段取りの改善

外段取り化
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段取りとは

決められた期限までにゴールイメージを確実に実現するために、仕事を進める準備を整える事を「段取りをつける」と呼びます。

段取り」は、もともと歌舞伎の構成や展開のことを示す言葉だったといわれています。今ではもっと広く、さまざまな分野で物事を行う順序や手順、準備のことを指す言葉として使われています。

工場での段取りとは、必要な道具を揃えておいたり、手順、工程の順番まで決めておき、いつでも取り掛かれるようにし、切り替え時間を短縮できるように準備しておく事をいいます。

段取りとは

段取りの種類

外段取り:

機械設備を止めなくてもできる段取りのことをいう。つまり作業を中断しなくても段取り作業が進められる。たとえば、金型の事前準備やプレヒーティング等がある。

内段取り:

機械設備を止めなければ、できない段取りをいい、その作業を内段取り作業その作業に費やす時間を内段取り時間という

調整時間:

設備の条件を次に流す製品に合わせて調整する時間をいう。

段取り種類

段取り種類

段取り改善の進め方

TPMでは段取り改善について、図表のような7ステップが用意されている。

分 析 段取リ替え作業の内容を分析する
探す」の排除 5Sのうち、整理・整頓を徹底する
内段取リと外段取リの区分 外段取リ(事前準備・事後始末など)機械・ラインを止めなくてもできる段取りはないか
内段取リの外段取リ化 内段取リ機械・ラインを止めなければならない段取リを外段取リ(プリセッティング)にできないか
内段取改善 その1二変数の定数化品種によって変わる寸法や位置、変数を一定の寸法や位置、定数にする
その2:位置決め、寸法出しの改善ワンタツチセツトにできないか
その3:着脱の改善ワンタッチ着脱、着々作業の検討
その4:並行作業の実施を検討する
調整の排除 ここまでのステツプの改善でなお残る調整を排除する
段取リ替え作業の標準化と訓練 段取リ替え作業の十分条件動作ができるまでの訓練を実施する

ステップ1:段取りの分析

実際の段取り作業の内容を、手順ごとに所用時間を計測し、下図のような表を使って見えるように整理する。

 ビデオカメラで段取り作業を撮影すると、繰り返し確認できるし、また詳細な分析が可能になる、会議室での改善案検討時にも活用することができる。

段取り分析

改善の4原則

調査内容から作業毎のムダ・ムラ・ムリの摘出、外段取り化の

検討やECRSによる対策案の検討などを行う。

 ECRSとは改善の4原則である。

EEliminate:排除…その作業を止められないか

C(Combine:結合…AとBの治具を組み合わせられないか

Rrearrange)  :置換…aとbの作業を入れ替えられないか

SSimplify)    :簡素化…簡単にできないか

ステップ2:「探す」の排除

1)「探すムダ」の排除

 探すムダを排除するための基本的な考え方は、5S、定置管理を徹底することである。 5S面では、「整理(いるものといらないものを区分する)」と「整頓(いるものがすぐ取り出せ、戻しやすい状態)」を順をおって実行する。

探すムダ改善事例

2)「移動・運搬のムダ」の排除

 治具・工具・部品の「移動・運搬のムダ」は、点在する置場のレイアウトの悪さも1つの要因である。段取り場所のできるだけ近くに設置し、ロスを少なくする。また、運搬する場合は一度の運搬でできるようキット化し、専用台車で運搬する。

段取りに使用する工具は、工具棚から準備するのではなく、段取りする場所に専用化し設置するとよい。

移動・運搬のムダ改善事例

ステップ3:内段取りの外段取りの区分

1ステップで調査した内容をもとに、内段取りと外段取りに区分する。内段取り、外段取りのルールが不明確なため、大きなロスが発生していることを見逃さないことが重要である。

内段取りの外段取りの区分

ステップ4:内段取りの外段取り化

外段取り化の改善対象は、対象作業が機械を止めないとやれないのか、止めずにやる方法はないのかを検討することである。

事前準備を徹底することで、外段取り化が達成できるのである。

たとえば、次の生産に使用する金型、治具、工具、刃具のプリセット化などに加えて、部品の準備までできるのではないだろうかを検討する、また、生産後の品質記録も加工開始後に実施すれば外段取りとなる。

外段取り化

外段取り化改善事例1

外段取り化改善事例1

ステップ5:内段取りの改善

1)基準の統一|変数の定数化

 機種によって変わる寸法、位置を一定の寸法、位置に定数化できないか検討する。その着眼点は加工基準の統一や、位置決めに対する基準を定数化することである。

また、設計面で検討を加えることにより、お客様と打合わせのうえで加工に必要なクランプのための「余肉」をつける等の検討し可能な限り機種によって変わる変数(寸法、位置等)を統一する。

改善前:袋の種類 8種類    改善後:4種類

内段取り改善事例

内段取り改善事例2

(2)位置決め、寸法出しの改善

次に「一発で位置決めできないか」「ワンタッチでセットできないか」「目盛を見ないでできないか」などを検討する。すなわち、調整作業を排除するための方法を見つけ出すのである。

位置決め、寸法出しの改善

(3)着脱の改善

着脱作業の効率化は、取付け・取外し作業のすべてに対しワンタッチ着脱化を図ることである。着脱に使用する工具、ボルトなどの締付け具毎に着目する。昔から言われていることだが、「ボルト1本親父の仇き」というくらいの気持ちで行う。

着脱の改善事例

着脱の改善事例2

着脱の改善事例3

(3)並行作業の実施

大型設備やラインの段取り作業は、作業範囲が広く歩行ロスが大きなウェイトを占めるケースが多いものである。そうした場合は、複数人で作業を行えば要する時間は短くなる。作業範囲や時間的タイミングを考慮し、互いに待ち時間がないか確認しながら、どうしたら並行作業が可能か検討する。

並行作業の改善事例

ステップ6:調整の排除

目盛を読んでの寸法調整は止め、ワークごとにブロックを作り、基準部に突き当て一発で寸法決めをする。

更に位置決めの改善などで見つけた基準値の設定を改善すれば調整作業は排除できる。

段取りがうまくいけば、調整はやらないこともある・・・

ということは、本来やらなくても良い作業です。

段取り改善

調整の排除課改善事例1

調整の排除改善事例2

ステップ7:段取リ替え作業の標準化と訓練

改善された段取り作業の内容は、従来の標準書とは様変わりしているはずである。
ベストの状態を維持するためには、段取り替え作業手順書や基準書を作成し、それに基づいて誰もが同じ手順で、同じ時間で作業ができるよう訓練を繰り返すことが必要である。

段取リ替え作業の標準化

slideshare ダウンロード資料(PDF)

パワーポイントで作成した資料です。

 

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