- ISO9000とISO9001、JISQ9001の違い
- 品質マネジメントシステム ISO9000の基本理解と重要性
- ISO9000の歴史 | IS09000シリーズの誕生
- ISO9000シリーズに基づく認証習得 | IS0審査登録機関
- IS09000シリーズの要求事項 | 品質マニュアル概要
- 円滑にISO9000を導入する為のステップ5
- ISO9000シリーズ問題点と認証取得
- 内部監査の実施
- lS09000シリーズの今後と課題
- ISO9000の最新のトレンド、流れ
- ISO9000の活用方法
- ISO9001のレビュー(再調査、評価)方法
- ISO9000導入の成功事例
- ISO9000に関するよくある問題 Q&A
- ISO14001とISO9001の違い
- ISO9000に関するリソース、情報源、資料
- おすすめISO9001について学ぶためのおすすめ本
- まとめ
ISO9000とISO9001、JISQ9001の違い
ISO9000、ISO9001、そしてJISQ9001の違いについて説明します。これらはすべて、品質マネジメントシステムに関する国際規格ですが、それぞれ役割が異なります。
ISO9000
- 品質マネジメントシステムの基礎となる規格です。
- 品質マネジメントの原則、基本的な用語、概念を解説しています。
- ISO9001などの規格を理解するための基礎知識を提供します。
- 認証取得の対象となる規格ではありません。
ISO9001
- 品質マネジメントシステムの要求事項を規定した規格です。
- 組織が顧客や関係者の要求事項を満たし、顧客満足度を高めるためのシステム構築・運用の枠組みを提供します。
- 認証取得の対象となる規格です。
- 組織はISO9001の要求事項を満たす品質マネジメントシステムを構築・運用することで、ISO9001の認証を取得できます。
JISQ9001
- ISO9001を日本語に翻訳した規格です。
- 内容はISO9001と全く同じです。
- 日本国内ではJISQ9001が広く使われています。
つまり、ISO9000とISO9001/JISQ9001の関係は、以下のようになります。
- ISO9000:品質マネジメントシステムの基礎となる規格
- ISO9001:品質マネジメントシステムの要求事項を規定した規格
- JISQ9001:ISO9001の日本語版
品質マネジメントシステム ISO9000の基本理解と重要性
ISOとは? | 要求事項
ISOとは,国際標準化機構(lnternationalOrganization for Standardization)のことで,電気分野を除くあらゆる分野の標準化を推進する非政府組織で,その加盟については各国の代表的標準化機関1つに限られます。日本においてはJISC(日本工業標準化調査会)が加盟しています。
ISOは,「物資及びサービスの国際的な交流を容易にし, 知的,科学的,技術的及び経済的活動分野の協力を発展させるために世界的な標準化及びその関連活動の協力を発展させる こと」を目的に,1947年2月23日に発足しました。加盟国 は,現在120カ国以上に達しています。
それでは,ISOにより制定される国際規格とは何かについて触れてみたいと思います。規格とはJISZ8101(品質管理 用語)よると,「標準のうち物品又はサービスに直接・問接 に関する技術的事項についての取り決め」と規定しています。このような取り決めは,組織それぞれに決められておりそれは各企業ごとに制定している社内規格から,工業会規格、団体規格,地域規格,国家規格,そして国際規格となります。これらの規格は,ピラミッド構造を成し,そのトップに位置するのが国際規格です。
lSO組織と役割 | ISO専門委員会(TC)及び分科委員会(SC)
ISOは,加盟国の会員団体(各国の代表的標準化機関)から構成されています。この会員団体には以下の4つの主要な任務 があります。
①国内の関係者に対し,国際標準化の機会と構想についての情報を発信
②規格の合意へつながる国際的な話し合いにおいて,自国 関係者の一致した意見提出のための調整
③ISO専門委員会(TC)及び分科委員会(SC)の中で,自国の 関係があるTC,SCの幹事業務の確保
④ISO中央事務局業務における財政的支援のための分担金拠出
次にISOの組織についてですが,組織は大きく分けて総 会、理事会,中央事務局,専門委員会から構成されています。 この中で全会員団体の代表からなる総会がISOの最高決議 機関として置かれます。総会は,原則的に年1回開催されます。
理事会は,18カ国の理事国からなり,原則として隼3回開 催され,ISOの運営機関としては最高位に置かれています。 中央事務局は,事務総長以下約170名の職員で溝成され, 様々な事務作業を行っています。このほか様々な専門委員 会(TC)が置かれています。この専門委員会の中で,IS09000 シリーズを担当しているのがTC1761(品質管理及び品質保証専門委員会)です。さらに,専門委員会の下には分科委員会(SC) 作成グループ(WG),編集委員会が置かれてISOを支えています。
品質マメジメントシステム | lS09000シリーズ
IS09000シリーズとは,品質マメジメントシステムについての国際規格のことです。この品質システムとは,「品質管理を実施する ために必要となる組織構造,手順,プロセス及び経営資源」 と説明されています。これは,責任と権限の明確化がなされ, 業務手順についてもマニュアル化され,そのとおりに実行さ れる仕組みが整っているかということです。このシステムが きちんと機能していれば,誰でも同じ品質の製品,サービス を提供することができるのです。
lS09000シリーズ の構成
IS09000シリーズは,次の5つの規格から構成されています。
①IS09000(9000-1,2,3,4)
②IS09001
③lS09002
④IS09003
⑤IS09004(9004-1,2,3,4)
まず,IS09000とは,「品質管理及び品質保証の規格一第1 部:選択及び使用の指針」のことで,IS09001からIS09003 までの規格と異なり,これらの規格の利用の仕方や品質管理 の考え方について述べられており,いわばIS09000シリーズをどのように使いこなしたら良いかについて,説明した解説書に当たるものです。
IS09001,IS09002,IS09003の3つの規格は,実際に認証取得のための要求事項が記載されたもので,ここに記載されている要求を満たしていないと審査に合格しません。この 3つの違いは,品質保証の対象範囲だけです。
まず,IS09001は,供給者の行うすべての工程を対象としたモデルです。つまり,設計,開発,製造,据え付け,そして付帯サービスに至る全工程において,IS09001が定める 要求事項に適合させなければ認証取得はできません。
IS09002は,IS09001から設計と開発を除いた,品質保証 モデルです。主に設計が既に確立している場合や購入者 又は外部から設計図を与えられている場合に用いられ ます。
IS09003は,最も対象範囲が狭く,最終検査・試験についてのみの品質保証モデルです。これは,既に設計,製造,使 用方法が長期間にわたって確立されており,品質保証の対象範囲が,最後の検査・試験のみで十分と判断される 場合やサービス業などが対象となります。
IS09004は,IS09000シリーズの導入にあたって,供給者 側として考えなければならない品質管理と品質システム 本要素について概説した,品質システム確立のための 手引き書ということができます。これもIS09000-1と同じ ように,直接には認証取得の審査には関係ないが,品質 管理を行う上で何をしたらよいかわからない場合や 自社の品質システムの見直しを行おうとしたときに有効です。
ISO9000の歴史 | IS09000シリーズの誕生
IS09000シリーズの成り立ち
IS09000シリーズにおいて,重要な概念である品質保証と は,1950年代後半頃,アメリカ軍の軍事規格から始まりました。これは,当時既に東西冷戦が始まっており,軍需産業 においては,特に厳しい品質保証が要求されていたからです。 その後,1960年代後半になると原子力産業の拡大に伴い, 原子力規制の規格の整備が進み,品質保証についても厳しい 対応が必要とされました。
1970年代にはいると,欧州においても英国を中心に独自 の品質保証規格制定の動きがみられるようになりました。 しかし,このように各国が様々な規格を制定したことは, 国際間取引に大きな影響を与えることになりました。つまり, 国内だけの取引なら問題はないのだが,様々な国を相手にす る国際問取引では,各国の規格がバラバラだと取引を行う相 手ごとに,その国の規格を取得する必要がでてくるからです。
品質管理及び品質保証の規格統一への動きは,1973年9 月に東京で開催されたGATT(関税と貿易に関する一般協定)閣僚会議から本格化しました。これによって始まった東京ラウンドにおいて,Agreement on Techinica Barrers to Trade(貿易の技術的障害に関する協定)がなされ,国際的な標 準化機関による指針と国際的な審査登録制度の確立へと加速しました。
1979年になると,欧米諸国を中心に品質管理及び品質保証 の重要性や必要性が見直されたのを契機にTC176(品質管 理及び品質保証専門委員会)がISO内に設立されました。 TC176の体制は,3つの分科委員会(SC)から成り,その下 に作業グループ(WG)が活動しています。
TC176の目的は品質システム、品質保証を含む全般的な 品質管理分野の標準化及びこれらの規格の選択、使用にかかわるガイドを含む支援技術の標準化を行うことです。
IS09000シリーズを作成する上で,英国規格である BS5750を基に進められました。そして,1984年にまず品質 保証用語を定義・解説したIS08402が制定されたのを皮切りに,1987年IS09000シリーズ第1版の制定へとなったの です。 その後,IS09000シリーズを用いた審査登録制度の普及に より,1994年に第1次改訂が行われ,現在およそ20の規格 が発行されています。
これらを総称して,IS09000ファミ リーと呼びます。 ISOでは,5年ごとに継続,改訂,そして廃止といった規 格の見直しを行っています。既にTC176では,1996年に SC2にWG18を設立してIS09000の改訂に向けての活動を 開始しています。第2次改訂は,2000年2月を目指して作 業を進めています。
日本のISO9000の歴史
欧米を中心に進められたIS09000シリーズだが,欧米に 比べ日本の対応の遅れが目立ちました。これは,日本の産業 界がTQCを代表とする品質管理に大きな自信を持っていた ため,品質システムの規格であるIS09000シリーズに対し て,関心が低かったからです。 しかし,欧州でのEU統合が現実味を帯びてくると,
「ISO9000シリーズの認証取得を行っていないと取引に支障 をきたすのではないか」ということから,日本でも認証取得 に動き出す企業が増えてきました。ところが,当時国内での IS09000シリーズ導入の環境はまだ整ったとはいえない状況 だったのです。
日本のISO9000の歴史 1990年代にはいると,ようやく環境整備が進んできました。まず,1991年10月にIS09000シリーズを日本の国家規格であるJISに取り入れ,ISOとの整合をはかりました。それが,JISZ9900シリーズです。JISZ9900は,IS0900シ リーズをそのまま翻訳して規格化したものなので,内容に関 してはIS09000シリーズと同じものといってよいでしょう。
IS09001,IS09002,IS09003,IS09004に相当するのが, JISでSZ9901,llSZ9902,l1SZ9903,l1SZ9904となります。IS09000シリーズと内容は同じものなので,日本企業が認証取得を行う場合は,JISZ9900シリーズにそって行えばよいわけです。
さらに,審査側の環境も整ってきました。1993年に審査登録機関の審査認定を行うJAB(㈱日本適合性認定協会)が設立されました。このJABが設立されるまでは,日本の審査登録機関は海外の認定機関の認定を受けていたのです。
このように,日本におけるIS09000シリーズへの対応は 整い,認証取得企業も飛躍的に増加してきました。現在の IS09000シリーズヘの対応としては、日本規格協会内に産官 学から構成されるTC176国内対策委員会を設置して TC176の活動の支援を行っています。
ISO9000シリーズに基づく認証習得 | IS0審査登録機関
審査登録機関の役割
IS09000シリーズの認証取得をするためには,IS09000シリーズの審査登録機関により審査を受け,合格する必要があります。この審査登録機関とは,企業(供給者)の品質システムを評価するための知識,技術,そして経験をもつ第三者機 関のことです。登録機関には2つの基本的な役割があります。
1つは,IS09001,IS09002,IS09003といった品質規格に照らし合わせて審査を行うということで,もう1つは,合格 した企業(供給者)の登録を行い,顧客へ登録企業の公表を行うことです。現在日本では,約19の(1997年末時点)審査登録 機関があり,活動しています。
日本適合性認定協会の設立
審査登録認定機関とは,先ほど説明した審査登録機関が適正に審査できるかどうかを審査する機関です、日本で は,1993年に日本適合性認定協会(以下JAB)が設立されました。このJABは,審査登録機関の質を安定させる重要な役 割があり,日本で唯一の審査登録機関の認定機関です。JABには,次の4つの役割があります。
①審査登録機関の認定及び登録
②審査員研修機関の認定及び登録
③適合事業者の登録
④海外の認定機関との相互承認
①は,先ほど説明したことです。
②については,この審査員とは実際にIS09000シリーズの審査を行うものを指します。
日本においてIS09000シリーズが導入されはじめた当初は,日本には審査員を養成する機関が無くて,審査登録機関が海外の審査員研修機関へ職員を派遣して養成していましたが,現在では国内に研修機関 が設立されており,その研修機関の認定と登録もJABの役割です。
③は審査登録機関によりIS09000シリーズの認証取得をした企業の登録を行うことです。そして,
④は,各国の審査登録.認定機関との相互承認を進めることです。各国との相亙承認が進むと日本のJABに登録されれば,相互承認が行われた国の認定機関にも登録がなされるからです。
IS09000シリーズの要求事項 | 品質マニュアル概要
実際に,企業がIS09000シリーズを導入しようとするときに,最も重要視するのが何を要求されるのかということでしょう。 前述のようにIS09000シリーズの中で実際に認証取得のための要求事項を記しているのがIS09001,IS09002, 1S09003です。この3つの規格の違いは,項目の数なので,最も項目が多いIS09001を理解すればIS09002とIS09003 も理解したことになります。lS09001の規格内容は次のとおりです。
ISO9000シリーズ(1994年版)の構成
4.1 経営者の責任 | 4.4.7 設計検証 | 4.12 検査・試験の状態 |
4.1.1 品質方針 | 4.4.8 設計の妥当性確認 | 4.13 不適合品の管理 |
4.1.2 組織 | 4.4.9 設計変更 | 4.13.1 一般 |
4.1.2.1 責任及び権限 | 4.5 文書及びデータの管理 | 4.13.2 不適合品の内容確認及び処置 |
4.1.2.2 経営資源 | 4.5.1 一般 | 4.14. 是正処置及び予防処置 |
4.1.2.3 管理責任者 | 4.5.2 文書及びデータの承認及び発行 | 4.14.1 一般 |
4.1.3 マネジメント・レビュー | 4.5.3 文書及びデータの変更 | 4.14.2 是正処置 |
4.2 品質システム | 4.6 購買 | 4.14.3 予防処置 |
4.2.1 一般 | 4.6.1 一般 | 4.15 取扱い、保管、包装、保管及び引渡し |
4.2.2 品質システムの手順 | 4.6.2 下請負契約者の評価 | 4.15.1 一般 |
4.2.3 品質計画 | 4.6.3 購買データ | 4.15.2 取扱い |
4.3 契約内容の確認 | 4.6.4 購買品の検証 | 4.15.3 保管 |
4.3.1 一般 | 4.7 顧客支給品の管理 | 4.15.4 包装 |
4.3.2 内容の確認 | 4.8 製品の識別及びトレーサビリティ | 4.15.5 保存 |
4.3.3 契約内容の修正 | 4.9 工程管理 | 4.15.6 引渡 |
4.3.4 記録 | 4.10 検査・試験 | 4.16 品質記録の管理 |
4.4 設計管理 | 4.10.1 一般 | 4.17 内部品質監査 |
4.4.1 一般 | 4.10.2 受入検査 | 4.18 教育・訓練 |
4.4.2 設計及び開発の計画 | 4.10.3 工程内の検査・試験 | 4.19 付帯サービス |
4.4.3 組織上及び技術上のインターフェース | 4.10.4 最終検査・試験 | 4.20 統計的手法 |
4.4.4 設計へのインプット | 4.10.5 検査・試験の記録 | |
4.4.5 設計からのアウトプット | 4.11 検査、測定及び試験装置の管理 | |
4.4.6 デザイン・レビュー | 4.11.1 一般 |
1S09001の内容をみてわかるように,序文,適用範囲,引用規格,定義,そして品質システム要求事項から構成されているのがわかります。この中で,実際に認証取得において最も重要なものが品質システム要求事項です。要求事項は,20 項目で構成されています。それでは,項目ごとにみていきましょう。
(4・11経営者の責任)
供給側の品質に対して,責任がある経営者は品質方針を文書化し,組織におけるすべての階層の人に明確に示すことで, 理解・実施・維持することが強く求められます、特に重要なものは次の4つです。
①品質方針,目標のトップダウン
②組織の責任と権限の明確化
③経営資源の適切な配分,配置
④経営者による品質システムの定期的な見直し
(4・21品質システム)
品質システムを構築するためには,品質マニュアルの作成が重要となります。品質マニュアルの作成にあたっては,それを品質システムの中核に据え,各種の規定,手順書を付加又は引用することが要求されます、さらに,品質要求事項 を満たすための品質計画を立てることも必要です。
(4・3:契約内容の確認)
供給者は顧客との正式な契約の前に,契約内容をよく確認して,記録を保管しておく必要があります、この際,要求事 項の文書化が行われていなければなりません、また,契約内容の修正変更を行う場合は,修正した後の契約内容について 社内関連部署に連絡する手順を定める必要があります。ここで注意したいことは,口頭による契約についてです。 IS09000シリーズでは,文書による契約だけでなく口頭での契約も認めています。ただし,口頭による契約の場合は 必ず記録を取っておくことが必要です。
(4・41設計管理)
基盤技術が確立しているような製品では設計上の問題が生じることは少ないが,開発品等では基礎技術の開発から 着手するものもあり,顧客の満足を得ることが難しいこともあります。そこで,設計管理では責任者を明らかにし、手 順の文書化が求められます。まず責任者を明確にする為には設計と開発に関する計画書の作成を行います。そして 設計においてインプットする要求事項を明確にするとともに設計からアウトプットする要求事項を満たしていることが明確 になっているかが大事です。また、設計段階に入ると適正な時期に審査を計画実施し,その後変更が生じた際には 変更点を明確に文書化する必要があります。
(4・5:文書及びデータの管理)
lS09000シリーズを導入すると,文書類が大幅に増加します。それらの文書・データをきちんとした手順で文書管理が 行わなければなりません。そのためには,文書・データを管理する手順の文書化とその維持を行います。そして,文書・ データは,きちんと内容を確認して承認を行うことが必要です。さらに,文書・データが変更された場合は,最初に確認, 承認を行ったところが確認,承認を行い,常に最新の文書・データを利用できるようにしておくことが大切です。
(4・6:購買)
IS09000シリーズおいて,要求事項を満たした製品を顧客へ供給しなければならないのと同様に,供給者自身も下請契 約者からの資材・その他を仕入れなければなりません。そのためには,信頼できる納入先の確保のために,下請契約者の 適正な評価,選定を行うと同時に,下請契約者の管理方法や範囲を決めておく必要があります。更に,購買品の検証も確立しなければなりません。
(4・71顧客支給品の管理)
顧客から製品の原料や部品等を支給される場合は,その支給品の適切な管理方法を確立しておかなければなりません。 そのためには,顧客から支給品を受けた場合,支給品の検証・保管・管理について手順の文書化をして実行しなければ なりません。また,供給された支給品が適さない場合には,それを記録して顧客へ報告しなければなりません。
(4・81製品の識別及びトレーサビリティ)
部品,材料,仕掛品などが他の製品などと紛れないように,識別できる方法を確立すると同時に,手順を文書化しなければ なりません。また,トレーサビリティとは,個々の製品の経てきたプロセスをわかるようにすることです。トレーサビリテイは,問題が生じた場合にどのプロセスで問題が起きたのかを遡ることができ,責任の所在がはっきりするからです。 そのためには,すべての段階で製品の識別ができるように,製造番号のラベルなどを付けるなどして,更にその識別法の 文書化を行うことが必要です。それに加え,トレーサビリテイの手順も文書化しなければなりません。
(4・9:工程管理)
品質に直接影響する製造から据え付け,付帯サービスまでの工程を明確に計画し,実行する上で適切な手順を確立そして管理していかなければなりません。そのほかには,次の事項を留意する必要があります。
①適切な設備,作業環境の整備
②規格,基準,品質計画書,手順書を遭守
③設備保全
④工程,製品特性の監視,管理
⑤作業のできばえ基準制定
⑥責任者による工程,設備の承認
⑦有資格者による特殊工程
(4・10:検査・試験)
良い材料を購入して,次工程に良い仕掛品を供給し,そして顧客に対して良い完成品を供給するために,検査・.試験によって不適合品を出荷しないようにしてきたのが,従来品質管理の考え方でした。その適用範囲は,次第に広がってきました。ところが,検査・試験業務を闇雲に行っていけばコストアップにつながりかねません。
そこで,効率的な検査・試験業務の確立が必要となります。IS09000シリーズは,まず,外部から製品・原料を受け入れた段階で購入品が 基準に適合しているかどうか検査・試験を行います。ここで適合しているかどうかの確認が行われるまでは,使用,加工 は行わないことになっています。次に,製造工程の段階で工程内の検査・試験が行われ,適合の確認がとれるまでは. 次工程へ回しません。そして,製品を出荷する段階で最終検査・試験が終了しても関連文書・データを作成し,更に その承認がなされるまでは出荷できません。
(4・11:検査測定及び試験装置の管理)
適正な検査や試験・測定をおこなうためにも、検査・試験・測定装置の適正な管理をする必要があります。そのためには まず装置の管理等の手順を定め,文書化を行います。次に,装置は,使用前の点検と定期的な点検を行い,装置が適切なものであることを顧客が検証できるようにしておく必要があります。また,測定に適した性能の装置を選ぶことも重要です。その装置は,国際標準や国家櫟準にトレースされた装置を用いて校正,調整を行わなければなりません。
(4・12:検査・試験の状態)
この項目で要求されていることは,その製品が検査,試験が終わっているのか,又は検査・試験の結果、適合しているのか,不適合なのかについてわかるようにしておくことです。そのためには,マーキングやラベル等で検査の状態がわかる ようにしておくことが必要です。また,検査、試験の状態はどの工程でもわかるようにしておく必要があります。
(4・13:不適合品の管理)
もし不適合品が発生したら,どのように管理すべきかというと,まず,発生した不適合品が山荷されてしまったりしな いように,ラベルなどにより不適合品を識別しておくことです。そして,不適合品をチェックする責任者やその権限を明 確にしなければなりません。また,手順書に従って不適合品の程度を見極め,対処法を講じる必要があります。
(4・14:是正処置及び予防処置) まず是正処置とは,不適合品が発生した後の対応のことで,原因を調査して再度不適合品が発生するのを防ぐ手段を講ずることです。そのためには,製品や工程,品質システム等の.検査を行い,調査結果を記録に残すことが必要です。これに対して,予防処置とは,不適合品が発生する前の対応のことで,潜在的にある不適合品の原因を調査して,取り除くことです。そのためには,工程,作業,特別採用,監査結果,品質記録,サービス報告書,顧客の苦情といった様々な情報を 活用することが大切です。
(4・15:取扱い,保管,包装,保存及び引渡し)
完成した製品が損傷や劣化しないように,保管や保存方法を定め、管理する必要があります。そのためには,まず製品 の取扱いや保管方法を定め,定期的に保管状況を評価します。そして,包装,梱包,表示の工程を管理するが,供給者が製 品を管理している場合は,適切な区分けを行うことが必要となります。また,引き渡しまで品質保護を行う場合もあります。
(4・16:品質記録の管理)
IS09000シリーズでは,様々な品質記録が生じると同時に保管が要求されます。これら品質記録は,保管期問や廃棄する場合の手順を文書化して維持しなければなりません。ここでの,品質記録はフロッピーディスクによる保存といったように電子化しても良いことになっています。
(4・17:内部品質監査)
品質システム維持のために有効なのが,供給者自ら行う内部品質監査です。これを行うためには,まず内部品質監査の 手順を文書化して維持します。そして,客観的な監査を行うために,被監査部署の直接責任者以外のものが監査を行う必 要があります。監査が行われた結果は,記録を行い,不備があった箇所の是正措置をとるとともに,その実施内容まで確認することが必要です。
(4・18:教育・訓練)
従業員一人ひとりがIS09000シリーズを十分理解することが,大切です。そのためにも,すべての要員に対し,手順 書に基づく教育・訓練を行い,その記録の維持管理をしなければなりません。
(4・19:付帯サービス)
契約時に,現場での組立てなどの製品の引き渡し後に行われる付帯サービスが要求事項として含まれているときは,その手順書を作成して維持することが求められます。
(4・20:統計的手法)
工程能力,製品特性の設定,管理,といったことを検証するために,QCの7つ道具に代表される統計的手法を用いる ことが要求されます。このとき,様々な統計手法のうち何を使うかまでは,定められていません。
円滑にISO9000を導入する為のステップ5
SO9001導入を円滑に進めるためには、しっかりと計画を立て、段階的に進めていくことが重要です。主なステップは以下の通りです。
1. 事前準備
- 目的の明確化: なぜISO9001を取得するのか、目的を明確にします。品質向上、顧客満足度向上、業務効率化など、組織の目標と整合している必要があります。
- 経営層のコミットメント: ISO9001導入は、組織全体の取り組みとなるため、経営層の理解と強力なリーダーシップが不可欠です。
- 体制整備: ISO9001推進責任者を選任し、推進体制を構築します。各部門の代表者などを含め、組織横断的なチームを作ることで、スムーズな導入を促進できます。
- 現状把握: 現状の業務プロセスや品質管理体制を分析し、ISO9001の要求事項とのギャップを把握します。
- 資源の確保: ISO9001導入に必要な人員、予算、時間などを確保します。
- 従業員への周知: ISO9001導入の目的や内容を従業員に周知し、理解と協力を得ることが重要です。
2. マネジメントシステムの構築
- 品質方針の策定: 組織の品質に関する基本的な考え方や方向性を明確に示した品質方針を策定します。
- 品質目標の設定: 品質方針に基づき、具体的な品質目標を設定します。目標は、測定可能で達成可能なものにする必要があります。
- 品質マニュアルの作成: 品質マネジメントシステム全体の枠組みを記述した品質マニュアルを作成します。
- 手順書などの文書化: 業務プロセスを標準化し、品質を確保するための手順書や作業指示書などを作成します。
- 記録管理: 品質マネジメントシステムの運用に関する記録を適切に管理するための仕組みを構築します。
3. 運用
- 教育・訓練: 従業員に対して、ISO9001や品質マネジメントシステムに関する教育・訓練を実施します。
- 内部監査: 品質マネジメントシステムが適切に運用されているかを定期的に監査します。
- マネジメントレビュー: 経営層が品質マネジメントシステムを定期的に見直し、改善を図ります。
4. 認証取得
- 認証機関の選定: 認証審査を行う認証機関を選定します。
- 審査の申込: 選定した認証機関に審査を申し込みます。
- 文書審査: 認証機関が、組織が作成した文書類を審査します。
- 現地審査: 認証機関の審査員が、組織の現場を訪問し、品質マネジメントシステムが適切に運用されているかを審査します。
- 認証取得: 審査に合格すると、認証機関からISO9001の認証書が発行されます。
5. 継続的改善
- PDCAサイクル: ISO9001は、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)に基づき、品質マネジメントシステムを継続的に改善していくことが重要です。
- 是正処置・予防処置: 問題が発生した場合には、是正処置を行い、再発防止に努めます。また、潜在的な問題を identified し、予防処置を講じることで、未然に問題を防ぎます。
円滑な導入のためのポイント
- トップダウンではなく、ボトムアップ: 従業員を巻き込み、積極的に意見交換を行うことで、より効果的なシステムを構築することができます。
- 外部コンサルタントの活用: 経験豊富なコンサルタントに支援を依頼することで、スムーズな導入を図ることができます。
- ITツールの活用: 品質マネジメントシステムの運用を支援するITツールを活用することで、効率化を図ることができます。
ISO9001導入は、組織にとって大きなメリットをもたらしますが、取得までの道のりは容易ではありません。計画的に取り組み、PDCAサイクルを回し続けることで、品質マネジメントシステムを効果的に運用し、組織の目標達成に繋げることが重要です。
ISO9000シリーズ問題点と認証取得
1.lS09000シリーズ認証取得によるメリット 現代は,大競争(メガ・コンペテイション)時代といわれます。この大競争時代を生き抜くためにも,品質による優位性は重要になってきます。このため企業は,信頼できかつ進歩した品質マネジメント,品質保証,品質管理システムが必要となります。そのようなシステム構築に,IS09000シリーズは有効であるといえます。
IS09000シリーズ認証取得は,世界的な認知度においても有効に働きます。EU市場統合が現実のものとなった現在で は,更に有効です。それは,今まで説明してきたように,IS09000シリーズの主導権は常に欧州が握ってきました。そ の関係もあって欧州各国は,lS09000シリーズ導入が進んでいます。そんな欧州各国が市場統合を目指し,1つの大きな マーケットが出現しようとしています。そこでは,IS09000シリーズの認証取得していない企業の参入が難しくなるので はないかといわれており,これらのことも各国の企業のIS09000シリーズ導入に拍車をかけている一因といえます。
IS09000シリーズ認証取得による宣伝効果も見逃せません。 最近は,企業自ら宣伝し差別化するため,商業誌や専門誌はもちろん,新聞,さらにはテレビコマーシャルにまで認証取 得の広告を大々的に行っています。このことは,IS09000シリーズが企業の品質レベルの高さを示す一種のステイタス ということがいえるのではないでしょうか。また,IS09000シリーズが一般ユーザーレベルまで、認識されてきたことの裏付けともいえます。
製造業を中心に,多くの企業では,納入業者から部品や原材料の提供を受けています。これらの関連業者がlS09000 シリーズの認証取得を行うことで,納人品の品質が保証されます。これにより,最終完成品の高い品質が保証されること になります。
IS09000シリーズは,今まで説明してきたように徹底した文書化が特徴の一つといえます。このことは,企業に対して要求事項の観点から顧客にとって何が重要であるかの認識と,その要求事項を満足させるための手順の構築,更に顧客 満足に直接影響を与える品質システムを管理,改善するための内部品質管理システムの構築が強制されているのです。 たとえば,IS09000シリーズを導入していれば,企業内の従業員全員が入れ替わったとしても,構築された品質システム のおかげで,製品とサービスが特定の要求事項を満たしていることを証明してくれます。
ISO9000シリーズ認証取得によるデメリット | ぺ一パー ワークの増大
lS09000シリーズの特徴の1つに,徹底した文書化があります。このことは,ぺ一パー ワークの増大を意味します。また,その文書化の管理も多くのコストと労力がかかります。
最も要求事項が多いIS09001では6ヵ月から9ヵ月かかるといわれ,IS09002でも4ヵ月から6ヵ月といわれます。そ の間,専任スタッフを置いたりコンサルタントを雇ったりと人的なコストもかかります。このようなコストに対して,企 業規模が大きく体力のある大企業では,それほど負担にはなりませんが,体力のない中小企業ではIS09000シリーズ の認証取得が大きな負担となり得ます。
認証取得までの動き
ここで,実際のIS09000シリーズ認証取得までの流れについて述べましょう。
まず,経営トップによるlS09000シリーズ認証取得を目指すという明確な意思決定が行われることが必要です。これにより,トップから末端の従業員までIS09000シリーズ認証取得のための意思統一へとつながり,全社体制で臨むため にも有効と考えられます。
次に,社内の現状の現状把握を行わなければなりません。それは,現在自社の品質管理体制はどのようになっている のか,またどの規格を取得することが自社にとって最も有益なのかといったようなことを理解することで,無駄なく認証取 得への計画を立てることができます。 そして,具体的なスケジュールの作成へと進みます。スケジュールは,その企業が審査を受けるまでにどのくらいの準備期間が必要とするかによって決定します、そのため,自社の現状を考慮した上で,審査までのスケジュールを立てていきます。
スケジュールの目途が立つと,それによりのくらいの予算を確保するか考えなければなりません、しかし,初めてIS09000シリーズの認証取得を目指す企業では,外部コンサルタントの力を借りる場合が多いので,予算についても差 がみられるようです。
認証取得へのスケジュールができあがると円滑に進めるためにも従業貝の協力が重要となります。そのためにはまず従業員教育によりIS09000シリーズの理解を行き渡らせることが大切です。従業員教育を行う上でポイントになる のが,対象によって教育方法が異なることを考慮して行うことです。また,どのような方法で行うのかについても詳細に 決めておきます。
次に,推進体制の確立を目指します。一般には社内に認証取得のためのプロジェクトチームを作り,これを中心に活 動を推進していきます。 そして,1S09000シリーズの特徴である品質マニュアルの作成を行います。この作業の手順,方法の文書化はどのように作成したらよいかというと,まず押さえておかなければならいこととして,品質マニュアルはlS09000シリーズの 要求事項にすべて答えるものでなければならないということです。これに加え,手順書の作成も行う必要があります。
手順書は,品質マニュアルを補完する文書です。手順書を作成するときは,品質に有害な影響を及ぼす可能性があると考えられるものだけで十分です。
品質マニュアルや手順書ができあがると,いよいよそれに従って業務の実施を行います。業務を行う上で重要と なるのが,品質記録をつけることです。品質記録とは,マネジメント・レビューや品質計画,工程管理,是正処置といったような活動内容を記録することです。品質記録により,規定の要求事項を満たしているかどうかの証明や自社の品質 システムがうまく働いているかの実証となるからです。これによって,顧客や第三者がその企業の品質システムに実施 具合を確認することができるのです。
次に,内部監査を行います。内部監査とは,自社で構築した品質システムが決められたとおりに働いているかどうかを 調べることです。内部監査は,まず品質マニュアルが規格の要求事項を満たしているかどうかをみます。また,各工程で 品質マニュアル通りに行われているかどうかを確認します。そして,品質システムが効果的に機能しているかどうか の確認です。内部監査は,lS09000シリーズの要求事項の中の1つなので審査を受ける際に必要なものであるが, 自社の品質システムの問題点を明確にする効果があります。
文書化が進み,内部監査もクリアして受審の体制が整ってくると,いよいよ審査登録機関に審査登録の申請を行います。
ここで,どの審査登録機関にするかを選定する必要があります。選定のポイントとして,以下の4つをあげておきます。
①認定機関から認定を受けていること
②認定範囲と申請範囲が合致していること
③予算と日程が条件に合うもの
④審査実績が多いもの
いくつかの審査登録機関を絞り込んだら,気軽に足を運んで相談して決定するのがよいでしょう。審査登録機関を決定したら,細かい打ち合わせを行い,受審の準備を行う必要があります。内容としては受審までの スケジュール,責任の範囲の線引き,そして揃えておくものや事項といったことです。
準備が済んだら,文書審査が始まります。文書審査は本審査の一部とみなされるので重要です、ここでは品質マ ニュアルが要求事項を満たしているかどうか.詳細に審査されます。審査により不適合の事項が見つかれば,審査 報告書により是正が求められます。
次に,予備審査へ進みます。予備審査は義務付けられていませんが,本審査と同じ内容で行われるので本審査の 予行練習に最適です。また,内部審査では気づかない問題点が見つかる場合があるので,十分に利用すベきです。
そして,いよいよ本審査になるが,本審査は品質システムに関わるすべての部門に対して行われます。一般的には 審査チームにより現場責任者や担当者に対しlSO9000シリーズの要求事項の順番で質問していきます、質問を受 けたものは,口頭で答えるだけではなく作業手順書、記録類の提出を求められます。審査が終了し,重大な不適合が なければ審査登録機関の認証判定委員会にかけられその後正式な通知により合格が告げられ,これで認証取得と なります。合格後は,登録認定書と付属書がおくられ,審査登録機関を通じてJABに登録され,公開されます。
lS09000シリーズは,デミング賞とは異なり一度認証を取得しても,その後のサーベイランスが義務づけられています。 このサーベイランスで重大な不適合が見つかれば,最悪の場合,登録の取り消しといったこともあり得ます。 IS09000シリーズ認証取得までの一般的な流れを簡単に示すと次図のようになります。
内部監査の実施
IS09000シリーズ導人の決定
社内の実態把握 プロジェクト・スケジュールの作成 予算化
社員教育 推進体制の確立
品質マニュアル・手順書の作成、 内部監査の実施
審査機関の選定 受審の準備、 予備審査を受ける 本審査を受ける 認証取得
lS09000シリーズの今後と課題
IS09000シリーズは1987年に制定されました。ISO規格は,通常5年ごとに改訂が行われます。そのため,IS09000シリーズは1992年に第1回改訂が行われる予定であったが,EU統合などの影響を受けて1994年に第1回改訂版が 出されました。
中でも最も変更がなされたのが用語に関する規格である第1回改訂版では,小規模の変更にとどまりました。その IS08402です。それは,サービス産業におけるIS09000シリーズの導入が目立つようになったことから,サービス産業 にも取り入れやすい規格にする必要が生じたからです。それに加え,IS09000シリーズが普及するに従って,いろいろ な不都合箇所が指摘されるようになってきました。今後も,継続的な改訂が必要と考えられます。
次回の改訂は,2000年を目途に作業が進められています。 TC176専門委員会では,この2000年の改訂をVISION2000として様々な議論や原案作成を行っています。具体的 には,第1に,1S09001,IS09002,IS09003を,IS09001に一本化します。これは,内容が重なる規格が3つあるのを1つにまとめることで,簡素化をねらったものです。第2に,1S09000シリーズのコア規格を次の4つにします
①IS09001(概念と用語の規格:IS08402が移行)
②1S09001(品質管理システムの要求事項)
③1S09004(品質管理システムの手引き)
④1S010011(品質システム監査と評価の要求事項と指針)
そして,第3は中小企業向けのガイドの発行です。これは,最近の傾向として,IS09000シリーズの導入が大企業から中 小企業へ移行しつつある現状に対応したものと考えられます。今後の1S09000シリーズの動きとしては,IS014000 シリーズの専門委員会であるTC207との連携があります。IS014000シリーズとは,1996年に制定された環境マネジ メントシステム及び環境監査に関する規格のことです。
IS014000シリーズの骨格は,IS09000シリーズをべースに作られたこともあり,IS09000シリーズと関連が深い規格です。将来的には,IS09000シリーズとIS014000を統合しようという 動きがみられているが,大きな問題であることから,まだまだ汗余曲折すると思われます。
以上のように,IS09000シリーズは順調に拡大・発展してきたが,いくらかの問題も生じています。代表的なもとして, 品質マネジメントシステム規格の細分化と増加の問題です。ここでは,QS9000とNQASを取りあげます。
QS9000とは,アメリカのビッグ3とトラック協会が部品供給企業に対して要求する規格です。QS9000の特徴は,自動車産業において独自の要求事項をlS09000シリーズに上乗せしたものです。主なものとして,次の4つです。
①クロスファンクショナルチームの結成
②顧客満足の確認
③工程故障モード影響確認
④製造部品承認手続き
①は,新製品開発や改良品を生産する際に設計、製造、エンジニアリング,品質,生産部門といった要因からなる組織 横断的なチームを作り,取り組むことを要求するものです。
②は,顧客満足の指標を決め,可能な限り客観的な情報に基づいて,顧客満足の度合いを確認することです。
③は,欠陥の発見により欠陥防止を達成するために工程改善を要求します。
④は,すべての設計変更に関して,生産実施前に顧客の書面による承認または承認不要の通知を得る必要がある ということです。 NQASは,日本のNTTによる購買先への要求規格です。この規格の特徴は,従来の検査を重視した管理から品質 ステムによる管理を重視することにあります、主なものとしてて,次の3つがあります。
①品質システム調査
②品質機能試験
③フィールド情報処理
①は,lS09000シリーズを用いて,品質システムの調査を行います。IS09001の要求項目(20項目)に,信頼性試験,生産条件変更,初期流動管理,改善意欲の動機付け,作業環境といった5つの項目を追加したものです。
②は,新しく開発した機能が仕様書の要求事項を満たしているかを確認することです。
③は,機器を設置した現場での不都合情報を解析してNTTのノウハウヘフィードバックすることです。
これら2つの規格もIS09000シリーズをべ一スにして自社で必要な要求事項の付加をしている点で共通します。 IS09000シリーズは,本来産業分野に限定されない汎用性を特徴とした規格として登場しました。しかし,実際の商取引 の中では,産業別にそれぞれ要求する事項の差が生じます。これを満たすために,1S09000シリーズを修正したり,追加 項目を設けていたりしては規格の細分化を進行させ,本来の目的であった,品質における統一規格という意味がなくなる 恐れがあります。
また,規格の増加は,企業の負担増につながることが懸念されます。現在,IS09000シリーズの認証取得費用は,コン サルタント費用を含んで,約1千万円近くに上るといわれます。これに加え,定期審査の費用も加わることから規格の増 加は,企業にとって大きな負担になる恐れがあり,企業側の強い不満につながることになりかねません。
ISO9000の最新のトレンド、流れ
ISO9000シリーズ、特にISO9001は、時代に合わせて変化し続けています。 最新版のISO9001:2015では、リスクベース思考やリーダーシップといった要素が重視されました。 今後も、社会の変化やビジネスのニーズを反映して進化していくと考えられます。
具体的なトレンドとしては、以下の点が挙げられます。
1. デジタル化への対応
- AI、IoT、ビッグデータなどの活用: これらの技術を活用し、品質管理の効率化、データ分析による問題の早期発見、顧客ニーズの把握などが進むと考えられます。
- リモートワークへの対応: リモートワーク環境下でも、品質マネジメントシステムを適切に運用できるよう、ISO9001の解釈や運用の仕方が見直される可能性があります。
2. サステナビリティへの貢献
- 環境問題への対応: 環境マネジメントシステム(ISO14001)との統合など、環境問題への対応が強化される可能性があります。
- 社会的な責任: 人権、労働、コンプライアンスなど、企業の社会的責任に関する要求事項が追加される可能性があります。
*(Sustainability)とは、日本語で「持続可能性」を意味する言葉で、環境・社会・経済の観点から、地球環境を壊さず、資源を使いすぎず、良好な経済活動を維持し続けることを目指す考え方です。
3. 組織文化への浸透
- リーダーシップの強化: トップマネジメントだけでなく、全ての階層でリーダーシップを発揮し、組織全体で品質向上に取り組むことが求められます。
- 従業員のエンゲージメント: 従業員の積極的な参加を促し、品質マネジメントシステムを組織文化に浸透させることが重要になります。
4. VUCA時代におけるISO9001
ISO9001は、VUCA時代においても、組織が変化に対応し、持続的に成長していくためのツールとして有効です。
- リスクベース思考: リスクを特定し、適切な対策を講じることで、不確実性に対応できる。
- リーダーシップ: リーダーが明確なビジョンを示し、組織を導くことで、変化に対応できる。
- 継続的な改善: 常に改善を続けることで、変化への対応力を高める。
VUCA時代は、企業にとって大きな挑戦となりますが、変化をチャンスと捉え、積極的に対応していくことが重要です
*VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語です。
Volatility(変動性): 社会や経済、技術が急速に変化し、予測が困難な状態。
Uncertainty(不確実性): 将来が見通しづらく、何が起こるかわからない状態。
Complexity(複雑性): 様々な要因が絡み合い、問題が複雑化している状態。
Ambiguity(曖昧性): 情報が不十分で、状況の解釈が難しい状態。
VUCAの時代においては、従来のやり方が通用しなくなり、企業は変化に対応していくことが求められます。
5. 顧客体験の重視
- 顧客中心主義: 顧客の声を収集し、分析することで、顧客体験を向上させる取り組みが重要になります。
- サービス品質の向上: 製品だけでなく、サービスの品質向上も重視されるようになると考えられます。
これらのトレンドに対応することで、ISO9001は、組織の持続的な成長を支える重要なツールとして、より一層進化していくでしょう。
ISO9000の活用方法
ISO9001は、顧客満足を向上させるための品質マネジメントシステムの国際規格です。ビジネスにおいてISO9001を活用することで、様々なメリットを得ることができます。
1. 顧客満足度指数(CS)の向上
ISO9001は、顧客の要求事項を満たす製品やサービスを提供するためのシステムを構築することを要求しています。そのため、ISO9001を導入することで、顧客満足度を向上させ、顧客満足指標を上げます。
2. 業務効率の改善
ISO9001は、業務プロセスを標準化し、無駄をなくすことを要求しています。そのため、ISO9001を導入することで、業務効率を改善することができます。
3. コスト削減
ISO9001は、不良品の発生を抑制し、クレーム対応などのコストを削減することを要求しています。そのため、ISO9001を導入することで、コスト削減につながります。
4. 企業イメージの向上
ISO9001は、国際的に認められた規格であるため、ISO9001の認証を取得することで、企業イメージを向上させることができます。
5. 従業員のモチベーション向上
ISO9001は、従業員の意識改革やスキルアップを促進することを要求しています。そのため、ISO9001を導入することで、従業員のモチベーション向上につながります。
6. リスク管理の強化
ISO9001は、リスクを特定し、適切な対策を講じることを要求しています。そのため、ISO9001を導入することで、リスク管理を強化することができます。
7. ビジネスチャンスの拡大
ISO9001の認証を取得していることは、取引先からの信頼を得る上で有利に働きます。そのため、ISO9001を導入することで、ビジネスチャンスの拡大につながります。
ISO9001を効果的に活用するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- トップマネジメントのコミットメント
- 従業員の積極的な参加
- 継続的な改善
ISO9001は、あらゆる業種・規模の組織に適用できる規格です。ぜひ、ISO9001を導入して、ビジネスの成功につなげてください。
ISO9001のレビュー(再調査、評価)方法
ISO9001では、「マネジメントレビュー」というプロセスが規定されており、これは品質マネジメントシステム (QMS) の有効性を評価し、改善するための重要な活動です。
マネジメントレビューは、トップマネジメントが定期的に実施する必要があり、その目的は、QMSの適合性、妥当性、有効性を評価し、必要があれば変更を加えることです。
効果的なマネジメントレビューを実施するための方法を、ステップごとにご紹介します。
1. インプット情報の収集
マネジメントレビューでは、様々な情報を入力として用います。主な情報源は以下の通りです。
- 前回のマネジメントレビューの結果: 前回行ったレビューで決定した事項や改善策の進捗状況を確認します。
- 顧客満足度に関する情報: 顧客からのフィードバック、アンケート結果、クレーム情報などを分析します。
- 品質目標の達成状況: 設定した品質目標に対する達成度を評価します。
- プロセスのパフォーマンス: 各プロセスの効率性、有効性を測定し、改善の余地がないか検討します。
- 製品・サービスの適合性: 製品やサービスが、規格や顧客の要求事項を満たしているかを確認します。
- 不適合および是正処置: 不適合が発生した場合の原因を分析し、是正処置が適切に実施されているかを確認します。
- 内部監査の結果: 内部監査で指摘された事項や改善提案を検討します。
- 外部提供者のパフォーマンス: 外部委託先の品質管理状況を評価します。
- リスクおよび機会への取り組み: リスクアセスメントの結果や、機会を活用するための取り組み状況を評価します。
- 品質マネジメントシステムに関する変更: 組織の変更や、法令改正など、QMSに影響を与える変更事項を検討します。
2. レビューの実施
収集した情報に基づき、トップマネジメントはレビュー会議を開催します。会議では、以下の項目について議論します。
- QMSの有効性
- 顧客満足
- 品質方針および品質目標の妥当性
- リスクおよび機会への対応
- 改善の必要性
- 資源の必要性
3. アウトプットの決定
レビュー会議の結果に基づき、以下のアウトプットを決定します。
- QMSの改善
- 品質方針および品質目標の見直し
- 資源の配分
- その他、必要な措置
4. 結果の実行とフォローアップ
決定した事項は、責任者と期限を明確にして実行します。また、次回のマネジメントレビューで、実行状況や有効性を確認します。
効果的なマネジメントレビューのためのポイント
- 定期的: 少なくとも年に1回は実施します。必要に応じて、より頻繁に実施することも可能です。
- 文書化: レビューの結果は、議事録として記録し、保管します。
- 客観的なデータ: 感情論ではなく、客観的なデータに基づいて議論します。
- 全員参加: トップマネジメントだけでなく、関連部門の責任者も参加し、活発な意見交換を行います。
- 継続的な改善: マネジメントレビューを、QMSを継続的に改善するための機会として活用します。
マネジメントレビューは、QMSを効果的に運用し、組織の目標達成に貢献するための重要なプロセスです。上記の情報を参考に、自社にとって最適なレビュー方法を確立してください。
ISO9000導入の成功事例
ISO9000に関するよくある問題 Q&A
ISO9000シリーズに関するよくある問題のいくつか例を挙げて説明します。
1. ISO9000とISO9001の違いは?
- ISO9000は、品質マネジメントシステムの基本概念や用語を説明する規格です。ISO9001を理解するための基礎となる知識を提供します。
- ISO9001は、顧客満足を向上させるための品質マネジメントシステムの要求事項を規定する規格です。組織は、ISO9001の要求事項を満たすシステムを構築し、運用することで、顧客満足度の向上、業務効率の改善、コスト削減などの効果を得ることができます。
- つまりISO9000は全体像、 ISO9001は具体的な要求事項を規定する規格です。
2. ISO9001認証を取得するメリットは?
ISO9001認証を取得することで、以下のメリットを得ることができます。
- 顧客満足度の向上:顧客の要求事項を満たす製品やサービスを提供できるようになり、顧客満足度が向上します。
- 業務効率の改善:業務プロセスが標準化され、無駄がなくなることで、業務効率が改善します。
- コスト削減:不良品の発生が抑制され、クレーム対応などのコストが削減できます。
- 企業イメージの向上:国際的に認められた規格であるため、企業イメージが向上します。
- 従業員のモチベーション向上:従業員の意識改革やスキルアップが促進され、モチベーションが向上します。
- リスク管理の強化:リスクを特定し、適切な対策を講じることができるようになり、リスク管理が強化されます。
- ビジネスチャンスの拡大:取引先からの信頼を得やすくなり、ビジネスチャンスが拡大します。
3. ISO9001を導入するにはどうすればよいですか?
ISO9001を導入するには、以下の手順を踏む必要があります。
- 現状分析: 現在の業務プロセスを分析し、ISO9001の要求事項とのギャップを明確にします。
- 品質マニュアルの作成: 品質方針、品質目標、品質マネジメントシステムの全体像などを documented information としてまとめます。
- 業務プロセスの見直し: ISO9001の要求事項を満たすように、業務プロセスを見直します。
- 教育・訓練: 従業員に対して、ISO9001に関する教育・訓練を実施します。
- 内部監査: 品質マネジメントシステムが適切に運用されているかどうかを、内部監査で確認します。
- マネジメントレビュー: トップマネジメントが、品質マネジメントシステムの有効性をレビューします。
- 認証機関による審査: 認証機関による審査を受け、合格すればISO9001認証を取得できます。
4. ISO9001の維持には何が必要ですか?
ISO9001認証を取得した後も、以下の活動を行うことで、品質マネジメントシステムを維持していく必要があります。
- 内部監査の実施: 定期的に内部監査を実施し、品質マネジメントシステムが適切に運用されているかどうかを確認します。
- マネジメントレビューの実施: 定期的にマネジメントレビューを実施し、品質マネジメントシステムの有効性を評価します。
- 継続的な改善: 品質マネジメントシステムを継続的に改善していきます。
- 認証機関によるサーベイランス審査: 認証機関によるサーベイランス審査を定期的に受け、品質マネジメントシステムが維持されていることを確認します。
5. ISO9001はどんな組織に適用できますか?
ISO9001は、業種や規模を問わず、あらゆる組織に適用できます。製造業だけでなく、サービス業、医療機関、教育機関、官公庁など、様々な組織で導入されています。
その他、よくある質問
- ISO9001の最新バージョンは?:2015年版です。
- ISO9001認証の有効期間は?:3年間です。有効期間満了前に更新審査を受ける必要があります。
- ISO9001認証を取得するには費用がかかりますか?:認証機関への審査費用、コンサルタント費用などがかかります。
ISO9001に関する疑問点は、認証機関に相談することをお勧めします。
ISO14001とISO9001の違い
ISO14001とISO9001は、どちらもマネジメントシステムに関する国際規格ですが、その目的や対象が異なります。
ISO14001
- 目的: 組織の活動が環境に与える影響を低減し、環境パフォーマンスを向上させること。
- 対象: 環境マネジメントシステム
- 主な要求事項: 環境側面の特定と評価、環境法規制の遵守、環境目標の設定と達成、環境マネジメントシステムの継続的改善など
ISO9001
- 目的: 顧客満足度を高め、組織の製品やサービスの品質を向上させること。
- 対象: 品質マネジメントシステム
- 主な要求事項: 顧客要求事項の明確化、品質目標の設定と達成、品質マネジメントシステムの継続的改善、顧客満足度の測定など
違いをまとめると
項目 | ISO14001 | ISO9001 |
---|---|---|
目的 | 環境保護 | 品質向上 |
対象 | 環境マネジメントシステム | 品質マネジメントシステム |
重点 | 環境への影響の低減 | 顧客満足度の向上 |
具体的な取り組み | 省資源、省エネルギー、廃棄物削減、環境汚染の予防など | 製品やサービスの品質向上、顧客ニーズへの対応、業務プロセスの改善など |
共通点
- PDCAサイクルに基づいた継続的改善
- マネジメントシステムの文書化
- 内部監査の実施
- マネジメントレビューの実施
どちらを取得すべきか
組織の事業内容や経営戦略によって、どちらの規格を取得すべきかは異なります。
- 環境への影響が大きい組織や、環境保護を重視する組織は、ISO14001を取得する方が良いでしょう。
- 製品やサービスの品質が重要な組織や、顧客満足度を重視する組織は、ISO9001を取得する方が良いでしょう。
もちろん、両方の規格を取得することで、環境保護と品質向上を両立させることも可能です。
補足
- ISO14001とISO9001は、どちらも国際標準化機構(ISO)が発行した国際規格です。
- 日本では、ISO14001はJIS Q 14001、ISO9001はJIS Q 9001として、日本工業規格(JIS)にも制定されています。
- ISO14001とISO9001の認証を取得するには、認証機関による審査を受ける必要があります。
ISO9000に関するリソース、情報源、資料
ISO9000シリーズに関する情報は様々なリソースがありますので、目的別に分けてご紹介します。
1. ISO9001規格そのもの
- ISOの公式ウェブサイト: ISOの公式ウェブサイト(www.iso.org)では、ISO9001規格の最新版を購入できます。ただし、有料で、英語の原文となります。
- JISのウェブサイト: 日本規格協会(JSA)のウェブサイト(www.jsa.or.jp)では、ISO9001に対応する日本工業規格(JIS Q 9001)を購入できます。日本語で書かれているため、理解しやすいでしょう。
2. ISO9001の解説書・書籍
- 入門書: ISO9001の基礎知識を学ぶための入門書が多数出版されています。初心者の方は、図解や事例が豊富なものを選ぶと良いでしょう。
- 専門書: ISO9001の要求事項を詳細に解説した専門書もあります。特定の業種やテーマに特化した書籍もありますので、必要に応じて選びましょう。
- オンライン記事: ISO9001に関する解説記事を掲載しているウェブサイトもあります。
3. 認証機関の情報
- 認証機関のウェブサイト: 各認証機関のウェブサイトでは、ISO9001認証に関する情報、審査の流れ、費用などが掲載されています。
- セミナー・説明会: 認証機関が開催するセミナーや説明会に参加することで、ISO9001認証に関する理解を深めることができます。
4. コンサルタントの情報
- コンサルタントのウェブサイト: ISO9001導入を支援するコンサルタントのウェブサイトでは、サービス内容や実績などが紹介されています。
- 無料相談: 一部のコンサルタントは、無料相談を受け付けています。ISO9001導入に関する疑問や悩みを相談することができます。
5. 政府機関の情報
- 経済産業省: 経済産業省のウェブサイトでは、中小企業向けにISO9001導入に関する支援情報が掲載されています。
6. その他
- 業界団体: 業界団体によっては、ISO9001に関する情報提供やセミナー開催を行っている場合があります。
- 学術論文: ISO9001に関する学術論文を読むことで、より深い知識を得ることができます。
具体的な情報源例
- ISOの公式ウェブサイト: https://www.iso.org/
- 日本規格協会: https://www.jsa.or.jp/
- 日本品質保証機構(JQA): https://www.jqa.jp/
- 一般財団法人日本品質管理学会: https://www.jsqc.org/
これらのリソースを有効活用することで、ISO9001に関する理解を深め、導入や運用に役立てることができます。
ご自身の目的に合った情報源を選び、必要な情報を収集してください。
おすすめISO9001について学ぶためのおすすめ本
図解即戦力 ISO 9001の規格と審査がこれ1冊でしっかりわかる教科書
国際標準化機構(ISO)による品質マネジメントシステムについての国際規格「ISO 9001: 2015」を、基本から解説する書籍です。アマゾン ベストセラー1位の本
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見るみるISO 9001-イラストとワークブックで要点を理解: イラストやワークブック形式で、楽しく学べる構成です。ISO9001の基礎を理解するのに役立ちます。
まとめ
ISO9000とは、端的に言うと 「良い会社」になるためのルールブック です。
ポイントは、
- 顧客満足: お客さんをハッピーにする!
- ルール化: 仕事のやり方を決めて、みんなが同じようにできるようにする!
- 改善: 常に「もっと良くできる!」と考えて、改善を続ける!
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