「ChatGPTなどのAIを活用したチェックリスト作成方法」を初心者にもわかりやすく、かつ実務でも使えるように体系的に解説します。現場や業務での活用を想定した内容になっています。
ChatGPTなどのAIでチェックリストを作る方法
生成AI(例:ChatGPT)を用いたチェックリスト自動生成の概要を以下に整理します。これは、製造業・品質管理・安全管理・業務手順など多様な分野で有用です。
生成AIを活用したチェックリスト自動生成
生成AIを活用したチェックリスト自動生成とは、業務内容や目的を入力することで、AIが適切なチェック項目(点検項目、確認事項、判定基準など)を自動で作成してくれる仕組みです。
従来は専門家や現場担当者が手作業で作成していたチェックリストを、AIが知識と文脈を元に短時間で生成します。
活用できる分野(Use Cases)
分野 | チェックリスト例 |
---|---|
製造業 | 作業前点検、出荷前品質確認、安全点検など |
建設業 | 日常巡回点検、KY活動記録 |
飲食・食品加工 | 衛生管理(HACCP)、原材料確認 |
医療・介護 | ケア記録、バイタル確認項目 |
ITシステム開発 | テスト項目、コードレビュー項目 |
事務・教育現場 | 書類不備チェック、授業準備チェック |
生成AIによる自動生成プロセス
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目的・対象を入力
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例:「製造業の出荷前点検用のチェックリストを作ってください」
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AIが内容を分析
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業界標準・過去知識・リスク要因などを考慮
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適切なチェック項目を出力
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例:「①外観異常の有無 ②製品寸法の確認 ③ラベル貼付確認」
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カスタマイズ可能
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表現修正、追記削除、優先度の付加もAIに依頼可能
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生成AI活用のメリット
項目 | 内容 |
---|---|
時間短縮 | 手作業で数時間→数十秒で自動生成 |
専門知識の補完 | 経験が浅い担当者でも標準的な項目を提示できる |
柔軟性 | 業界・工程・用途ごとに即座に応用 |
多言語対応 | 日本語・英語・中国語など多言語出力が可能 |
修正も迅速対応 | チェック内容の更新やバージョンアップも即対応 |
注意点・課題
課題項目 | 内容 |
---|---|
現場特有の事情 | 現地の手順やルールが反映されない場合がある |
過信のリスク | AIの提案を無条件に信じず、現場での確認・調整が必要 |
継続的メンテナンス | 業務変更時のチェック項目更新が必要 |
生成AIを用いることで、チェックリストの標準化・効率化・迅速化が可能になります。現場の実情に合わせて微調整しつつ、継続的に活用すれば、品質や安全性の向上にも直結します。
AIでのチェックリスト作成の基本ステップ
ステップ | 内容 |
---|---|
①目的の明確化 | 何のために使うか(例:ブログ投稿前のチェック、製造現場の品質確認など) |
②必要項目の想定 | チェックしたい項目の粒度やカテゴリをイメージする |
③プロンプトの作成 | ChatGPTなどに渡す指示文(後述)を組み立てる |
④AIに生成させる | 出力結果をもとに編集・確認 |
⑤ファイル化・運用 | Excel化やスプレッドシート共有、印刷などで活用 |
ChatGPTへの具体的なプロンプト例
例:工場の出荷前品質確認
製造業の工場で使用する「出荷前品質チェックリスト」を作成してください。
【条件】
・対象:製品出荷前に担当者が行う品質確認
・確認項目数:10項目程度
・形式:表形式(No、チェック項目、確認内容、タイミング、チェック欄)
・含める内容:外観検査、寸法確認、数量確認、梱包状態、ラベル貼付、添付書類の確認など
・シンプルで現場担当者が使いやすい内容で
・Markdown形式で出力してください
出力される内容の例(ChatGPTの返答)
No | チェック項目 | 確認内容 | タイミング | チェック欄 |
---|---|---|---|---|
1 | 外観検査 | キズ・汚れ・異物混入がないか | 出荷直前 | □ |
2 | 寸法確認 | 寸法が図面通りか(ノギス等で確認) | 出荷前検査時 | □ |
3 | 数量確認 | 出荷数量と指示書の数量が一致しているか | 梱包前 | □ |
4 | 製品ラベルの確認 | 品番、製造日、バーコードなど正確に表示されているか | 梱包時 | □ |
5 | 添付書類の確認 | 検査成績書、取扱説明書が揃っているか | 梱包時 | □ |
6 | 梱包材の状態確認 | 外箱や緩衝材に破損・異常がないか | 梱包直後 | □ |
7 | 異品混入チェック | 他製品や部品の混入がないか | 出荷直前 | □ |
8 | シリアル番号確認 | シリアルNo.の記載と記録の一致 | 梱包時 | □ |
9 | バーコード読み取り | バーコードが正しく読み取れるか確認 | 出荷前 | □ |
10 | 出荷先・伝票照合 | 出荷先と伝票内容が一致しているか | 出荷直前 | □ |
応用ポイント(プロンプトに追加できるオプション)
条件 | 追加記述例 |
---|---|
📏 品種別に分けたい | 「製品Aと製品Bで項目が異なる場合は分けてください」 |
🌐 多言語対応したい | 「日本語と英語の併記でお願いします」 |
📊 Excel用がほしい | 「Excelに貼り付けやすいCSV形式で出力してください」 |
📦 梱包仕様を詳細にしたい | 「梱包仕様(箱寸法・緩衝材・ラベル位置)も含めて」 |
✅ チェックボックス付きにしたい | 「チェック欄は ‘□’ で表現してください」 |
形式別出力のプロンプト指示方法
AIは以下のような出力形式も対応できます。
出力形式 | 指示例 |
---|---|
✅ Markdown表 | 「表形式で」「Markdown形式で」など |
✅ CSV形式 | 「CSV形式で出力して(カンマ区切り)」 |
✅ Excel用テキスト | 「Excelに貼り付けやすい形式で」 |
✅ HTML表 | 「HTML表形式で」 |
✅ チェックボックス付き | 「チェック欄を□で表示して」 |
AIでのチェックリスト作成時の活用ツールと連携方法
ツール | チェックリスト作成方法 |
---|---|
ChatGPT(Web版) | テキスト・表形式で作成。用途を丁寧に伝えるのがコツ。 |
Googleスプレッドシート+GAS | チャットで生成したCSVを貼り付け、自動通知も可能 |
Microsoft Copilot(Word/Excel) | 「~のチェックリストを作って」と話しかけると提案される |
Notion AI | チェックボックス付きタスクで即作成。議事録から抽出も可 |
Python + OpenAI API | 定期生成やExcel出力など、大量処理・自動化も可能 |
*お勧めはGoogle スプレッドシートと Google Apps Script(GAS)を活用すれば、生成AI(例:ChatGPT)によるチェックリストの自動生成と、スプレッドシート上での管理・更新を自動化できます。(無料で使える&導入しやすい)
ChatGPT(Web版)で設備点検チェックリストを作成
ChatGPTに下記のプロント文を指示。
エクセル版の設備点検用のチェックリストを作成してください
プロンプト指示結果
**製造業などで使用する「設備点検用のチェックリスト(Excel形式)」**の内容を作成しました。点検担当者が毎日・毎週の点検時に記入しやすいように、シンプルで実用的な項目を設けています。
Excel版「設備点検用チェックリスト」仕様
チェックリスト構成(Excel表イメージ)
No | 点検項目 | 点検内容の説明 | 判定(✔) | 異常時の備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 電源・起動状態 | 電源が入り正常に起動するか | □正常 □異常 | |
2 | 異音・振動 | 動作時に異音や異常振動がないか | □正常 □異常 | |
3 | 配線・ケーブル接続 | 配線が外れていないか、断線がないか | □正常 □異常 | |
4 | 油量・給油 | 潤滑油やグリスの量が適正か | □正常 □異常 | |
5 | 異常発熱 | モーターや機械部品の過熱がないか | □正常 □異常 | |
6 | センサー・安全装置 | 非常停止・センサーが正常に作動するか | □正常 □異常 | |
7 | エア圧・冷却水などの補機 | 補機の圧力・流量・水温などが正常か | □正常 □異常 | |
8 | 外観・損傷・腐食 | 外観にひび割れ・サビ・破損がないか | □正常 □異常 | |
9 | 清掃状態 | ごみ・粉塵・油分がたまっていないか | □正常 □異常 | |
10 | 点検記録・表示ランプ確認 | 異常履歴、アラーム表示が出ていないか | □正常 □異常 |
設備点検チェックリスト.xlsx をダウンロード
Microsoft Copilot(Word/Excel)で設備点検チェックリストを作成
Microsoft Copilotを活用すると、WordやExcelで設備点検チェックリストを簡単に作成できます。以下の方法を試してみてください。
Wordで作成する方法
1. Copilotを開く: Wordを開き、Copilotを起動します(「Copilot」ボタンがある場合はそれをクリック)。
2. プロンプトを入力: 「設備点検チェックリストを作成して」と入力すると、基本的なチェックリストを作成できます。
3. 項目をカスタマイズ: 生成されたリストを手動で編集し、設備の種類や点検項目を追加します。
4. フォーマットを整える: 表を作成したり、箇条書きを使って見やすく整理します。
Excelで作成する方法
1. Copilotを開く: Excelを開き、Copilotを起動します。
2. リストを生成: 「設備点検チェックリストを作成して」と入力すると、項目や点検基準を含む表が生成されます。
3. セルの調整: 必要な項目を追加したり、条件付き書式を設定して、異常値が一目で分かるようにできます。
4. データ活用: チェックボックスやフィルター機能を使うことで、点検作業を効率化できます。
より具体的なチェックリストを作成したい場合は、「機械設備の点検項目を含めて」や「日付・担当者欄を追加して」など、細かく指示すると、さらに適したリストを生成できます。
Copilotで作成された設備点検チェックリスト(Excel)
点検項目 | チェック内容 | 点検結果(✔/✖) | 点検日 | 担当者 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
電気設備 | 配線の損傷・異常 | ||||
機械設備 | 異音・振動の有無 | ||||
安全装置 | 作動確認 | ||||
消防設備 | 消火器の有効期限確認 | ||||
照明設備 | 点灯状態 |
設備点検チェックリストをGoogleスプレッドシート+GASで自動作成
AI chatGPTでチェックリストを作成させてGASと連携して、Googleスプレッドシートに転記させるためにはChatGPT APIキーの認証が必要です。
ChatGPT API( (Application Programming Interface)キーの認証:
ChatGPT APIキーとは、**OpenAIが提供するAI(ChatGPTやGPT-4など)を外部のアプリやサービスから利用するための「認証用キー」**です。
これを使うことで、自作のアプリ・GAS・Excel・PythonスクリプトなどからChatGPTを呼び出して、自動生成・対話・文章処理などを実行できるようになります。
Google Apps Script(GAS)
Google Apps Script(GAS)とは、Googleが提供するクラウドベースのJavaScript開発環境で、Google Workspace(Gmail、Googleスプレッドシート、Googleフォームなど)を自動化・拡張・連携するための強力なツールです。
具体的にはChatGPTで作成したチェックリストを自動でGoogle Sheetsに転記、自動処理、メールの自動化する際に用いられる。
下記にGoogleスプレッドシート+GAS(Google Apps Script)を使って「設備点検チェックリスト」を自動作成する方法を初心者向けに丁寧に解説します。
設備点検チェックリストをGoogleスプレッドシート+GASで作成手順
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Googleスプレッドシートの実行ボタンをクリックするだけでChatGPT API を使って自動で「設備点検チェックリスト(10項目)」を生成させる。
準備するもの
項目 | 内容 |
---|---|
✅ OpenAI APIキー | ChatGPT APIを使うための鍵(取得方法はこちら) |
✅ Googleアカウント | スプレッドシートとGASを使うため |
✅ ChatGPTの利用契約(有料プラン) | GPT-4などで使うには有料APIプランが必要 |
手順
手順①:Googleスプレッドシートを作成
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Googleドライブで新しいスプレッドシートを作成
-
シート名を
設備チェック出力
に変更 -
A1セルにタイトルを書いておく(例:設備点検チェックリスト出力欄)
ステップ②:Apps Script を開く
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メニュー「拡張機能」→「Apps Script」をクリック
-
新しいスクリプトファイルが開いたら、以下を貼り付けます:
function createEquipmentChecklist() {
const apiKey = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty(“OPENAI_API_KEY”); // スクリプトプロパティからAPIキー取得
const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
sheet.clearContents(); // シート初期化
const prompt = `
製造業の工場で使用する「設備点検用チェックリスト」を作成してください。
以下の条件に従ってMarkdown表で出力してください。
– 項目数:10項目
– 表の構成:項目名、説明
– 日本語で簡潔に
– Markdown形式で(| 項目名 | 説明 | のように出力)
`;
const payload = {
model: “gpt-4”,
messages: [{ role: “user”, content: prompt }],
temperature: 0.3
};
const options = {
method: “post”,
contentType: “application/json”,
headers: { Authorization: `Bearer ${apiKey}` },
payload: JSON.stringify(payload)
};
const response = UrlFetchApp.fetch(“https://api.openai.com/v1/chat/completions”, options);
const resultText = JSON.parse(response.getContentText()).choices[0].message.content;
// Markdown表の中身を抽出・整形(ヘッダー区切り行を除去)
const lines = resultText.split(“\n”).filter(line => line.startsWith(“|”));
const dataLines = lines.filter(line => !line.includes(“—“) && !line.includes(“項目名”)); // ヘッダーも除去
const values = dataLines.map(line => {
const cells = line.split(“|”).map(cell => cell.trim());
return [cells[1], cells[2], “”]; // A列:項目名, B列:説明, C列:空欄(確認結果用)
});
// C1に「確認結果(OK/NG)」を記入し、A1・B1にも見出しを設定
sheet.getRange(1, 1, 1, 3).setValues([[“項目名”, “説明”, “確認結果(OK/NG)”]]);
// データ行(2行目以降)に貼り付け
sheet.getRange(2, 1, values.length, 3).setValues(values);
}
ステップ③:OpenAIのAPIキーを登録
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スクリプトエディタ上部メニュー →「ファイル」→「プロジェクトのプロパティ」
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「スクリプトプロパティ」タブを選択
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以下のように入力:
-
キー名:
OPENAI_API_KEY
-
値:
sk-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
(あなたのAPIキー)
-
-
保存ボタンをクリック
ステップ④:ボタンを追加してスクリプトを実行
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スプレッドシートのメニュー →「挿入」→「図形描画」で四角形ボタンを作る
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作った図形の上で右クリック →「スクリプトを割り当て」
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関数名に
createEquipmentChecklist
と入力
実行結果イメージ
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ボタンをクリックすると、ChatGPTに送信されて…
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シートに 「設備点検チェックリスト(10項目)」が出力されます!
下記の良く起きるエラーと解決策を記載しました。
APIキー エラー 「APIの使用量の上限(クォータ)を超えてしまった」
このエラーは、GAS(Google Apps Script)やPythonなどでOpenAI APIを呼び出しているときによく見られます。無料プランや無料クレジットを使っている場合、わずか数回のリクエストで制限に達することがあります。
ChatGPTの「プラスプラン(月額$20)」を使っていても、API使用量の上限(quota)とは別物です。以下のように、ChatGPT PlusとAPIは完全に別契約になっています。
回避・対処方法 OpenAI APIの課金設定を有効にする(必須)
ChatGPT Plusを契約していても、APIは別途課金設定をしないと使えません。
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OpenAIのBilling設定ページ にアクセス
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「Set up paid account(支払いアカウントの設定)」をクリック
-
クレジットカード情報を入力
これで**APIの利用枠(クォータ)**が有効になり、GASやPythonなどからのAPI呼び出しが可能になります。
「OpenAIのAPIキーを使用した初めてのアプリ」の警告
GASの実行キーを押すと初めての場合、初めての場合、下記が表示されるので『権限を確認』を選択する。
次に「このアプリはGoogleで確認されていない」の表示されるので詳細を選択する。
グーグルアカウントに紐づいたアクセス権限を求められるので、「詳細」をクリックしスプレッドシート名が記載されたページへ移動します。この警告は、一見危険に見えますが、「OpenAIのAPIキーを使用した初めてのアプリ」と認識されている証拠のため、スキップしても問題ありません。
ここで「安全なページに戻る」を押してしまうと実行されません。
「詳細」をクリックしましょう。
に移動](https://takuminotie.com/wp-content/uploads/2025/05/a1c196fe4df546e70fbc1971176e0ed3.jpg)
プロジェクト名](安全ではないページ)に移動
すると、その下に新たにテキストが表示、「[プロジェクト名](安全ではないページ)に移動」をクリックする。
プロジェクトに対して、何を許可するのかが表示されます。
「許可」をクリックしましょう。
これで、スクリプトの実行が再開されます。
まとめ
AI(ChatGPT)でチェックリストを作成する際は、目的・対象・出力形式を具体的に指示することが重要です。例:「製造現場向け」「10項目」「表形式で」など。曖昧な指示では内容が抽象的になります。
また、実務に使う場合は内容の正確性を人が確認し、必要に応じて修正することが大切です。誤情報や過剰な一般化に注意しましょう。
その為にも『チェックシートの作成と活用の基礎』を下記の記事を参考に学ぶことが必要です。

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