分布の形を示す統計量:尖度、歪度
尖度(せんど)の求め方
尖度というのは、分布のすその長さ(頂上のとがり度合い)を示す指標で、つぎの式で計算される。
尖度は通常b2という記号で表される。
b2=0 → 正規分布型
b2>0 → 尖っている
b2<0 → 平たんである
歪度(わいど)の求め方
歪度というのは、分布の対称性を示す指標で、つぎの式で計算される。
歪度は通常b1、あるいは√b1という記号で表される。
b1=0 → 左右対称
b1>0 → 右にすそがのびている
b1<0 → 左にすそがのびている
母集団と標本
統計学では、調査・研究の対象となる全体を、母集団といいます。データを収集する場合、母集団全部のデータを集める全数調査(全数検査)と、母集団の一部のデータを集める標本調査(抜取検査)があります。
たとえば、ある工場で製造された製品に不良品がどの程度あるかを調べようとするとき、母集団は製造された製品すべてです。
有限母集団と無限母集団
母集団の大きさが有限の場合を有限母集団、無限の場合を無限母集団と呼びます。
社内で全社員を対象とする調査を考えた場合、社員の数は決まっていますから、このときは有限母集団といえます。
一方、サイコロで6の目が出る確率を調べようとするとき、母集団はサイコロの目が出る回数で、サイコロを振り続ける限り、その回数に上限はありませんから、無限母集団となります。
標本調査
標本とは、母集団から抜き取った一部の集まりです。母集団から抜き取った標本を調べることで、母集団全体の様子を探ろうとする方法を標本調査法といいます。
標本は選ぶ人の意思や感情が入らないように等確率で抽出する必要があります。このためには、乱数やくじを使ってランダムに対象を抽出する無作為抽出法を用います。無作為抽出法は、さらにつぎの4つに分類されます。
単純無造作抽出法:
母集団の構成要素に通し番号を振り、ランダムに必要数の標本を抽出する方法です。
系統抽出法:
母集団の構成要素に通し番号を振り、初めの1つの標本をランダムに抽出し、その後、一定間隔で標本を抽出していく方法です。
多段抽出法:
段階的に調査対象を絞っていく方法です。たとえば、全国の中学生を調査対象とするとき、最初に都道府県単位でランダムに抽出し、つぎに市町村、地区、固体とランダムに抽出していきます。
層別抽出法|層化抽出法
母集団をいくつかのグループ(層)に分け、各グループから標本をランダムに選んでいく方法です。
クラスター抽出法
母集団を全て、分割し、小集団(クラスター:Cluster)を構成する。クラスターを無作為に抽出し、クラスターを構成している全ての要素を対象とします。
統計的品質管理のメリット
統計的品質管理のメリットは、生産工程の実態を細かく把握できるようになることです。 統計的手法を用いてデータを解析していけば、なぜ、製品の品質にバラつきがあるかがわかります。 データ解析の結果を参考にしながら生産工程を改善していけば、品質が均一化された製品を大量生産できるようになります。
統計的品質管理は、市場調査や商品開発の支援、企業の成長率の把握、企業の効率化など、膨大なデータを有効活用するために多くのメリットをもたらします。
質的データから 量的データまで、一連のデータの分析と分類を通じて、よりわかりやすい解釈をすることで、データを操作し、適切な意思決定で特定の文脈の状況を調整できるようになる。 一般的に、統計的品質管理は以下のようなことに役立ちます:
気づかれないトレンドを見極める。
意思決定に客観性を持たせる。
直感的な判断は必要ない。
運用コストを削減する。
市場分析を行う。
統計的品質管理は、どこで最も多くの売上が発生しているか、どこで最も価値のある売上が発生しているか、そしてその売上にどのようなマーケティングが付随しているかを示しています。 これにより、営業やマーケティングなどあらゆる面で効率化を図ることができます。
まとめ
統計的品質管理は、製品の品質のバラつきをコントロールする為の行います。
製品の品質は、「材料」「機械装置」「作業方法」「検査方法」の条件が完全に満たされれば均一化されます。そのため、何が要因となり製品の品質のバラつきが発生しているのか解析する必要があるのです。この解析に「統計的品質管理」が用いられます。
統計的品質管理を習得していけば、製品品質の均一化が目指せます。
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