スポンサーリンク
言語/language
スポンサーリンク
スポンサーリンク
工場求人急募!!『高収入、寮完備』   こちら

世界と日本の品質管理の歴史 | 統計的品質管理SQCの歴史

QC歴史
QC歴史
この記事は約9分で読めます。

3分で分かる! 世界と日本の品質管理の歴史の概要

世界と日本の品質管理の歴史:それぞれの歩みと共通点

日本の品質管理は世界的に高い評価を受けていますが、世界全体で見ると、品質管理の歴史は国や産業によって様々な展開を見せてきました。ここでは、世界と日本の品質管理の歴史を比較し、それぞれの歩みと共通点を見ていきましょう。

世界の品質管理の歴史

産業革命期: 量産体制の確立とともに、製品の品質管理の重要性が認識され始めました。
20世紀前半: アメリカを中心に統計的手法を用いた品質管理が発展しました。ウォルター・シューハートやW.エドワーズ・デミングなどが代表的な人物です。
第二次世界大戦後: デミング博士の日本への渡航をきっかけに、日本の品質管理が大きく発展しました。
1980年代以降: TQM(総合的品質管理)が世界的に広まり、品質管理が経営戦略の中心へと移行しました。

日本の品質管理の歴史

日本の品質管理は、世界の歴史を踏まえつつ、独自の展開を見せてきました。

戦後: アメリカの品質管理の概念を導入し、QCサークル活動などを中心に品質向上に取り組みました。
1960年代~1970年代: TQC(全社的品質管理)が普及し、品質に関する意識が全社的に高まりました。
1980年代以降: TQMへと進化し、品質管理が経営戦略の中心へと移行しました。

世界と日本の品質管理の共通点

統計的手法の活用: 両国とも統計的手法を品質管理に活用してきました。
顧客満足度の重視: 顧客のニーズに応えるための品質向上を目指してきました。
継続的な改善: PDCAサイクルを回しながら、常に改善を続ける姿勢が共通しています。

世界と日本の品質管理の違い

QCサークル活動: 日本のQCサークル活動は、従業員が主体的に品質向上に取り組む点が特徴です。
経営層の関与: 日本の企業では、経営層が品質向上に強い関心を示し、トップダウンとボトムアップの連携が図られてきました。

日本と米国における品質管理の歴史

日本と米国における品質管理の歴史

 

 

 

 

統計的品質管理とは | SQCとは

近代的品質管理は1920年代から第二次世界大戦中にかけてアメリカで生みだされたものであるが,
その発展の過程で「よいものを作るための品質管理」「よいものを買うための品質管理」に分れた。
‘前者は日本で発展した全社的品質管理(TQM)となり,後者はIS09000規格による品質システムの審査登録制度となっている。

統計的品質管理の発展の系譜 | アメリカのベル研究所で誕生

品質を管理するという問題は,製品をつくるという場面では,時代や地域を越えて常に存在しているが,近代的な意味での「品質管理」が生まれたのは1920年代である。ノーベル賞の受賞者を何人も出しているアメリカのベル研究所で,現代的な意味での品質管理という技術が開発された.その背後にあったのは,近代的な大量生産方式で大量の工業製品をいかに確実に作るかという課決題である。

それまでの工業生産はヨーロッバを中心として発展してきたがそこでは個々の製品の品質を作業者の熟練と検査によって作り込む方式を基盤としていた。

ベル研究所のシューハート(W.A.Shewhart)は大量の製品の品質を全体的にまとめて作り込む方法がないかを考察し,品質管理に統計的方法を応用することを発案した。この考えは1920年代において一連の論文に発表されたが,これが現代的な意味での品質管理の出発点といってよいだろう。

品質管理創始者シューハート

統計的品質管理SQC 創始者シューハート

 

1931年には統計的品質管理の古典ともいわれる著作,『Ecomic Control of Quality of Manufactured Product』が出版された。

しかし,この方法の普及は第二次世界大戦勃発まで待たなければならなかった.実際,1930年代にシューハートの考え方に従って統計的品質管理を実施した企業はアメリカにおいても数社しかなかったといわれており,アイデアはあっても,実施には結びつかなかった。

統計的品質管理を行うには製品の品質特性を測定して,データに記録し統計師が解析することが必要になる。
現在では大学や企業で統計的方法の教育訓練が行われておりデータ処理はコンピュータを使えば簡単に行えるが,1930年代の教育・技術のレベノレではこれを受け入れることは困難であった。こんな難しいことはとても無理だということで,現場ではほとんど採用されなかったのである。

アメリカ軍による普及活動 | 統計的品質管理の基礎

近代的な意味での品質管理活動が企業において本格的に取り上げられたのは第二次世界大戦中,アメリカの軍の指導によってである.アメリカの軍は戦争に用いられる膨大な数の兵器の品質を確保するために,シューハートの考え方を採用し,これを軍の規格にした。

第二次世界大戦はそれまでのどの戦争よりも物量がものをいった戦争である。
日本が負けた原因の1つとして物量の差があげられている。軍は大量に兵器を調達する.兵器はどの時代においてもその時代の最先端の技術が採用されている高度の技術的製品である.敵と戦うにあたっては,できるだけ機能・性能のよい武器を用いることが必須である.歴史上の多くの戦で,性能のよい武器を持っている方が勝った例はきわめて多い。

第二次世界大戦では武器の機能・性能にくわえて,それをどれだけたくさん持っているかという量の要素があった.しかし先にのべたように,大量にモノをつくる際には,質のよいかぎられた数の製品を作ることとは,別の意味での難しさがある。

製品が1つ2つであれば熟練工が腕によりをかけて作ることができるが,1万個あるいは10万個もの製品を作る場合では話は変わってくる.戦時下においては専門の軍需工場だけではなくて,一般の民需製品の工場も軍需工場に転換されてそこで武器をつくることになる、熟練工だけでモノを作るというわけにはいかない。新しいラインが増設されると,そこに未熟な作業者が入ってくる。

そういう状況で大量に作られる製品の品質を確保するにはどうしたらよいか。

これはアメリカにかぎった話ではなく,どこの国においても問題となったところである。アメリカの軍はこれを「統計的品質管理によって品質を確保する」というシューハートの理論に求めたのである.軍は非常に強力な購入者である.優れた研究者とはいえ,ベルの一研究者にすぎないシューハート個人の影響には限界があるが,軍がこれを規格化し,生産者に対して要求事項として定めたことは,その普及に非常に大きな効果をもたらした。軍自体が統計的品質管理の手法の教育をアメリカ全土にわたって精力的に行い,アメリカの多くのメー力一にこれを徹底させた結果,アメリカで統計的品質管理の基礎が構築された。
これが品質管理の実質的な出発点である.

2つの品質管理|日本的品質管理(TQC)と欧州型品質管理(IS09000)

ベル研究所においてシューハートが考えた品質管理は統計的な考え方を用いて製品の品質を効率的に管理する方法で,これは生産の立場からのアプローチであった。しかし,シューハートの考えを採用し,実用化したのはアメリカの軍であり,これはバラツキの少ない製品を購入しようとする購入者の立場からのアプローチであった。

ここから品質管理は2つの流れに分れる
1つはよい品質の製品を作るための品質管理で他の1つはよい品質の製品を買うための品質管理である。

前者は日本で発展し,日本的品質管理(TQC)とよばれる品質管理体系を構築している.後者は欧州を中心に普及し,IS09000規格による品質管理として世界的に広まってきている。

購入者の立場での品質管理 |アメリカ軍規格MIL、ISO9001

戦争に必要な膨大な数の工業製品の品質を確保するため,軍はシューハートによって開発された管理図法などを3つの戦時規格「American War StandardsZ1.1~Z1.3」にわかりやすくまとめ,これを中心に品質管理の教育普及を行うとともに,受け入れ検査に統計的抜取検査法を採用して,納入者に統計的品質管理活動の実施を促した。軍が統計的品質管理を積極的に取り上げたことは,その普及および初期の発展に大きな貢献を果たすこととなった。

.しかし軍は購先者であり,生産者でないため,軍が要求する品質管理と生産者自らが必要とする品質管理とは当然のことながら同じものではなかった。

購入者の立場の品質管理においては,まず製品品質の検査をどう行うかが問題になる.抜取検査法など検査のやり方についていろいろの検討がなされるが,高度の技術的製品においては検査だけで製品の品質を獲得することは困難であり,品質をより確実なものにするためには供給先に工程で品質を作り込むことを要求しなければならなくなる.そこで取引の際に定める品質契約において,購入する最終製品の品質規格だけでなく,その設計方法,製造方法,管理方法を品質管理要求事項として定めるのである。さらには供給者が行う品質管理の方法までも品質システム要求事項として規定する。

アメリカ軍規格MIL-Q-9858A,後でのべるISO9001などがその例である。

生産者の立場での品質管理 | 日本的品質管理TQM

わが国の品質管理はよいモノを買うための品質管理ではなく,よいモノを作るための品質管理として出発した.第二次世界大戦により荒廃した日本を立て直す道は工業立国であった.工業製品の輸出により国の経済をまかなうことは,豊富で良質な労働力を有する目本にもっともふさわしい方策であった.多くの困難を乗り越えて工業の復興が開始されたが,これからの製品は戦前の安かろうかろうの「MadeinJapan」ではいけない.安定して製品を輸出するためには,品質のよいものでなければならない。これは心ある工業人のだれしもが考えていたことであり,この基本的な考え方が戦後の目本の品質管理活動の底流をなしている。

購入者の立場での品質管理は先にのべたように品質管理要求事項を定めることと,その実施を確実にするための検査,監査に品質管理の重点が置かれるのに対し,生産者の立場での品質管理は改善と市場に重点が置かれ,必然的に後でのべるTQMすなわ全社的品質管理活動になるのである。

製造不良について考えてみよう.購入先の立場からみればたとえ不良が発生しても,これが確実に選別され,除去あるいは修正されておれば問題にならない。したがって,購入者主導の品質管理は工程での不良の防止よりも,選別,検査を重視する傾向があり,品質は厳重な検査によって獲得できると考えがちになる.しかし,供給者の立場からみれば厳重な検査では問題は解決しない。

厳重な検査の結果もたらされるものは工場内での不良品の増加であり,市場での外部損失を企業の内部損失に転化するだけで,検査による利点は少ないのである。供給者にとって必要なことは工程を改善して不良品をなくすことである。

供給者においては品質管理は厳重な検査ではなく,不良の出ない生産工程を構築することでなければならない。不良の原因を解析し,工程の改善を行って不良防止をはかることが品質管理のおもな活動となる.このような品質管理は日本で発展したため日本的品質管理とよばれることがある。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました