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PDRサイクル

PDRサイクル イラスト
PDRサイクル イラスト

PDRサイクル    PDR cycle      【イラスト図解】

英語:PDR cycle

PDRサイクルとは

PDRサイクルはハーバードビジネススクールのリンダ・ヒル氏が提唱した新たな手法です。

PDRサイクルはPDCAサイクルよりずっと短いスパンで、高速にサイクルを回すという手法、多くの組織では P、すなわち計画に時間をかけすぎて、実行が疎かになりがちです。

計画をしっかり立てるのではなく、小さな実験を繰り返すという考え方がPDRの考え方であり、変化の激しい時代に対応する方法でもあります。

PDRサイクル

PDRサイクル

PDRはPDCAと同じく、以下のように手法の手順の頭文字です。

PDRのPは、Prep(準備)のこと。

これから何をしようか、その理由や目的を考えることで、直接的な数字目標ではありません。どのような目的があるのか、その有用性を考えることが第一歩というわけです。

DはDoで実行

PDCAと同じく、PDRのDもDo(実行)を表しています。Pの準備で考えた目的に合わせて具体的な行動を起こします。

RはReviewで評価

PDCAでは、Check(評価)でしたが、PDRではReview(評価)という文字があります。どちらも日本語では評価と訳されてしまいますが、これはどのような違いがあるのでしょうか。

簡単に言うと、Checkはミスがないか、不正がないかを確認することです。例えば工場のラインでどのようなミスが起きたのかを確認するといったこと。目標の達成度を高めるために、マイナスポイントを消していくというニュアンスが強いです。

一方、Reviewはその業務を行った人以外に成果物を見てもらい客観的に評価してもらうこと。依頼されて作った商品をお客様に見てもらうこともレビューといいます。

PDRサイクルの優れているところ

PDRの利点をまとめると以下のようになります。

1回のスパンが短い

単純に考えて、PDRはPDCAより1段階少なく、なによりもPが計画ではなく準備であることが大きいです。具体的な目標となると、立ち上げ自体にそれなりに時間がかかります。しかし、1つの目的や理由に基づいてまず始めるのがPDRのスタンスのため、早いスパンで繰り返すことが可能です。

直ぐに改善

1回のスパンが長いということは、改善点があっても結果的に改善するまで時間がかかります。しかし、PDRでは早い段階で改善点を見つけて、より理想的な形へと近づけます。
目標達成が目的ではないため、改善が進みやすい

PDCAでは具体的な目標があるからこそ、「目標を達成しなかったらどうしよう…」という問題が常にありました。高すぎる目標を設定してしまった場合、なかなか達成できない、場合によっては結局達成できずに終わるということがおきてしまいます。

目標が高すぎて不正を働いてしまうことも。PDRでも必ず理想的な状態になるわけではありません。しかし、改善に比重を置いていますので、何度も繰り返すうちに結果的に早く高い目標を達成していることがあります。

PDRサイクルのの注意点

PDRを進めるにあたり注意すべき点は、「PDRでReview(評価)されるのはDo(実行)ではなく、Prep(準備)である」という点です。

PDRは「とにかくやってみる」「個々の担当者に任せる」のですが、行動を評価したり、中断したりするとそもそも正しくReview(評価)できません。目的や有用性を重視すべきという考え方が大本にあります。

常にそのことを頭において、Review(評価)が芳しくない結果ならば、Prep(準備)の見直しをしましょう。

OODAループとPDCA、PDRサイクルの違いは

PDRと似ている「PDCA」「OODA」。これら2つのフレームワークが比較できる一覧表をご用意しました。各フレームワークの文字をクリックすると、より詳細な説明箇所にリンクしますので、気になるフレームワークがあればぜひご参照ください。

フレームワーク
OODA
PDCA
PDR
要素
Observe(観察)
Orient(戦略)
Decide(決定)
Action(実行)
Plan(計画)
Do(実行)
Check(確認)
Act(改善
Preparation(準備)
Do(実行)
Revie(評価)
使う場面

新規事業の開拓

現場でのスピーディーな課題解決

既存事業の改善

明確な目標達成に向けた課題改善

短期的なスパンでの課題改善
メリット

スピード感のある行動

環境変化に柔軟に対応

個人の裁量が大きい

明確な目標達成を実現

組織全体で機能できる

時間をかけずに明確な目標を実現
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