液晶について

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液晶原理

液晶は液晶ディスプレーの中で2枚のガラスの狭い空間に入っています。
厚さは髪の毛の1/10程度(5μm)です。

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液晶の分子は自然の状態では分子方向にゆるやかな規則性を持って並んでいますが
一定方向の溝を刻んだ板に液晶分子を接触させると液晶は溝の方向に向こうとします。

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2枚のガラスの溝の方向を直角にするとそれぞれのガラス上で液晶分子は互いに垂直に並びますから
2枚のガラスの間で液晶分子が一様にねじれた状態が出現します。

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ちょうど、螺旋階段の1/4回転分に液晶分子が並んでいる状態です。
これが入ってくる光に対しても作用し光がねじれます。

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液晶は電圧をかけると分子は垂直方向に並び方変えて(電界に沿って)並びます。
光は分子の並びに沿って、直進します。

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 ■偏光板の働き

液晶ディスプレーには通常、偏光を使います。偏光とはある方向のみ振動する光の波です。
このような光を作り出す偏光フイルムが2枚のガラスに貼ってあります。
この時、光の振動方向はそれぞれのガラス面の液晶分子に合わせてあります。

上記したねじれた液晶分子の配列は光の振動方向を回転する役割をします。
すなわち、光の振動方向は液晶を通り抜けた後に90度ねじれているのです。

偏光フィルムはガラス面上の液晶分子の方向に合わせて貼ってあるので出てきた光は偏光板フィルムを通過します。これで明るい表示ができます。   出典画像先:ED2 文部科学省

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透過する光の量を変えるには液晶分子の配列を変えてやる必要があります。
液晶は流動性がありますし、しかも同じ方向へ向こうとする性質がありますから、小さな電圧で簡単に液晶の分子の配列を変えることができます。

ガラスの内側に付けられたと透明電極を使用して数ボルトの電圧を」かけてやると液晶分子の長手方向がその電圧をかけた方向に並ぼうとします。

こうして並んでしまった液晶分子の配列はもはやねじれた構造ではないので光はその振動方向を変えることなく液晶中を通過してしまいます。

すると反対側の偏光フィルムを通過することはできませんから暗い表示になります。

出典画像先:ED2 文部科学省

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 液晶とは?

■物質の4つ目の状態

氷は溶けて水になり、さらに温度をあげると蒸発します。
このように物質には固体(結晶)と液体と気体という3つの状態があります。
液晶とはこの3つには分類できない4つ目の状態です。
気体と液体とは密度で区別されます。
水は蒸発すると体積が約千倍(密度が約1/1000)になります。
液体と固体の分け方としては『流動性があるかないか』がひとつの基準となります。
しかし、この基準では液晶は液体と区分されてしまいます。
液晶といわれる状態は流動性があるのに液体とははっきり違った状態です。

 ■液晶の性質

物質が液晶という状態をとるためには物質を形作っている分子が特別な形をしている必要があります。
液晶をつくる典型的な分子は棒状や円盤状をしています。
棒状分子の結晶が溶けて液晶状態なったときの様子を下記に記載します。

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液晶開発の歴史

液晶という材料が最初に登場したのは1888年に遡ります。
オーストラリアの植物学者ライニツァーは植物中のコレステロールの機能を研究する人でしたがエステル化合物の中に摂氏145度程度ではその結晶は乳液のように白色になり温度を上げて摂氏175度になると今度は透明色になる性質を有するものがあることを発見しました。
ライニッツアー(Reinitzer) レーマン(Lehmann)しかしながらライニツァーはこうした現象が何故、生じるかわからなかった為、ドイツの物理学者レーマンに手紙と資料を送り、原因解明を依頼しました。
レーマンが解析した結果は液体であるものの、その結晶には特有の性質があるという結論に達しました。
特有な性質とは複屈折率というもので、光の当て方によって屈折率が異なるというものでした。
レーマンはこれを『流れる結晶』と名づけました。
その後、液晶の種類もネマティック液晶、スメクティック液晶等の細分類がなされました。
液晶が液晶ディスプレーの形として具現化したのは米国のRCA社研究所でした。
ハイルマイヤーとウィリアムというふたりの研究者がネマティック液晶に低い電圧を印加することによって液晶の分子の並び方が変わるということを発見しました。
但し、この当時は液晶の粘性が非常に高く、100度程度に加温しないと分子の配列が変わらないという難点がありました。
しかしこの問題も常温でも使える液晶の合成に早期に成功し1968年に液晶を使った時計の試作に成功しました。

液晶ディスプレーの構造

図1、2にカラーTFT・LCDの構造を示します。

液晶ディスプレーの基本的な構造は2枚のガラスの間にカメラで喩えればシャッターの役目をする液晶材料が封入されています。この液晶材料が電圧をON、OFFすることによって、まっすぐ立ったり、ねじれたりし、偏光板の作用と相まって光を通したり遮断したりするものです。
なお、偏光板とは一定方向に進む光のみを通過させるフィルムです。
ガラスとガラスの間の間隔はわずか数ミクロン(千分の数ミリ)しかありません。
人間の髪の毛の太さは通常40ミクロンから60ミクロンといわれていますのでそのまたさらに10分の1の薄さです。
この数ミクロンという間隔をガラス基板のどこをとっても一定に保つ為の材料がスペーサー材といわれる材料です。
スペーサー材にはシリカ系、樹脂系などの素材があります。
液晶ディスプレーはみずから発光しません。その為に必要は部品がバックライトです。
ノート型パソコンの場合、冷陰極管、導光板、拡散板、レンズフィルムなど多数の部品から構成されています。
バックライト組み立ては自動化が適さず人海戦術で生産しています。
又、カラーフィルターは一方のガラス基板に形成されるもので赤、青、緑の3原色が並んだものです。
カラーフィルターの製造方法には顔料 分散法、電着法、染色法などがありますが現在の主流は顔料分散法です。

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偏光とは?

自然光は360度どの方向にも振動しますが、ある特殊なフィルムを通すと一定方向に振動する光しか通過できなくなります。この現象を『偏光』といいます。またこのフィルムを『偏光板』と呼びます。
図1は偏光板を2枚用いた時の光の振動方向を示しています。一番左の自然光は360度どの方向にも振動しています。したがって360度、矢印が風車のように描かれています。
図1では自然光は1枚目の偏光板を通過しますが1枚目の偏光板は縦方向の光しか通しません。
さらに2枚目の偏光板が置かれていますがこの偏光板も1枚目同様、縦方向の光しか通過させませんので2枚目の偏光板を通り右に出て行く光は縦方向の振動の光のみです。
次に図2をでは自然の光が1枚目の偏光板を通過しますがこれは図1、同様、縦方向の振動の光のみを通します。
しかし2枚目の偏光板は横方向に振動する光のみを通す偏光板ですから1枚目の偏光板を通過した縦方向の振動の光は2枚目の偏光板のところで遮られます。
以上が偏光の仕組みです。偏光板はTN液晶ディスプレー、STN液晶ディスプレー、TFT液晶ディスプレーいずれの場合も通常2枚使用することになります。

偏光板の特徴

偏光板1枚でも反射光の一部を遮断することで特徴をつかめますが、2枚重ねるとはっきりします。
下の写真1で透き通って見える2枚の偏光板の1枚を90度回転させると、写真2のように暗くなります。
写真1は、偏光板がつくる偏光の振動方向が一致した場合で、下の偏光板を通りぬけた偏光がそのまま上の偏光板を通りぬけてくるので明るく見えます。写真2は、偏光板がつくる偏光の振動方向が直交した場合で、下の偏光板を通りぬけた偏光が上の偏光板で遮断されて(光の成分がゼロになって)暗くなります。この状態を「直交ニコル」といいます。

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偏光板にはヨウ素という物質が含まれていて、このヨウ素の分子が一方向に規則正しく並んでいます。

このため、偏光板を光が通過するときにはヨウ素の列と列のすきまを通過するようになります。
(正確にはこのすきま方向の光の振動成分だけが通過します。)
2枚の偏光板のヨウ素の列が同じ方向ならば光は通過することができますが、互いに直角な方向に重なっていると、1枚目の偏光板を通った光(偏光)は2枚目の偏光板を通過することができなくなり、暗くなってしまうのです。

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配向膜

液晶ディスプレーのガラス基板の透明電極の上に配向膜と呼ばれている0.1μm程度の超薄膜が印刷されています。
配向膜の役割は液晶をある一定方向に全体的に並べる為のもので高分子膜でできています。
図1は液晶分子の配向の様子を表した断面図です。
配向膜は接した液晶分子の長手方向をほぼガラス基板面と平行になるように束縛する力を持っています。
その為、配向膜の存在によってガラス基板面に斜めになったり、垂直に立ったりする液晶分子は存在せず、界面と接する液晶分子は基板の上で横になろうとします。
液晶分子がガラス基板にほぼ平行に配向するのでこの配向を特に水平配向と呼びます。
多くの液晶ディスプレーは水平配向を採用しています。

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ラビング(擦る:rubbing)

配向膜によって液晶分子をガラス基板に平行に固定できましたがその方向はガラス基板内のあらゆる方向にむいている可能性があります。
その為に液晶分子の方向をガラス基板の一定方向に並べる為にラビングという処理が必要です。

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ラビング(rubbing)には擦るという意味があります。
すなわち、柔らかい布(たとえばベルベット地の布・・・電車の椅子の布)で配向膜を一方向に擦ってやります。
一般的には図3のようにローラーに布を巻きつけてそれをガラス板上に回転させて行います。
ラビング処理があらかじめ施されている配向膜に液晶分子が接すると簡単にその方向に液晶分子が並んでくれるのです。
ラビングすると液晶分子が配向する理由としては布でラビングすると配向膜が傷つけられ、非常に細かい溝ができます。液晶分子はその溝にはまりこむように並ぶ為、一方向に配向するようになります。

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画素(ピクセル:pixel)

液晶分子を並べる為には配向膜とラビングの両方が必要です。
ディスプレイ装置の画面に表示できる情報の最小単位を、画素 (ピクセル: pixel (picture element から作られた合成語です) ) といいます。
下図は、左の 32×24=768 ピクセルの小さい画像を拡大したものです。 拡大して見ると、それぞれの画素(小さい正方形)が少しずつ違う色を表示していることが分かります。

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1画素に何色表示できるかは,1画素に割り当てられている メモリのビット数とディスプレイ装置によって決まります。

1画素あたり1ビットの場合は白と黒(または緑と黒、オレンジと黒など)の2色、 8ビットの場合は 256色、24 ビットであれば、赤・青・緑の各色それぞれを8ビット256階調で表示できますから、256×256×256 =16,777,216 ≒ 1,678万色の表示ができます。 これを 「フルカラー表示」 と呼ぶこともあります。

1ビット/画素 2色
8ビット/画素 256色
24ビット/画素 1678万色 赤・青・緑の各色を8ビット256階調で表示「フルカラー表示」

このような画素が 横に800個、縦に600個敷き詰められると、 SVGAといわれる画素構成の画面になります。
パソコンのディスプレイの画素数による分類は下記のようになります。

略称 名称 画素数
 VGA Video Graphics Array  640×480
SVGA Super Video Graphics Array 800×600
 XGA eXtended Graphics Array  1024×768
SXVGA Super eXtended Video Graphics Array  1280×1024
 SXGA+ Super eXtended Video Graphics Array + 1400×1050
 UXGA Ultra eXtended Graphics Array 1600×1200
 QXGA Quad eXtended Graphics Array 2048×1536
QUXGA Quad Ultra Ultra eXtended Graphics Array  3200×2400

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主なものについて、画素サイズが同じ場合のディスプレイの大きさを比較すると、下図のようになります。

バックライト

液晶ディスプレーは自ら発光しないので基本的には光源が必要になります。

この光源をバックライトといいます。
液晶ディスプレーの光源には冷陰極管、LED、ELなどがありますが冷陰極管を用いたバックライトが一般的です。
冷陰極管をバックライトの真下に装着したものを直下式バックライトといいます。
冷陰極管をバックライトの側面に装着したものはサイドライト式バックライトといいます。
現在、一般的に使用されているのはサイドライト式バックライトです。
図1サイドライト式バックライトの構造について説明します。
構成部品としては反射板、導光板、拡散板、プリズムシート、冷陰極管からなります。

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反射板は冷陰極管からの光を液晶ディスプレーの画面側に集め、画面の反対側に光が抜けるのを防ぐ機能を有するシートでポリエステル、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルムが用いられます。
導光板は冷陰極管から出る光を画面全体に伝えるための樹脂製の板で、光透過率の高いアクリル樹脂を成型した板にドット印刷を施したものか、金型に刻み込まれたドットをそのまま転写したアクリル樹脂が用いられています。

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拡散シートはポリエチレンテレフタレートかポリカーボネートのシートです。
すりガラスのようになっていて導光板のドッドの映しこみを隠す役割を持っています。
プリズムシートは拡散シートを通って拡散した光をディスプレーの視野角内に集め、画面の輝度を向上させるためのシートです。これはポリカーボネートのフイルムにプリズム角をつけたもので、通常、2枚使用で倍になるといわれています。
最後にバックライトを点灯させる為の電源回路をインバーターといいます。インバーターは数Vの電圧を1000V程度に昇圧する働きがあり、蛍光ランプを発光するために必要は部品です。

マザーガラス

ガラス基板用のマザーガラスのサイズが年々大きくなっています。これは、使われる用途が、電卓から、ノートパソコンになり、さらに現在はテレビ用が主体とだんだん大きくなるとともに、コストダウンのために1枚のマザーガラスから取れる製品の数を増やすためです。

このマザーガラスのサイズは世代という表現で、大体の大きさを表しています。
下記に大体の大きさの変遷を示します(TFT液晶用ガラス基板の場合)。
マザーガラスサイズ

第1世代 300×400 1992年ごろから
第2世代 400×500 1996年ごろから
第3世代 550×650 1998年ごろから
第4世代 680×880 または、730×920 2000年から
第5世代 1000×1200 または1100×1300 2002年から
第6世代 1500×1800 2003年から
第7世代 1900×2200 2005年?

実際に使われるガラス基板サイズの中心は、2003年には第5世代が中心となりましたが、2004年は、第5世代から第6世代への移行期です。第5.5世代と呼ばれる 1300×1500も使われています。
これから、現状では最も大きな第7世代向けの装置の製造が始められます。このように大きくなると、ハンドリング時のガラスのたわみを如何に防ぐかなど、さまざまな問題が出てきます。これらを解決しながら、新しいラインを作り上げていきます。
マザーガラス基板と取り数の関係

サイズ 10.4in 12.1in 13.3in 14.1in 15in 17in 18in 19in 20in 21in
370×470 4枚 2枚 2枚 2枚 1枚
550×650 6枚 6枚 4枚 4枚 4枚 2枚 2枚 1枚 1枚 1枚
650×830 9枚 9枚 6枚 6枚 6枚 4枚 4枚 4枚 2枚 2枚
680×880 12枚 9枚 9枚 6枚 6枚 4枚 4枚 4枚 4枚 2枚
730×920 12枚 9枚 9枚 9枚 6枚 6枚 4枚 4枚 4枚 4枚

TFTの原理

TFTの原理モデル図を図1に下記に示す

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活性半導体の両側にソース電極(Sauce:供給)とドレイン電極(Drain:排出)が付いている。

ソース電極からドレイン電極へ電流が流れていく。
ゲート電極で電流を制御しており”門番”の役割を果たしている。
活性半導体として水素化アモルファスシリコンが発見されたことにより薄膜トランジスターの実用化の決め手となった。
このゲート電極に正の電圧を加えてやるとその電圧の強さに対応してソース電極からドレイン電極に電流が流れる。
これが負では電流は流れない。したがってゲート電極はスイッチの役目をしている。
ソース電極とドレイン電極に挟まれた活性半導体層の部分はチャンネルと呼ばれている。
TFTの概略図

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縦方向の配線がソース配線、横方向の配線がゲート配線です。

TFT(スイッチ) 交差部分付近にTFT、及び画素電極が存在します。
ゲート線
TFTはゲート線が高電位の時には導通(ON)状態、低電位の時、A には非導通(OFF)状態のスィツチ機能が働きます。
点線Aの断面図を図3に記載します。

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①ガラス基板

一般的に低熱膨張率であること、平坦性に優れていること、無アルカリガラスであることが要求されます。
②ゲート
金属薄膜によってできているゲート配線がTFT素子の一番下に形成されています。スイッチであるTFTのON/OFFはゲートの高電位/低電位で決まります。
③絶縁膜
ゲート電極と他の部分を電気的に絶縁するために存在します。酸化ケイ素や窒化ケイ素でつくられている。
④半導体層
TFTの心臓部、アモルファスシリコンでつくられている。
⑤ソース
ゲートと同様に金属薄膜でつくられている。ソース配線から信号電圧が供給される所でです。
⑥ドレイン
金属薄膜でつくられている。ここを介して絵素に信号電圧が供給されます。
⑦絵素電極
透明電極のこと、ITOでつくられています。

透明電極(ITO:Indium tin Oxide)

ITO膜とはインジウムティン・オキサイド膜の略でインジウム・スズ酸化物と訳せます。

このITOという金属を電極に使うのがITO膜です。
2枚のガラス基板の間には液晶材料が挟み込まれていて、シャッターの役割を果たしています。
液晶分子は偏光板とセットになることによって電圧のON、OFFで光を通したり、遮断します。
しかし電圧は2枚のガラス基板にかけるわけでガラス基板に何らかの仕掛けがなければ電気は流れません。そこで電極をガラス基板に形成することが必要です。
しかし、電極に色がついていると光を通さなくなり、ディスプレィーとしての機能が損なわれます。
そこで透明な電極が必要になってくるわけです。
ITOは電流も通し、無色透明な材料です。
ITO膜の成膜にはスパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着という成膜方法がありますが主流はスパッタリングです。
ITO膜は低抵抗でなおかつ極力薄くという相反する成膜が求められます。
これは成膜メーーカーの技術力に依存するものです。

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ACF(Anisotropic Conductive Film)

液晶ディスプレーにゲートードライバー、ソースドライバーを接続する為にACF(異方導電性接着テープ)を用いて接続をしている。

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接着テープの中に導電性のある粒子が適当な量だけ混入しており、テープの横方向には電気は流れませんが、厚み方向には流れます。

その為に液晶パネルの電極端子とドライバーの電極端子を接着且つ電気的に導通させられます。

COG(Chip on Glass)

ガラス基板上に直接半導体チップを実装する技術。携帯電話などの液晶ディスプレイのコントローラLSIなどによく使われている。

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1. 液晶製造工程でソースドライバーIC、ゲートドライバー及びFPCの接続にCOGが使用されている。

COGを接続の際には専用の設備に一定の温度、圧力を加えて行い、その接続状態を確認する為に顕微鏡を用いて圧痕状態を確認する必要がある。
2.接続する前に接続面の清掃を行い、異物による断線、ショートを防止している。
3.TFT基板、ICが静電気破壊を起こさないようにする為にイオンアナライザー設置、設備のアース接地
および作業者のアース接地が重要であり、日々、定期点検をしなければならない。

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COG 圧痕検査

COGを接続の際には専用の設備に一定の温度、圧力を加えて行い、その接続状態を確認する為に顕微鏡を用いて圧痕状態を確認する必要がある。

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CGS(Continnuous Grain Sillicon:連続粒界結晶シリコン)

連続粒界結晶シリコンのこと。シリコン結晶の粒子と粒子の間(結晶粒界)の原子の並び方に連続性を持たせ、半導体内を移動する電子のスピード(電子移動度)を飛躍的に向上させたもの。システム液晶はこのCGシリコンを中核技術とした液晶ディスプレイ。

シャープが積極的に開発しており、ガラス基板に高温ポリシリコンTFTと同様に石英ガラスを用いますが、ある特殊な技術を加えることで粒界の結晶構造の歪みを取り払い、規則的でデコボコのない結晶構造のつながりをつくるものです。
COGの長所のひとつは電子移動速度が速いということです。
具体的にはCGSはアモルファスシリコンの約600倍、低温シリコンの4倍、高温シリコンの2倍です。
電子移動速度の速さはTFTの駆動周波数を大きく引き上げます。
具体的にはCGSの駆動周波数は13.8MHzでアモルファスシリコンのTFTの駆動周波数10Mz以下を大きく上回ります。
これにより、ハイビジョン画面の高画質な画面をきれいに映すことが可能になります。
COGの第2の長所は配線を一層細くできるという点です。
配線を一段と細密化できるということはそれだけ、光を透過する面積が大きくなることにつながり、開口率を向上することになるわけです。開口率のアップは当然、消費電力の低減につながります。

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Poly Silicon TFT(多結晶TFT)

ポリ(Poly)とは多結晶という意味です。

従来のアモルファスシリコンでも、性能の良いとトランジスタは作れますがより高性能のトランジスタを作る為には限界があります。
ポリシリコンですとアモルファスより高性能の半導体ができます。
また、基板上に電子回路、LSIを作りこんでしまえるメリットがあります。(Monolithic:モノシリック化)電界効果移動速度を比較するとポリシリコンTFTはアモルファスシリコンTFTの100倍程度です。
この為、ポリシリコンTFTであれば配線をより細く書いたり、TFTの大きさを縮小できます。
TFTの大きさが小さくなれば画素の中で光が透過する面積が大きくなり、画面の明るさが向上します。
つまり、省電力効果があるということです。
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ポリシリコンTFTには低温タイプと高温タイプがある。
高温ポリシリコンの電界効果移動速度は低温ポリシリコンの数倍と理想的なTFTだが難点はガラス基板に高価な石英ガラスを用いなければならない。
アモルファスシリコンTFTや低温ポリシリコンTFTでは無アルカリガラス基板が使われますが、高温ポリシリコンはプロセス温度が1000度程度と高価なため、石英ガラスを用います。

比較項目 アモルファスシリコン 低温ポリシリコン 高温ポリシリコン
電界効果移動速度(cm/Vsec) 0.5~1 100~200 500
プロセス温度 300 400~500 1000
ガラス基板 無アルカリガラス 無アルカリガラス 石英ガラス
主な用途 PC、モニタ、携帯 PC、PDA等 プロジェクター等一部

液晶表示、駆動方式

駆動方式とは電極部に電圧をかけて、液晶ディスプレーを作動させる方式です。スタティック駆動方式、ダイナミック駆動方式があります。
スタティック駆動方式で代表的なのはデジタル時計、電卓表示部です。透明電極を事前に表示したい模様にパーターニングしておきます。
たとえば電卓では下の基板に0~9の数字を表すために図のように透明電極がパターンニングしてあります。
また、上の基板には図のような透明電極のパターンニングされています。
図の構成箇所はセグメントといわれ、必要なセグメントが表示されることで数字の0~9を表示させるわけです。
しかし、スタティック駆動方式では表示単位が多くなるにつれ端子数が増え、画面の大きい製品には不都合です。
その為により少ない端子で駆動できるように工夫されたのがダイナミック駆動です。

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TN,STNでは鮮明な画像、スピーディーな表示に限界があります。そこで画像のひとつひとつにトランジスタを埋め込んで改善したのがTFTといわれる液晶ディスプレーです。
【TN,STNモードの問題点】
①STNモードの電圧に対する応答が遅い(動画の時、残像が見えやすい)
②斜めから見ると表示が見にくい。(視野角が狭い)
③配線数が増えるとコントラスト(白黒比)が低くなる。
こうした画素ひとつ、ひとつにスイッチ機能を有する半導体が形成されている液晶ディスプレーの駆動方式はアクティブマトリックス駆動方式と言われています。
アクティブマトリックス駆動方式は原理的にはTNの単純マトリクス駆動方式と同じなのですが、それではスピードや画質が劣るので半導体をスィツチに使うことでこれらの課題をなくそうと考えだされたのがアクティブマトリックス駆動方式です。
これに対してSTNモードを用いた駆動方式を単純・マトリックスと呼びます。
TFTには基板に非結晶の材料を使用したアモルファスシリコンタイプのものと多結晶の材料を使ったポリシリコンタイプのものがあります。
これまではTFT液晶ディスプレーといえばアモルファスシリコンタイプのものが主流でしたが今後のTFTの主流はポリシリコンタイプのものになっていくと思われます。

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TFT液晶の製造工程

 液晶ディスプレイ用ガラス基板

液晶テレビ(LCD)、プラズマテレビ(PDP)、ノートパソコンなどの平面ディスプレイ(FPD)を作る元になる板ガラスのことです。
窓ガラスなどに使われる板ガラスとは成分が異なっています。また、液晶用とプラズマディスプレイ用でも成分が異なります。ガラス基板の製法としては、通常の窓ガラスと同じように溶融したガラスを水平に取り出すフロート法と、垂直方向に下に取り出すフュージョン法があります。このようにして作られた、ガラス板を顧客仕様に合わせて切断したものをマザーガラスといいます。

現代の板ガラスの代表的な製法がフロート法です。1959年にイギリス・ピルキントン社が開発し、今では世界中に普及している。その原理は、溶かしたガラス素地を溶融金属[錫(すず)]の上に浮かべて、ガラスを板にするというもの。ガラスの比重が錫よりも軽いのでガラスが浮かびます。この製法によって、磨きを必要とせず、両面ともほとんど平らな板ガラスが実現しました。フロート法で作られた板ガラスはフロート板ガラスといい、平行平面と火造りのつやを兼ね備えた優れたガラス。建物の窓、ショーウインドゥ、鏡、そして自動車や電車の安全ガラスの材料として使われるなど、ほとんどの透明板ガラスの幅広い用途に用いられている。
図1

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フュージョン法

フュージョン法は米国のコーニング社が開発した方法です。
この方法はTFT液晶ディスプレーに用いられる無アルカリガラス基板の製造方法として広く採用されています。
概要は下記のとうりです。
①まず、溶解したガラス原料を『フェージョンパイプ』に流しこみます。
②『フェージョンパイプ』に容量以上のガラス原料を流し込むとパイプの両端から溶解したガラスが溢れ出します。
③さらに溶解したガラス原料を流し込むと両側から溢れ出したガラス原料が『ルート』と呼ばれる点で合流します。
ルートの部分からガラスを垂直方向に引き伸ばし、冷却し固めます。
フュージョン法のメリットはガラスを垂直方向に引き伸ばし、無理な力がかからないことです。
また、他の方法に比べてガラスが物理的に接蝕することが少ないのでガラスへのダメージが少ない点です。

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ガラスは、表面研磨などの処理をされた後出荷のために箱詰めされます。ガラス基板を箱に詰める装置をパッカーといいます。ガラスの厚さは通常1mm以下で、最も薄いものは0.5mmです。汚れや、傷は製品の欠陥になるため、保持できる部分は限定されます。このため、ガラス基板のサイズが大きくなると、取り扱いの困難さが増大します。
また、輸送時の破損を防ぐためにも梱包形態が重要になります。ガラス基板は垂直に箱詰めされるため、パッカーには大型の多関節ロボットが使用されます。
パネルメーカーでこの箱からガラス基板を取り出す装置をアンパッカーといいます。取り出された、ガラス基板は、カセットといわれる容器に入れられます。このカセットの状態で製造ラインに供給されます。
このカセットからガラス基板を1枚づつとりだし、処理装置に供給するとともに、処理したガラス基板を取り出す装置をローダー・アンローダーといいます。この装置には主として双腕型のロボットが使われ、処理装置からの取り出しと、供給を続けて行います。

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ガラス基板について特に重要なのが表面の滑らかさである。零点数ミクロンのギザギザがあってはとても使いものにならない。シンプル・マトリックス向けは要求度が比較的緩いといっても、粗さは0、04ミクロン以下。

アクティブ・マトリックス向けでは何と0、005ミクロン以下という平坦さが要求される。また、ガラス基板にうねりがあっても、規定以上の反りが合ってもいけない。反りは30センチ当たりシンプル・マトリックス用で0、4ミリ以下、アクティブ・マトリックス用で0、2ミリ以下といわれる。あるいは、ガラスの中に泡や異物が混入していても困るし、当然ながら傷などが付いているものなどは使えない。
このような条件をクリアしたガラス板がはじめて、液晶ディスプレイで液晶を挟み込むガラス基板として使われるわけだが、ガラス基板で特に厳しいのはSTNを作る場合、STNでは特に「うねり」が厳しくみられ、それは30センチ当たり0、05ミクロン以下でなければならない。同じシンプル・マトリックスでもTNならこれが0、2ミクロン、アクティブ・マトリックス用でも、0、1ミクロンとなっているのと比べると、STNではいかにうねりに対する“制限”が厳しい。この場合はそのために、表面を改めて研磨することまで行われている。
次に、しかも極めて重要なのは、ガラスが耐える温度である。シンプル・マトリックス・タイプのものや、アクティブ・マトリックスでTFTが非晶質(アモルファス)シリコンの場合は、せいぜい400度Cから500度Cの温度に耐えればいい。温度というのは、さなざなな処理をガラスの表面に行なわなければならず、その処理の温度に耐えられるという意味である。熱で軟らかくなり、極端な話グニャグニャになっては困るわけである。
ところが、アクティブ・マトリックス・タイプでは多結晶(ポリ)シリコンのTFTということになると、従来の方法だと数百度Cの高い耐熱性が要求される。
耐熱性と同時に重要なことは熱収縮性である。熱による膨張収縮が大きいと、誤差が生じてくる。例えばTFTを使うアクティブ・マトリックスの場合、ガラス基板の上に何回もリソグラフィーによる特定の模様、パターンの露光転写、現像という操作を繰り返し、目的の薄膜トランジスター(TFT)を形成する。そこに収縮などがあると、次のパターンの転写の際、ずれが生じてしまうことになる。そこで熱収縮が100万分の10(10ppm)以下という少なさが要求される。
シンプル・マトリックス・タイプでは、これが100万分の100(100ppm)以下とゆるく、先のものはこの100分の1の厳しさとなっている。
TFTが多結晶(ポリ)シリコン・タイプのものは、これまでは高温多結晶(ポリ)シリコンといって、処理に600度以上の温度が必要であったが、最近、低温多結晶(ポリ)シリコンTFTといったものが開発され、非晶質(アモルファス)シリコンTFTの処理と同程度温度で多結晶(ポリ)シリコン・タイプのTFTが、作れるようになった。

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アレイ ( アレイ : array )

カメラ、検出器、走査装置内等に組み込まれている感光素子の複合体。
アレイ工程ではTFTを画素のひとつひとつに形成していく工程です。DRAM工程によく似ています。
したがってフォトリソグラフィー(Photo Lithography)の技術が使われています。
フォトリソグラフィーとは基板に高分子を塗布しそこに光でパターンを書き込む技術です。
下記ににフォトリソグラフィーの流れを示します。

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カラーフィルター工程

カラーフィルター工程もアレイ工程と同じようにフォトリソグラフィーの手法を用いてつくられます。

手順としてレジスト膜塗布→露光→現像→エッチングとなります。
はじめ遮光膜を形成してから赤フィルター、緑フィルター、青フィルター形成となります。

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セル組立

セル組立は配向膜のラビング、ガラスの切断、液晶注入、スペーサー散布、シール剤塗布、ガラス基板張りあわせ、偏光板貼り付け等の工程から構成されています。

TFT量産当初はセル組み立て工程で不良が発生し、歩留まりがなかなか上がりませんでした。
下記のセル工程の流れを記載します。

①洗浄

TFT基板、CF基板を洗浄します。
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②配向膜塗布、印刷、焼成
TFT基板、CF基板の両方に配向膜を印刷します。その後、両基板は200度近い高温で焼かれます。

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③ラビング・洗浄

ローラー布を巻きつけた装置でTFT基板、CF基板を所定の方向にラビングします。
なお、ラビング後は両基板の表面に付着した布の毛を取り去るために再び洗浄します。

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④導電ペースト印刷 ⑤シール部印刷
TFT基板とCF基板を張り合わせた時にCF基板の対向電極 スクリーン印刷を用いて液晶を閉じ込めておく部分を形成します。
TFT基板の特定部分と導通させる為の導電物質(カーボン その為のシール部はたとえばエキシポ接着剤などが用いられペースト)を付着させます。 シール部の厚さを一定に保つ為、太さが均一なガラス繊維が混入されています。印刷するのはTFT基板かCF基板のどちらか一方です。

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⑦貼り合わせ

TFT基板とCF基板を貼り合わせます。

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⑧加熱硬化

貼り合わせたTFT基板とCF基板に
圧力を加えシール部を加熱硬化させます。

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⑨スクライブ(Scribe:罫書き)

マーザーグラスにスクライブマークを付けて スクライブ(罫書き)
このマークをCCDカメラで認識しながらスクライバ装置のカッターが平行に溝を刻んでいく。

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⑩一次分断
罫書きが入ったマザーガラスをブレカーと呼ばれる装置にて短冊状に割っていきます。

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⑪液晶注入

真空注入という方法を用いて液晶を液晶パネルのガラスの隙間に注入します。

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⑫注入口・封止

注入口部分に紫外線照射硬化接着剤を塗布し、封止(シール)します。

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⑬2次分断

短冊状パネルを一枚ごとに割っていきます。

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⑭洗浄

液晶パネルを洗浄し周囲に付着したゴミを洗い落とします。

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⑭偏光板貼り付け工程

液晶パネル表面に偏光板を貼り付けます。(表、裏)
(ゴミ、気泡に注意して貼り付ける)

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⑮オートクレープ(圧力釜)

偏光板と液晶パネル間の気泡をなくす為、オートクレープ装置に入れる
バックライト、フレーム、LCDドライバー等をセル(液晶パネル)に取り付ける工程がモジュール組立工程です。

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モジュール組立工程

①COG実装

セルにソースドライバー、ゲートドライバーを実装します。
TFT基板にACFテープを貼り付け、その上にドライバーICを乗せてから、熱圧着機にて接続します。

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②基板・FPC取り付け
セルにFPCを接続します。
TFT基板にACFテープを貼り付け、その上にFPCを乗せてから、熱圧着機にて接続します。

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③バックライト取り付け

セルにバックライトを取り付けます。

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④点灯検査

バックライトを点灯させて検査します

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⑤外観検査

液晶パネルの外観検査を行います。(傷、汚れ)

参考文献:

イラスト図解 液晶のしくみがわかる本 単行本(ソフトカバー) – 1999/12/10
竹添 秀男 (著), 宮地 弘一 (著), 高西 陽一 (著)

参考サイト:

蔵元製作所:

http://www.kuramoto.co.jp/index.htm

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