サーブリッグ分析 therblig analysis 【イラスト図解】
英語:therblig analysis 中国語:therblig分析
サーブリッグ分析とは
「人間の行う動作を目的別に細分割し,あらゆる作業に共通であると考えられる18の基本動作要素に与えられた名称.
備考:サーブリッグ記号は,改善の着眼を考慮して次の3種類に大別される.
第1類は作業を行うときに必要なサーブリッグであり,“手をのばす(transport empty)”,“つかむ(grasp)”,“運ぶ(transport-added)”,“組み合わせる(assemble)”, “使う(use)”,“分解する(disassemble)”, “放す(release load)”,“調べる(inspect)”
がある.第2類は作業の実行を妨げるサーブリッグであり,“探す(seach)”,“選ぶ(select)”,“見出す(find)”,“前置き(preposition)”,“位置決め(position)”, “考える(plan)”がある.
第3類は作業を行わないサーブリッグであり,“保持する(holding)”,“避け得ぬ遅れ(unavoidable delay)”,“避けうる遅れ(avid-able delay)”,“休む(rest)”がある.」 (Z 8141)
ギルブレス(F.B.Gilbreth, 1868-1915年)が考案したもので,自分の名前の反対綴りを名称として与えた.サーブリッグは表のように18種類の基本動作に分類され,人間の動作はすべてこれらの基本動作により成り立っているが,これの分析手法をサーブリッグ分析という.
サーブリッグ記号 一覧
(1)つかむ(G:Grasp)
- 定義:対象物を手または指で、押さえる、つまむ、つかむ動作
- 記号の形:物をつかむ手の形
- 内容説明:
- 「つかむ」動作が継続する場合は、「保持」動作である
- 道具を使って「つかむ」場合は、その道具を「使う」である
- 手や指のほかに、例えば足や肘で対象物を制御する場合も「つかむ」である
- 参考事例:鉛筆をつかむ
(2)位置決め(P:Position)
- 定義:物を直ちに使えるように置き直す動作
- 記号の形:物を指の先端に置いた形
- 内容説明:
- 手が対象物の向きを変える場合、配置し始めた時に始まり、対象物を置き終わった時に終わる
- 軸線を合わせる、方向を合わせる、持ち直すなどがある
- 参考事例:鉛筆の先を書く位置につける。
(3)前置き(PP:Pre-Position)
- 定義:物を使用した後“位置決め”の動作が不要となるように置く動作
- 記号の形:ボーリングのピン
- 内容説明:
「位置決め」動作に似ているが、必要なときに取れるであろう場所へ物を置くことで、探す、見いだす、運ぶ、つかむなどにおけるためらいや遅れの動作が発生しないようにする - 参考事例:次回、使いやすいように置く
(4)使う(U:Use)
- 定義:意図した目的のために、工具、器具、装置を使用する動作
- 記号の形:コップを上向きにした形
- 内容説明:
- 手が工具、器具、装置を使い始めたときに始まり。手がその使用を止めたときに終わる
- 手や指が工具や器具の代用をする場合には「使う」とする。例えば、手で紙を破る、指でのりをつけるなど
- 参考事例:字を書いている間
(5)組立(A:Assemble)
- 定義:二つ以上の物の結合をするための動作
- 記号の形:組み合わせた形
- 内容説明:
- 手が組合せを始めた時に始まり、手が組合せを完了した時に終わる
- 作業としては、手で物を他の物と組合せたり、物の上に乗せたり、中に入れたり、一緒にする動作などがある
6)分解(DA:Disassemble)
- 定義:二つ以上の物を分解する動作
- 記号の形:組み合わせたものから1本を離した形
- 内容説明:
手で一組の組み合わせた物から、取り除き始めたときに始まり、手が対象物を完全に分離したときに終わる - 参考事例:鉛筆のキャップを外す
(7)離す(RL:Release Load)
- 定義:手または指で捉えていた物を離す動作
- 記号の形:皿を逆にした形
- 内容説明:
- 対象物が手から離れ始めるときに始まり、手から離れたときに終わる
- 「つかむ」の反対である
- 対象物を置いてから離す、置く前に離す、落とす、投げる、「保持」から離すなどがある
- 参考事例:鉛筆を手から離す
(8)空手運搬(TE:Transport Empty)
- 定義:何も持っていない手の移動
- 記号の形:空の皿の形
- 内容説明:
- 手が動き始めた時に始まり、次の動作、例えば「つかむ」の物に触れた時に終わる
- 対象物に向かって移動する場合と、仕事が終わって手が元に戻る場合がある
- 参考事例:鉛筆が置いてある所へ手を伸ばす、または鉛筆を離して手を戻す
(9)運搬(TL:Transport Lorded)
- 定義:物を保持して、ある場所から他の場所に移す
- 記号の形:皿に物を乗せている形
- 内容説明:
- 対象物が動き出すときに始まり、静止した時に終わる
- 「運搬」は、空間を運ぶ、押す、引っ張る、滑らす、引きずるなどがある
- 「運搬」の途中に静止があれば「保持」動作になる
- 参考事例:鉛筆を持ってくる
(10)探す(SH:Search)
- 定義:眼または手で目的物の場所を探す動作
- 記号の形:目で物を探す形
- 内容説明:
- 探し始めてから見いだすまでの動作
- 対象物の位置があらかじめ決めてあれば、この動作は少なくなる
- 作業が複雑であったり、作業の不安定なときには多く発生したりする
- 作業に習熟して、手の自然な運動方向に対象物がある場合は、この動作は不要となる
- 参考事例:鉛筆がどこにあるかを探す
(11)選ぶ(ST:Select)
- 定義:数個の中から1個を選ぶ動作
- 記号の形:選んだ物を指示した形
- 内容説明:
- 眼または手が、対象物を探し始めてから、その対象物を発見するまでの動作
- 「つかむ」と結合することがある
- 「探す」と続いて起きる、また「空手運搬」と「つかむ」の動作間に起きる
- 参考事例:数本の鉛筆の中から、適当な物を選び出す
(12)保持(H:Hold)
- 定義:対象物を動かすことなく、保持している動作
- 記号の形:磁石に物を吸い付けた形
- 内容説明:
- 対象物が静止している場合は、停止したときに始まり、次の動作が始まるときに終わる
- 広義に解釈すれば、手や指のほか、体の一部での「保持」も含まれる
- 体や対象物の不安定な状態を支える場合にも使う
- 参考事例:鉛筆を持ったままでいる
(13)避けられない遅れ(UD:Unavoidable Delay)
- 定義:有効な動作を含まず、作業者自身が制御できない動作。例えば、作業者に責任のない作業の中断、一方の手が働いている間に他方の手が働き得ないような作業方法などの場合
- 記号の形:人がつまずいて倒れた形
- 内容説明:
- 手がその動作を止めたときに始まり、再び動作を始めた時に終わる
- “遅れ”は、作業目的に何ら関係のない動作または、停止である
- 参考事例:停電で、字が書けなくなって手待ちとなった
(14)避けられる遅れ(AD:Avoidable Delay)
- 定義:有効な動作を含まず、作業者自身で制御(処理)できる遅れ
- 記号の形:人が寝ている形
- 内容説明:
- 手がその動作を止めたときに始まり、再び動作を始めた時に終わる
- 現在の作業方法で、避けようと思えば避けられる遅れである
- 作業者の責任で避けなければならない遅れである。例えば、手違い、怠慢、不注意などによる作業中断
- 参考事例:よそ見をして、字を書くことを止めている
(15)疲労のための休憩(R:Rest for overcoming fatigue)
- 定義:作業により起こる疲労回復の心身の休み
- 記号の形:人が椅子に腰を掛けた形
- 内容説明:
作業者が動作を止めたときに始まり、動作を始めたときに終わる - 参考事例:疲れたので休息する
(16)考える(PN:Plan)
- 定義:次または後に行うことを計画、理解または判断する心理的作用である。手を休めて「考える」こともあれば、動作をしながら「考える」こともある。後者の場合は“遅れ”は起こらない
- 記号の形:頭に手を当てて考えている形
- 内容説明:
- 考え始めてから、終わるまでである
- 動作中にも行われているが、測定は困難である
- 参考事例:どんな字を書くか考える
(17)検査(I:Inspect)
- 定義:対象物を定められた標準と比較する動作
- 記号の形:レンズの形
- 内容説明:
- 眼または体の部分で検査をし始めた時に始まり、検査が完了したときに終わる
- 視覚、聴覚、触覚、味覚などの感覚を用いて比べる
- 参考事例:字の出来栄えを調べる
サーブリック分析 事例
お茶を入れる動作のサーブリック分析 事例は下記のとおり
ブックマーク