平均出検品質 (AOQ) 【イラスト図解】
英語: average out going quality
平均出検品質 (AOQ)とは
「検査に入ってくる製品の品質(人検品質)が所定の値のときに,検査から出力される製品の平均的な不適合品率又は不適合数の期待値.
備考:
1.実際の場合には,不合格となったロットに対する全数検査で不適合品を適合品と交換するかしないかによって,異なったAOQの定義を使用することがある.
2.特に指定がなければ,AOQは合格ロットのすべてと,いったん不合格となって全数検査で不適合品の適合品への交換を済ませたロットのすべてを足し合わせたものについて計算する.
3.次の計算式が用いられる.
AOQ=人検工程品質×合格の確率」
(Z 8101-2)
抜取検査を行うことで,良い品質の口ットは合格と判定され検査を通過し,悪い品質のロットは検査で不合格と判定され通過を停止する.この結果,検査のアウトプットの品質は,インプットの品質よりも良くなる.
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
わかりやすく 平均出検品質 (AOQ)
選別型抜取検査で検査後の平均の不良率をAOQ:average outgoing quality(平均出検品質)と呼ぶ。
選別型抜取検査とは抜き取り検査で合格となったものはそのまま受け入れるが不合格となったものは全数選別するタイプの抜き取り検査のであり、したがって全数検査ができない破壊検査には適用できない。
例としてN=2000、n=100 ,c=2の場合のAOQをロットの不良率を変化させて計算し、結果を図で曲線で表したのが下図である。
横軸にロットの不良率p、縦軸にAOQを取って計算結果をプロッタした曲線をAOQ曲線と呼ぶ。
この曲線を見て分かるように,ロットの不良率がゼロから増加するにつれてAOQの値も増えるが,ある不良率(この場合にはp=2%付近)のところでAOQの値が最大となり,それからはロットの不良率が増加するにつれAOQの値は小さくなってだんだんゼロに近づき,ロットの不良率が100%でAOQの値は完全にゼロとなる。
したがって不合格ロットは全数選別するという条件のもとに,ある一定の抜取方式で検査を行うと,検査に提出されてくるロットの不良率がどのような値であっても検査後の平均出検品質AOQはある一定値を越えない、この一定値をAOQL:average outgoing quality limit(平均出検品質限界)という。
このように選別型抜き取り検査ではどんな不良率のロットが提出されても検査を通過した品物の品質は平均してAOQLの値より悪くないという保証を与えることができる。
なお,全数選別を受ける場合と全数選別を受けずに通過する場合との検査量平均を考え,これを工程平均不良率の下において最小にするという条件をも考慮して抜取検査方式を決めるのが普通である。
関連記事:工場での抜き取り検査と検査判定基準 【イラスト図解】
ブックマーク