品質機能展開 QFD 【QC用語】
英語:quality function deployment
品質機能展開とは
製品に対する品質目標を実現するために,さまざまな変換及び展開を用いる方法論. QFDと略記することがある.
参考:
“品質展開”,“技術展開”,“コスト展開”,“信頼性展開”及び“業務機能展開”の総称.」
{Q 9025}→品質展開
わかりやすく 品質機能展開 QFD
品質機能展開は日本で開発された管理技法で、顧客のニーズや期待を整理し、技術的にどうすれば、顧客の要望する品質を確保でき、顧客に喜んでもらえるかを明確にする方法です。
新製品の開発段階から確実な品質保証を可能にする方法であるとともに、「売れる商品創り」という経営の根幹となる活動の全体を、漏れなく視覚化しながら組織的に進める方法でもあります。
また、この方法は、企業経営に限らず、日常生活の身近な課題も含めた様々な使い方が可能な方法論ともいえます。
品質機能展開の歴史
品質機能展開は、顧客のニーズや期待を整理し、技術的にどうすれば、顧客の要望する品質を確保でき、顧客に喜んでもらえるかを明確にする方法です。また「売れる商品創り」という経営の根幹となる活動の全体を、漏れなく視覚化しながら組織的に進める方法でもあります。
また、この方法は、企業経営に限らず、日常生活の身近な課題も含めた様々な使い方が可能な方法論ともいえます。
品質機能展開は水野滋、赤尾洋二両博士が1960年代後半にブリジストンの工場でタイヤの品質保証体制構築を指導した際に初めて応用され、1970年代に入って三菱重工神戸造船所、トヨタグループの工場他を指導する中で洗練され確立されました。
その後、80年代に入り米国の自動車業界でも活発に導入され、応用、進化発展されながら世界的に広まっています。英語ではQFD(quality function deployment)と呼ばれています。
品質機能展開の核心部分
品質機能展開の根幹をなすのが、図表6-1の品質表です。この表はきわめて簡単な2元表であり、次のように整理され展開構成されます。
①まず顧客はどのような品質を欲しているのか(要求品質)を拾い上げ階層構造にまとめ上げる。
②次に顧客要求に対応して技術的にはどのような特性(品質特性)を考慮すべきかを、まとめ上げる。
③①と②の組み合わせの中で、競合他社の製品のレベル等も考慮しながら、どの点に重点を置くかを絞込む。
④製品の品質をどのように企画するのか(企画品質)を設定する。
⑤その企画品質を実現するためにどのような仕様に設計(設計品質)すればよいか、または不足している技術力は何かを明確にしていく。
品質機能展開の構成
はじめは品質保証のために使われていたQFD(品質機能展開)。この品質機能展開には
下記の5つの種類があります。
品質展開、技術展開、コスト展開、信頼性展開、業務機能展開
注(1)三角形は項目が展開されており、系統図のように階層化されていることを示している。
(2)矢印は変換の方向を示し、品質要求が品質特|住へと変換されていることを示している。
(3)四角形は2元表の周辺に付属する表で、企画品質設定表や各種ウェイト表などを示している。
(4)この2元表の表側は機能展開表であるが、表頭は品質特|生展開表であることを示している。
(5)この2元表の表頭は機構展開表であるが、、表側は要求品質展開表であることを示している。
(出典:JIS Q 9025)
QFDの推移
当初、QFDは製造される製品の品質を設計品質に適合させるための活動(品質保証)に使われました。しかし、これらの活動が定着し、適合品質が「当たり前品質」と認識されるようになるにつれ、新製品・サービスの開発における技術・コスト・信頼性面の情報を含めて検討することの重要性が認識されるようになっていきました。
そしてこれに応える手法として進化を遂げ発展したのがQFDです。つまり、当初は確実な品質保証を目的として製品・サービスの品質に着目した品質展開が中心をなしていたが、その後、技術展開、コスト展開、信頼性展開が付加されていったわけです。
さらに、これらの一連の活動を実現するため、どのように業務を進めると効率的かを明確にする必要性も認識され、業務機能展開が追加されました。
品質機能展開の定義
JIS Q 9025(2003)「マネジメントシステムのパフォーマンス改善一品質機能展開の指針」では、品質機能展開を「製品に対する品質目標を実現するために様々な変換及び展開を用いる方法論」と定義され、品質展開、技術展開、コスト展開、信頼性展開、業務機能展開の総称であるとしています。
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