問題意識 【イラスト図解】
英語:problem consciousness
問題意識とは
問題とは,あるべき姿と現状の姿との乖離である.あるべき姿とは,実現すべき計画,達成すべき目標,守るべき規則などのことを意味し,現状の姿とは実際の有様のことを意味する.
そして意識とは,その状態が分かり,気にかけていることである.したがって,問題意識とは,あるべき姿と現状の姿の乖離を把握し,それを解決しなければならないと考えていることである.
問題意識をもつためには,あるべき姿を具体的かつ客観的に表現するとともに,現状の姿を正確にとらえることが不可欠である.
すなわち,問題意識はPDCAサイクルを回し,C(Check)によって形成されることが望ましい.事を楽観的にとらえすぎて油断することは禁物であるが,客観的根拠もなく心配をする杞憂もまた禁物である.
問題と似た言葉に課題がある.
これはありたい姿と現状の姿との乖離のことである.ありたい姿とは,理想,願望,希望などのことを意味する.両者は一見似ているが,次の点で異なる.問題には必ず原因が存在するが,課題にはそもそも原因は存在しないのである.それゆえに, 問題解決のアプローチと課題達成のアプローチは異なる.
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
わかりやすく 問題意識
1.問題とは?
あるべき姿と現状とのギャップを問題と言います。現状は目の前に見える今の姿ですからすでにわかっており、あるべき姿を明らかにすれば、現状とのギャップとして問題が見えてきます。
たとえば、現状100個に3個が不良品という良品率97%のラインの場合、このラインの過去の最高値である良品率98%をあるべき姿に設定すれば、ギャップは1%となり、これが「問題」となります。
課題とは?
問題と課題はしばしば混同されますが意味が違います。
問題は現状の姿に着目し『設定している目標値』と現状の差であり、これに対して課題は将来の目指す姿に着目し『将来にあるべき姿の目標値』と現状との差です、問題は『解決する』であり課題は『達成する』です。
問題を『達成する』とは言いません。
QCストリーのタイプ、種類
問題解決法で原因に迫って対策を講じるタイプを「問題解決型」、設計的なアプローチを「課題達成型」、原因や対策が見えている場合を「施策実行型」と呼んでいる。
QCストリー 3つの型 活動の内容
種類 | 課題達成型 | 問題解決型 | 施策実行型 |
問題内容 | あるべき姿に近づけるため | ありたい姿にちかづけるため | 対策優先 |
活動内容 | 課題追求、良さを追求する | 原因追求、悪さを追及する活動 | 対策がみえているなら、まず対策を |
問題解決の為のプロセス思考
問題解決には考え方の定石としていくつかの基本的は考え方があります。
例えば、製品に傷がついていた、異物が混入していた、といったクレームが顧客からよせられ、何らかの対策を検討します。
顧客クレームだからすぐに対応しなくてはなりませんが傷、異物といった結果を表面的に見るのではなく、どのような経過(プロセス:process)で不良が発生し、発見できずに流出したか、プロセスを見る必要があります。結果は、プロセスによって導かれたものであってプロセスがなければ結果もないという考え方に基づいています。
事実を把握
問題解決は事実をとらえるところから始まります。改善活動の現場でよく「事実をとらえて、データで説明せよ」と言います。事実とは、今現実に起きていること、また刻々と変化する最新の状況のことです。
事実をとらえることは、現場で現物をよく見ることから始まります。問題は現場で起きています。たとえば、機械で製品をつくる工程なら不良品は機械でつくられていることになりますし、手作業職場ならその作業の中で不良品がつくられます。決して、現場から離れた会議室やスタッフの席不良がくられるわけではありません。ですから、現場で現物を見て現象(現実)を確認せよ、と言われているのです。こうした考え方を三現主義と言います。
また、データを示すことも必要です。過去の経験から不良品は機械の立ち上がり直後に多いと思っていたら、データを取ったらまったく違った、といったことがよく起こりす。事実をとらえる対極にある考え方が経験、カン、度胸でローマ字の値文字を取って[KKDの管理]などと呼ばれ、事実にも基づかない問題解決活動を戒める教訓となっています。
関連記事:問題解決型手法 QCストーリーとは?【図解】
ブックマーク