- 検査 inspection 【QC用語】
検査 inspection 【QC用語】
英語:inspection 中国語:检查
検査の語源
「検」も「査」も調べる意味を持つ。
検の正字(旧字体)は「檢」、調べるの意味。
木簡を封印する、あるいは封印して署名する意味である。正しく封印されているかを改めることから、②の「善し悪しを調べる」の意味に転義する。
引用先:常用漢字論―白川漢字学説の検証
査は中国語で「察(cha)」に通じ(同じ読みを持つ「察」と同じ意味を持つようになって)、「調べる」の意味も表すようなる。
引用先:漢字・漢和辞典-OK辞典
検査とは
1.「必要に応じて測定,試験又はゲージ合わせを使う,観察及び判定による適合性評価.」
(Q 9000)
2.「品物又はサービスの一つ以上の特性値に対して,測定,試験,検定,ゲージ合わせなどを行って,規定要求事項と比較して,適合しているかどうかを判定する活動.」(Z 8101-2)
検査には,品物又はサービスの一つ一つに対して行うものと,品物又はサービスの幾つかのまとまり(ロット)に対して行うものがある.
単に試験,測定することと違い,一つ一つに対して適合品(適合サービス)/不適合品(不適合サービス)を判定し,又はロットに対して合格/不合格の判定を下すまでの活動を意味する.
検査が行われる生産活動の段階に応じて,受入検査,購入検査,工程間検査,最終検査,出荷検査などと呼ばれる.
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
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検査(inspection)
“検査”とは,「品物を何らかの方法で測定・試験した結果を品質判定基準と比較して,個々の品物の良品・不良品の判定を下し,又はロット判定基準と比較して,ロットの合格・不合格の判定を下すこと」である.
JlSでは,“検査”とは,「適切な測定,試験,又はゲージ合わせを伴った,観測及び判定による適合性評価訌JIS Z 8101-2 : 2015寸統計一用語及び記号一第2部:統計の応用」)と定義している.
検査が行われる生産活動の段階に応じて,受入検査・購入検査,工程内検査,最終検査,出荷検査などと呼ばれる.
検査の方法により分類すると
① 全数検査:検査対象のすべての品物に対して検査するもの.
② 抜取検査:検査対象の全体から一部を抜き取って検査するもの(図18).
③ 間接検査:購入検査で供給者が行った検査結果を必要に応じて確認することによって,購入者の試験を省略するもの.
④ 無試験検査:他から試験に代わる品質情報を得て直接試験することを省略するもの.
などに分けられる.
引用先:実践力・現場力を高めるQC用語集 日科技連
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一般に誤りがないか調べることをいい、個々の品目の良品・不良品、またはロットの合格・不合格の判断を下すことをいう。取り扱う品目ごとに各種の方法を用いて測定した結果と判断基準とにより良否を決める。製造過程における位置づけから、受入検査、工程検査、最終検査、出荷検査の4つに分けられる。
検査は、不良を顧客に流さないための、いい換えれば”100%良品”を生み出すための作業でなくてはならない。もちろん全数検査が望ましい形である。
実際には、大ロット生産時代から、合理的と謳った統計学による「抜取検査」が横行している。これは形式だけの、”手抜き”検査である。不良ゼロは適えられない。
また検査の内容は不良とミスのレベル、諸対応策によって次のようにも区分けできる。
①無検査…実施していないか、形式だけのもの不良が社外に流れていてクレームに追われる
②分別検査…良品と不良品を分ける検査クレームは減るが不良は減らない
③情報検査…不良が出たら、それをフィードバックして、不良が出ないようにするバッチでの不良対策では、代表的不良対策しかとれない
④自主検査…工程内で検査し、その場で不良対策をする工程外に不良を流さず、かつ二度と不良を出さない
⑤源流検査…人間が仮にミスをしても、不良につながらない仕組みにするミスをしても不良とならない強い体質になる。
不良ゼロを実現するためには、”不良をつくらない検査”、不良の原因を断ち切る”源流検査“を実施すべきである。
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検査と試験、テストの違い
JISでは,検査および試験を次のように定義してい る。
試験:供試品について, 特性を調べること.
検査:品物をなんらかの方法で試験した結果を,品質 判定基準と比較して、個々の品物の良品・不良 品の判定を下し,またはロット判定基準と比較 して,ロットの合格・不合格の判定を下すこと.
つまり、「試験」が評価対象の特性を確定させる(通常は何らかのデータを示す) ことであるのに対し、 「検査」は試験の結果を用いたり, 設計資料を解析 する等の調査により, 評価対象が一定の要求事項を満足すること(合 格や不合格等)を判断するもの(適合性の確定)である。
又、「テスト」は、考えたことや試作品などを実際に試して物事の良否や能力などを調べることの意味であり、、運動能力テスト、学力テスト、性格診断テスト、心理テストなどがあり、個人や集団の特性を調べる時に実施されます。また、特性を調べる目的以外にも、不都合や欠陥を特定するといった目的の場合もあります。
しかし、日常の生活において「試験」と「テスト」は混同されて使用されており、同様な意味を持ちます。
測定と検査及び評価の違い
測定により出た体重、筋力等の測定値を基準値の範囲なのか正常と比べてどうなのかOK、NG等の質の判断をします、これが検査です。
そして評価とは測定、検査などを行い得た情報を基に課題を分析、対策し比較検討する最終プロセスの事です。
例えば体重測定、身体検査等の測定、検査は身体機能の状態を詳細に知ることを目的に実施されるものを指します。
評価とは身体検査・体重測定の結果や競技者のスポーツ動作の観察と分析などから、個別的に競技者の具体的な課題や対策を見つけ出すことを指します。
測定、検査と評価の違いは下図のとおりです。
検査と点検、調査の違い
広辞苑での意味は下記のとおり。
調査・・・物事の実態・動向などを明確にするために調べること。
具体的には 「国勢調査」「市場調査」「信用調査」であり数値、情報を得ることができる。
検査・・・ある基準をもとに、異状の有無、適不適などを調べること。
具体的には「身体検査」「適性検査」があり、最終的にOK・NGの判定する。
点検・・・ある基準をもとに、悪い箇所や異常はないか、一つ一つ確認すること。
具体的には「火の元を点検する」であり、最終的にOK・NGの判定する。
「調査」の場合には比較する判定基準はないが「検査」、「点検」には比較する基準がある。
又、「検査」と「点検」では判定基準が異なる、「検査」の判定基準は「正常値とする範囲」つまり数値である閾値が決められているが「点検」にはなく、OK・NGの二社選択である。
検証、検査の違い
検査・・・ある基準をもとに、異状の有無、適不適などを調べること。
具体的には「水質検査」「適性検査」があり、最終的にOK・NGの判定する。
「検証」とは、物事を実際に調べて真偽などを証明すること。
事例としては食品の安全性を検証、効果を検証等
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