ジャストインタイム生産を実現するための管理の道具である。ひらがなで表記する”かんばん”は造り過ぎのムダをなくしJITの引っ張り生産を実現するための道具として位置づけられる。大きくは”引き取りかんばん”と”仕掛けかんばん”に分けられ、外注や異なるライン等、工程間の作業指示、連絡には必ず、現物と一緒に移動する。
狭義には、工程内で作業を仕掛けるために用いるかんばんを意味し、一般にはこの仕掛けかんばんをかんばんと呼ぶ。専用ラインもしくは、汎用ラインで切り替え時間のほとんどない工程への作業指示に用いる。かんばんの役割は次のとおりである。
1. 生産、運搬の指示情報
2. 目で見る管理の道具
(i)造り過ぎの抑制
(ii)工程の遅れ進みの検知
かんばんはJITを守る道具であるから、かんばん管理はムダ取りが前提。大ロット生産に導入してもそれは混乱を招くだけとなる。かんばんの使い方には次の6つのルールがある。
①後工程引き取り
後工程が必要となった物を前工程に引き取りにいく。→引き取りかんばん
②引き取り分前工程生産
後工程が引き取った分だけ生産する。→仕掛けかんばん
③100%良品
工程内で品質をつくり込む、不良を出さない仕組みを取り入れる。→品質保証
④生産の平準化
生産のバラツキをなくし、安定した生産を維持するために、徹底した”品種”と”量”の平均化を図る。→平準化生産
⑤現物表示
必ず現物と一緒に動く。→目で見る管理
⑥改革ニーズ発見の道具
かんばんの枚数を減らすと、欠品やラインストップ等が起こる。問題を顕在化し、真因の改革につなげる。
関連記事:カンバン方式
ブックマーク