商品企画七つ道具 【イラスト図解】
英語:seven tools for new product planning 中国語:新产品规划的七个工具
商品企画とは
英語: product planning, goods planning
経済・社会動向,経済統計,市場調査などの情報を収集して科学的に分析し将来市場から要望されることが推測される商品の概要,販売数量や価格の目標,予定する販売経路,販売日程などを立案すること.
商品企画を円滑にかつ効率よく行うには,合理的な組織の設置が不可欠である.
一般的な例としては商品企画専門部署の設置,専門委員会・会議体の設置などがある。
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
商品企画七つ道具とは
インタビュー調査,アンケート調査,ポジショニング分析,アイディア発想法,アイディア選択法,コンジョイント分析,品質表からなる商品企画のためのシステマティックな手法の体系.略してP7と
もいわれ, 1994年に公表された.
商品企画七つ道具は,「顧客に感動を与える商品」を提供するためには,①確実な調査,②ユニークな発想,③最適コンセプトの構築及び④技術との橋渡しの四つの活動が必須事項であるとしてマー
ケティングサイエンスなどの成果を積極的に援用し,独自の手法もブレンドして提案されたものである.
商品企画七つ道具の概略は次のとおりである.
(1)インタビュー調査 インタビュー調査は,「グループインタビュー」及び「評価グリッド法」から構成される.
「グループインタビュー」は数名の対象層の顧客に集まってもらい,グループ内コミュニケーションの相乗効果から新たな(潜在ニーズの)仮説発見を期待する強力な手法である.
「評価グリッド法」はサンプル商品やデザイン,仮想イメージなどを個々の顧客に比較評価してもらい,自身の言葉で表現してもらう手法で評価構造がよく把握でき,意外なヒントが得られる.
(2)アンケート調査 グループインタビュー又は評価グリッド法と組み合わせ,事前に深堀りして十分に仮説を用意してから実施するとその効果を遺憾なく発揮する.ニーズの発見よりも検証が第一の目的である.
(3)ポジショニング分析 アンケート調査で商品評価を行い,集約された総合的な軸を描き,各商品ごとの中心位置を図示したマップを作る.このマップ上で
①商品の位置の分布状況,特に既成の商品や仮想商品の位置を検討する.
②顧客の意識の「すき間」を客観的に発見する.
③顧客が購買意識を高めるような理想的方向をマップ上に図示する.
(4)アイディア発想法 発想法ではなるべく多くのユニークなアイディアを出し,調査段階で得た方向性を基準にして絞り込みを行うことが大切である.
画期的なアイディアを大量生産する「アナロジー発想法」「焦点法」など,4種のシステマティックな発想法が提唱されている.
(5)アイディア選択法 大量のアイディアから質のよい,使えそうな2~3のアイディアに絞りこむ手法.「重み付け評価法はウェイトを決めて顧客(又は企画担当者)が点数評価する.
「一対比較評価法」はAHPという最新の手法でウェイトもアイディアも二つずつのペアを比較評価してまとめあげる方法である.
(6)コンジョイント分析 アイディア選択法で選択したアイデアやこれまでの確定方針を取り込んで,コンセプトの細目を最良なものに(総合的な商品力を最大に)仕上げるのに大変有効な手法である.
各アイディアの重要な要素(例えば価格,材質,色,デザイン,付加機能など)を取り上げて順位付けしてもらう.そのデータを解析して最適な組合せを求めれば,それが自動的に新商品の「最適コンセプト」となる.
(7)品質表 コンジョイント分析で得た最適コンセプトを基本に,顧客側として実現すべき要求を系統的に整理する.
次にそれと関連をもつ技術特性を列挙する.「要求」と「技術特性」をマトリックス状に関連づけ,コンセプトを的確に技術の言葉に変換する.重要特性や開発上のネックもこの表から明らかにできる.
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
分かり易く 商品企画七つ道具
商品企画7つ道具とは、商品価値が製造品質から設計品質さらには企画品質に移行する時代にあって、(財) 日本科学技術連盟の研究グループが、商品企画に関して品質管理7つ道具(Q7)に相当する手法を7 つを選び出し、整理したものです。
インタビュー調査、アンケート調査、ポジショニング分析、アイデア発想法、アイデア選択法、コンジョイント分析、品質表の7つからなり、商品のニーズ探索と検証、コンセプトの発想と決定、設計とのリンクというステップで進みます。 全てのステップを踏めばアウトの確率は相当に低くできると言われます。
インタビュー調査
インタビュー調査とは、その名の通りインタビューによって必要な情報を得る調査です。主にターゲットとなる顧客層を対象にさまざまなことを質問し、それに対する意見・行動・態度などを情報として集めます。
インタビュー調査の方法は2種類あり、グループインタビューとデプスインタビューが使われます。
グループインタビューは、調査テーマに関心の深い人を5~8人ほど集め、司会者が参加者同士を会話させる形式です。複数人の相互作用で活発な意見が起きやすく、一度のインタビューで多くの人の情報を集められるメリットがあります。 デプスインタビューは、インタビュアーと調査対象者が1対1で面談し、質問と回答が繰り返される形式です。ひとりに対してじっくり時間をとるため、詳細な情報を集めやすく、ほかの人の発言に左右されない意見を聞きやすいメリットがあります。
いずれも対象者の顕在化したニーズだけでなく、対象者自身も認識していなかった潜在的なニーズを明らかにすることができます。
アンケート調査
アンケート調査は、質問に対して「はい」 か 「いいえ」 で答えられるもの、あるいは特定の選択肢から回答を選ぶタイプのアンケートを活用した調査です。
アンケート調査は人数や割合などの数値データを集める定量調査であるといえます。 ウェブサイト上でアンケートを実施したり、試供品を提供するかわりにその場でアンケートを受けてもらうなど、工夫次第でアプローチはさまざまです。
ポジショニング分析
ボジショニング分析(英語:positioning analysis)は、インタビュー調査やアンケート調査で判明した重要な要素をつかって、新製品の市場における位置づけ(ポジショニング)を決める手法です。
まず顧客にとって重要と思われるふたつの要素を選び、縦軸と横軸を引いた分布図(ポジショニングマップ)をつくるところからはじめます。
次にポジショニングマップのなかで、競合他社や自社の製品・サービスを配置し、市場内のさまざまな情報を見いだします。
例として、軸をはさんで対極にいる企業や製品同士は、明確な差別化ができていることがわかります。また、ポジショニングマップ上で近くに位置する企業や製品同士は、競合しやすいといえるでしょう。 このようにマップの作成と情報整理を進め、新製品をどのポジションで売り出すのかを決めるのです。
アイデア発想法
アイデア発想法は、商品のコンセプトのアイデアを発想するために活用する手法です。
例として自社の技術や経営資源、強みをベースにアイデアを考える「シーズ発想法」であったり、先人の発想を流用できないか検討する「TRIZ(トリーズ)」などが挙げられます。 ほかにも発想法は豊富にあるため、複数つかってみたり、場合によってつかい分けると良いでしょう。
アイデア選択法
アイデア選択法は、すでに発想したアイデアのなかから、現実的に企画へ落とし込めそうなものを選択するための手法です。
自由度の高いアイデア発想とは違い、アイデア選択は綿密な評価が必要となります。 代表的な評価方法としては、「重み付け評価法」があります。
この手法では新QC7つ道具のマトリックス図法を活用し、ポジショニング分析で挙がった要素を「重み」としてアイデアを評価します。 まずは対象となるアイデア単体を1~5点、あるいは1~10点などで評価します。
ここでは、アンケートなどで顧客に評価してもらうと良いでしょう。 そして、重みは設定する者の価値観によって異なるので、複数の人を対象にアンケートなどを行うことで算出します。 最後は点数付けしたアイデアを算出した重みでかけていき、点数の高いアイデアが顧客が求める商品に必要なものだとわかるのです。
コンジョイント分析
コンジョイント分析は、英語で「conjoint analysis」と表記する。 コンジョイントには「連合した」「連帯の」「結合した」という意味がある。
コンジョイント分析は、回答者に開発している商品全体を評価をしてもらい、商品の各要素がどのくらい商品全体の評価に影響を与えているのかを明らかにできるのが特徴的な分析方法です。そのため、商品開発を考える際に使われます。
コンジョイント分析を使うと、複数の要素を持つ商品アイデアがあったとき、どの商品アイデアが一番消費者に好まれるか調べることができます。
例えば車を購入する際、
100万円で燃費が良く、無名デザイナーAが手掛けた車
100万円で燃費が悪く、有名デザイナーBが手掛けた車
150万円で燃費が良く、有名デザイナーBが手掛けた車
150万円で燃費が悪く、無名デザイナーAが手掛けた車
コンジョイント分析では、このように複数の要素を同時に比較してもらうことにより、車購入において消費者が重要視しているのが、価格なのか、燃費なのか、デザインなのかといった要素の軽重を明らかにすることができます。
単に、消費者に個々の要素について質問を積み重ねると「高品質でなるべく安い製品が良い」という当たり前の答えしか得られないのに対し、コンジョイント分析を使えば要因に優劣がつけられ、効率的で効果的な調査票の作成が可能です。
品質表
品質表は、顧容が求める機能(要求品質)と、製品に技術的・工学的に搭載できる機能(品質特性)をマトリックスで整理する図表の事。
コンジョイント分析で最適化した企画と設計をリンクさせ、顧客のニーズが実現可能なのか、または具体的にどう実現するのかを明らかにできます。
品質表は、企画工程で重要となる品質機能展開(QFD)という管理手法の鍵となるツールであり、同時に次の設計工程バトンを渡すためのドキュメントでもあります。
品質表は,整理された顧客ニーズと,このニーズを実現するため必要な品質特性を明確にするために使われます。
*品質表の詳細は下記の記事を参照願います。
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