マトリックス・データ解析法

マトリックス・データ解析法 事例4
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マトリックス・データ解析法とは

マトリックス・データ解析法とは、マトリックス図の交点に数値データが与えられた場合に、多くの数値データを相関分析などで処理し、二次元平面図(X-Y平面図)に表わし、問題とその要因との関係をわかりやすく示す手法で、多変量解析では主成分分析といわれています。

マトリックス・データ解析法は多くの変量の値をできる限り情報の損失を少なくし、2次元、3次元に変換し見やすくする手法です。

この解析は多数の変数の中に相関係数の大きい組があればまとめて1変数に集約していくことを基本にしています。

マトリックス・データ解析法 事例

マトリックス・データ解析法 事例1採用試験で、筆記試験と面接試験との総合評価で決めることにし、各試験評価を5段階評価した結果は表1です。

マトリックス・データ解析法 事例2各評価項目を標準化するため、各データから平均値を引いて標準偏差で割った結果が表2です。

表2のデータを図に表わしたのが図1です。

マトリックス・データ解析法 事例3

図1では試験結果の総合評価をすることがむずかしいので、X軸(筆記試験軸)Y軸(面接試験軸)それぞれを45度回転させ、X0軸、Y0軸とすると、各点が総合評価軸のX0軸に接近し、図2のように総合評価が明確になります。(筆記試験の評価が平準化されているのでY0軸で総合評価が可能)

こうした手法を用いることによって、多くの指標の多量のデータ情報をいろいろな角度から分析し、数個の総合的指標(主成分)に置き換え、平面上にわかりやすく図表化することによって、問題解決の要因を把握できるようになります。

マトリックス・データ解析法 事例4

マトリックス・データ解析法 事例5

マトリックス・データ解析法 要点

マトリックス・データ解析法 要点

マトリックス・データ解析法の作り方 事例

目的を決定

全社的に実施しているセミナー15コースを、「IT教材の充実」からはじまって、「独特なスタイル」まで6つの評価尺度で評価し、どういったセミナーがよいのかを探つてみることにしました。

評価は、5段階評価で「5」に近いほどよい評価点とします。この評価にあわせてセミナーごとの受講希望者の動向も5段階で評価することにしました。

【評価の概要】
評価セミナー数:15コース
評価項目:「IT教材の充実度」「テキストの充実度」「実習の充実度」「優秀な講師陣」
「事務局のお勧め」「独特なスタイル」
結果評価:「受講者数の増加状況」
評価点:5点:非常によい 4点:よい 3点:普通 2点:悪い 1点:非常に悪い

マトリックス・データ解析法 作成1

マトリックス・データ収集

目的に合わせて、データを収集します。
収集するデータは、アンケート形式でも実測値でもかまいません。数値データであれば解析できます。 マトリックス・データ解析に必要なデータは、各サンプルにすべての評価点が入ってていることが必要条件です。

したがって、アンケートなどからデータを収集するときは、すべての項目に何らかの評価点が記入されるよう注意しておきます。

ここでは、15コースのセミナーを評価した結果をマトリックス・データ形式にまとめています。行にサンプルナンバーを記入し、列に評価項目をタイトルとして記入します。
記入が終われば、欠落データがないか、誤記入がないかなどをチェックします。

マトリックス・データ解析法 作成2

データーを基準化

ここでのデータは、すべて項目の評価点の大きさと単位が同じですが、評価項目が身長、体重、年齢など大きさや単位が違う場合、単位の取り方によって、答えが変わります。

そのため、各データを平均値0、標準偏差1のデータに変換することで、この問題を解消することができます。この方法をデータの基準化といいます。

基準化データは、次の式で計算します。
基準化デー夕=(デー夕)ー(平均値)/(標準偏差)
例えば、コースAの「IT教材の充実」の基準化データは

「IT教材の充実」の基準化データ= 4-2.933/1.033=1.033

となります。

相関係数を計算

相関係数とは、2つの項目間に関係があるかどうかを評価する係数です。

相関係数は、-1から+1までの値をとり、±1に近いほど相関があるといい、この相関が強い項目を1つにまとめることがマトリックス・データ解析法の特徴です。

「テキストの充実度」と「優秀な講師陣」の2つの項目の相関係数は0.855であり、+1に近いため相関が強いということがわかります。

以下、「事務局のお勧め」とF独特なスタイル」の相関係数が0.604、「テキストの充実度」と「実習の充実度」の相関係数が0.423と続いています。
この相関係数の一覧表をここで示します。これを相関行列とよびます。相関行列を計算するには、エクセル分析ッールの「相関」を利用します。

マトリックス・データ解析法 作成3

主成分を選ぶ

固有値とは、新しい評価尺度(主成分)それぞれが、全体の情報量(ばらつきの大きさ)のうち、どれくらいパーセントを占めているかを表しています。

例えば、この表の新しい1番目の主成分Z1は、全体の情報量の37.8%(固有値二主成分の数、2.265丁6)となります。これを寄与率といい、1つの主成分が元の全項目が持っている情報の何割を説明できるかを表しています。第1主成分Z1と第2主成分Z2の寄与率を足した69.1%を累積寄与率といいます。

主成分をいくつ採用するかは、累積寄与率が70~80%以上で、固有値が|以上ということが目安になります。ここでは、第1主成分ZI(固有値2.265)と第2主成分Z2(固有値1.882)を取り上げることにします。この2つで、累積寄与率が69.1%であり、ほぼ70%をクリアしています。

固有ベクトルの計算は、エクセル2010のソルバー機能を利用して計算することができます。

マトリックス・データ解析法 作成4

主成分のネーミング

各主成分と元の評価尺度(IT教材の充実など6項目)との相関係数を計算したものを因子負荷量といいます。この値は各主成分が元の評価尺度とどれくらい強く関わっているかを示すものです。

新たに取り上げた第1主成分Z1と第2主成分Z2のネーミングを行います。主成分のネーミングは、「主観的に」行われますが、その際、手がかりとなるのは、主成分を構成している固有ベクトルや因子負荷量の大きさと符号です。

例えば、第1主成分Z1は、ほば6項目とも「十」の値を示しており、これを「講義の充実性」とネーミングします。同様に第2主成分Z2は、「テキストの充実度」「実習の充実度」と「優秀な講師陣」が「-」であり、「IT教材の充実」「事務局のお勧め」と「独特なスタイル」が「十」であることから、これを「内容の話題性」とネーミングします。

マトリックス・データ解析法 作成5

主成分得点の計算

主成分の式を使つて対象的に(例えばコース別に)、主成分の値を算出したものが「主成分得点」です。
主成分得点は対象のグルーブ分けや対象の評価に使います。グルーブ分けの際に役立つものは主成分同士の散布図です。第2主成分まで採用するのであれば、第1主成分と第2主成分の散布図を作成し、視覚的にグルーブ分けを行います。

ここでは、第1主成分z1「講義の充実性」と第2主成分z2「内容の話題性」の散布図を書き、別データから「受講者数が増えてきているコース」をマーキングすると、4つのコース(B、C、F、H)は、話題性というよりも確実に理解できるセミナーであることがわかります。

マトリックス・データ解析は、このようにして視覚に訴えられなかった多次元データを情報の損失をできる限り少なくして、2次元で考祭することができます。

マトリックス・データ解析法 作成6

参考文献:
図解 よくわかるこれからの品質管理 著者:山田 正美

図解入門ビジネス新QC七つ道具の使い方がよーくわかる本 著者:今里健一郎

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