- ライン生産方式 line production 【イラスト図解】
ライン生産方式 line production 【イラスト図解】
英語:line production 中国語:流水线生产
ライン生産方式
「生産ライン上の各作業ステーションに作業を割り付けておき,品物がラインを移動するにつれて加工が進んでいく方式.
備考1.流れ作業ともいう.
備考2.すべての品物の移動と加工が同期して繰り返されるライン生産方式をタクト生産方式とい
う.」(Z 8141)
わかりやすく ライン生産方式とは
ライン生産方式(ラインせいさんほうしき)とは、ある期間において、単一の製品を大量に製造するための方法。大量生産を行う工場で製品の組み立て工程、作業員の配置を一連化(ライン化)させ、ベルトコンベアなどにより流れてくる機械に部品の取り付けや小加工を行う作業である。
いわゆる流れ作業。またライン作業とも呼ばれる。別名で、量産方式ともいう。
1個造りの流れ生産を実現するための条件である。運搬や造り過ぎのムダを省くためには機械設備は”小型で安価な専用機”が望ましい。形式としてはU字ライン、S字ライン、コの字ライン、ニの字ライン等がある。
いずれも作業者の動作が最小となるレイアウトで、ワークの投入口と取り出し口を一致させることも重要。
ライン生産方式とセル生産方式の違いは
セル生産方式とは、L字型やU字型に治具や部品を配置した「セル」と呼ばれるラインを構成し、1人または少人数の作業者のユニットで組立工程を完了する生産方式です。 これに対してライン生産方式は、ベルトコンベアなどで製品を移動させながら、所定の位置についた作業者が順番に組付け作業を担い、製品を組み立てる生産方式です。
ライン生産方式のメリット、デメリット
ライン生産方式のメリットは1つ1つの工程が比較的単純な作業で構成されるので、作業者に短期間の教育を行えば生産を行うことが出来ます。
これにより1人の作業者が様々な工程を担当し、多能工化が求められるセル生産方式に比べると1人当たりにかかる教育コストを低く抑えることが出来ます。
一方で次のようなデメリットもあります。
1. セル生産方式に比べるとイニシャルコストが大きい
ライン生産方式は製品を流すためのベルトコンベヤや自動化を行うための工作機械などが必要なため、セル生産方式と比べるとイニシャルコストが大きくなります。また、細分化された工程ごとに作業者が必要なため、作業人員の数も多くなります。このため、生産予測が立てにくく受注生産を行うような重工業では導入が難しく、長期的な需要が見込まれ、多額の設備投資を回収できるような市場規模の大きい製品の製造で導入するのが一般的です。
2. 作業者のモチベーション維持が難しい
ライン生産方式では工程の多くが単純作業のため、作業者が自身の成長を感じられる機会が少なく働くモチベーションを維持することが難しいとされています。これにより、比較的離職率が高く人材の長期的な確保が課題の1つとして上げられています。作業者のモチベーションを向上させるための施策としては主に賃金等の待遇の向上や、優秀な改善提案に対する表彰などメーカー各社で様々な工夫が用いられています。
3. 多品種少量生産には不向き
ライン生産方式は同じ仕様の製品を連続的に流すことで生産効率を上げる方式のため、顧客の要望に合わせてカスタマイズを行う多品種少量生産には不向きです。最近では大量生産を行う製品でもオプションなどが増えたことでライン生産方式からセル生産方式へ切り替える工場もあります。
4. 不良が出た場合の影響が大きい
ライン生産方式は工程が全て決められているため、高品質な製品を連続的に生産できますが、工程そのものの設計が間違っていた場合や検査体制に問題があった場合は不良を大量に出してしまいます。自動車や家電製品の数万台規模のリコールなどが発表されることもありますが、ライン設計のミスが与える影響が大きいこともライン生産方式のデメリットと言えます。
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