- パレート図 pareto diagram 【イラスト図解】
パレート図 pareto diagram 【イラスト図解】
英語: pareto diagram 中国語:帕累托图
パレート図とは
「項目別に層別して,出現頻度の大きさの順に並べるとともに,累積和を示した図.例えば,不適合品を不適合の内容の別に分類し,不適合品数の順に並べてパレート図を作ると不適合の重点順位がわかる.」(Z 8101-2)
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
パレートの法則とは
イタリアの経済学者・社会学者、ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が、欧州各国や米国の統計データに基づいて統計的に所得配分の研究を行い、1896年にローザンヌ大学の論文集に成果を発表した。
この研究において当該国のパレート定数は、それぞれほぼ1.5で一定であった。このことからパレートは、社会全体の所得の多くは一部の高額所得者が占めているが、それは国や時代の制度の問題ではなく、一種の社会的自然現象であると主張した。
パレートの法則は早くから所得配分だけではなく、自然現象にも当てはまると指摘され、現在では品質管理、在庫管理、売上管理、マーケティングなどにも適用できるとされている。
「不良全体の80%は、20%の原因に由来する」「売上の80%は、全商品の20%が作る」「売上の80%は、全顧客の20%によるものである」といった解釈がそれで、これらは俗に80対20の法則、2:8の法則、80-20ルールとも呼ばれる。
パレート図の累積比率
累積比率は、パレート図の折れ線グラフを描画するために必要です。この折れ線グラフで累積数が全体の中でどのぐらいの比率かを見ることができます。
占有率累計(累積比率)とは構成要素の比率(数量を全体と比べた時の割合%)を順次、加算した比率を言います。
パレート図と ABC分析の違いは
ABC分析とは指標を定め、その指標が大きい順に商品を順位付けることで効率的なデータ分析を行うための枠組みです。
商品の金額や売上高、またクレームの数など多様な指標を設定して、その指標において重要度が高い方からA・B・Cとランク分けしていきます。ランクを分けることで、現状を把握して、今後何を優先的に取り組むべきなのかが判断可能です。
在庫管理で例えると、Aランクはよく売れる主要商品なので在庫を確実に確保しておくべき商品で、Cランクはそこまで売れないため在庫がなくなったら発注するというように分類できます。そのデータを元に、積極的に増産したり、売れない商品を他の商品と入れ替えたりと次の戦略に活用可能です。
ABC分析はパレートの法則の考え方がもととなっており、パレート図のひとつです。
パレート図と棒グラフの違いは?
パレート図は高い棒から低い棒の順に並べられますので順位が一目で把握できます。
一方、棒グラフの場合、高いものから低いものという順序とは限りません、よって順位が一目でわかりにくいです。
エクセルによるパレート図 作り方
データー集計、分類
①データを集める。
②データを項目別(原因別など)に分類する。
③分類した項目別にデータ数を数えて多い順に並べる、その他の項目は最後に並べる。
④分類した項目ごとにデータ数を記入する。
⑤分類した項目ごとに累計する。
⑥分類した項目ごとの占有率を計算する。
⑦分類した項目ごとの占有率を累積する。
*エクセルによるパレート図 作り方の詳細は下記の記事を参照願いします。
関連用語:QC七つ道具
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