パッと読むための見出し
管理図とは
管理図は、工程が管理された安定な状態になっているかを調べるため、または工程を管理し、安定な状態を維持するために用いられる、管理線の入った折れ線グラフです。
その構造は下記のグラフのように一本の中心線(CL)とその上下に一対の管理限界線(UCL、LCL)から構成されている。
工程の状態を表す特性値をプロットした時に管理限界線の中にあり点の並びにクセがなければ工程は管理状態にあると判断します。
管理線には中心線(CL)および上方管理限界線(UCL)と下方管理限界線(LCL)があり、両管理限界線は一般的に標準偏差の三倍の3σを用います。
管理限界から外れる確率は3/1000(0.3%)つまり1000台生産して3個である。
3σ法 中心線 CL(CenterLine) =平均値
上方管理限界線 UCL(Uper Cntrorl limt) =平均値+3×標準偏差(σ)
下方管理限界線 LCL(Lper Cntrorl limt) =平均値-3×標準偏差(σ)
管理図 具体的事例
・管理限界線から外れている。工程が異常である
![[Tags] 1x1.trans シューハート管理図 |Xbar-R 管理図](https://takuminotie.com/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif.pagespeed.ce.2JdGiI2i2V.gif)
x管理図の管理限界線から外れている
また、点の並び方が連続して並んでいる場合も工程が異常と判断される。
下記の図が具体的事例である。
・連続して同じ方向に点が並んでいる、工程が異常である。
![[Tags] 1x1.trans シューハート管理図 |Xbar-R 管理図](https://takuminotie.com/wp-content/themes/simplicity2/images/1x1.trans.gif.pagespeed.ce.2JdGiI2i2V.gif)
x管理図の点が連続
管理図の種類
管理図には大別して計量値管理図と計数値管理図に大別されます。
計量値管理図には、Xバー-R管理図、XーRs管理図、 Xメジアン-R管理図がありま
す。
また、計数値管理図には、P管理図とPn管理図、C管理図、U管理図があります。
Xbar-R 管理図 作り方
代表的なXbar-R管理図のつくり方は、次のようになっています。
データーサンプリング
ある品質特性について、同じ工程の生産ロットの検査データを20群以上集
めます。
並べ替え&平均値Xbarと範囲R算出
集めたデータを生産順ごとに並べ、群ごとの平均値Xbarと範囲Rを計算します。
中心線 CL 算出
データの総平均Xbarを計算します。
この総平均Xbarが、Xbar管理図の中心線(CL)となります。次に、範囲Rの
平均値Rbarを計算します。この平均値RbarがR管理図の中心線となります。
なお、 A²はロットごとの抜取検査数で決まる係数です。
Xbar-R管理図の上方管理限界線と下方管理限界線を計算
Xbar-R管理図の上方管理限界線と下方管理限界線を計算します。
UCL=Xbar+A²×Rbar
LCL=Xbar-A²XRbar
R管理図の上方管理限界線と下方管理限界線
⑤R管理図の上方管理限界線と下方管理限界線を計算します。
UCL=D4一Rbar
LCL=D3×Rbar
なお、D4,D3はロットごとの抜取検査数で決まる係数ですが、ロットの抜
取検査数が6個以下の場合は、D3の値はほぼゼロに近いため考慮しません。
管理図の目的 | 解析用と管理用
管理図の目的は工程内で異常が発生した場合に早期に工程の異常を検知するための図でありヒストグラム、散布図では困難な時間的変化を簡単な方法で知ることができる。
管理図は使用目的別に解析用と管理用がある。
解析用・・ 工程の状態が把握できていない場合それを調査する為にする。
管理用・・ 工程が安定状態になり品質の維持継続を目的として使用。
X-Rs管理図とは
サンプル1個だけのデータで,管理図を作成するのがX-Rs管理図です。
作り方は,Xbar-R管理図と同じですがデータが1個しかないので平均値も範囲も計算する必要がありません。
その代わり平均値としてはサンプル1個のデータ,範囲の代わりとしては一つ前のデーターとの差分Rs(移動範囲)を使います。データが少ないので感度は低いが,サンプリングにかかる手間が省略できます。
下記のような場合に用いられます。
・ 決められた工程から,1 個の測定値しか得られない。
・決められた工程の内部は均一であって,多くの測定値をとっても意味がない。
・測定値を得るのに時間や経費がかかり,現実には 1 個の測定値しか得られない。
X-Rs管理図の作り方
データ並べ替え
少なくとも 20~25 群からそれぞれ一つずつのサンプルをとり測定、データを時間順に並べ替える。
差分Rs(移動範囲)を計算する。
移動範囲 Rs の計算:
互いに相隣る二つの測定値の差(絶対値)を移動範囲 Rs という.
すなわち
Rs=|(第i番目の測定値)|ー|((第i +1)番の目測定値))|
Xの平均とRsの平均
Xの平均とRsの平均を計算します。
ここに,ΣX:測定値の総和
k:測定値の数
有効けた数:測定値のけたより 2 けた下まで求める.
ここに,ΣRs:移動範囲の総和
K-1:移動範囲の数
有効けた数:測定値のけたより 2 けた下まで求める.
管理限界を求める
X 管理図の管理限界は次式によって計算する.
有効けた数:平均値Xのけたより 1 けた下まで求める.
R管理図の管理限界は次式によって計算する.
有効けた数:Rsのけたより 1 けた下まで求める.
管理図用紙に記入
1)管理図用紙の縦軸に X と Rs を目盛り,横軸に測定値の番号を目盛る.
2)X,Rs を上下に対応させてプロットする.第 1 番目のプロットは X だけで Rs はなく,Rs のプロットは第 2 番目から始まる.
3)管理線を記入する.
・中心線 X は実線とし,数値を付記する.
・UCL,LCL は解析用は破線とし,管理用は一点鎖線とし,数値を付記する.
pn管理図とは?
工程を不良個数によって管理する場合で,サンプルの大きさが一定の場合に用いる。またこの場合,良品個数とか,2級品個数などでも適用できる。
pはロットの不良率,nは検査台数です、因ってpnは不良の個数です。
サップルの大きさが一定でない場合はp管理図を用いる。
pn管理図の作り方
pn管理図 データー収集
データのとり方はだいたい平均としてサンプル中に1~5個位の不良個数が含まれるような大きさのサンプルを少くとも約20~25群をとり測定検査して不良個数pnを調べる。
サンプルの大きさの見当をつけるには,不良率pを予想して,サンプル中に1~5個の不良が含まれるようにする。すなわち,
pn=1~5 n=1/p~5/p
たとえば,不良百分率がだいたい5%位と予想されるなら
n=1/0.05~5/0.05=20~100とする。
中心線 管理限界線 算出
ここに
pn:各群の不良個数
∑pn :不良個数の総和
k:群の数
管理限界を次式によって計算する。
計算のけた数は小数点以下1けたまで求めておけばよい
X,すなわち工程平均不良率は次式によって求める。
pn管理図事例
ある部品のショットブラストエ程で 部品120個ずつ表面処理加工を行っているが,この工程を管理するために外観検査による120個ずつの表面仕上り不良の数をしらべた。このデータおよび管理図は表3.4および図3.4のとおりである。
この管理図では限界線からとび出す点はなく,また並び方にくせもないので,この工程は管理状態にあることがわかる。