初心者、新入社員向けのQC七つ道具の入門ガイドです、事務所、工場及び研究所、学校、病院等での初心者、新入社員向けに下記のポイントをメインに簡単に解説しました。
・QC七つ道具とは
・QC7つ道具の覚え方
・QC七つ道具と新QC七つ道具 違い
モノづくりの参考になれば幸いです。(*^_^*)
動画 2024年版 簡単 分かり易い QC七つ道具とは 【音声解説付き】
品質改善の入門としての「QC7つ道具の特性要因図」の概要、説明 動画です。
3分で分かる! QC七つ道具の概要説明
QC七つ道具とは、品質管理(Quality Control)の現場で、データを収集・整理・分析し、問題点を可視化するために用いられる7つの基本的な手法の総称です。これらの道具を用いることで、問題の原因を特定し、改善策を検討することができます。
QC七つ道具の種類と特徴
パレート図:
問題の原因や種類を、その重要度(頻度など)に応じてグラフ化することで、最も重要な問題を特定するのに役立ちます。
80%の問題は20%の原因から発生する、というパレートの法則を視覚的に表現できます。
特性要因図:
ある問題の原因を、その原因となる要因をさらに細かく分けて木構造のように図示する方法です。
問題の本質に迫り、根本的な原因を特定するのに役立ちます。
グラフ:
データを視覚的に表現し、全体的な傾向や変化を把握するのに役立ちます。
折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフなど、様々な種類のグラフがあります。
ヒストグラム:
データの分布状況を棒グラフで表すことで、データのばらつきや中心値などを把握できます。
製品の寸法や重量などの連続データの分析に適しています。
散布図:
2つの数値データの関係性を点で表すことで、相関関係があるかどうかを調べることができます。
例えば、製品の温度と不良率の関係などを分析できます。
管理図:
プロセスが安定しているかどうかを監視するためのグラフです。
上限と下限の線を設定し、データがこれらの線から外れる場合に異常を検知します。
チェックシート:
発生頻度が多い不良品の種類や、ある事象が発生した日時などを記録するための表です。
データを効率的に収集し、問題点を把握するのに役立ちます。
QC七つ道具を使うメリット
問題の見える化: データを視覚的に表現することで、問題点が明確になります。
原因の特定: 問題の原因を特定し、根本的な解決策を導き出すことができます。
改善効果の確認: 改善活動の効果を定量的に評価することができます。
標準化: 標準的な手法を用いることで、誰でも同じように分析を行うことができます。
QC七つ道具は”道具” “ツール”
QC七つ道具を、品質管理にどのように用いるが重要です。
具体的に何か問題・課題があったとします。それに対処するには、下記のような「QCストーリー」のステップを踏みます。
何か問題があって対処しようとしても、やみくもに取り組んでは、なかなか成果は出にくいものです。ロジカルに、計画的に取り組むことが必要です。
QC七つ道具は、「QCストーリー」によく使われます、例えば
グラフなどを駆使して「現状を把握」
特性要因図などで「要因を整理」
対策実施後の「効果の確認」で、再度データを取得して傾向を掴んで確かめる。
「品質を管理する」という目的のために、その道具として「QC七つ道具」があります。
QC七つ道具 |QCストーリー
『事実に基づく管理』を具体化する基礎的手法ことで、パレート図、特性要因図、ヒストグラム、グラフ、管理図、チェックシート、散布図、層別の事を言う。
近代的品質管理では「事実を良く見る」「データーでものをいう」などの格言がしめすとおり、ファクトコントロール、いわゆる「事実に基づく管理」といわれるものを非常に重要視している。
これを具体化する方法はいろいろあるが、その中で特にポピュラーでわかりやすく、使いやすい基礎的手法をいう。
実際には8種類ありますが、当初、七つ道具はパレート図、グラフ、特性要因図、ヒストグラム、チェックシート、散布図、管理図をさしていたが最近では営業、間接部門へもQCが普及していった為に管理図と層別を入れ替えて七つ道具にしたり、管理図とグラフをまとめて七つ道具としたりしている。
現在では職場の問題解決に欠くことができないQC手法となっている。
QC7つ道具の覚え方
QC7つ道具の覚え方として良く知られているのは「サンチェ監督引っ張れ!グー!」です。
QC七つ道具と新QC七つ道具 違い
QC七つ道具と新QC七つ道具は、どちらも品質管理や改善活動で用いられるツールですが、扱うデータの種類や分析の目的が異なります。
従来のQC7つ道具
従来のQC7つ道具とは数値によって、品質管理を定量的に分析するために利用される方法です。具体的にはパレート図、ヒストグラム、散布図、特性要因図、チェックシート、グラフ、管理図になります。
主な特徴:
数値データを扱う。
製造現場での品質管理に特化している。
具体的な数値に基づいた定量的な分析を行う。
新QC7つ道具
次に新QC7つ道具とは、言語データを図に整理することによって、定性的に品質管理における問題の解決を目指す手法です。英語にすると「New Quality Control – 7 Tools」なので、「N7」ともいわれています。N7における7つの道具は親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、アローダイアグラム、PDPC法、マトリックスデータ解析法です。
主な特徴:
言語データを扱う。
製造現場だけでなく、企画、設計、営業など様々な部門での改善活動に活用できる。
定性的なデータに基づいた分析を行う。
違いのまとめ
区分 | QC七つ道具 | 新QC七つ道具 |
扱うデータ | 数値データ | 言語データ |
分析目的 | 定量的な分析 | 定性的な分析 |
活用場面 | 製造現場 | 様々な部門 |
英語 Seven Tools for Quality Control, QC seven tools
中国語:QC七大工具
パレート図 |QC7つ道具
項目別に層別して、出現頻度の大きさの順に並べるとともに、累積和を示した図。
たとえば、不適合品を不適合の内容別に分類し、不適合品数の順に並べてパレート図を作成すると不適合の重点順位がわかる。
英語 Pareto Diagram
グラフ |QC7つ道具
図による表現であり、通常、ある座標の内で二つ以上の変数の間の関係をあわらしたもの。
データーを図に表し、データー全体の姿を見たり、その量を比較したり、その変化の状態を明確にしたりするためのもの。
グラフは様々な種類があるが代表的なものとしては数量の変化の状態を見る折れ線グラフ、内訳の割合を見る円グラフ、帯グラフなどがある。
QC七つ道具のひとつとして上げられている。
英語 Gragh
関連記事:グラフの意味|エクセルグラフを事例に説明
チェックシート | チェックリスト |QC7つ道具
作業が正しく、行われているか、作業を構成している個別要素の点検のために用いられているリストのこと。
あらかじめ点検項目に記入しておき、簡単に迅速にできるだけ楽に点検できるように様式化されている。
英語 Check list
関連記事:チェックリスト
散布図 |QC7つ道具
ふたつの特性を横軸と縦軸として、観測値を打点して作るグラフ表示、Z8101-1.
QC七つ道具のひとつとして、広く普及しており、主にふたつの変数間の関連を調べるのに使われる。
Scatter Diagram
関連記事:散布図
特性要因図 |QC7つ道具
特定の結果と原因系の関係を系統的に表した図、魚の骨ともいう。
品質特性や不良個所(特性)とその原因(要因)との関連を表し、それぞれの関係にやくだち、重要と思われる原因と対策の手を行くために用いる。QC七つ道具のひとつ。
特性要因図は「話し合いの道具」とも呼ばれ、ブレーンストーミングなどにより出抽された問題点の真の要因分析に用いられる。
英語:cause and ffect diagram, characterristic diagram, Ishikawa diagram
ヒストグラム |QC7つ道具
計測計量特性の度数分布のグラフ表示のひとつ。
測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分けた場合、各区間を幾つかの区間に分けた場合、各区間を底辺としその区間に属する測定値の度数に比例する面積を持つ長方形を並べた図。
サンプル数を多くしてまたそれに応じて区間の幅を小さくとっていけばヒストグラムは確率密度関数に近づいていく。
ヒストグラムは製品の品質の状態が規格値に対して満足のいくものかなどを判断する時に役に立ち、QC七つ道具のひとつとして広く」普及している。
ヒストグラムを見るときは①分布の形②目標値からのバラツキ状態③層別条件の分布に与える影響などを注意する。
英語 histogram
関連記事:エクセル ヒストグラム作成の方法
層別|QC7つ道具
母集団をいくつかの層に分割すること、層は母集団の一種類で相互に共通部分をもたず、それぞれの層を合わせたものが母集団に一致する。
目的とする特性に関して層内がより均一になるように層を設定する。層別を層化ともいう。データーをただ、たくさん集めただけでは本当に役立つような処置を決めることは難しい。
クレームや不良品を発生する原因とか部品寸法のばらつきを検討する場合、機械によってクレームの発生状況に差がないか、原材料によって
不良品の出方に差がないか、作業者によって部品寸法に差がないかなどを考え、機械別に、原材料別に、作業者別に、あるいは作業方法別にデーターをグループ分けして比較することは品質管理を行い上で非常に大事なことである。
このように機械別、原材料別、作業者方法または作業者などのようにデーターの共通点やくせ、特徴に着目して同じ共通点や特徴をもつ幾つかのグループ(層という)に分けることを層別という。
どのような層別をするかについては対象となる工程、品物について技術的な知識、経験がもとになるが無数にある原因の中から現在、大きな原因となっているものを選び出すためには多くの人の意見を聞くことも大事である。
英語 stratified sampling
関連記事:層別 | QCの七つ道具
管理図
連続した観測値、もしくは群のある統計量の値を通常は時間順またはサンプル番号順に打点した上側管理限界線及び下側管理限界線をもつ図。
打点した値の片方の管理限界方向への傾向の検出を補助する為に中心線が示される。Z8101-2
上記の定義はシューハート管理図を意識したものとなっている。
英語 control chart
関連記事:管理図
まとめ
QC七つ道具は、品質管理の現場において、問題解決のための強力なツールです。これらの道具を効果的に活用することで、製品の品質向上や生産性の向上に貢献することができます。
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QC7つ道具は、主観や経験に頼った品質管理から脱却し、科学的品質管理、統計的品質管理を実践するためのツールです。QC7つ道具には、現状調査から原因分析に役立つツールとしてのチェックシート・特性要因図・散布図、対策立案から実践・まとめに役立つツールとしてのグラフ・パレート図・ヒストグラム・管理図があり、現状調査から原因分析に役立つツールとしての3つを解説しています。初心者にお勧めです。