- 歩留り yield 【イラスト図解】
歩留り yield 【イラスト図解】
英語: yield 中国語:产量
歩留りとは
「投入された主原材料の量と,その主原材料から実際に産出された品物の量との比率.
備考:収得率又は収率ともいい,次式で表される.
歩留り=(産出された品物の量/投入された主原材料の量)×100(%)」 (Z 8141)
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
例えばプレス加工において、大きな長方形の鋼板から多数の丸板を打ち抜く、すると打ち抜き後には「丸板」と「抜きカス」に分かれます。
このとき丸板の面積が、最初の鋼板の面積に対して占める割合が歩留まりとなる、丸板が60%(抜きカスが40%)ならば、「歩留まり率は60%」。
そして完成した丸板を検査して不良がゼロならば良品率=60%と歩留まり率と同じになります。
完成品を検査して50%が不良ならば良品率は30%となります。
わかりやすく 歩留り率
ある品目をつくった際、その中に含まれる良品の割合をいい、通常、製造数に対する良品数の比率で示され、歩留まりを百分率で示した数値を「歩留まり率」といいます。
歩留まり率は「全体の生産数に対する完成品数の割合」を表します。
歩留まりの語源は、「歩(ぶ)がいい・悪い」で使用される「歩」から来ています。「歩」とは自分の取り分のことです。自分の取り分=歩が留まるという意味で「歩留まり」と表されるようになりました。
歩留まりあるいは歩止まり(ぶどまり)とは、製造など生産全般において、「原料(素材)の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた製品生産数(量)比率」のことである。また、歩留まり率(ぶどまりりつ)は、歩留まりの具体的比率を意味し、生産性や効率性の優劣を量るひとつの目安となる。
例えば100個分の原料または素材を投入し、実際に利益につながった製品が90個、利益にならない欠陥品が10個である場合、歩留まり率は90%です。
食品加工などの場合には、一般に原材料の重量から食品に使えない部分や加工で生じるロスを除き、製品になった量の割合を指すため、歩留まり率は100%にはなりません。
製造業にとって歩留まりは生産性や効率性の優劣を量る目安であり、企業の能力を示す重要な指標です。しかし、実際の製造業では、生産した商品の数を把握することはできても、欠陥品の具体的な数を把握することは簡単ではありません。近年盛んな製造業のIoT化は、歩留まりの向上につながる改善活動の一環であるといえます。
歩留まりの計算方法
歩留まり率を計算するには、次の式を利用します。
- 【生産数に対する歩留まり率】
- 歩留まり率(%)=完成品数÷投入総数×100
- 【原料に対する歩留まり率】
- 歩留まり率(%)=完成品÷原料×100
生産数の歩留まり率を考えた場合、投入総数が100個で完成品が80個の場合、歩留まり率は80%となります。原料ベースで考える場合は、たとえば100トンの原料から70トンの完成品ができれば、歩留まり率は70%です。
両方を合わせて考えることが一般的であり、100トン・1000個の原料から80トン・800個の完成品ができ、その内の500個が良品であった場合、原料に対する良品の最終的な歩留まり率は50%となります。
直行率と歩留まり率 違い
歩留まり率は投入した部材に対して良品の割合、100個分の部材を投入して良品が99個取れれば歩留まりは99%です。
一方直行率は作ったものが一発で良品になる率、すなわち100個投入して99個が検査を一発で合格すれば直行率は99%。
歩留まり率と直行率のどこが違うかというと、100個作ったときに直行率が99%でも、検査で不合格になった1個を修理して良品になれば歩留まり率は100%となる。
すなわち歩留まり率というのは不良がいくらあろうが、修理して良品になればOK、一方直行率の方は、不良は不良としてカウントされる。
良品率と歩留まり率の違い
歩留まり率は「全体の生産数に対する完成品数の割合」を表すのに対して、良品率は「完成品数に対する良品数の割合」を表します。
原材料として250個あった時
歩留まり数が80%の工程で200個の完成品ができるので良品率が80%であれば出荷できる完成品は160個です。
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歩留まり率=良品率と思われがちですが歩留まり率=良品率ではありません。
歩留まり率(%)= 完成品数÷原料数(投入総数)×100
良品率(%)= 良品数÷投入総数×100
たとえば、原料数(投入総数)が100個の場合、歩留まり率が80%の生産ラインで80個の完成品が生産できても、同ラインの良品率が50%だと利益につながる製品は40個になります。つまり、純粋な歩留まり率は「40%」です。
もし、このラインで良品を330個作るには、825個分(330÷0.4)の原材料が必要ということになります。
このように、歩留まり率に対し良品率はさらに絞り込んだ値であり、お互いの関係を理解しておくことは、生産性や利益率の向上にとって重要であるといえます。
まとめ
歩留まりは投入した原料、製品数に対してどれくら完成されたかの割合であり検査による良品、不良品の区分は考慮していない。
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