マトリックスデータ解析法 【QC用語】
英語:matrix data analysis 中国語:矩阵数据分析法
マトリックスデータ解析法とは
マトリックス図に配列された多くの数値データを見通しよく整理する方法.新QC七つ道具の一つ.
L型マトリックスの各交点に数値データが配列されている場合に,それらのデータ間の相関関係を手
がかりにして,それらのデータのもつ情報を一度になるべく多く表現できるような数個の代表特性を求めることにより,全体を見通しよく整理する方法である.
この方法は,主成分分析と呼ばれる多変量解析法の一手法で,新QC七つ道具の中で唯一の数値データ解析法である.
関連用語:主成分分析
引用先:クォリティーマネジメント用語辞典 日本規格協会
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マトリックス・データ解析法 (matrix data analysis method)
“マトリックス・データ解析”とは,「行列に配置した数値データを解析する,多変量解析の一手法であり,主成分分析と呼ばれることがある」「,JIS Q 9024 : 2003 「マネジメントシステムのパフォーマンス改善一継続的改善の手順及び技法の指針」)のことである.
マトリックス・データ解析法は,大量にある数値データを解析して項目を集約し,見通しよく整理するための手法であり,新QC七つ道具のなかで唯一の数値データを扱う解析法である(図49).
通常,新QC七つ道具の一つであるL型マトリックス図の各交点に数値データがある場合,それらのデータについて多変量解析の一手法である主成分分析を用いて解析して,データがもっている多様な情報をできる限り少ない代用特性で表現する.
マトリックス・データ解析法は,市場調査,官能検査,意識調査,満足度調査などにおいて√データが大量で,又個々のデータに多数の尺度(測定値)がある場合にその傾向をつかんだり,分類したりしたいときに有効である.
マトリックス・デー・夕解析は,次の手順で行うことができる.
手順1:データをマトリックス図(通常,サンプルと変数を,行と列に配置したL型マトリックス図)で整理する.
手順2:変数の平均値と標準偏差を計算する.
手順3:変数間の相関係数を計算する.
手順4:主成分分析により固有値を計算する.
手順5:固有ベクトルと因子負荷量を計算する.
手順6:主成分得点を計算する.
手順7:因子負荷量と主成分得点を,第1主成分,第2主成分,…による二元グラフで散布状態をグラフ化する.
この手法が新QC七つ道具に取り入れられたのは,スタッフや管理者が多変量解析になじんでほしいという意図が含まれているといわれる.
引用先:実践力・現場力を高めるQC用語集 日科技連
マトリックスデータ解析法の特徴
マトリックス・データ解析法は、膨大なデータの中から重要な情報を取り出し、データを簡潔にまとめることができるため、ビッグデータ解析や品質管理、 マーケティング、AI解析など様々な分野で活用されています。
マトリックスデータ解析法の利点
①マトリックスデータ解析法は複雑なデータをシンプルな形へ変換できます。
マトリックスデータ解析法を用いれば、膨大なデータであってもグラフや散布図の形で表現でき視認性も高まりデータから何が言えるか、改善のためには何ができるのかといった議論を活性化させるに有効なツールです。
②情報処理リソースの節約が可能
膨大なデータの処理はそれだけで多くの時間と労力を要します。マトリックスデータ解析法によって処理に要する人的、あるいは機械的なリソースを節約でき、その利点はデータが多ければ多いほど大きくなります。
マトリックスデータ解析法の欠点
①高度な知識と分析ツールが必要
マトリックスデータ解析法の実施には高度な統計学の知識が必要です、そのデータがどのようにして生まれ、どのような意味を持つかを説明するには、その処理の工程を具体的にイメージできなければなりません。したがってマトリックスデータ解析法は、新QC7つ道具の中でも難易度が高く、実施が難しい手法であます。
マトリックスデータ解析法 作成 事例
具体的なマトリックスデータ解析法 作成方法は下記の関連記事を参照してください。
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