自主検査 self inspection 【イラスト図解】
英語:self inspection 中国語:自检
自主検査とは
製造部門が自分たちの製造した製品について自主的に行う検査.
従来からある製造部門は,作ることだけに専念し,検査は検査部門でやるという考え方に対し,製造部門の品質責任の一つの具現化手段として,また製造部門が検査を行うことにより検査結果を迅速に製造作業に反映させるという効率的不良低減の手段として実施されるようになってきた.つまり,不良品は後工程に流さないという考え方である.
自主検査が徹底してくると,検査部門の仕事は製造部門における検査の確認に加えて,寸法や外観など,いわゆる仕様書や規格に対する検査から消費者に近い立場で品質や機能の確認を行う方向に移行してくる.しかし,このようなメリッ卜が達成されるのは,あくまでも製造部門全体の従業員の品質管理に対する理解と責任感によってはじめて達成される.
これらの条件がないところで自主検査を導入すると,不良品が市場へ流出するおそれがある.
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
自主検査の目的
自分で製造し、自分で検査(点検)し、不良となったらその場で即対応し、二度と不良につながらないようにする検査方法。このためには多能工化の推進や流れ生産等が課題となる。また、1人の作業者でなく工程内でこのような検査プロセスにすることを「自工程検査」という。
◇ものづくりでは『1Work-1Check』と『ブロック保証』が品質保証の基本
①1加工 1点検:製造の基本は自分で加工したモノを自分て点検するのが基本。
②ブロック保証:製造の基本は自工程で生産加工したものを次の工程に渡す際に検査するのが基本。
自主検査では作業者=検査員という役割分担になります。 つまり、作業者の責任や権限の拡大です。 現場は、自らの仕事を、自ら客観的に判断します。
仕事の品質が狙った水準に至らないと判断したら、自ら原因を究明し対策を打つのです。 自らPDCAを廻すので、仕事が早くなります。
それには、自分の仕事を自分で管理し進めるスキルが求められます。 作業者と管理者の一体化です。 少子化は避けられない外部環境の変化です。
中小製造現場の生産性向上は喫緊の課題になっています。 待ったなしです。 そして、生産性向上の施策のひとつに「多能工化」があります。
多能工化により、組み立て工程では、セル方式生産ラインの構築が可能です。 また、複数工程に対応できる技能を持てば、加工工程での1個流しができます。 「多能工化」は生産現場の生産性を高める要因のひとつです。
今後の生産性向上は、こうした「多能工化」を、責任や権限の範囲にまで広げる必要がありそうです。 作業者も自らの作業(業務)をマネジメントするスキルを身につけることを目指します。
現場で展開される業務の質を向上させるのです。 そうした姿勢がなければ、「自主検査」のような責任を伴う業務を兼務できません。 嗜好の多様化へ対応するため、業務はどんどん複雑化することが予想されます。
一方で、現場の人員数を増員できない状況であるとしたら仕事のやり方を変えなければなりません。 作業者と管理者の境を取り除くような「多能化」を目指すのが具体的な対応策となります。
自らの作業をする一方で、自らの仕事も管理する。 つまり、作業をこなすだけでなく、現場にも仕組みを構築するスキルを身に着けてもらうのです。 現場の実務を進める担当者が自ら仕組みを考えます。 狙いを外さない、的を射た仕組みに仕上がることが期待できませんか? 現場全体が、1ランク上の仕事ができる状態に至ります。
ブックマーク