選別型抜取検査 【イラスト図解】
英語: sampling inspection with screening, rectifying inspection
中国語:挑选型抽样检验
選別型抜取検査とは
ロットに対して抜取検査を行い,不合格と判定したロットは全数選別する抜取検査。
この抜取検査は,不合格の場合でもロットを返却することなく,適合品の受入作業へと続くので,後工程への供給を継続しなくてはならないような部品・材料の受入れなどに適用する。
この型の抜取検査の規格としては,旧Z 9006,ダッジ・ロミッグ(Dodge-Romig)の抜取検査表がある、不合格になった場合,全数選別になるので,破壊検査には適用できない。
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
関連サイト:工場での抜き取り検査と検査判定基準 【イラスト図解】
抜取検査の型
抜取検査は一般に次の四つの型に分類されており、選別型抜取検査はその一つです。
(a)規準型 (b)選別型 (c)調整型 (d) 連続生産型
選別型抜取検査
抜き取り検査で合格となったものはそのまま受け入れるが不合格となったものは全数選別するタイプの抜き取り検査 したがって全数検査ができない破壊検査には適用できない。
この型の抜取検査では,全数選別されたロットは不良品が除かれてしまうから,全数選別を受けずに合格したロットの不良率と比べると小さくなる。
検査後の平均の不良率をAOQ:average outgoing quality(平均出検品質)と呼ぶ。
例としてN=2000、n=100 ,c=2の場合のAOQをロットの不良率を変化させて計算し、結果を図で曲線で表したのが下図である。
横軸にロットの不良率p、縦軸にAOQを取って計算結果をプロッタした曲線をAOQ曲線と呼ぶ。
この曲線を見て分かるように,ロットの不良率がゼロから増加するにつれてAOQの値も増えるが,ある不良率(この場合にはp=2%付近)のところでAOQの値が最大となり,それからはロットの不良率が増加するにつれAOQの値は小さくなってだんだんゼロに近づき,ロットの不良率が100%でAOQの値は完全にゼロとなる。
したがって不合格ロットは全数選別するという条件のもとに,ある一定の抜取方式で検査を行うと,検査に提出されてくるロットの不良率がどのような値であっても検査後の平均出検品質AOQはある一定値を越えない、この一定値をAOQL:average outgoing quality limit(平均出検品質限界)という。
このように選別型抜き取り検査ではどんな不良率のロットが提出されても検査を通過した品物の品質は平均してAOQLの値より悪くないという保証を与えることができる。
なお,全数選別を受ける場合と全数選別を受けずに通過する場合との検査量平均を考え,これを工程平均不良率の下において最小にするという条件をも考慮して抜取検査方式を決めるのが普通である。
引用サイト:抜取検査の型
規準型抜取検査と選別抜取検査の違いは
①規準型抜取検査より検査後の不良率を低減できます。
検査後の不良率であるAOQは、検査対象の不良率pより小さいため、検査後の不良率を低減することが可能です、その代わり、抜取検査から全数検査に切り替える手間が増えます。
検査後の不良率を低減するための変数として、
平均出検品質(AOQ)
平均出検品質限界<AOQL)
があります。
②規準型抜取検査よりサンプル数が多い。
検査後の不良率は(p→pL(p)となるので低減できるが不良があった時点で全数検査に切り替える分、平均検査量は増加する。
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