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精度

高精密さと低精密さ
高精密さと低精密さ

精度(精密さ) precision        【イラスト図解】

英語:precision、accuracy                中国語:精确

精度(精密さ)とは

1.「同一試料に対し,定められた条件の下で得られる独立な観測値・測定結果のばらつきの程度.

ばらつきが小さい方が,より精度が良い又ば高いという.」(Z 8101-2)

2.測定結果の正確さと精密さを含めた,測定量の真の値との一致の度合い.

参考:Z 8102-2では精確さ,総合精度という.」(Z 8103)→精密さ

引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会

わかりやすく  精度(精密さ)

例を用いて, 「精度」の概念を説明。

ある測定を,a〜dの4つの手順により行い,測定結果を各ポイントで表し,横軸の広がりを値のばらつきとして下図のように表される結果を得られたとする。

手順aでは個々の測定値自体のばらつきは小さいため,精度は高いといえる。だが,全ての測定値が同じ方向に偏っており,その平均値と正しい結果(つまりは,真の値)との差は大きい、よって,真度は低い。
手順bでは測定値のばらつきは大きいものの平均値は真の値に近い。
つまり,精度は低いが,真度は高いといえる。
同様の観点からc,dの評価を行えば下図のように評価した結果を示す事ができる。

わかりやすい精度

 

工業規格での精度、総合精度、真度の定義

公的な精度の定義として工業規格 JISで“精度”に関連する用語の定義を記載。

JIS 精度関連用語

JIS 精度関連用語

上記のからは“精度”に関連する用語は単一の用語ではなく、下の3つの異なる意味の用語に分けて定義されていること、そしてそれぞれの意味を示す言葉も複数あることが分かります。

真度、正確さ(trueness)⇒”かたより”の小さい程度
精度、精密さ(precision)⇒”ばらつき”の小さい程度
総合精度、精確さ(accuracy)⇒両者を含めた総合的よさ

具体的なかたより(系統誤差)ばらつき(偶然誤差)は下図に示される量を表しており
「正確であるが、精密ではない」
「精密であるが、正確ではない」
といった用いられ方をします。

ばらつきとかたよりの概念図

ばらつきとかたよりの概念図

 

「精度」の違い 計測用語と品質管理用語

JIS Z8103:2000(計測用語)での「精度(accuracy)」の定義は

測定結果の正確さ精密さを含めた、測定量の真の値との一致の度合い。
参考 JIS Z 8101-2では正確さ、総合精度という。

一方、JIS Z8101-2(統計的品質管理用語)での精度(precision)とは、測定値のバラツキの程度を意味しています。

そして、両者の単語は日本語は一緒でも、英語では違います。

精度,精密度,精密さ (precision)

定められた条件の下で繰り返された独立した試験結果/測定結果

又、JIS Z8101-2(統計的品質管理用語)には総合精度という和訳があり、正しい値からのズレ(真度)とバラツキ(精度)を総合的に表したものを意味しています。

更に「総合精度を、JIS Z8103(計測用語)では精度という」という備考も記載されています。

参考サイト:JIS Z8101-2(統計的品質管理用語)

まとめると下図のような関連性があり、計測用語と品質管理用語で「精度」の解釈が違います。

又、品質管理での「真度」、「精度」、「総合精度」の概念は下記のようになります。

品質管理での「精度」

品質管理での「精度」

 

精度(精密さ)と真度(正確さ)の違い

品質管理用語での精度と正確さの違いを説明。

真度(正確さ)trueness」とは、「真値」にどれだけ近い値であるかを示す尺度です。

一方、「精度(精密さ)precision」は、複数回の測定等の値の間での互のばらつきの度合いの尺度で、「再現性」ともいいます。

矢の的を使って解説すると

繰り返し測定することを的に向かって矢を何度も放つこと。

真度(正確さ)とは、的の中心と矢が当たった場所との近さを意味する。中心に近ければ近いほど正確さは高いと見なされる。すなわち、あるシステムの測定値が本来の値に近ければ近いほど、そのシステムの正確さが高いということができる。

矢を数回、放ったとき、矢の当たった範囲の大きさが精度(精密さ)に相当する。矢を1回だけ放った場合、条件が同じであれば以前に得られた精度の範囲でその後の矢が似たような場所に当たると予想される。

全ての矢が非常に狭い範囲に当たった場合、精度が高いということができ、これはその範囲が中心とどういう距離にあるのかは無関係である。精度の高い測定は必ずしも正確度が高いとは限らない。

しかし、個々の測定の正確度が信頼できるほど高いと言えるには、精度が高い必要がある。矢がばらばらに当たっている場合、それらが中心に近いとはいえないからである。平均すれば中心に近いかもしれないが、個々の矢は正確とは言えない。

精度(精密さ)と真度(正確さ)の違い

精度(精密さ)と真度(正確さ)の違い

 

Youtube動画 正確さ(真度)、精度(精密さ)、総合精度(精確さ)

Accuracy, Trueness, Precision正しく使おう!

 

まとめ

JIS Z8101-2(統計的品質管理用語)の品質管理用語として「精度(precision)別名:精密さ」と「総合精度(accuracy):別名:精確さがあります。

又、JIS Z8103:2000(計測用語)では「精度(accuracy)」の定義は
正確さと精密さを含めた、測定量の真の値との一致の度合いとあり品質管理用語の「総合精度」を意味している。

精度、総合精度、真度の用語は各JIS規格で意味が異なり、使用時には注意を要す。

下記に各JIS規格での精度、総合精度、真度の用語一覧を記載した。

JIS規格での精度、総合精度、真度の用語一覧

JIS規格での精度、総合精度、真度の用語一覧

引用サイト分析の信頼性にまつわる言葉の「信 頼 性」

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