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ヒューマンエラーの理論~ポカヨケ対策~【図解】

ヒューマンエラーとは?

(英: human error)とは、人為的過誤や失敗(ミス)のこと。

『システム目標』に対して許容範囲の範囲を超えた人間の行動、あるいは処置の事」

JIS Z8115の定義では「意図しない結果を生じる人間の行為の事」と規定。

ヒューマン・エラーは、基本的には人間側のエラー(問違い)に起因することが多いがエラーを引き起こしている他の外部要因もあり、ヒューマン・エラーを防止するためには、人間側の問題となる部分の指導、管理を強化だけでは不十分であり、誘発原因となる因子を取り除くことも重要。

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ヒューマンエラーの用語、言葉

ミス、エラーの明確な区分はなく、現場では同様に使われているが心理学上の表現ではJames Reasonが考案したエラーモデルでヒューマンエラーを表現してる。

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James Reasonのエラーモデル

ミステイク:Mistake

見間違い、聞き違い、勘違いなどのミスは人間の認知システムの特性によって不可避的に発生する。しかし、それは認知システムに欠陥があるためではない。人間の認知システムはコンピュータのように入力情報を処理して、認識、決定というアウトプットを出力する。目や耳はセンサーである。

コンピューターとの大きな違いは、情報が不完全でもあいまいでも、前例や状況、文脈を手がかりにしてとりあえずのアウトプットを出してくれることだ。そうでなければ、人類は生存競争を生き延びられなかった。

ミステイクは人間の素晴らしい証知能力の副作用である。

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スリップ(錯誤):Slip

スリップ:意図した動作は正しかったのに、意図しない動作のミスをおかしてしまうのがスリップである。慣れた動作は体が記憶している。何かしようと意図が形成されるとその意図を実現するのに適当な動作のパターン(心理学では行為のスキーマと呼ぶ)が活性化し動作を開始するきっかけ(「トリガー」=外からの刺激、前の動作の終了)とともに行為スキーマが実行される。

この過程の中で、いつも動作のトリガーとなっている刺激か来ると意図がないのに動作してしまったり(例=もっと上の階に行こうとしていたのに自分のオフィスかある階でエレベータのドアが開くと降りてしまう)

意図の形成から後の動作はほとんど無意識に遂行されるために、十分に意識しないで体を動かす(あるいは動いてしまう)からミスを起こすのである。しかし、意識しながら動作をすると動きが遅くなるしスムーズにつながらない。あらゆる熟練作業は意図だけを意識すれば後は勝手に体が動く。そうでなければ仕事にならない。

つまり、行為のスリップも行為の熟練に伴う副作用なのである。

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行為の熟練

ラプス(失念):Lapse

記憶には覚える段階、覚えた情報を保持する段階。そして、覚えている情報を取り出す(思い出す)ステップがある。

覚えられない。覚えたのに忘れてしまった。思い出そうとしても思い出せないという失敗はそれほど問題ではない。

事故に結びつきやすいのは思い出すことを忘れてしまうというラプス「失念」である。行うべき行為の予定をいったん記憶し、それを忘れたわけではないのに適切なタイミングで思いだせないのが失念である。

連絡のし忘れ、引き継ぎ事項の漏れ、最後の手順のやり忘れなどは重大事故につながっている。

しかし、必要な時に自発的に全てことを思い出す為にはメモやタイマー、チェックリストなどで頭の外側に記憶をとどめておく工夫が必要である。

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安全事故とヒューマンエラー

ヒューマンエラーが発生しても直ぐに安全事故が発生するわけではありません、高所作業をして落下しても安全帯を着用すれば下まで落ちません、又、ヘルマットを着用していれば怪我の程度は軽くなります。

安全、安心を確保する為にはエラーを起こさないところから始まり、被害、損害を最小限にとどめるところまで検討する事が必要です。

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ヒューマン・エラーの頻度

ヒューマン・エラーの起こりやすさは、HEP (Human Error Probability)
という比率で表されます。これは、エラーを起こしうる機会数あるいは試行数に対する実際に起こしたエラー回数の比で表します。

HEP=エラー数/エラーに対する機会数

人間の作業行動において、例えば、古いダイヤル式電話でのダイヤル回しは20回に1回はエラーを起こし、繰り返し単純作業では100回に1回、かなり整備された環境下での作業行動でも、1000回に1回はエラーを起こすといわれています。このように、「人間はもともとミスを起こしやすい動物」であるという認識が大切です。

人間の意識モード別 ヒューマン・エラー発生率

ヒューマン・エラーは生理、精神状態では発生率が百倍以上も異なる

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ヒューマン・エラーの事故推移

下図は民間航空機での事故率を示したものです

1960年代(昭和35年ごろ)までは1万回離陸あたりの年間の航空機事故件数がきわめて高いことがわかります。航空機の機体性能や金属疲労などの技術的事象や,高層の気象などに未知の部分があり“人知を超えた事態に遭遇しての事故が多かったといわれています、(ボーイング社の資料より)

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ところが,技術が進歩し,気象予知も格段に向上したにもかかわらず,事故率は70年代から一定(2~3回/100万回離陸当たりの全事故回数)になってきてしまっています。

機体整備のヒューマンエラー,管制官とパイットとの意思不疎通など,人的要因に起因する事故がなくならないためなのです、この事は他の業種で発生する事故(交通事故,医療事故,品質事故)でも似たように状況です。

事故をなくしていくためには技術問題は当然として人的問題に徹底的に踏み込まなければ事故は防げません。

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ヒューマンファクターとヒューマンエラー

ヒューマンエラーの要因は人間だけではなく、作業環境、家庭環境があり、当事者である人間の取り巻く全ての要因を検討する必要があります、これらの要因を『ヒューマンファクター』と呼びます。

ヒューマンファクター(human factor) は、組織や設備、その他さまざまな環境における人間側の行動特性のことです。

ヒューマンエラーとの違いは、もともと人間が潜在的に持っている特性がヒューマンファクターで、エラーという形で顕在化した場合をヒューマンエラーと呼ぶことです。

ヒューマンエラーの防止には『ヒューマンファクター』が最適にする必要があり、『ヒューマンファクター』の要素モデルとしてSHELL(m-SELL),4M(5M)活用して原因究明を行います。

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ホーキンズのSHELL分析モデル

SHELL分析モデルは航空パイロットへのヒューマンエラー説明用に使用きたものです、図の中心のLは,作業者本人(Liveware)を表しています。

S:ソフトウェア(software):作業手順、作業指示、教育訓練の方式など

H:ハードウェア(hardware):作業に使われる道具,機器,設備など

E:環境(environment):照明や騒音,温度や湿度,作業空間の広さなど

L:周りの人たち(liveware):命令をする上司や同僚など。

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ホーキンズのSHELL分析モデル

中心のLと周辺のS, H, E, Lの状態は時々刻々と変化します.人間(L)は体調や疲労で状態は容易に変わります,ソフトウェア(S)にしても,作業内容や手順の改定,作業要領書等、変わります。ハードウェア(H)は,道具の磨耗や機械の故障,また機械入れ替えなどで,状態は同じということはありません.当然のことながら,環境(E)も,常に変わります。

SHELモデルの各枠は波打っていますが,これは,各要素は常に同じではないことを表しています、周辺のSHELの状態が変わるから,中心のLもそれに合わせて行動しなくてはならないし,また,中心のLの状態も変わるから,それに合わせて周辺のSHELも変化しなければなりません。

Lと周辺のSHELとのマッチングを取る為には全体を管理するマネジメントが(m)必要です、具体的には社長、部長等です。

m-SHELL分析モデル

東京電力の河野氏が提唱するm-SHELモデルは、SHELLモデルにをつけたm-SHELLを提案し、わかりやすく説明しています。

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m-SHELL分析モデル

4M(5M) ヒューマンエラー モデル

ヒューマンエラーの防止対策の分析と4Mが使われています。

man:作業者本人、上司、同僚

machine : 道具,機械,設備などのハードの要素

media : 照明,騒音をはじめとする物理的環境,手順などの情報環境.

management : 制度や管理体制など,管理的な要素

さらに,そもそも,その作業の目的や目標,意義,ということも考える必要があることから,

mission : 作業の目的,目標に関する要素

をプラスして,5Mということもあります。

4Mは, SHELモデルと本質的に同じであり, manは中心のL, machineはH,物理的環境はE,人間環境は周辺のL,情報環境はSに相当しています。

SHELも4Mも,いずれもヒューマンエラーの原因究明,対策立案ではヒューマンエラーを起こした人のことだけを考えていてはいけないことを示しています。もちろん,エラーを起こした人のことは注目しなくてはなりませんが,各要素のマッチング,という考え方でアプローチすることが大切です。

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4M(5M) ヒューマンエラー モデル

ヒューマンエラーの分類

現実のヒューマンエラーを原因から分類したのが下記である。

人間の能力オーバーの為のヒューマンエラー

②取り違い、思い違いなどの判断の錯 誤

③し忘れ、記憶の失 念

④作業に必要な知識や技量の不足によるヒューマンエラー

⑤手抜き、怠慢等の違 反

チームの意思不疎通

トップの見識による組織の不適切行為

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能力オーバーによるヒューマンエラー

人間はモノを見たり、聞いたりして判断し、手足を使って作業をします、この

見る、聞く、判断する、動作する“にはそれぞれ視力、聴力、判断力、記憶力、動作力などの能力がありますが限界があります。

そして人間の能力(視力、聴力、判断力、記憶力、動作力)を超えた場合、ヒューマンエラーの発生率が異常に高くなります。

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視力,視覚限界とヒューマンエラー

両眼で見た方は単眼で見るより視力がアップします。

1.視野の拡大(単眼視野より約25%広い)。
2.より正確な立体視、物体サイズの判定、遠近感の判定が精密になる。
3.視力増強効果(片眼視力より1~2割増)。
人間の視野は,視線の周り上下60°、左右110°程度の範囲です、この範囲を超えると,表示は見えません。

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錯覚とヒューマンエラー

錯覚でもヒューマンエラーが発生します。

『ミュラーリェルの錯視』

上下、どちらの線が長い?

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横線は曲がっている?

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サークルは傾いている?

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「サンダー錯視」

ドイツの心理学者フリードリッヒ・ザンダーが報告した錯視です。AのテーブルとBのテーブルどちらが大きいでしょうか?(回答:同じ面積)

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マリオット盲点

下の画像を、左目を閉じて右目だけで左●マークをじっと見て下さい。
右側の大きいマークが左方向に移動すると消える場所があります、ここがマリオット盲点です。1x1.trans ヒューマンエラーの理論~ポカヨケ対策~【図解】

聴覚とヒューマンエラー

人間は通常、下は20Hz程度から、上は(個人差があるが)15,000Hzから20,000Hz程度までの鼓膜振動を音として感じることができ、この周波数帯域を可聴域という。可聴域を超えた周波数の音は超音波という、さらに人間の聴力は加齢によって可聴域が縮小する。高周波の聴力から先に失われる傾向にある。
よってヒューマンエラーを防止する為には人間の可聴域を配慮した対策をしなければならない。

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記憶力と ヒューマンエラー

人間の記憶には何回も繰り返して覚えた『長期記憶』と短時間で覚えた『短期記憶』があり、『短期記憶』はすぐに忘れやすくヒューマンエラーに密接に関連しています。

人間が瞬間に記憶できる短期記憶の限界数を認知心理学では「マジカルナンバーと呼びますがアメリカの認知心理学者であるジョージ・ミラー(George Armitage Miller)氏が1956年に発表した論文では[7±2]でした。

現在は2001年にはミズーリ大学の心理学教授であるネルソン・コーワン〔Nelson Cowan〕氏が、[4±1]こそ、正しいマジカルナンバーであると発表し、これが定説となっています。

つまり、「4チャング」を中心とした3~5チャングこそが短期記億の限界の数であるということです。

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マジカルナンバー4±1

チャングと数字語呂合わせ

チャングとは,ミラー氏が提唱した概念で,人が知覚する情報のまとまりを意味します、例えば、「かがみもち」は5チャングになります。「鏡・餅」として理解すれば2チャング、「鏡餅」で理解すれば1チャングになります。

数字を記憶する場合は数字語呂合わせで意味のある[4±1]チャングに変換すると覚えやすく、忘れにくくなります。

例えば「2681028298808878」の場合は

「268風呂屋」「1028豆腐屋」「298肉屋」「808八百屋」「878花屋」です。

しかし、『短期記憶』だけに頼ってはヒューマンエラーはなくなりません、メモ、記録等の記憶の外在化が必要です。

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動作能力と ヒューマンエラー

反射速度測定方法として有名な定規落としゲームです。
不意に落とされた定規をどの位置でつかめるかを調べます。定規が落ちるのを目で確認します。

人間の反応速度の限界は科学的に0.2秒以内です、個人差は無視できるほど小さいです、目から入った情報が電気信号として変換されて脳を通り、指先を動かすまで、絶対に0.2秒を切ることができません。

これを距離に直すと19.6㎝となります。つまり、この反射テストでは19.6㎝以内ではつかめません。

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つかめる方は事前に予想して動いた為です。

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工場でのロボットの作動前の予告音や道路での車線減少前の標識表示はヒュマンエラーを防止する為の予告、予想の事例です。

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年齢と ヒューマンエラー

加齢とともに,基礎的な身体能力は低下します.下図に,年齢別の平衡能力の測定結果を示します、20歳代をピークに徐々に能力が低下してきていることがわかります。
これは,視力,筋力など,すべての身体能力も同じです。その結果,重量物を取り扱う職場では,高年齡者は,力負けをして労働災害を起こす心配が出てきます、また作業ペースが速いと追いついていけずにミスをする,細かい表示はよく読めないのでヒューマンエラーにつながってきます。

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ベテランによるミス スリップ(錯誤)

ベテランのタクシー運転手などは、事故の起こりそうな場所での危険予知KYにより、スピードを落としたり、咄嗟の判断力により事故を未然に防ぐケ-スが多い。

これは、当初は知識として大脳で覚え、繰り返すことで小脳に処理が移管されることによるものである。一つの型として身につくと、意識をしなくとも小脳の指示により体が自然に対応するようになるものである、 これがJ. RasmussenのSRKモデルである。

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RasmussenのSRKモデル

このようにベテランになると、無意識に対応することができるようになるわけだが、ここにヒューマンエラーの落とし穴がある。

すなわち、無意識(=不注意状態)での作業が増えれば、それだけ危険、錯誤(間違い)が増えてくるのである。

ベテランになるとSRKモデルのように認識・解釈などの工程を省略してしまう傾向があり、医療での「患者取り違え」「患部取り違え」「輸血ミス」などは、ベテラン医師、看護師が起こした無意識での作業ミスである。

思い込みも大脳で理解したその繰り返しで覚え込むと、その知識が小脳に移管されることにより起こるものである。

「今日は市役所へ行こう」と家を出たのに、いつものように駅に向かって車を走らせていたり、駅の改札口で他の私鉄の定期券を投入したりすることは多くの人が経験していることであろう。

スリップ(錯誤)防止対策 「取違い型」

錯誤(スリップ)は二つのタイプ、「取違い型」と「思い込み型」があり、「取違い型」の対策法は下記のとおりです。

 取違いの防止:

違うものを同じところに置かない。

例えばガソリン缶と灯油缶は別な場所に 保管すれば取り間違えない。

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物理的に識別をつける

例えば砂糖の容器と塩の容器に色別表示をする。1x1.trans ヒューマンエラーの理論~ポカヨケ対策~【図解】

識別を意識する習慣づくり。

例えば使用前に指差呼称で「○○よし」と声を出して確認する事です。

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スリップ(錯誤)防止対策 思い込みの防止

“思い込み”はベテランほど多く、しかも頑固です。

*思い込みをする人は、ある考え方に執着し、合理的な推定の域を超えて、固く真実だと信じ、自分が正しいことを言うために、常識・道徳・前例・先入観・固定観念などを根拠にするのでこれを論理的に分かり易く簡単に説明するのがポイント。

①標準化:機械等の操作が会社、工場毎に操作手順が違うと“思い込み”が発生しやすくなりますので共有化し、標準化を図ります。

②違いを明確化:以前との違いを明確に一目でわかるように表示する。

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ど忘れ、失念(ラプス:lapse)

この“ど忘れ”は歳を重ねるごとに多くなるものである。家を出かけるときは、駅のコンビニで電池を買おう、そして隣のポストへ手紙を投函しよう、と思っていたが途中で友人に会い、話しながら歩いているうちに通り過ぎてしまう。

また、仕事で人と会う約束をしながら、メモしておかなかったために、当日忘れてしまっていることがある。

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対策としては次のような例がある。

①後でやろうと思わず

にすぐに行動する、出来ない場合はメモに記録する。

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②仕事上の大事な項目はチェック欄を設けて、作業者が自らチェックしまた監督者もチェックする。

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③どこでも「見える化」を徹底し、目につくところに置く。

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ハード面のポカヨケ対策

シートベルト未着用のアラーム、安全装置解除時自動ストップなどを工夫。

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知識不足、技量不足によるヒューマンエラー

知識不足・技量不足のヒューマンエラーは,作業を遂行するのに必要な知識や,技量をもっていなかったために起こるヒューマンエラーで,典型的な初心者型エラーです。

 知識不足のヒューマンエラー

ある大学病院で研修医が自分の判断で,患者さんに鎮痛薬の代わりに麻酔薬を注射したら,ショックで死亡してしまったという事故がありました。

根本的な問題としては,仕事に対して要求される知識やスキルを,管理側がきちんと定義し,それに見合った知識のある人を,現場に配置していないことが問題としてあります。

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知識不足型ヒューマンエラーへの対策

知識不足型ヒューマンエラーに対しては,管理側が次の対応をとることが重要です。

①「知らないことは聞くことができる体制」

[知らないことはしない]「自信のないことは必ず聞いてから」という原則の徹底が重要です、そのためにも日頃のコニュニュケーションの共有化ができる職場環境づくりが大切です。

 ②ナゼを教えるマニュアル教育訓練

教育訓練では手順だけではなく、理由も理解させます、面倒な手順,やりにくい規則であればあるほど,その理由も教育しなければいけません。人間というものは,面倒なもの,やりにくいことは,より楽に,簡単にしようという本能があります。「改善マインド」としてコストダウンに作用していればよいのですがこれはヒューマンエラー(規則違反:手抜き)と表裏の時があります。

 ③評価

 教育訓練をした後は必ず、学習者に対して評価を行い、一定の基準に達成した者は合格させますが、不合格者は再度、教育を行います。

技量不足のヒューマンエラー

いくら『泳ぎ方の本』を読んでマスターしても泳げません。

会社、工場での仕事も同じでいくらマニュアルを読んでも実際の現場では直ぐに役立ちません、実技訓練をしてスキル、コツを学ばなければなりません、これが不足するとヒューマンエラーが発生します。

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技量不足型ヒューマンエラーへの対策

実技訓練体制

実技訓練の計画、実施、評価ができる体制づくりが必要です。又、訓練の際には学習者が遠慮なく質問できる雰囲気づくりも重要です。

違反(バイオレーション:violation)

違反とは,定められたマナーや規則を守らない,というタイプのヒューマンエラーで規定違反,規則違反(violation)ともいわれます、初心者より“ベテラン”が多く起こすことが多い。

初心者が起こす違反

会社、工場内では常識であるマナー,規則でも,新入社員にとっては常識ではないので教える事が必要です、初心者が起こす違反の要因は教えられていないことによる知識不足のヒューマンエラーが大半です。

ベテランが起こす違反

ベテランの起こす違反は意図的」であり,「故意」であるという点があります、ルールを知っていても守らない軽率な行為です。

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違反を防止するのは

違反はそれをする事により得られる利益があります、例えば儲かる、速くなる等です。更に違反をしても見つからない、自分はできるといった事が確実になると促進感情が高まります、逆に利益が少ない、見つかりやすい場合は促進感情が低くなり、違反が防止できます。

一方、違反することによる不利益(賞罰、怪我等)及び違反する事に対する罪悪感を含んでの抑制感情があり、これのウェイトを重くすると違反が防止できます。

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規則を遵守するには

違反を防止する為には基本的には『規則を説明し、遵守を説得、納得させて遵守の態度を見せてもらい、継続的に実行させる事です』

社会心理学ではKSABという「規則を遵守させる方法」があります。

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背後要因とヒューマンエラー

体調が悪い、眠い、時間がない時はヒューマンエラーが発生しやすいです。

このような背後要因の種類として下記のようなモノがあります。

①体調不良、意欲減退、心配事等本人の内面的な要因

②作業環境、作業条件等の外的要因

③作業時刻、残余時間などの時間的要因

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ヒューマンエラーの背後要因、具体的内容

区分 ミス発生要因 具体的内容
内的要因 体調不良 睡眠不足、病気、怪我
精神状態不安 トラブル、興奮、悩み
やる気なし 働く意欲
外的要因 作業環境 照明、騒音、温度、湿度
管理不備 手順のムラ
指導不足 わからない、できない
職場の人間関係 コニューケーション不足
時間的要因 納期 納期の遅れ
適正な作業時間 コンベアースピード

チームワークとヒューマンエラー

チームワークのヒューマンエラーの事例です。

ある病院で鎮痛剤(麻薬)のモルヒネを,大量に患者に注射したという事故がありました。発端は看護師長が,指示箋に80ミリグラムと書くべきところを間違えて80アンプルと書いてしまったのです。これは単位の書き間違いの錯誤です。

問題はここからです.この指示箋を受け取った別の看護師が薬剤部に払い出しを受けに行くと,薬剤部はなんと指示どおりに80アンプルくれました。

さらにもらってきた看護師が別の看護師に渡すとその看護師は,指示箋とおりにアンプルを80本を患者に注射し、患者は死亡しました。

この事故は,看護師長の単位の書き間違いがスタートですが,そのあと指示箋を受け取った看護師,チェックすべき薬剤部,注射する看護師などが,「何か変?」と気づいてもおかしくないはずなのに気づかなかった,気づいたかもしれないけれども,いわれたとおりにしたことが問題なのです。

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CRMに学ぶ

チームワークのポカミスとして航空機事故の防止に有効な手段として開発されCRM(Crew Resource Management) 訓練が他分野(医療、消防、消防、海運、鉄道)でも重要視されている。

CRMとは、操縦室内で得られる利用可能な全てのリソース(人、機器、情報等) を有効かつ効果的に活用し、チームメンバーの力を結集して、チームの業務遂行能力の向上、ヒューマンエラーの減少を目的とする。

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Crew Resource Management

CRMのスキル

①コミュニケーション

・互いに疑問なことは声に出す。

不明瞭な言い方はしない。

・相手からの発言にはかならず反応する

(反応しないと伝わったのか伝わっていないのか,相手にわからない)

・気づいたこと,操作を始める前には必ず発言し情報と状況を共有する

(例:”右前方に積乱雲がありますね”や”今から積乱雲の回避操作を始めます”)

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②チームづくり

・発言しやすい雰囲気をつくる。

ささいな疑問の声も大切に扱う。

・指揮権を持つものはリーダーシップ&フォロアーシップ

  (納得を得たうえで相手をついてこさせること)の重要性を認識する。

・感情の対立とならないように反対意見は自分への敵対ではなくチームへの利益

と建設的に受け止める、相互の信頼関係を築くようにする。

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③状況の正しい認識

・常に警戒心と全体を見回す態度を持ち続ける。

・何かに気づいたら,互いに伝え合う。

・先を予測し,状況の悪化に備えて対応策をあらかじめ考えておく。

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④意思決定

・そのときに得られる多くの情報を活用して判断する。

・有益な情報と不適切な情報とを見極める

・判断したことはほかのメンバーにも伝達する。

・判断し行動した結果は常に評価する。

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⑤ワークロード管理

・仕事の優先順位を付けをする。

・作業の配分を常に考える。

ロードオバーの時の相談できる雰囲気づくり。

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ヒューマンエラーの分析手法

その場限りの”もぐら叩き“の対策で終わらない為にヒューマンエラーの再発防止を行う上で重要なのが「根本原因分析」RCA(Root Cause Analysis)です。

RCAの手法には下記のような方法はあります。

FTA(Fault Tree Analysis) 故障の木の解析

製品の故障、およびそれにより発生した事故の原因を分析する手法。

VTA(Variation Tree Analysis) 変化の木の解析

事故発生におけるヒューマンファクターを解明するために考案された手法。

なぜなぜ分析

特性要因図

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