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校正

校正 イラスト
校正

校正 calibration   【計測器用語】

英語:calibration          中国:校准

計測器 校正とは

「計器又は測定系の示す値,若しくは実量器又は標準物質の表す値と,標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業.

備考:校正には,計器を調整して誤差を修正することは含まない.」(Z 8103)

測定器の特性など広い意味での目盛を決めるための測定を指すこともあるが新しく目盛りを入れるときは目盛定めといい,既にある目盛りの補正を求めるときは,校正という.

この意味の校正は古くは較正と書かれた.一般には出版物での校正の意味がある.

引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会

校正曲線    calibration  curve

「標準の値と計測器が指示する値との間の対応を表す曲線.備考:化学分析では,
検量線という.」(Z 8103)

引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会

校正式

校正は,JISZ8103に「標準器,標準試料などを用いて計測器の表わす値とその真値との関係を求めること」と定義されている。

校正には2つの目的がある。1つは,標準との対応を取ることにより絶対値を正確なものにすること,(点検)他の1つは狂いを修正して安定性を確保する(修正)ということである。

計測器は,基本的には測定量を指針、目盛りなどを通して数値に変換する機器であるから,変換の方法によってはどのような値でもとり得るものであり,校正し標準との関係を求めことによって,任意の仮の基準に対する絶対的な値が    得られ、社内、外部に通用する普遍的な値が得られる。

もし標準がトレーサブルなものであれば,計測の結果は国内あるいは海外に対しても通用するものとなる。

一方,安定な測定対象を測定することによって狂いを知り,それを修正することによって狂いの少ない安定な計測をすることが出来るようになる。

たとえば,ある特定の工程を管理するためだけであるならば,必ずしも絶対値は必要ではなく,ある安定な測定対象で校正すればよい。

この場合には標準がトレーサブルである必要はない。

もし計測器が非常に安定なものであれば,計測器のメーカなどによる最初の1回の校正ですむことになるが,一般には時問の経過や環境の変化によって表示値が狂ってくるので,これを修正するために,定期的に校正を行う。

校正における重要な要素は,校正に用いる標準,校正の方法(校正式,校正手順など),校正問隔およびこれらの相互の関係や実際の測定現場との整合,経済性も含めた全体としての合理化を図るなどの校正方式(システム)の設計などである。

校正

校正式

 

計測器の読み値と真値との関係を表す方法として,様々な数式が用いられる。例えば,読み値をy,標準の値M(真の値とみなされる値)との関係が

y=M+α        式(2.1)

という式で表されるものとして,1個または多数個の標準を測定した値からαの値を推定する。αが求まると,実際に測定して得られた読み値yから真の値Mを次式で推定することが出来る。

M=y-α

この式を校正式という。

最初に仮定した式(2.1)は,対象とする計測器が一定のかたよりαを持つ傾向があると判断して採用したものである。

読み値をこの式ではなく,例えばy=βMという式で表されると仮定することも出来る。

この仮定は,計測器や計測の性質を考慮して決定されるのが通常であるが,適用する校正式よって,校正された値の持つ 誤差が変わる。

したがって誤差の観点からは,誤差が最も小さい校正式を選択するのがよいことになるが,校正式によって,校正の ための手間も変わって来る。(2.1)式の場合は標準1個を測定すれば校正式が求められ,もしその1個を零点とすれば 特に標準を必要としないことにもなるので,校正の手間もそれだけ小さいことになる。

一方この式では感度に狂いが出てもそれを校正することが出来ないので,校正してもまだ大きな狂いが残ってしまう場合がある。比例式では2個以上の標準を測定することになり,校正式を求める計算も手間がかかる。

すなわち,適用する校正式によって校正後の誤差や校正の手間が変わって来るので校正の選択は校正の効果と 校正に必要なコストを考慮して決定するのが合理的である

校正と誤差

前述のように,校正の目的の1つは誤差の低減である。これは,計測器の読み値のなかの系統的なかたよりを修正する ものであり,誤差の中にはこれ以外のものもあるので,校正によって除かれる誤差と除くことの出来ない誤差がある ことになる。 繰り返し測定の中で生じるような偶然性による誤差は除くことが出来ないし,校正周期内の諸々の条件による変動も 修正することは出来ない。

また誤差の程度は小さい場合が多いと思われるが,標準の誤差もやはり除くことは出来ない。校正の観点からの計測の 誤差の分類では,校正後の誤差,標準の誤差の他に,校正の作業による誤差がある。

校正は,校正の対象の計測器で標準を測定した結果から修正するのであり,測定したデータに含まれる誤差の 一部は,校正式に誤差を与える。これらを校正作業による誤差といい,計測に新たな誤差を与えるものとなる。

校正システム

校正においては,上記のような校正式や校正問隔を適切に決定するだけではなく,計測を測定対象,標準,校正,計測器の使用条件や使用方法などを1つのシステムとして捉え,これらを系統的に一貫性のあるものにする必要がある。

読み値は,計測の対象,計測条件,計測の手順などによって変わってくるので,これらの条件を限定したり標準化した上でないと校正の初期の目的は達せられないことがある。場合によっては知りたい真値の定義を明確にする必要さえ生じてくる。

たとえば測定対象が金属であるかプラスチックであるかであるかで異なるしマイクロメーターによるプラスチック製品寸法の場合どの温度における寸法を測るべきか、決めておく必要がある。

関連記事:校正と誤差

 

校正とキャリブレーションの違い

校正の意味は、計測器が現状どのような動作・機能・精度なのかを確認する作業のことです。

計測器を校正し、正しい数値との誤差(器差)を明らかにすることで、校正後に計測器が示した数値から誤差を加減し正しい数値を導き出すことが可能になります。校正は定期的に実施し、計測器の現状の誤差を確認することが重要なため、前回校正した際に明らかになった誤差の値と、今回の誤差が異なる場合は、その都度計測器の誤差値を更新しなければなりません。

また、校正はあくまで計測器の動作・機能・精度を「確認」するものであり、誤差を調整し正しい数値に戻すものではないため注意が必要です。

一方、キャリブレーションとは、「目盛り」や「調整」という意味を持つ言葉で、英語ではCalibrationと表記されます。

具体的には、計測器が示す値の正確性を標準器と呼ばれる機器を用いて比較し、計測器の偏りを明らかにするだけでなく、正しい値を計測できるように調整する作業を意味します。

計測器は精密機器のため、定期的にメンテナンスを行う必要があります。キャリブレーションを行うことで、計測器の精度を一定に保つことが可能になります。

校正とキャリブレーションの違い

校正とキャリブレーションの違い

 

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