- 管理限界線 control limits 【イラスト図解】
管理限界線 control limits 【イラスト図解】
英語:control limits 中国語:管制界限
管理限界線とは
「工程が統計的管理状態にあるとき,管理図上で統計量の値がかなり高い確率で存在する範囲を示す限界.」(Z 8101-2)
管理図では通常,打点される統計量の長期にわたる平均値などから決める中心線から正の方向に上方管理限界,負の方向に下方管理限界が設定される。R管理図,s管理図,ρ管理図,np管理図,c管理図,u管理図のように管理特性が非負の値しか取らない管理図の場合,下方管理限界線は考慮されない場合がある。
Z 8101-2 では上記のように確率表現によって定義されているが,Z 8101 : 1981では,見逃せない原因(突き止められる原因)と偶然原因とを見分けるために,管理図に設けた限界(線)という操作上の定義であった。
統計量の値が管理限界線の外側であるならば,工程が管理状態にないとしてその原因を探索しなければならない。
シューハート管理図では,中心線から統計量の標準偏差の3倍(3シグマ限界)の値とする方法を用いることが多い。ただし,統計量が従う分布のパーセント点から設定する(確率限界法)場合もある。
累積和管理図のように統計量が独立でない管理図では平均連長(ARL)から管理限界を設定。
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
規格限界と管理限界の違い
規格限界は顧客によって定められるもので、工程の望ましい性能を表します。 規格限界と管理限界は、異なる目的に使用されます。 管理限界では、工程が安定しているかどうかを評価できます。 規格限界では、工程が顧客の要件をどの程度満たすのかを評価できます。
お客さまの品質の要求として、規格限界(規格値)が決められています。管理されたバラツキの状態で、規格値上限と下限が、管理限界の上方と下方の中にあるときは、工程能力が十分あると言います。工程能力とは、質的能力を示すもので、工程能力を高めることは、品質管理の目標でもあります。管理された工程でも、工程能力が不足している(すなわち個々の品質が管理限界を逸脱することが多い)場合は、長期的な工程改善を行う必要があります。
管理限界線を計算するための係数表
管理図の管理限界値は総平均の±3σであり、これは平均値の中心極限定理と正規分布の性質を利用しています。
管理限界値を算出する方法には3×標準偏差と係数による推定の2つが存在しますがどちらも同じような値を示しますががコンピューターが手軽に使用きる現在は標準偏差から計算する方法の方が簡単であり、わざわざ 係数表からA2.D4を求めて計算する必要はありません、不要です。
何故、管理限界線を計算するためを係数表するのか?
管理図を作ったシューハート博士は20世紀前半には手軽に使えるコンピューターがない時代であり、計算尺を使用した手計算でもかなり手間がかかります。
つまり、各値を平均から引いて、それぞれ二乗して、全て足し合わせて、自由度で割って、平方根をとる、時間がかかり、計算ミスも発生しやすいです。
そこで、係数を使ったこの方法であれば、算出するのは平均と範囲(最大-最小)だけになるので、現場でも簡単に計算、計算出来ます。
つまりコンピューターがない時代には管理限界線を計算するためを係数表が必要でした。
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