フールプルーフ foolproof 【イラスト図解】
「人為的に不適切な行為又は過失などが起こっても,アイテムの信頼性及び安全性を保持する性質.」(Z 8115)
人間がちょっとした気の緩みから犯すミスや過失を防止する,あるいはそれによって引き起こされる不具合を低減するための工夫.バカヨケ,ポカヨケ又は略してFPともいう.最近ではエラープル-フとも呼ばれる.
もともとは安全管理の分野から生まれた言葉で,ベルト,ギヤ,プレスなどにうっかり手をはさんでけがをしないために設けたカバーや誤操作によって致命的な事故や設備の破損が起きないようなフェールセーフ,フェールソフトリなどの仕組みをさした.
しかし最近は不良の防止や信頼匯の向上の面でも,人的なミスによる不具合を徹底的になくそうということから多くの現場で実施されるようになってきた.
基本的な考え方として次の二つがある.
①誰がやっても絶対に間違えないような自然な作業にする.
②万一間違っても気づくように,影響が出ないようにする.
例えば組付部品に抜けがないようにリストを作っておくというのは①であり,締付動作をリミットスイッチ付セットレンチで検出して回数が足りないと警報ブザーが鳴る,あるいはラインストップするというのは②である.注意していればミスはなくなるとか,忙しいから,難しいからミスを犯すのはやむを得ないという考え方や態度では,ミスは減らない.徹底的なフールプルーフの実施(FP化)によってミスの確実な再発防止を行う必要がある.