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品質改善

品質改善3
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品質改善 quality improvement    【イラスト図解】

品質要求事項を満たす能力を高めることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部.」(Z 8101-1, Q 9000) 

IS0 9000 では,品質方針,品質目標の設定,品質計画,品質保証品質管理 (quality control)と並び,品質マネジメントを構成する一部として定義されている.

 一般的に用いられる品質改善とは,品質不良を明らかにし,その改善の目標又は望ましい状態を明確にし,それを達成するための計画を策定し,実施し,その結果をチェックし,必要な是正処置をとる.

 計画的,組織的,継続的活動であるといえる.
  組織的な管理・改善活動は,計画(plan), 実施(do),チェック(check),是正処置(act)の要素から構成され,これらはループ (PDCAサイクル)を形成する.すなわち,管理・改善活動においては,まず活動の計画をたて,それに従って実施し,その結果をチェックする.

この計画が予定どおりでなければ計画が練り直されて新しいものが作られるが,その計画について,再び実施,チェック,是正処置を繰り返していくことになる.

  まず,品質改善を行う第一歩は,「結果」の把握にあり,次に行わなければならないのは実際に行われている「プロセス」の把握である.仕事の「結果」が目標に達していない場合は改善を行うが,仕事の「プロセス」もあるべき姿になっていなければたとえそこそこの結果が得られていても改善を行う必要がある.そこには,ロスが存在しているからである.

 「結果」が不十分であることがわかっているにもかかわらず,改善が進まないのは多くの場合,プロセスの実態が把握されていないからである.プロセスを把握するためには仕事の手続き,作業の方法を標準化し,教育訓練を行って標準どおり現場が動くようにしなければならない,標準化によりプロセスが見えるようになり,改善が進む.標準化は改善を組織的に行うための手順である.プロセス及び結果が明らかになり,プロセスと結果の対応が明確になれば改善は半分以上終わっている.あとはPDCAを確実に根気よく回していくことが必要である.

引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会

わかりやすく 品質改善手法

PDCAサイクル

「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」これらの頭文字を取ってPDCAサイクルと呼びます。このサイクルを継続することで、段階的に品質改善を図るのがPDCAサイクルの考え方です。

PDCAサイクルを回す利点には「目標がわかりやすくなる」「無駄な部分が明らかになり、改善につながる」「業務改善に効果的な方法を、短時間に検証できる」「業務が継続的に改善され、同じミスが減る」などの項目があります。

達成できそうなビジョンのある目標が設定されれば、従業員のモチベーションアップにつながります。PDCAサイクルは上手く回り始めればスパイラルになり、目標達成や業務改善の意識が当たり前になっていきます。

ムダの排除

業務のムダとは、文字通り現在行っている作業工程における不要な部分です。業務のムダを取り除くことを作業効率化と呼び、生産性の向上に直接関わる重要な要素となります。

従業員にとってはムダな業務から解放されることによる気持ちの軽減や、理由もわからず行っていた業務の目的が理解できるようになり生産性が上がるといった利点があります。

企業全体で見ると、時間や経費といった削減し生産性が向上する結果を得られるため、利益率が大きくなります。効率化に伴い生まれた余剰資源を利用して新規事業に着手することも可能になります。

業務のムダを徹底的に取り除いた代表的な事例が「トヨタ生産方式」です。ムダな在庫や作業を現場から取り除くことで、在庫過多による経営圧迫を避けることが狙いです。特に「7つのムダ」と呼ばれる工程を、徹底的に取り除いていきました。

なぜなぜ分析

「なぜ」を繰り返し課題を深堀することを「なぜなぜ分析」と呼びます。なぜなぜ分析の目的は製造現場で発生する問題の原因を突き止め、対策を考え現場の課題を改善を目指すことです。製造現場で発生する問題は業種ごとに異なり、原因を導き出す方法も複数存在します。

たとえば、設備機器の不具合や品質のバラつきなどが見られる場合は、なぜ起きたのかという因果関係をたどり、原因を特定する必要があります。

また、現場で作業ミスが後を絶たない場合は、作業指示書の抜けや不備などの欠陥を訂正することで、改善策を打ち出すことができるようになる。

品質改善のキーワード

可視化

可視化とは、目に見えないものをデータ化して分かりやすくすることです。品質改善着手前の状態をエクセルやドキュメント化しておき、取り組み後に効果があったのかを一目でわかるようにしておきます。

具体的には「品質向上の対象とする範囲」「品質を形成している要素」「基準とする業務の状況」をまとめていきます。この段階で課題を定量的に組み込むことが難しければ、まずは定性的な状態について整理

定量化

定量化とは、可視化のプロセスで得た情報をさらに細かく数値化するための作業です。この作業において定量化した結果に合わせて品質改善についての計画を立てていくので、可能な限り数値を具体的にする必要があります。

項目は業種により異なりますが、具体的には「1ヶ月における案件数」「1件あたりの処理対応期間」「1件にかかるメンバー数」「1ヶ月で発生したミスの件数」を組み込むことが多いです。

業務情報の定量化が終わったら、最終目標も定量化します。段階を経て改善をしていくことが望ましいため、中間地点の目標値も設定する。

課題化

課題化とは、設定した目標と現状の数値において欠落している部分を確認し、課題を明確にする作業です。課題が明確になったら、課題を解決するための解決策を検討し、実行に移していくことになります。

解決策については、具体的に業務と照らし合わせておくことで計画が細かく正確になり、迅速にアクションを起こせるようになります。チーム単位における業務の照らし合わせができたら、所属メンバーにタスクを割り振れるように細分化する。

実践化

実践化とは、打ち立てた品質改善案に沿って実践していくことです。

計画の進行においては、最初に打ち立てた計画通りに全てが進行していくことはまれで、どこかで何かしらのズレが発生することが多いです。定期的に目標値や計画との差を見直し、計画を修正しながら取り組む。

当初設定した合格値の範囲内まで品質基準が向上すれば、品質改善に成功したということになります。あらかじめ想定していた解決策によって品質が向上しなければ、設定した課題が間違っていた可能性もありますので、課題化のプロセスから見直しを検討。

定着化

品質は一時的に改良しただけでは安定的な向上は見込めません。組織の変更やサービスの状況によって品質は少しずつ変動していきます。実践化のプロセスによってどの手法が品質改善に最も効率的かが分かったら、その方法を定着させるための方法を話し合う。

たとえば作業者が変わる場合には、業務マニュアルの更新を通達し、業務に関わるメンバーへ情報共有をすることが必須となります。使用する機械が変わる場合は作業手順書を分かりやすくしておく、使い方を説明するための講習会を開くなどが挙げられます。

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