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松下幸之助

松下幸之助 松下電器・創業者

パナソニック(旧社名:松下電器産業、松下電器製作所、松下電気器具製作所)を一代で築き上げた経営者である。異名は経営の神様。

自分と同じく丁稚から身を起こした思想家の石田梅岩に倣い、PHP研究所を設立して倫理教育に乗り出す一方、晩年は松下政経塾を立ち上げ政治家の育成にも意を注いだ。

(Wikimediaより引用)

 

 『水道哲学』で貧を征服

幸之助が、いち経営者から神様になったのは、昭和7年。この時松下電器は 創業15年、店員100余名、工員1000余名を抱える一大企 業に成長していきました。 しかし、世情は騒然としていました。昭和2年に日本で金融恐慌、昭和4年には アメリカ・ウォール街の株大暴落から世界大恐慌が起こり、不況からの脱出の道を 植民地に求めて軍部が暴走、満州事変が勃発し、昭和7年には満州国の建国宣言 がなされていました。
その頃、取引先の人に誘われて、幸之助は天理教と推察される宗教団体の本部に 参詣したのです。そこで見たものは、広大な教団の施設、静 寂と敬虔のみなぎった雰囲気 無償で喜々として奉仕する多くの信者、急ピッチで発展していくたくましいエネルギーでした。 幸之助は、衝撃 を受けました。
この教団はこんなに繁盛しているのに、我々の業界は暗澹として倒産 者が続出している。 この差はいったいなんだろう、と。考えてみると、 あの教団の人たちは、尊い仕事に従事 しているという信念に燃えている。 しかし、僕らのほうは戦々恐々としてやっているではないか。これでは ダメだ。 我々生産者の使命は何か。貧乏を克服することだ。それは水道 の水のようなものではないだろうか。 水は加工され、価値もあるものだ が、あまりにも豊富であるから、安いのだ。 ここだ、我々の使命は。
すべての物質を水のように安価で豊富に生産していこう。そこで初め て貧は征服される。 宗教は心の安らぎを与え、我々は豊かに物資を供給 する。 その両輪が備わって初めて人間生活が完成する。その両輪は同じ 尊いものや・・・・・。
「水道哲学」と呼ばれるこの経営方針を社員に訴えると、重役から新入女子社員まで、 我も我もと競って壇上に上がり、感動の決意表明をし たといいます。某教団に入るどころか、 「教祖」になってしまったのです。

 

『私評1』
日本の経済はバブルの崩壊以降、低迷状態が続いている。そして、多数の企業が競争力の確保や巨大な市場を求めて、 中国へ生産拠点のシフトを進め、最近では、開発のシフトも高まり、国内産業の空洞化が大きく懸念されている。 また、事業所の企業の開業率が低下し、雇用の場の創出が進まず、高い失業率が続いている。
そのため、新しい事業を創出するための創業者やベンチャー企業への支援やイノベーションの担い手としての中小企業への 技術開発・新規事業展開の支援についての整備が進められている。 また、産業競争力を高めるために、大学の知の活用を図った産官学の連携も積極的な展開が図られている。
特にITによる産官学のネットワーク化を図り『ものつくり王国・日本復活』を目指そうと色々な取り組みが行われている。 しかしITによりネットワーク化を図る前にやるべき事があるのではないか? ITは便利な道具であるがそれを使用する組織体制、販売体制、工場体制が管理されていればの話である。
管理されてないシステムにITを導入してもやはり管理されないのである。 やる気のない社員、保全されてない設備、大量の在庫を抱えている工場等 でいくらITを導入しても改善はありえない。ムダである。
同じような事が産官学でのものつくり体制についてもいえないだろうか? なぜならば産学官の体制は人も含めてすべて従来の体制のままであるからである。 現在の体制は旧体制のままであり、既得権益者で満ち溢れている。 道路公団等の特殊法人と同じように・・・・・・
既得権益者が自己の保身の為に改革を進めない為に日本のシステムが弱くなっている。 このままITを導入してもそれを供給したメーカーと発注者が喜ぶだけでその投資金額に見合った効果も確認しないまま、 うゃむゃになるだけであり国民の税金だけであるがムダに使われるだけである。
品質管理のTQCが発表会だけのお祭り騒ぎで終わったようにこのままでは産官学での物つくりの復興は 小手先だけの小改善だけで終わり根本対策は先送りとなりはしないか? 対策の成果がなくても実被害を被らない方々がどこまで本気で推進ができるのか非常に不安である。
社員全員が共感して仕事ができる理念の作成、実行と組織体制をつくることが何よりも優先されるのではないか? いかに素晴らしいTOOL、知識があっても最終的にそれを活かすも殺すも人である。
最後に私が数年前、中国のサイトを見てショックを受けた記事を紹介したい。 そのサイトは北京科立管理公司であり日本の日科技連に相当する団体であるがその中の論評のなかで 題目『中国は何故、日本に追いつかないのか』という論評があり、かなり詳細に日本人と中国人の比較を し徹底的に自分自身の分析及び日本人の分析を行っており、その内容が当を得ている内容であったからである。例えば
1)原因1・・・中国人は自尊心が高いが日本人は謙虚で勤勉である
2)原因2・・・中国人は現状に甘んじるが日本人は絶えず努力する
3)原因3・・・中国人は私利私欲であるが日本人は減私奉公である
4)原因4・・・中国人は忘れやすいが日本人は粘り強い等
と言う内容であり、自己分析をしており、日本人に関していえば過去の良いポイントが説明されて いて、改めてのの日本人の良かった点を再認識させられた。
恐るべし、中国人である まさに中国の格言にあるように”知己知彼 百戦百勝”である

 

道をひらく 文庫 – 1968/5/1
松下 幸之助 (著)

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