- フールプルーフ foolproof 【イラスト図解】
フールプルーフ foolproof 【イラスト図解】
英語:foolproof 中国語:万无一失的
わかりやすく フールプルーフとは
「人為的に不適切な行為又は過失などが起こっても,アイテムの信頼性及び安全性を保持する性質.」(Z 8115)
人間がちょっとした気の緩みから犯すミスや過失を防止する,あるいはそれによって引き起こされる不具合を低減するための工夫.バカヨケ,ポカヨケ又は略してFPともいう.
最近ではエラープル-フとも呼ばれる.
もともとは安全管理の分野から生まれた言葉で,ベルト,ギヤ,プレスなどにうっかり手をはさんでけがをしないために設けたカバーや誤操作によって致命的な事故や設備の破損が起きないようなフェールセーフ,フェールソフトリなどの仕組みをさした.
しかし最近は不良の防止や信頼性の向上の面でも,人的なミスによる不具合を徹底的になくそうということから多くの現場で実施されるようになってきた.
基本的な考え方として次の二つがある.
①誰がやっても絶対に間違えないような自然な作業にする.
②万一間違っても気づくように,影響が出ないようにする.
例えば組付部品に抜けがないようにリストを作っておくというのは①であり,締付動作をリミットスイッチ付セットレンチで検出して回数が足りないと警報ブザーが鳴る,あるいはラインストップするというのは②である.
注意していればミスはなくなるとか,忙しいから,難しいからミスを犯すのはやむを得ないという考え方や態度では,ミスは減らない.徹底的なフールプルーフの実施(FP化)によってミスの確実な再発防止を行う必要がある.
フェイルセーフとフールプルーフの違いは
フェイルセーフは、何らかの故障が発生しても、システムが正常に機能し続け、安全に停止できるように設計された機能のことを指します。 つまり、故障が発生した場合でも、システムが安全に動作し続けるようにすることが目的です。
例えば、自動車のブレーキシステムにはフェイルセーフ機能があります。万が一、ブレーキの主要な部品が故障した場合でも、ブレーキをかけることができるように、独立した機能が設けられているのです。
また、エレベーターのフェイルセーフ機能として、停電などが起きた場合でも、エレベーターが停止し、閉じ込められることがないように、非常停止ボタンが設置されています。
一方でフールプルーフは、人間の操作ミスを防ぐための機能のことを指し、誤った操作が行われた場合でも、システムが正しく動作するようにすることが目的です。例えば、USB端子などはフールプルーフの設計になっており、正しい向きで挿入されないと接続できないようになっています。
両者の機能は密接に関連していることが多く、安全性を確保するために両者の機能を組み合わせて使用することが一般的です。
フールプルーフの具体例
フールプルーフの設計思想は様々な製品やサービスに適用されています。
電気コンセントの穴の形状
自動車のシートベルト警告音
電気コンセントの穴の形状
一般的な電気コンセントの穴は「縦に並んだ2つの楕円形」になっており、この形状のおかげでプラグを正しい向きで差し込めるようになっています。
プラグを逆さまに挿すことができないようにすることで、誤った配線による火災や感電を防止しています。
自動車のシートベルト警告音
自動車のシートベルトは安全運転のために必要な装備のひとつです。シートベルトを着用しないまま運転することは危険ですが、ごくまれにドライバーが着用を忘れたまま走行してしまうケースもあります。
そのため、シートベルト未着用の場合には警告音を鳴らす仕組みが取り入れられています。この仕組みにより、ドライバーがシートベルトを着用することを促し、交通事故の際の衝撃軽減につなげているのです。
フールプルーフとポカヨケの違い
ポカヨケとは、工場などの製造ラインに設置される、作業ミスを物理的に防止する仕組みや装置のことを指します。 例えば、異品や規格外の製品は次工程へ流さない、もしくはアラートが鳴る、位置ずれがある場合はスイッチを押しても起動しない、などがポカヨケにあたります。
英語ではフールプルーフ(foolproof)と呼びます。
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