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作業指示書

作業指示書 イラスト
作業指示書 イラスト

作業指示書    work instructions【イラスト図解】

英語:work instructions      中国語:作业指导书

作業指示書とは

「任務をどのように実施し記録するかについて詳細に記述したもの.

備考

1.作業指示書は文書化しなくてもよい.

2.作業指示書は,例えば,作業内容を詳細に文章で記述したもの,フローチャート, チップレート,見本,図面に記入したメモ,仕様,装置取り扱いマニュアル,写真,ビデオ,チェックリスト,これらの組合せなどでもよい.

作業指示書では使用する材料,装置,文書類について説明することが望ましい.

関連する場合は,作業指示書には合否基準が盛り込まれる.」(ISO TR 10013)

引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会

 

作業指示書の目的

作業指示書の作成には、手順を確認する回数を減らして作業を効率化する狙いがあります。手順が複雑な作業がある場合でも作業指示書を使ってわかりやすく説明することで、短時間で理解してもらいやすくなり、業務効率の向上が期待できます。

また、作業指示書には作業内容を管理し、現場の作業員に周知する役割もあります。作業内容をすべて口頭で伝達しようとすると、漏れや認識違いが生じる可能性があります。作業指示書に記録しておくことで、このような事態を防ぎ、円滑な業務の遂行が可能になります。

作業指示書の作成方法

作業指示書には具体的にどのような内容を記載すべきなのか、その項目例を解説。

基本項目

作業における基本的な項目を記載します。以下のような内容を含めましょう。

項目 記載内容
作業名称 作業の概要がわかる名称を記載
作業期間・日時 作業の実施期間・日時や納期を記載
責任者・担当者名 作業の責任者名および担当者名を記載
依頼者名 作業依頼元の企業名、責任者名を記載
作業時間 作業時間が決まっている場合は具体的な時間を記載
作業場所 作業の実施場所を記載
作業条件 天候など作業実施の条件がある場合は条件を記載

作業実績

作業の実施後に、作業全体を振り返って作業実績を記載します。作業は順調に進んだか、作業にどの程度のリソースがかかったか、安全衛生上の問題はなかったかなどの内容を記載しましょう。

作業内容

作業の具体的な実施内容を記載します。作業の担当者が明確に作業内容を理解できるよう、記載の仕方に注意が必要です。
たとえば、箇条書きや項番の記載により作業項目や作業順を明確にする、作業人数や利用予定の機材を記載する、作業時の注意事項を見やすく記載するなどの点を意識しましょう。

作業予定

作業内容をより具体的なレベルに落とし込んだ作業予定を記載します。各作業項目の作業予定時間、作業担当者名、作業手順などを記載し、作業予定に従って作業すれば、安全、正確かつ効率的に作業を実施できるでしょう。

 

作業指示書と作業要領書、作業手順書、作業指示票、作業マニュアルの違い

作業指示書は、作業を正確かつ効率的に進めるために、さまざまな業種業態で用いられている文書です。作業指示書があれば、作業の確実性と効率性アップにつながります。

もし、「生産におけるミスが多い」「作業がなかなか効率的に進まない」といった課題があるのであれば、作業指示書を活用する、もしくは内容や運用の仕方について見直すことが必要です。

作業指示書に似た文書として「標準作業手順書」がありますが、これは作業の標準化を目的としたものであり、作業指示書とは異なります。その他にも「作業標準書」「作業要領書」「製造作業手順書」など、類似の意味で使われることがあります。

作業指示書が製品の生産に必要な情報を提供する一方で、作業マニュアルは繰り返し行われる作業に対して使用されることが一般的です。例えば、唯一無二の製品を生産する場合でも、作業指示書は必要ですが、その特定の製品に対する作業マニュアルを作成することは少ないです。

しかし、これらの呼称は明確に定義されておらず、企業ごとに独自の定義がある場合が多いです。

作業指示書、作業標準書、作業指示票、作業要領書等の違いについては下記のとおり。

作業標準(英語:Manufacturing Standard)作業条件、作業方法、管理方法、使用材料、使用設備その他の注意事項などに関する基準を定めたもの。 作業指導書、作業手順書、作業マニュアルも作業標準書のひとつ、職場、会社ごと名称が異なるだけ。 基本的な作成方法、使用方法は同じです。

 

作業指示書(英語:work instructions) 「任務をどのように実施し記録するかについて詳細に記述したもの.備考1.作業指示書は文書化しなくてもよい.2.作業指示書は,例えば,作業内容を詳細に文章で記述したもの,フローチャート, テンプレート,見本,図面に記人したメ
モ,仕様,装置取り扱いマニュアル,写 真,ビデオ,チェックリスト,これらの組合せなどでもよい.作業指示書では, 使用する材料,装置,文書類について説明することが望ましい.関連する場合は,作業指示書には合否基準が盛り込まれる.」(ISO TR 10013)

 

作業指示票(英語:instruction sheet) 製造作業の標準を定めた作業標準のうち,監督者,作業者への作業指示を主な内容として,多種少量生産や特別注文のため作業条件を変更するとき,共通作業と関連づけて,次のような事項を指示するもの。
適用範囲,加工品名,ロットナンバー, 適用時期,品質,加工条件,使用設備, 治工具など。 一般的名称として,作業指導票,特別 指示票,製造指示票などと呼ばれる.主
として製造監督者,製造作業者が使う。

作業要領書(英語:job instruction sheet) 作業者に作業標準に基づいて作業の仕方を示した指導書、作業する上で守らなければならないルールや勘・コツなど,意識して作業する
箇所,意識の仕方,あり方をまとめたもの.部品の持ち方,持つ位置,部品を組み合わせるときの接近方法や組付け基準,使用する工具や検査規格などを記載。

(引用書籍:クォリティマネジメント用語辞典)

関連記事:わかりやすい業務マニュアルの作り方、使い方【イラスト図解】

 

作業指示書の記載項目

作業指示書は、製造プロセスの「何を」「いくつ」「いつまでに」「どこで」生産するかといったな情報を記載する文書です。通常、1~2枚の文書に集約し、誰もが簡単に参照できるよう作成します。

以下に、作業指示書に一般的に記載される主要な項目を説明していきます。

作業指示書の記載項目の例

発注番号

受注1件に対して1つの発注番号が割り当てられます。同一製品でも異なる受注を区別できます。

発注元

発注元の顧客名を記載します。大きな企業で複数の部門から発注がある場合などは、部門名や発注元担当者名も記載すると良いでしょう。

受注日

顧客から受注を受けた日付を記載します。

納期

顧客との約束納期を記載します。

作業指示番号

作業指示書ごとに番号を割り当てます。

製造ロットNo.

生産する製品の情報を特定するための識別番号を記載します。「日付」や「日付+連番」などで表記します。また、作業指示番号は作業指示に対しての識別番号であり、製品識別を目的とする製造ロットNo.にはなりえない場合が多く、注意が必要です。

指示数

製造現場に対して製造する個数を記載します。

指示分類

この作業指示書がどういった意図で発行されているのかを記載します。通常や特急、試作、リワーク(手直し)など任意に選択します。

品目コード

製造する物を特定できる品目コードを記載します。品目コードの多くは図面に記載している図番を基に作成する場合が多く、図面管理の手順が応用されます。また、以下のような採番ルールにすると管理しやすいです。

品目名

品目コードや品番に付随する品名を記載します。

作業開始予定日時

作業指示書の内容に着手してほしい日時を記載します。

作業完了予定日時

作業指示書の内容を完了してほしい日時を記載します。

工程順

製品がどこの工程を経由して製造されていくのか順序を示すための番号です。10→20→30のように、1工程ごとに10ずつ上がっていく場合が多いです。

(10ずつ上げていくのは新しい工程が追加になったときに他の工程マスタを変更する必要がないようにしておくためです。10単位で上げておけば工程追加があった際も、「15」などと設定できます。)

工程名

「加工」「表面処理」「組立」「検査」など製造の工程名を記載します。

作業区

製造場所の名前を記載します。製造場所を誰もが特定できるようにコード化しておき、それらを記載するなどの工夫をしておくと良いです。

設備・治具

その工程でどのような設備や治具(ワークの位置を決めたり保持したりする生産補助機器)を使用するのか記載します。

開始予定日時

工程に着手してほしい日時を記載します。

終了予定日時

工程を完了してほしい日時を記載します。

開始日時

実際に工程に着手した日時を記載します。作業指示書が作成され展開された後に、現場で実績として記載します。

作業指示書のテンプレート

製造業で幅広く使用できる使いやすい作業指示書テンプレートです、以下より無料でダウンロードいただけます。

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