言語/language

再発防止

再発防止立案と実施 
再発防止立案と実施 

再発防止   recurrence prevention    【イラスト図解】

英語:recurrence prevention        中国語:再发防止

再発防止とは

「問題の原因又は原因の影響を除去して,再発しないようにする処置.

参考:再発防止には是正処置,予防処置が含まれる.」(Q 9024)

問題が発生したときに,プロセスや仕事の仕組みにおける原因を調査して取り除き,今後2度と同じ原因で問題が起きないように歯止めを行うこと.原因除去策,恒久対策ともいう.

管理図や管理グラフなどにおいて何らかの原因の存在が発見された場合に行うのが普通であり,次の3段階に分けられる.

①問題の発見された作業に対する再発防止

②同類作業に対する再発防止(水平展開による類似原因の除去)

③仕事の仕組みに対する  再発防止(根本原因の除去).
 例えば,材料の投入ミスに対して,その材料の置場や投入指示書を改善するのは①であり,その他の置場,指示書についても見直して問題があれば改善するのは②である.また置場を設置する際の仕組み,指示書を設計する際の仕組みにミスに対する事前検討・チェックのステップを追加するのは③である.

再発防止の内容としては次の四つが主要なものである.

①作業標準,技術標準,設備標準,管理標準などの標準類の作成及び改訂

②標準の教育訓練,再教育の実施,教育の仕方に対する反省と改善

③材料,部品,設備,治工具及び作業や仕事の方法に関する工夫・改善

④目的や目標の変更.
 再発防止を徹底していくためには,上級管理者のリーダーシップが必要であり.
その実施には全関係者が協力して努力しなければならない.確実な再発防止を行っていない職場は,永久に改善されない.

 

再発防止対策と未然防止、恒久対策、暫定対策、水平展開、歯止めの違い

再発防止と内容が似ている用語の解説

未然防止

再発防止と未然防止は、共に問題を防ぐための施策ですが、方法と目的には大きな違いがあります。 再発防止は過去に起こった問題に対してその原因を突き止め、対策を打つ取り組みです。

一方、未然防止は製品の品質トラブルや製造現場での事故などを、起きる前に(=未然に)防ぐための活動を指します、つまり予防、保全活動です。

再発防止と未然防止の違い

再発防止と未然防止の違い

 

水平展開

改善の効果をより大きくしていくための有効な活動が「水平展開」です。ひとつの改善で得られた情報は、かならず、その結果を同じように活用できるところはないだろうかと考えることが大事です。

a)同じような構造の機械はないか

b)同じような作業方法をしているものはないか

c)同じような材料を使っているものはないか

d)同じような設計をしている製品はないか

改善を行うときにはできるだけ、考えられる範囲で水平展開を図り、同様な不具合発生しないようにします。

再発防止と水平展開の違い

再発防止と水平展開の違い

恒久対策と暫定対策の違い

恒久対策は根本原因を明確にして、 不良の発生要因をつぶしこんで、問題の 再発を押さえ込んだプロセスを構築する対策のこと。

恒久とは、ずっと変わらないこと、 つまり「恒久対策」とは一時的ではない対策方法で、一度起きた問題を根本から解決する対処方法を行うことです。

一方、恒久対策の反対に、一時しのぎの対策を打つことを「暫定対策」または「応急対策」といいます。

問題が起こった時は、まずは応急対策を取ります、例えば火事が起こった時は、火を消すことから始めるます、消火を後回しにして、出火原因を考えている余裕はありません。

問題が起これば、応急対策を取り、その後、恒久対策を取って問題の再発防止を図ることは、多くの企業で実施さています。

恒久対策と暫定対策の違い

恒久対策と暫定対策の違い

 

歯止め   ~標準化と管理の定着~

歯止めとはQCストーリーのワンステップで効果の確認の次に行う手順のこと。
対策を打ち,効果が確認できたら,その効果が継続するよう対策及び効果の歯止めをしておかなければならない。

歯止めでは,効果のあった対策を標準化し,好ましい結果が継続されるようにやり方,仕組みを決め,規定や手順書に反映させる。

関連用語:歯止め

 

再発防止策 具体例

応急処置的な対策に終わらずに可能な限り発生源を断つ対策を打つことです。

 対策立案 事例:○○工程の寸法不良を0%にする(12月迄)

要因 対策 実施日 担当
①ワッシャーの忘れ 刃先調整後の確認項目リストに追加 7月11日 小林
②刃先の調整ミス 調整用ゲージを作成 7月20日 田中
③ベルトの緩み ベルト交換 7月23日 近藤

 

再発防止対策立案と実施の手順

手順① 対策案を検討する

要因解析ステップで追求した真の原因に対し、アイデア出しの方法を活用して対策案を検討します。

(1)ブレインストーミング

多くのメンバーによる話し合いの中でアイデアを出し合うことにより発想の誘発を期待する方法です。次の4原則を守りながら話し合いを進めます。

原則1 判断・結論を出さずアイデア出しを重視

原則2 自由奔放な意見を歓迎する

原則3 アイデアの質より量を重視する

原則4 他のメンバーのアイデアを元にさらにアイデア出す

ブレインストーミング

ブレインストーミング

 

2)改善の4原則(ECRSの原則)

排除、結合、交換,簡素化の4つの英語の頭文字を取ってECRSと呼ばれます。これらを単独、または組み合わせて改善案を検討します。

ECRSの原則

ECRSの原則

手順② 再発防止対策案を評価し対策を決める

 どの対策を講じれば安い費用で目標を達成できるか検討します。できれば複数の対策案を評価し、実施する対策を決定します。実施した場合に他の不具合が発生しないかも検討します。評価のポイントは効果、実効性、経済性の3つです。

(1)効果………効果の上がる対策か

(2)実効性……実現可能な対策か

(3)経済性……費用対効果は十分か

 

対策検討

対策検討

 

再発防止対策立案と実施のポイント

ポイント① 発生源対策を心がける

清掃頻度を上げる、点検頻度を上げるといった方法はではなく、バラツキの元を断てないか、といった発想で対策を検討します。

再発防止対策事例

現象 発生源対策
射出成型工程で、スクリューの傷、摩耗、破損が炭化物(異物)の発生源になっていた。 破損個所を修復し、メッキ加工を行い、樹脂の滞留を防止した。
押し出し機で、排気ダクトからの油漏れがラミネート不良の原因になっていた。 ダクトの形状を変更し物理的に油が落下しないように改善した。
オフセット輪転機の折り工程で、用紙の折り曲げ部が破れる現象が問題になっていた。 用紙含水率と破れの発生に相関関係があることがわかった。装置内に加湿装置を設置し用紙含水率を常時監視するようにした。

NG 再発防止対策立案と実施 事例

問題あり いつ対策したかわからない

対策を実施した日はしっかり記録しておく必要があります。対策実施日がわからなければ効果確認のしようがないからです。たとえば、機械トラブル対策を実施したものの、いつ対策を実施したかはっきりしないとします。

あとになって効果確認しようとしたところ、対策を実施したと思われる日の前後に同様のトラブルが発生していた場合、そのトラブルが対策後に発生していたなら、対策は効果がなかったことになります。

対策立案と実施

対策立案と実施

再発防止対策の種類 暫定対策と恒久対策

1)対策処置には,2種類ある、1つは,現象(結果)を除去するものであり,他方は結果を引き起こした原因を除去するものである。手直しが可能であれば,それで不具合をなくすことができる。しかし,手直しでその再発を防ぐことはできない、くり返しのある仕事では手直しでは問題の解決にならないのである。
問題の原因を取り除く対策をとり,問題が再発しないようにすることである。
この2つの種類の対策処置を混同してはならない。

2)是正対策処置は,しばしば別の問題を引き起こす。対策処置のもたらす副作用を防ぐために,対策処置についてできるだけ広い視点から評価し,その妥当性を判断しなければならない。可能ならば実験も行うべきである。副作用が起こることがわかれば,ほかの対策処置あるいは副作用に対する対策処置を考えなければならない。

3)対策処置を選ぷ際の重要かつ実際的なポイントは,関係するすべての者の協力が得られるかどうかである。原因を取り除くための対策処置は,現在の仕事にさまざまな変化をもたらす。対策処置はすべての者が受け入れるものであることが望ましい。いくつかの対策が可能であるならば,対策のとりやすさと効果のバランスを考えてもっとも効果的な手段を選定する。

関連記事:問題解決型手法 QCストーリーとは?【図解】

タイトルとURLをコピーしました