ヒストグラムとは?基本的な解説
ChatGPTでヒストグラムを作成するには事前に下記の記事を参考に『ヒストグラム(度数分布図)の基本知識』を学んでください。

ChatGPTを用いたヒストグラム作成のステップ
ChatGPTを用いてExcelデータなどからヒストグラムを作成するステップは以下の通りです。製造業や品質管理の現場でも活用できる手順です。
ステップ1:データの準備
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対象データを整理
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例:部品の寸法データ(mm)など
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Excelで管理している場合、対象列や行を決めておく(例:B列の10〜59行)
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-
Excelファイルを保存
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拡張子
.xlsx
形式で保存(例:histogram_sample.xlsx
)
-
ステップ2:ChatGPTにファイルをアップロード
「ファイルをアップロード」ボタンでExcelファイルを送信
ChatGPTに次のように指示:
ステップ3:統計情報を追加(必要に応じて)
以下のように追加で指示:
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平均と標準偏差を表示:
-
±3σライン、Cp・Cpkを表示:
ステップ4:出力確認と応用
-
出力されたヒストグラムを確認
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表示されている統計情報(平均、標準偏差、Cp、Cpkなど)を記録
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ChatGPTに管理図の作成、外れ値の判定、異常傾向の分析も依頼可能
応用例
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製造現場での寸法のばらつき確認
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出荷判定の判断補助
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工程の能力評価(工程能力指数)
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教育資料やQCストーリー作成にも活用可
ヒストグラム作成のための具体的なChatGPTのプロンプト活用法
ChatGPTでヒストグラムを作成するための具体的なプロンプト活用例を紹介します。品質管理や製造業の現場でそのまま使える実用的なフォーマットです。
ChatGPTでヒストグラム作成 入力方法
ChatGPTにデータを渡す方法と入力形式は、目的に応じて以下の3パターンに分類できます。
プロント文①:数値を直接入力する
用途:
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簡単な統計処理(平均・標準偏差)
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ヒストグラムや正規分布描画
-
Cp, Cpk計算 など
プロント文① 指示結果
こちらが部品Aの長さデータから作成したヒストグラムです。値のばらつきや中心傾向、偏りの有無を視覚的に確認できます。
プロント文②:表形式またはCSV風テキストを貼る
用途:
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Excelのコピー&ペースト時に便利
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多列データをChatGPTが自動的に1列に展開して処理可能
プロント文③ 指示結果
こちらが更新された50個のデータに基づくヒストグラムで、以下のラインが含まれています:
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青線(平均):全体の中心値を示す
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赤線(+3σ):上限側の3シグマ
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緑線(−3σ):下限側の3シグマ
プロント文③:ExcelやCSVファイルをアップロード
操作方法:
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画面下の「📎ファイルアイコン」からExcelやCSVをアップロード
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メッセージ欄に:
「部品Aの長さのデーターのファイルのB列(10〜59行)のヒストグラムを作成してください」してから
「平均と標準偏差を出してCpとCpkを計算し(規格値:7.55〜7.67)」 図に追加してください
用途:
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複雑なシート
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ラベル付きのデータ
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業務用のQC表や記録帳票など
プロント文③ 指示結果
こちらがファイル「histogram sample.xlsx
」の B列(10〜59行) のデータを基に作成したヒストグラムです。以下の要素が図に含まれています:
表示内容
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平均(青い点線):工程の中心
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±3σライン(赤・緑点線):ばらつきの目安
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規格上下限(USL=7.67、LSL=7.55):製品許容範囲
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Cp:工程能力指数 → {:.2f}以上なら良好
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Cpk:中心からの偏りを考慮した能力指数
統計結果(図にも表示)
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平均: 約 7.610 mm
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標準偏差: 約 0.026 mm
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Cp ≒ 1.54
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Cpk ≒ 1.48
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データ数: 50個
この工程は、規格内に十分収まっており、安定した加工結果であることが分かります。
ChatGPTで出力されたヒストグラムの解釈
chatGPTで出力されたヒストグラムの解釈について、以下のような観点で読み解くことができます
分布の形状
ヒストグラムを見ると、データがどのように分布しているかがわかります。
分布のタイプ | 解釈のポイント |
---|---|
正規分布(左右対称の山型) | 工程が安定している可能性が高い |
片側に偏った分布(歪んでいる) | 工程に偏りがある/機械や材料に問題がある可能性 |
二峰性(山が2つ) | 別々のロットや条件が混在している可能性 |
外れ値あり(極端な棒) | 異常データ、計測ミス、工程異常の兆候かも |
中心位置(平均値周辺)
棒グラフの中心がどこにあるかで、データの平均が分かります。
-
目標値(公差中心)に近いかどうかを確認することで、工程のズレを把握可能。
-
平均が上限・下限寄りだと、Cpk値が低くなり、工程能力に懸念あり。
ばらつき(分散・標準偏差)
-
棒の横幅が狭い(高いピーク) → バラつきが少ない、安定工程
-
横に広がっている → バラつきが大きい、規格外のリスクが高い
規格値と比較
ChatGPTで**上下限(例:7.55〜7.67 mm)**をプロットさせている場合:
-
棒グラフの外にデータが出ている → 規格外製品が存在
-
棒の中心が規格中央からズレている → 工程の偏り
工程能力指数(Cp, Cpk)との関連
-
Cp:ばらつきの小ささを示す(理論的能力)
-
Cpk:平均値のズレも考慮した実用的能力
Cp / Cpkの目安 | 解釈 |
---|---|
Cp, Cpk ≥ 1.33 | 十分な工程能力あり |
1.00 ≤ Cp, Cpk < 1.33 | まあまあ(注意必要) |
Cp, Cpk < 1.00 | 不適切な工程、改善が必要 |
解釈のまとめ(例)
もしヒストグラムが以下のような内容だったら:
-
平均:7.60 mm(規格中央)
-
標準偏差:0.02 mm
-
規格:7.55 ~ 7.67 mm
-
Cp = 2.00、Cpk = 1.90
👉 解釈例:「分布はほぼ正規分布で、平均値も規格中央に近く、ばらつきも小さい。工程能力指数も高く、非常に安定した工程と言える。」
ChatGPTでの画像付きヒストグラムの解釈例
ChatGPT:
atGPT:
ChatGPTを使ったPythonでのヒストグラムの生成コード
以下に、ChatGPTを使ってPythonでヒストグラムを生成するコードの基本例を示します。
このコードは、平均・標準偏差・正規分布・規格線・Cp・Cpkを含んだ、品質管理向けヒストグラムを描くものです。
ChatGPT用プロンプト例(日本語)
以下のデータを使ってヒストグラムをPythonで作成してください。
・平均と標準偏差を表示
・正規分布曲線を重ねる
・規格値(LSL=7.55、USL=7.67)を表示
・Cp、Cpkを計算して図に表示
データ:
7.57, 7.59, 7.55, 7.57, 7.59,
7.67, 7.67, 7.57, 7.59, 7.61,
7.65, 7.61, 7.57, 7.61, 7.63,
7.59, 7.57, 7.61, 7.59, 7.65,
7.59, 7.65, 7.63, 7.59, 7.63,
7.57, 7.61, 7.63, 7.63, 7.65,
7.59, 7.63
Pythonコード例(ChatGPTが出力する内容)
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from scipy.stats import norm
# データ
data = np.array([
7.57, 7.59, 7.55, 7.57, 7.59,
7.67, 7.67, 7.57, 7.59, 7.61,
7.65, 7.61, 7.57, 7.61, 7.63,
7.59, 7.57, 7.61, 7.59, 7.65,
7.59, 7.65, 7.63, 7.59, 7.63,
7.57, 7.61, 7.63, 7.63, 7.65,
7.59, 7.63
])
# 統計量の計算
mean = np.mean(data)
std = np.std(data, ddof=1)
# 規格値
lsl = 7.55
usl = 7.67
# 工程能力指数の計算
cp = (usl - lsl) / (6 * std)
cpk = min((usl - mean), (mean - lsl)) / (3 * std)
# ヒストグラム描画
x = np.linspace(7.54, 7.68, 500)
pdf = norm.pdf(x, mean, std)
plt.figure(figsize=(10, 6))
plt.hist(data, bins=10, range=(7.54, 7.68), color='skyblue', edgecolor='black', alpha=0.7, density=True, label='ヒストグラム')
plt.plot(x, pdf, 'r--', label='正規分布')
plt.axvline(mean, color='blue', linestyle='-', label=f'平均: {mean:.3f}')
plt.axvline(lsl, color='green', linestyle='--', label='LSL')
plt.axvline(usl, color='green', linestyle='--', label='USL')
# タイトルと凡例
plt.title("部品A 長さのヒストグラム")
plt.xlabel("長さ (mm)")
plt.ylabel("密度")
plt.legend(loc='upper left')
plt.grid(True)
plt.tight_layout()
plt.figtext(0.15, 0.02, f"Cp = {cp:.2f}, Cpk = {cpk:.2f}", fontsize=10)
plt.show()
chatGPTでのPythonコード 実行
ChatGPTでは基本的に Matplotlib がベースです。
-
ユーザーが数値データや「ヒストグラムを作成して」と指示
-
ChatGPTが内部で Python コードを生成
-
matplotlib.pyplot
でグラフを描画 -
ChatGPTのPython実行環境(Jupyter的な)で実行し、グラフ画像を返す
その他のPythonコード 実行方法
Pythonコードを実行させるには、以下の3つの方法のいずれかを使うのが一般的です。初心者には【Google Colab】がおすすめです。
Google Colab(初心者に最適)
特徴
-
ブラウザだけでOK、インストール不要
-
ChatGPTで作成したコードをすぐ試せる
実行手順(例:ヒストグラム)
-
ブラウザで https://colab.research.google.com にアクセス
-
「新しいノートブック」をクリック
-
コードセルにPythonコードを貼り付け
-
上の ▶ ボタン、または「Shift + Enter」で実行
下記が「Google Colabでヒストグラム+正規分布+Cp/Cpkを表示する」サンプルです。
Colab用ヒストグラム分析テンプレートの内容
- ✅ ヒストグラムの作成
- ✅ 正規分布の重ね描き
- ✅ 平均・標準偏差の表示
- ✅ ±2σ・±3σラインの表示
- ✅ 工程能力指数(Cp、Cpk)の自動計算
- 以下のコードを貼り付けて実行:
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
# データを手入力 or Excelから読み込み
data = [7.57, 7.59, 7.55, 7.57, 7.59, 7.67, 7.67, 7.57, 7.59, 7.61,
7.65, 7.61, 7.57, 7.61, 7.63, 7.59, 7.57, 7.61, 7.59, 7.65,
7.59, 7.65, 7.63, 7.59, 7.63, 7.57, 7.61, 7.63, 7.63, 7.65,
7.59, 7.63]
# 統計量計算
mean_val = np.mean(data)
std_val = np.std(data, ddof=1)
# 規格値(例:7.55〜7.67)
USL, LSL = 7.67, 7.55
Cp = (USL - LSL) / (6 * std_val)
Cpk = min((USL - mean_val), (mean_val - LSL)) / (3 * std_val)
# ヒストグラムと正規分布
plt.figure(figsize=(10, 6))
count, bins, ignored = plt.hist(data, bins=10, edgecolor='black', alpha=0.7, density=True)
x = np.linspace(min(bins), max(bins), 100)
pdf = (1 / (std_val * np.sqrt(2 * np.pi))) * np.exp(-0.5 * ((x - mean_val) / std_val) ** 2)
plt.plot(x, pdf, 'r--', label='正規分布')
plt.axvline(mean_val - 2*std_val, color='green', linestyle=':', label='±2σ')
plt.axvline(mean_val + 2*std_val, color='green', linestyle=':')
plt.axvline(mean_val - 3*std_val, color='orange', linestyle=':', label='±3σ')
plt.axvline(mean_val + 3*std_val, color='orange', linestyle=':')
plt.title(f"ヒストグラムと正規分布\n平均: {mean_val:.3f}, σ: {std_val:.3f}, Cp: {Cp:.2f}, Cpk: {Cpk:.2f}")
plt.xlabel("値")
plt.ylabel("密度")
plt.legend()
plt.grid(True)
plt.show()
Jupyter Notebook(ローカル環境用)
特徴
-
自分のパソコンで動かしたい人向け
-
Anacondaを使うと簡単に導入可能
実行手順
-
Anaconda公式サイトからインストール
-
「Jupyter Notebook」を起動
-
ブラウザ上でノートを作成し、コードを実行
Pythonファイルとして実行(.pyファイル)
特徴
-
シンプルなPythonスクリプトを実行したい人向け
実行手順
-
テキストエディタで
sample.py
という名前のファイルを作成 -
コードを貼り付けて保存
-
ターミナル(コマンドプロンプト)で実行
python sample.py
ChatGPTでヒストグラム作成 PythonとAIの役割
ヒストグラム作成におけるPythonと**AI(ChatGPT)**の関係は、役割分担と補完の形で整理できます。以下のような構造で理解するとわかりやすいです:
Pythonの役割:ヒストグラムを実際に作成するツール
Pythonは、以下のようなライブラリを使って実際にヒストグラムを描画します。
matplotlib.pyplot.hist()
:最も一般的な可視化seaborn.histplot()
:見た目を重視したヒストグラムpandas.DataFrame.hist()
:データフレームから直接描画numpy.histogram()
:ヒストグラムの値だけ取得したいとき
例:
import matplotlib.pyplot as plt
data = [7.57, 7.59, 7.55, 7.57, 7.59, 7.67, 7.67, 7.57]
plt.hist(data, bins=5, edgecolor='black')
plt.title('部品Aの長さヒストグラム')
plt.xlabel('長さ (mm)')
plt.ylabel('度数')
plt.show()
ChatGPTの役割:Pythonの使い方をナビゲート/自動化支援
ChatGPTは、Pythonのコードを使ってヒストグラムを作成する手順を教えたり、自動でコードを生成したりします。
たとえばChatGPTは次のような支援が可能です:
- データ構造に合ったPythonコードを生成
- ヒストグラムに平均・標準偏差・Cp・Cpkなどを追加するコードを作成
- ExcelやCSVファイルからの読み込み部分のコードを書く
- グラフの見た目の調整(タイトル、ラベル、日本語対応など)
- 複雑な要件(工程別、規格値入りのヒストグラムなど)に合わせたカスタマイズ
人がChatGPTに要望し、ChatGPTがPythonコードを生成、最終 人がPython環境で実行
このように連携します:
[人] → ChatGPTに「ヒストグラム作りたい」と要望
↓
[ChatGPT] → Pythonコードを生成・説明
↓
[人] → コードをPython環境(Jupyter, VSCodeなど)で実行
↓
[結果] → ヒストグラムが描画される
結論:
- Pythonはヒストグラム作成の実行役(エンジン)
- ChatGPTはPythonコードの設計者・アシスタント
- 両者の連携により、誰でも簡単にデータ可視化が可能になる
ChatGPTでヒストグラム作成でPythonを使用する理由は?
ChatGPTだけでもヒストグラムの「生成に関するコード」は作成できますが、「ヒストグラムそのものを描画・表示すること」はChatGPT単体ではできません。以下に理由と背景を詳しく説明します。
ChatGPTだけではできないこと
ChatGPTはプログラムコードを「書く」ことはできても、「実行して図を描く」ことはできないからです。
機能 | ChatGPTのみ | Python使用 |
---|---|---|
コードの自動生成 | ✅ | ✅ |
データの読み込み支援 | ✅ | ✅ |
グラフの描画(実行) | ❌ | ✅ |
データの統計処理(平均、標準偏差など) | ✅(計算式提示) | ✅(実行して結果取得) |
Pythonを使用する理由
グラフの実体を描画する必要があるから
ChatGPTはコードを書くことは得意ですが、描画の「実行環境」は持ちません。Python(特にJupyter NotebookやVSCodeなど)で実行すれば、リアルなグラフを画面上に表示できます。
大量のデータ・ファイル処理が可能
ExcelやCSVからの読み込み、複雑なフィルタ処理、加工、保存などはPythonのpandasやopenpyxl等のライブラリが強力です。
再利用可能なスクリプトとして保存できる
一度Pythonで作成すれば、自動処理やバッチ処理、定期レポートの生成などが簡単に行えるため、業務効率化につながります。
自由なカスタマイズが可能
-
ヒストグラムに平均線や規格線を描画
-
CpやCpkを計算してグラフに表示
-
PDFや画像ファイルとして保存
ChatGPT × Python の組み合わせが最強な理由
-
ChatGPT → あなたの意図を汲んでコードを提案・調整
-
Python → そのコードを実行して正確なグラフを描画・自動化
まとめ:Pythonを使う理由
「ChatGPTは頭脳、Pythonは手足」
-
ヒストグラムを実際に目に見える形で出すにはPythonが必要
-
ChatGPTはそのPythonコードを誰でも扱えるようサポート
まとめ
AI・ChatGPTでヒストグラムを簡単に作成するでき、分布の解釈も的確に返答できるようになりましたが最後に評価、確認するのは『人』です。
事前にヒストグラムの基本知識を学ばなければいけません。
最後にAIによるヒストグラムの作成の物語風記事をNoteに纏めました、ご参考下さい。

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