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わかりやすい アロー・ダイヤグラム法|PERT図 【イラスト図解】

アロー・ダイヤグラム法

アロー・ダイヤグラム法とは

新製品開発計画を矢線図を用いて改善策を見つける為の手法。

次の事象を開始するための前段階に事象がふたつある場合には、そのふたつの事象が完了しない限り次の事象を完了することができない。そのため、事象の流れの中で各事象間の関係や影響が明確になる。複雑な工程や細かい時間配分を図式化できるため、大規模なプロジェクトで作業の進行状況を的確に把握するために役立つ。

日程短縮するためには、日程的に余裕日程が0になっている作業の経路:すなわち重要なクリティカルパス(Critical Path)を見つけ、これを短縮化できるよう対策をするとともに重点的に管理することが必要です。

引用:QM用語辞典  日本規格協会

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アロー・ダイヤグラム法とは、問題を解決する方策を実行する日程計画を立てるのに、アロー・ダイヤグラムを用いる手法です、矢線図、PERT図とも呼ばれます。

「アローダイアグラム」(矢線図)はパート PERT(Program Evaluation and Review Technique)で使われる日程計画ためのネットワーク図で、複数な作業が複雑に込み入っている場合に用いられます。

「パート」(PERT)は1957年アメリカで新しい計画と管理の手法として開発され、ポラリスミサイルの開発に使用され、開発期間を2年短縮しました、日程計画を表すのに、矢線を用いるので、「アローダイアグラム」と呼んでいます。

 

各作業の最速日程最遅日程を見積もり、最速日程と最遅日程が同じとなる経路をクリティカル・パス( critical path )といい、これを重点管理することによって日程の遅れを解消する手法で、各作業の進度管理にも活用できます。

英語:Arrow diagram method      中国語:箭头图

作業工程図をアローダイアグラムに変換

簡単にアローダイアグラムを説明すれば作業工程図を丸と矢印と数字で表現した図に変換し、見える化し所要時間の短縮、作業の並列化、作業の分担化等の改善で工期を大幅に短縮する為の方法です。

 

アロー・ダイヤグラムの目的

アローダイアグラム法の目的は、最適な日程計画をたてて、スケジュールを管理することができます。

利点としては仕事全体の作業と繋がりを把握することができ、仕事の着手前に、工程上の日程上の問題点を把握することができます。

又、どの作業が日程上遅らせてはいけないのかを把握することができます、これを「クリティカルパス」と呼んでいます。
物事を進める上で重要なポイント、 隘路 (あいろ)=ボトルネックです。

アロー・ダイヤグラムの目的

アロー・ダイヤグラムと矢印図、PERT図の違い

「PERT」と呼ばれるプロジェクトを管理する場合にアローダイアグラムを使ったスケジュール管理がPERT図と呼ばれます。

矢線図はアロー・ダイヤグラムの日本語訳です。

 

アロー・ダイヤグラムとガントチャートとの違い

アローダイアグラムとガントチャートは、両方ともプロジェクト内の作業を管理するための図表ですが、管理する情報や作業管理の粒度に差があります。

アローダイアグラムではプロジェクト内の各作業の実行順序を管理しますが、ガントチャートでは各作業間の実施順序や優先作業などは明示的に管理しない点が異なります。

また、ガントチャートでは各工程内の作業内容を明細化して管理しますが、アローダイアグラムは作業の開始から終了までの各工程が直線で繋がるフローチャートとなり、作業の明細化は行いません。

アローダイアグラムは構造が単純になる分、各作業の順序等の情報を視覚的に管理可能な点がメリットとなります。

PERT図 ガントチャート
表現図式 フローチャート バーチャート
対象範囲 小規模のプロジェクト向き 大規模のプロジェクト
内容 プロジェクトの各タスクの流れ、完了時間、クリティカルパス プロジェクトのタスク、各タスクの開始〜終了時間、進捗状況
特徴 タスク間の関係性が一目でわかる。 況がひと目でプロジェクトの進捗状わかる。

 

関連記事:ガントチャート

アロー・ダイヤグラム法 作成の基本

アローダイアグラム法のルール

1)アローダイアグラムでは、丸同士の間に書ける矢印は1本です、2本以上は書けません。アローダイアグラム法のルール

2)並行して行われる作業経路の間で前後関係をつける場合は、ダミーを使います,ループを入れてはいけません,不必要なダミーは使ってはいけません。

アローダイアグラム ダミー

3)アローダイアグラムの記号

アローダイアグラムの記号

 

 

工程の把握

課題を達成するために必要な作業を摘出し、所要時間・先行作業・後続作業をカードに記入します。アローダイアグラム 工程の把握

 

アロー・ダイヤグラムの作成

作業の順序に力ードを配置します。このとき、重複するカードは除去し、不足分は補充します。配置が決まったら、結合部を○で結びます。また、並行作業は実線で結ぶとともに、制約条件であるダミーは破線で結びます。

アロー・ダイヤグラムの作成

 

 

 

最速日程、最遅日程の計算

最初の結合点のマス目の上側に「○」を記入し、順次作業の順番に作業時間を加算して、各結合点のマス目の上側に記入します。並行作業やダミーがあるときは数値の大きいほうを記入します。なお、ダミーの作業時間は「○」です。
最終作業の完了時間を基準にして、作業の後ろのほうから順次作業時間を差し引いて、結合点のマス目の下側に記入します。当然、最初の結合点の最遅日程はO」となります。

アロー・ダイヤグラム  最速日程、最遅日程の計算

工程の短縮

取速日程と最遅日程が同じになっている経路がクリティカ・パスです。 クリティカル・パスを管理することによって、遅延することなく作業が完了することになります。

アロー・ダイヤグラム 工程の短縮

 

アロー・ダイヤグラム法 作成 ステップ

アロー・ダイヤグラム法 作成 ステップ

 事例によるアロー・ダイヤグラム法 作成

目的と対象範囲

アロー・ダイヤグラムを作成する目的を決めます。目的とは、「工程の管理」「工程の短縮検討」「工程の問題点抽出」などです。

目的が決まれば、目的に対して対象となる工程の範囲を設定します。作成する範囲は、自部門だけでなく、その仕事がスタートしてから完了までとし、必要に応じて前工程や後工程も対象範囲に入れます。

ここでは、毎月開催する技術検討会議の準備を行うことを目的に、アロー・ダイヤグラムを作成することにしました。対象範囲は、開催する事務局が作業を始める時点から会議の開催までと設定しています。

アロー・ダイヤグラム 目的と対象範囲

 

作業列挙

計画を進めていくために必要な作業を列挙します。
記入する作業は、作業名所要日数(時間)を明確にします。そのとき、作業の進行に対して、制約条件「○○作業ができなければこの作業はかかれない」といった直列性のある作業と、「この作業は○○作業と並行にできる」といった並行作業を明確にします。

作業名はできるだけ細分化し、具体的に表示します。
作業名を書き出すとき、作業手順書や業務フロー図を参考にしますが、実際に行っている作業を書き出すことがポイントです。そのため、関係者に直接聞いたり、作業の実態を調査します。これらの作業名を書き出すときに同時に所要曰数(時問)も記録していきます。

ここでは、会議の準備に向けて、6つの段階で各作業と所要日数を書き出しています。

アローダイヤグラム 作業列挙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作業の順序関係

各作業の位置を決めます。位置が決まれば、結合点矢線、ダミーを書き入れて作業名を記入します。結合点には、結合点番号を記入します。結合点番号は1からはじまる正の整数を用い、作業が進むにつれて大きな番号を記入していきます。

作業ごとに所要日数(時間)を見積り、作業名の下に記入します。所要日数(時間)は、次の事項に留意して見積ります。
①作業の所要日数(時間)は、いずれも正味の所要日数(時間)を見積ります。

「待ち時間」を忘れずに組み込みます。
③所要日数(時間)にばらつきがある場合には、平均値を記入します。

作業の所要日数(時間)の場合、正味所要日数(時間)を見積つていますので、スケジュールとして管理していくときには、土・日曜日や祭日などを考慮します。

アローダイヤグラム 作業の順序関係

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結合点番号付与

矢線を引いたら、もう一度作業間の前後関係を確認します。新たに、ダミーが必要な部分が見つかったり、作業の抜け落ちがあった場合、アロー・ダイヤグラムを修正します。矢線の記入は、できる限りシンプルにします。そのポイントは、次のとおりです。

1組の結合点は1つの作業・実施事項を表す。
2つの結合点間に2つ以上の作業がある場合、“ダミー”を挿入します。ダミーとは、仕事を行わない経路です。

ループをつくらない
アロー・ダイヤグラムはフローチャートと異なり、作業・実施事項を目的達成のために時系列従属関係で前進させます。

不必要なダミーを使わない
不必要なダミーがあると、結合点日程の計算まちがいの原因にもなります。

アローダイヤグラム 結合点番号付与

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結合点日程計算

最早結合点日程

最早結合点日程とは、その結合点から始まる作業が開始できるもっとも早い日程で、着手可能日ともいえます(下図の上段の日程)。

結合点①の○日よりスタートし、順次、所要日数(時問)を加算していきます。
注意すべき点は、2つ以上の矢線が入り込む結合点⑥です。計算上③→⑥の35日と⑤→⑥の30日がありますが、最大値をとって35日とします。

最遅結合点日程

最遅結合点日程とは、その結合点で終わる作業が遅くとも終了していなければならない日程で、完了義務日程ともいえます(下図の下段の日程)。

結合点⑦の55日よりスタートし、順次、所要日数(時間)を減算していきます。
注意すべき点は、2つ以上の矢線が出ている結合点②です。計算上③→②の10日と④→②の15日がありますが、最小値をとって10日とします。

クリティカル・パス 明記

手順5で計算した最早結合点日程と最遅結合点日程が同じ作業を結んだ矢線がクリティカル・パスです。クリティカル・パスは始点から終点までの最長日数の経路で、余裕のない作業をつないだ経路です。

このクリティカル・パス上の作業が遅れると、全工程の完成日に影響を及ぼすことになります。特に管理しなければならない重要なポイントになります。
ここでは、「概要決定」→「会場探し」→「案内作成」→「開催案内」→「資料コピー」→「開催準備」の作業がクリティカル・パスになります。
クリティカル・パスは大線で表示したり赤色を付けたりして目立つようにします。

 

日程の短縮

アロー・ダイヤグラムで日程の短縮を検討することができます。
11日後に開催される会議を問題なく準備できるよう、アロー・ダイヤグラムで工程を管理していました。ところが、会議の開催が3日早くなったことから、工程の短縮を検討することになりました。

まずは、クリティカル・パスに着目します。3日かかる会場探しをインターネットを使い2日間で探すことにしました。さらに、「会場探し」「案内作成」「出席者抽出」の各作業をメンバーが手分けして並行作業で行うこととし、「開催案内」を仕事に余裕のある隣の係にお願いすることにしました。

その結果をアロー・ダイヤグラムに表してみると、3日短縮できることがわかりました。

アロー・ダイヤグラム  日程の短縮

アロー・ダイヤグラム 改善後

アロー・ダイヤグラム 改善後

 

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