- 調整 adjustment 【QC用語】
調整 adjustment 【QC用語】
英語:adjustment 中国語:调整
調整とは
「機器の機能を本来の目標値に整えること.」(S 2091)
目標あるいは計画と実際に得られた結果を比較評価し,ずれがあればあらかじめわかっている確実な方法で目標(計画)に合うように修正すること.
調節ともいい,結果に対して処置を取るもの(手直しなど)と原因系に対して処置を取るもの(制御など)の両方を含む.
大きく次の二つに分類できる.
①原因はわかっているが再発防止の処置を取ることが技術的に又は経済的に困難な場合の調整.
②原因が不明な場合の調整.
①は許容できるものであるが②は解析を行ってその原因を突き止め,可能なら再発防止の処置を取るべきものである.
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
「調」と「整」の字義
「調」と「整」の字義と語例を『角川漢和中辞典』(角川書店刊)で見てみると,
調……和合の意の語源(合)からきていて,口をきいて和合させる意,ひいて,調整の意となる。字義は,「ととのう・ととのえる」「あう・あわせる」「そろう」「したがう 」「ならす」「しらべ」「しらべる」「物を買う」などの意をもつ。
調合・調味・調和 ・調剤・調馬・調達・調節・調教・調理・不調。
整……そろえる意の語源(斉)からきている。きちんと整列させる意。
字義は,「ととのえる」「物事が乱れないように正しくそろえる」「おさめる・おさまる」「完全で分解しないものの称」「きっちり」「ちょうど」などの意をもつ。
整列・整斉・整理・整備 ・整然・整頓・整形・整合・修整・不整脈とある。
以上の語例の意味を各種の国語辞典で調べてみると
「調」は「何かをするため,始めるための必要なもの(状態,条件)をそろえる。」「物事がまとまる。成立する。」という意味で使われ,
「整」は「乱れたもの,まがったもの,くずれたものを正しくする。なおす。きちんとする。」という意味のときに使われているといえる。
調整と調節、調製の違い
「調節」とは「物事の具合がよいように整えること、ほどよく釣り合いがとれるようにす
ること」
具体的には下記のとおり
- 部屋の室温を調節する。
- TVの音量を調節する。
- お風呂の湯加減を調節する。
「調節」は、物事の程度を現在の状態から程よい具合にすることであり、良い・悪いなどの基準はありません。
部屋の室温、TVの音量、お風呂の温度などは人によって好みが違います。このような基準がないものを整えることを「調節」と言うわけです。
両者の違いのポイントは二つです、一つ目は、「状態の違い」です。
「調整」は、調子の悪い状態から整えるような際に使います。具体的には、機械の故障や税金の過不足、意見の不一致といった悪い状態にある時です。
「調節」は現在の状態から整える時に使います。この時に「良い・悪い」などの条件は特に指定されません。あくまで、その時の状態から程良くいい状態へするという意味です。
そして二つ目は、「対象のとらえ方の違い」があります。
「調整」は、物事を全体として見て望ましい状態に整えるときに使います。例えば、日程やスケジュールなどは「調整する」と言います。これはなぜかと言いますと、「自分や相手の日程を合わせながら、仕事全体の予定をととのえる」という意味だからです。
一方で、「調節」は、全体というよりも個々の機能を整えるときに使います。例えば、エアコンの温度などは「調節する」と言いますが、その理由は「エアコンの機能の中のひとつを整える」という意味だからです。
以上の事から考えますと、「調整」の方が「調節」よりも物事を広くとらえた言葉です。
又、「調整」と「調製」どちらもチョウセイと読みますが意味が異なります。
“調整”はぐあいの悪い部分を直したり過不足をなくしたりしてほどよい状態にすることを意味し、“調製”は注文、規格に応じて作ることを意味します。
具体的には 「薬剤を調製する」「予算を調製する」
調整と調節、調製の違い
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