それによるロスが定量的に把握されていないと, どの程度のロス,が発生しているかわからない。

これは極限値・理論値(正味稼動時間を1サイクルの時間で割った値)と比較すれば,簡単にロスが浮き彫りになってくる。

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潜在化の程度による比較

(3) 原因系による比較

突発的なものは,比較的簡単に原因-結果の関係がつきとめられやすいが,慢性的なものは原因―結果の関係が不明確な場合が多く,単一原因の場合は少なく複合的原因である場合が多い。

(4) 対策系による比較

突発的なものは,前述のように原因系がわかりやすいために対策が打ちやすいが,慢性的なものは複合原因によるため,種々の対策をとってもなかなか解決できない。

(5)経済性による比較

突発的なものは,1回発生するとその損失は大きいのに比べ,慢性的なものは1回の損失は少ないが,常時発生しているため,その累積値は大きくなり,その損失額も大きくなる傾向がある。 以上のように突発的なものは顕在化しやすく,原因系がはっきりしやすいため,的確な対策が打ちやすいが,慢性的なものは潜在化しやすく,ロスがロスして顕在化しにくい性質がある。

したがって,潜在化しているものをいかに顕在化させるか,そのために極限値との比較あるいは技術レペルとの比較を行い,的確な対策を打つことが必要である。

一般的に,突発的なものに対しては十分とはいえないまでも手を打っているが,慢性的なものには手つかずの状況といえる。以下,慢性ロスを中心に説明を加える。

 慢性ロスの特徴

まず「慢性ロスの考え方」について説明していく。慢性ロスを改善する場合に重要なことは,まず「慢性ロスの特徴を十分に把握する」ということである。

慢性ロスの特徴を整理すると,次の2点にしぼられる(図2・7)。

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慢性ロスの特徴

(1) 原因は1つであるが,原因となるものは数多くあり,それがそのつど変わる

たとえば,原因となるものがAからJの10が考えられるとすれば,Aが原因となる場合もあり,CやDがなる場合もあり,毎回コロコロ変わるということ

である。しだかって特定のもの,たとえばAだけを重点的に対策を打っても,効果はあまり期待できない。 具体的に説明すると,ベアリングの外・内輪のボール軌道面のホーニング仕上げ面は,品質に大きな影響を与えるものである。

たとえば,仕上げ面の不良として粗目残りがあり,1~2%発生している場合を考えてみる。

粗目残りの要因として,ホーニング砥石の形状,砥石の取付け方法,ドレス不良砥石の目詰まり,砥石ホルダーのガタ,ワークスピンドルのガタ,研磨工程の曲率不良加工条件,その他10数項目が考えられる。

前工程の曲率不良が原因の場合もあり,砥石の取付け方法が原因の場合もあり,また10数項目がそれぞれ原因となる場合もある。したがって,原因となるもの

は毎回変わると考えなくてはならない。

このようなことから,対策としては,原因と考えられるものすべてについて対策して,正しい状態に維持し,変動させないようにしなければ,問題は解決しない。原因を見きわめることができれば問題はないが,見きわめることはなかなか困難なために,このような考え方が必要になるのである。

(2) 複合原因により発生し,その要因の組合わせがそのつど変わる

このケースは前項の場合と違って,いろいろな要因が重なり合って,それが複合された状態で現象を発生させる--つまり複合原因によって発生する場合である。さらに始末の悪いことは,その要因の組合わせが変わることも考えられることである。

すなわち, ABCの要因が重なって現象を発生させる場合,ACGHの要因が重なる場合というように,その組合わせがそのつど変わる場合である。 たとえば,内面研削盤で部品の仕上げ研磨する工程で,真円度不良が出る場合を考えてみる。

材料寸法にバラツキがあるうえに,ワーク取付け基準板が摩耗していたり,さらに砥石スピンドルの振れ,タイルの剛性が弱いなどの要因が重なって,ときどき不良を発生させる場合がある。これらは,それぞれの要因が重なって複合され,それが原因となって真円度不良を起こしているのである。

したがって,原因と考えられるものすべてに対して,1つずつ対策を打たなければ解決しない。原因はこれこれである,といった決めつけ,絞り込みをすることが一番よくないのである。 さて,多くの現場でみられることは,このような慢性ロスの特徴を理解しないままに対策を打っているために,故障や不良が減少しないことである。

その典型的な例は,前述のように「現象を十分に解析しないまま原因を決めつける,絞りすぎる」ことなのである。原因はこれとこれだと決めつけて,それに対してのみ対策を打ち,それ以外は全然考えもしないし,対策もしない。

対策そのものは的を射たものであり,そのものには効果的であっても,他の原因のものについて対策をしていないために,一時的には良くなるが,長続きしないため結果として良くならない場合が多い。このように,慢性ロスの特性を十分理解していないことが一番大きな問題なのである。

 改善の考え方

慢性ロスはなぜ発生し,なぜ減少しないのだろうか。それをひと言でいえば,設備の信頼度が低いからにほかならない。信頼度とは,設備・機器・システムが与えられた条件で規定の期間中,要求された機能を果たす確率である。

-定期間内にトラブル(不良・故障)を起こさない確率であるといえる。信頼度が低いから故障や不良の発生を伴い,その発生サイクルが短いから慢性化するのである。

信頼度は,固有信頼度と使用信頼度から成り立っている。固有信頼度とは設計に起因する信頼度で,設計,製作の段階で決まってしまうものである。使用信頼度とは,使用する側に起因する信頼度であり,使用条件・方法のまずさに起因するものである。また,固有信頼度と使用信頼度は次のように細分化され,全体の信頼度は,それぞれの相乗積となる。

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固有信頼度と使用信頼度

設計信頼度

設計信頼度とは,設計上に起因する信頼度である。設計自体に問題があり卜ラブルが発生する場合で,次の項目がある。

●部品形状にマッチしない治工具

●機構自体に問題

●部品の選択に問題

●検出シス,テムに問題

●部品寿命が短い

製作信頼度

製作信頼度とは,部品の製作・組立上のまずさに起因する信頼度であり,部品の製作・組付けに問題かおりトラブルが発生するもので,次のような項目がある。

●部品の寸法精度に問題

●部品の形状に問題

●組付けに問題

据付け信頼度

据付け信頼度とは,設備の据付け上のまずさに起因する信頼度であり,据付け上に問題がありトラブルが発生するもので,次の項目がある。

●据付けの不備による振動の発生

●水平度不良

●据付けの不備による配管・配線の不備

運転操作信頼度

運転操作信頼度とは,運転操作のまずさに起因する信頼度であり,操作上に問題かありトラブルが発生するもので,次の項目がある。

●操作ミス

●段取調整ミス

●基本条件の不徹底

●使用条件のミス

保全信頼度

保全信頼度とは,保全品質のまずさに起因する信頼度である。保全上に問題がありトラブルを発生するもので,次の項目がある。

●部品の交換ミス

●組付け精度不良

一般的には使用信頼度の不備に起因するものが多く,設計信頼度に起因するものは少ないといえる。

故障・不良などのトラブルが発生した場合,それらの原因がどの信頼度に起因するかを検討することが必要である。信頼度が低いのは,設備の使い方の研究が不足しているからと考えられる。設備の使い方とは,設備を使うノウハウの研究であり,設備を使い切る技術と設備を使いこなす技術から成り立っている(図2・8,9参照)。

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設備の使い方

設備を使い切る技術とは,部品特性を考えて,より良い品質を作るために設備が具備すべき条件,より稼動率(時間・速度)を高めるために具備すべき条件,より操作性・保全性を容易にするための条件などの研究を行い,設備の最高状態を発揮させるための設備本体,周辺機器に関する基本的なあり方を研究することである。

設備を使いこなす研究とは,設備を常に最高状態に維持するための操作・調整・異常発見・異常処置などの,設備に携わる人の役割は何かを研究することである。 設備を使い切る技術が先行していてもそれを使う人の腕が遅れていて,やるべきことを十分にやらなければトラブルの発生につながる。

逆に人の腕が良くて,やるべきことを十分やったとしても,設備自体に問題があればトラブルの発生は避けられない,この両者のうち,どちらかでも研究不足であれば効果が半減するため,両者が車の両輪のように同一のレペルになることが必要であり,そうなって初めてマンーマシン系の総合効率化が可能になる。

設備はいつでも購入できるが,設備を使い切るノウハウは購入することはできない。このノウハウは自社で開発育成する以外にない。これが十分でないために,せっかくの設備がホコリをかぶったり,トラブル多発のために稼動が不十分であったりする例は非常に多い。旧設備の使い方の研究を十分にしないで,性能・大型化の設備導入を行っても,基礎ができていなから使い切るには時がかかり,同一の失敗を繰り返す可能性が大きい。

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図2・9 設備の使い方の研究と改善の基本的考え方の関係

 復元の考え方

復元とは,元の正しい状態に戻すことである。あらゆる設備は,時間の経過ともに少しずつ変化するものであり,その変化の度合いを検知し,度合いの度により元の正しい状態に戻すことが復元である。設備・構成部品の特性により,変化の状態が一定時間後に急激に現れたり,また一定時間後から漸増傾向を示したりの違いはあるにしろ,必ず発生するものである(図2・10参照)。

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復元の考え方

 故障劣化の進行状態

一般的にこのような変化は,知らず知らずのうちに発生している場合が多く,またこれらの変化は,そうとう大きくならなければ確認できないため,小さな変化は見落としがちである。

大きな変化は,復元のための修理をせずに放置すると突発故障につながったりするので,そのまま放置しておくことは少ないが,小さな変化も放置しておくと,時間経過とともに突発故障につながるか,そこまでいかない場合でも慢性ロスの原因となる場合が多い。

この変化の度合いを劣化という。

劣化には,自然劣化と強制劣化の2種類かある。

自然劣化とは,正しい使い方をしていても物理的に劣化が進行するものをいい,強制劣化とは,人為的に劣化を促進させるもので,自然劣化の時間より当然短くなる,強制劣化とは,給油をしなければならない場所に給油をしない,掃除すべき場所を掃除しない

など,当然やるべきことをしないために劣化を促進させることであり,劣化を見逃しているためにそれが強制劣化につながる場合もある。”生産現場は強制劣化の塊である”といっても過言ではない。いずれにしても劣化を放置しておくと,時間経過に従って劣化が大きくなり,他の部位に影響を及ぼし,劣化が劣化を誘発する場合もある。これを”ガクがガタを呼ぶ”ガタの連鎖反応”と表現している。

1本のボトルのゆるみが振動を発生させ,その振動がだんだん大きくなり,他の部位の振動を呼び起こし,”ガタがガクを呼ぶ”ことは日常頻繁に見られる現象である。したがって,劣化の状態を見きわめて,早目早目に復元をすることが望ましい

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設備故障の発生

設備の初期清掃

劣化を復元するといっても,

●元の正しい状態がわからない

●劣化を検知する方法が決められていない

●判断方法・基準がない

●復元のための方法がわからない

場合が多い。このようなことがないように,基準を設定する必要がある。

設備の劣化をチェックする手段として,清掃が非常に有効である。われわれま,この考え方で”清掃は点検なり”を各社に普及させるようにつとめている

このねらいは,

●清掃することにより,各部位に接触する

●接触する動作を通じ,各部位の不具合点(発熱・振動・ガタ・異音)を発見することが可能である

●清掃をすること(ゴミ・汚れ・廃油などの一掃)により,強制劣化の進行を防止する

ことにあり,清掃をすることが設備の不具合を発見する有効な手段であるといえる。清掃をすることは,この他にも部品の寿命の延長,設備精度の維持,品質基準の維持などのためにも欠かせない条件であるとえる

車が汚れた場合に洗車する例で考えてみよう),自動洗車機で洗う場合と自分の手で洗うことの違いは何か。車をきれいにする,汚れを一掃するなどの心理的効果は同じであるが,自分で洗うことにより点検する(タイヤの摩耗,釘,亀裂,ボディのキズ,錆などの不具合の発見)ことの物理的効果を見逃すことはできない。これと同様に,設備も自分の手を汚しながら清掃をし,その過程を通じて不具合点を見つけ出すことが大切である。

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TPMの初期清掃

予知保全の研究が最近各社で行われているが,これは設備・ユニットの劣化の進行状況を物理的,化学的な特性値で測定し,正常な状態と比較しながら劣化の状態をチェックする方法である。進行状況がある限度以上になれば、オーバーホール、部品の交換などの事前処置を行い、故障を未然に防止する方法で

●劣化の測定を何で行うか。

●異常の兆候をどう検知するか

●正常な状態とは何か

●異常の限度はどうか

が設定せれていなければならない。

たとえば、高速回転の軸受けの劣化測定に振動、その他の変化を追跡する方法が一般に採用されているが、これも正常な振動に対し、時系列的に変動があるかなかをチェックし、その交換時期を推定する方法である。

したがって、予知保全のためには劣化の測定、検知方法が不可欠である。設備の故障が短いサイクルで発生する場合、機構の変更、部品の形状変更、材質変更などの対策を行うケースが見受けられる。しかし、このような対策を行っても結果はいっこうに良くならず、失敗するケースが多い。

これは機構、部品形状、材質などの問題でなく、部品磨耗、仕上がり精度、組み付け方法、組み付け精度に原因があるので、これを正しい状態に復元することにより故障が発生しない状態になる。したがって、機構、部品の変更の前に復元を行い、その結果を確認し、良くならなければはじめて改善を行うことが望ましい。

設備というものはそれを構成する部品、ユニット間の強度や精度のバランスがとれていて、はじめてその機能をまっとうできるものであり、復元とは設備全体としての強度、精度のバランスを取り直すことでなければならない。したがって、故障部位だけを復元したり、改造したりしても、強度、精度のバランスが復元されないかぎり再びロスが発生することになる。

 あるべき姿の考え方

あるべき姿とは、設備の機能・性能を最高に発揮・維持するために具備すべき条件である。設備を構成しているユニット、構成部品が工学的な原理・原則からみて、望ましい姿に維持されてはじめて性能・機能が100%、長時間にわたり発揮・維持されるものである。また、あるべき姿とは工学的原則、原理からの望ましい姿、あるいは機能中心に考えた場合、理想的な状態で考えたときの望ましい姿である。

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設備保全のあるべき姿

slideshare ダウンロード資料(PDF)

パワーポイントで作成した資料です。

引用文献:

1)中嶋清一監修:TPM展開プログラム,組立加工編 日本プラントメンテナンス協会 

2) トコトンやさしいTPMの本        (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

3) 現場が主役のTPM―ムリ・ムダ・ムラをなくすための鉄則51  JIPMソリューション (編集)

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