あわて者の誤り 【イラスト図解】
英語:error of the first kind
わかりやすく あわて者の誤りとは
仮説が正しくないのに正しいと判断することです、つまり 本当は何も変わっていないのに、変化の兆候が少し見られただけで、あわてて変わったと判断してしまうことです。
第1種の誤りともいわれます。
例としては無実の人を誤って有罪と判断して投獄してしまうこと
健康な人を誤って感染者と判断して入院させてしまうこと
正常メールを誤ってスパムと判断して捨ててしまうことです。
有意水準αの検定では,第1種の誤りの確率は,a以下となる.」
「あわてものの誤り」は、品質の良い検査ロットが、抜き取り検査で不合格となることで、生産者側の損であり、生産者者危機ともいわれます。
JISでは、生産者側に「生産者危険:α(合格とすべきロットを不合格としてしまう確率)」として5%、消費者側に「消費者危険:β (不合格とすべきロットを合格としてしまう確率) 」として10%の値を設定しています。
「あわて者の誤り」と「ぼんやり者の誤り」の違いは?
ものごとを判断するときには、2つの誤りがあります。「あわて者の誤り」、「ぼんやり者の誤り」です。
「あわて者の誤り 」とは、 本当は何も変わっていないのに、変化の兆候が少し見られただけで、あわてて変わったと判断してしまうことです。
一方、「ぼんやり者の誤り」 は、偶然に発生しているのではなく、何か原因があって起きていることなのに、偶然に起きていると判断すること、本当は変わっているのに、変わっていないと判断してしまう誤りのことです。
「最近パソコンがよく止まってしまう。大きな故障の前兆なのかも」
といった具合に、いつもと違う状況、情報から、これはいつもと違うから普通ではない。異なる対応をしたほうがいいのでは?と考えることがあるはずです。
この判断が早すぎれば「あわて者」、遅すぎれば「ぼんやり者」になってしまうわけです。
抜取検査とOC曲線
計数抜き取り検査では不良率p0%以下の良いロットはなるべく合格としp1以上の悪いロットはなるべく不合格となるようにしたい。
下図のα(=1-P(p0))は、本当はロットの不良率はp0よりも小さく合格すべきなのに、不合格だと判定される確率になります。αを第1種の誤りといい、これが大きいと生産者が不利になるので生産者危険ともいいます。また、あわてて不合格にしてしまうことから「あわて者の危険」ともいいます。
又、下図のβ(=P(p1))は、p=p1のときに、このロットが合格する確率がβだということです。すなわち、本当はロットの不良率はp1よりも大きいのに、合格にしてしまうことです。
βを第2種の誤りといい、これが大きいと消費者が不利になるので消費者危険ともいいます。また、誤りに気付かないで合格にすることなので「ぼんやり者の危険」ともいいます。
JISでは、生産者側に「生産者危険:α(合格とすべきロットを不合格としてしまう確率)」として5%、消費者側に「消費者危険:β (不合格とすべきロットを合格としてしまう確率) 」として10%の値を設定しています。
詳細は下記の関連記事を参照、願います。
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