- 可動率 operational availability 【イラスト図解】
可動率 operational availability 【イラスト図解】
英語:operational availability 中国語:可动率
可動率とは
可動率は 英語ではoperational availability、設備を運転したいときに正常に動く状態の割合の事。
故障ゼロの指標の1つ。「機械設備を動かしたい時(必要な時)に正常に動かすことができる」度合いをいう。機械設備の生産保全度・作業効率をも意味する。
可動率の計算、求め方
以下の算式で表す。
可動率=停止故障なしの実稼動回数/顧客要求稼動回数×100%
例えば、ある日に7時間の稼動をさせようとしていた設備があって、そのうち、故障で1時間使えなかったとしたら、6÷7で約85%の可動率です。稼働率とは違い、需要・オーダーに依存せず、また、100%を超えることがありません。
「可動率」の読み方は
顧客要求高に基づく稼働時間を稼動時間で除し、ムダの比率を割り出す「稼働率」は、実作業における”ムダ取り”の目安となるのに対し、「可動率」はその”ムダ取り”の実績評価といえる。
また「カドウリツ」と区別し「ベキドウリツ」と呼ぶこともある。ジャスト イン タイムによる流れ生産を実現するには、故障ゼロすなわち可動率100%が決め手となる。
可動率の低下の要因、改善対策
可動率を低下させる代表的な要因は以下のとおり。
臨時休業による可動率の低下
需給バランスが崩れている場合など、経営判断として工場や設備の稼動を意図的に止めることがあります。
これによって稼働率が下がります。(一方、可動率は影響を受けません。)需要にあった生産能力調整、数週間~数か月レンジでの生産計画の最適化などで対応するものになります。
故障等による可動率の低下
設備の故障などで使えない時間です。設備のメンテナンスや点検などで防止していきます。
また、こういったトラブルでは、部品の経年劣化や締め付け固定部のゆるみなどが原因となって、設備が止まってしまう前から異音や振動、サイクルタイムの悪下、歩留りの低下などの形で徐々に兆候が表れるケースもあります。設備異常の兆候を検知し、発生の前に現場へ通知する予兆保全の事例がありますが、これはAIや機械学習の技術によりこのような兆候を検出することで実現しています。
小停止よる可動率の低下
ワークのズレや充填材料切れなどでの小停止、また、設備の自動運転による加工が完了しワーク取り出しなど人の介在が必要になって待っている時間です。数分から十数分程度など短時間で、日に何度も発生することから、チョコ停とも呼ばれます。
しかし、程度が軽く頻発することから、正確に記録・データ化されず、実態が計測・定量化されていないため、改善の対象としにくいものとなっています。作業方法の改善で発生を抑止したり、発生した場合にすぐに気づいて対応を開始できるようにするなど、現場の改善で短縮することが可能です。
段取替えによる可動率の低下
専用ラインではなく、汎用設備・ラインで複数品目を作っている現場では、次の品目をつくるために設備の設定やワークの設置、治具や材料の調整などが必要です。また、始業時や昼休み明けなど、温度等の製造条件が整うまでに一定の時間を要する場合もあります。特に多品種少量生産で、生産計画が適正化されていない場合には、この時間が多くなる傾向があります。数日から数週間のレンジでの生産計画として納期や稼動時間、段取り回数をバランスさせていきます。
稼働率と可動率の違い
可動率は 英語ではoperational availability、設備を運転したいときに正常に動く状
態の割合の事。
設備とその保全によってもたらされる信頼性に相当し、 次の式で表される。
可動率= 動作可能時間÷動作可能時間十動作不能時間
常に100%にしていくことが理想とされる。
稼働率は製品の生産効率を表しており、生産計画での生産量または時間に対する、実際の生産量または時間の比率を意味します。
稼働率は、現場のオペレーションも大事ですが、まずは需要・オーダーが十分にあることが前提になります。需要・オーダーが多いと100%を超える場合もあります。
一方、可動率は設備の運転効率を表すもので、正常時の生産時間に対する、実際の生産時間の比率を意味し、100%を超えることがありません。
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