新QC七つ道具の作り方について下記の点をポイントに図解入れで解説しています。
・新QC七つ道具 エクセル
・新QC七つ道具 種類
・新QC七つ道具 書き方、覚え方
・新QC七つ道具 事例
モノづくりの参考になれば幸いです。(*^_^*)
動画 2024年版 分かり易い 新QC七つ道具とは 【音声解説付き】
品質改善の「新QC7つ道具の特性要因図」の概要、説明 動画です。
3分で分かる! 新QC七つ道具 概要解説
新QC七つ道具は、主に言語データを視覚的に整理し、複雑な問題やアイデアを構造化するために用いられる7つの手法の集合です。QC七つ道具が数値データを扱うのに対し、新QC七つ道具は言葉や意見といった定性的なデータを扱い、問題の本質を深く理解するのに役立ちます。
新QC七つ道具の7つの手法
親和図法: バラバラなアイデアや意見を、類似性に基づいてグループ分けし、全体像を把握する手法です。KJ法が代表的です。
連関図法: 各要素間の因果関係を図示し、問題の本質や改善点を探る手法です。
系統図法: ある事象を構成する要素を階層的に整理し、全体構造を明らかにする手法です。
マトリックス図法: 2つの要素間の関係を一覧表形式で示し多角的な視点から問題分析する手法です。
アローダイヤグラム法: 業務の流れや工程を矢印で示し、時間や資源の配分を検討する手法です。
PDPC法: 問題解決のための計画を立て、その計画が成功するかを事前に評価する手法です。
マトリックスデータ解析法: マトリックス図に数値を与え、定量的な分析を行う手法です。
新QC七つ道具の活用場面
問題解決: 問題の本質を深く理解し、効果的な解決策を導き出す。
アイデア創出: 新しいアイデアを整理し、より良いアイデアを生み出す。
意思決定: 複数の選択肢を比較検討し、最適な決定を行う。
コミュニケーション: 複雑な情報を分かりやすく伝え、チームで共通認識を持つ。
新QC七つ道具のメリット
複雑な問題を構造化: 複雑な問題を視覚的に整理し、全体像を把握できる。
多様な意見を統合: 異なる意見やアイデアを統合し、より良い結論に導ける。
創造性を刺激: 新しい視点や発想を引き出し、創造性を高める。
チームワークの向上: チームメンバーが協力し、問題解決に取り組める。
新QC七つ道具の活用事例
新製品開発におけるアイデア創出
組織改革における問題点の分析
業務改善における効率化
顧客満足度向上のための施策検討
新QC七つ道具とは
管理者、スタッフのために開発された品質管理手法で、混沌とした問題を解決するのに力を発揮する。
新QC7つ道具は、言語データを図に整理することによって、定性的に品質管理における問題の解決を目指す手法です。英語にすると「New Quality Control – 7 Tools」「N7」ともいわれています。N7における7つの道具は親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、アローダイアグラム、PDPC法、マトリックスデータ解析法です。
英語:New Quality Control 7tools
中国語:新QC七工具
関連用語:QC七つ道具
QC七つ道具と新QC七つ道具の違い
「新」がついていない従来の「QC七つ道具」は、工場製造現場、研究所などで、不良解析やデータの分析などの数値解析に用いられいました。
しかし、「言語データ」が多い営業や企画、設計などの品質改善や新製品開発などでは、数値解析では、困難でした、その為に、総務部、経理部、営業部、設計部などの間接部門や製造業以外の、飲食業、小売り、ホテル、観光業などでの言語情報や文字情報により問題の方向性を見出す手法として、生まれたのが、「新QC七つ道具」です。
新QC七つ道具ではいろいろな言語情報を整理し問題を浮かび上がらせます。
組織の全員が、互いに協力して正しい活動方向に導きます。
「新QC七つ道具」は、複雑に絡み合った問題を整理することができます。
問題が絞り込まれ計画が立てやすくなります。
言語データとは
言語データとは、「部品の位置合わせ作業が難しい」「治具の設計検討に時間が要する」「部門間の情報共有ができてない」といった、数値化できない言葉によるデータです。
企画・設計・計画・営業などの部門では、これらのデータを元に改善活動を行う必要があります、そのため、言語データを扱う新QC7つ道具が有効なのです。
新QC7つ道具の覚え方
新QC7つ道具の覚え方として良く知られているのは「新連携、アロマでP」です。
間接部門で活用しやすいQC手法
新QC七つ道具とは、主として言語データをわかりやすく図に整理することによって、混沌としている問題の解決を図っていく手法です。親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、マトリックス・データー解析法、アローダイヤグラム法、PDPC法の七つをいいます。
これらは、製造現場を中心に展開されていたQCサークル活動が、TQCへと進展し、設計開発部門、営業部門などの間接部門へ活動範囲が広がるのにつれて、問題の解決手法や創造、発想手法を組み入れ、問接部門で活用できるQC手法として、開発されたものです。
新QC七つ道具の特徴
それぞれの特徴は、次のようになっています
親和図法
混沌とした問題について、収集した多くのデータを親和性によって整理して、問題の構造を明らかにします。
親和図法とは、今後起こり得る未経験の問題や、混沌としていてハッキリとしない問題・課題などの構造を明らかにするための手法です。問題・課題に関するバラバラな言語データを親和性(関連性)ごとに整理し、問題の全体像・構造・特徴を把握し、取り組むべき課題を導き出します。
親和図法は別名 KJ法と呼ばれ、川喜田二郎東京工業大学元教授により考案された問題解決手法です。
1960年代の半ばに発表され、現在でも広く国内外で活用されています。
親和図法のメリット
- グルーピングすることで、グループごとの優先順位を決められるので解決への計画が立てやすくなる
- グルーピングすることで、個々の意見の根幹となる問題が分かるので、対処しやすい
- 問題が明確になるので、関係者が課題の内容を的確に分かる
- 複数人で行った場合、皆の意見が取り入れられるため参加者のモチベーションや団結力が上がる
親和図法の事例
お客様が望んでいるバックを調査する為に親和図法を作成
親和図 七つのSTEP
連関図法
発生要因が複雑に絡み合った問題について、それらの因果関係を矢印で結び、主要因を追求します。
連関図法は、問題が複雑に絡み合い、解決の糸口が見つけにくい場合に、因果関係から主な要因を絞り込む手法です。「原因と結果」や「目的と手段」など、要因の相関関係を「連関図」で整理・明確化することで、問題の主要な要因を導き出します。この手法は品質や現場に関わる課題分析に有効であるため、製造やシステム開発の分野で活用されます。
連関図法のメリット
- どれが原因でどれが結果か分からないような複雑に絡み合っている問題を整理できる
- 図を作成する中で、新しい意見が出てくる可能性がある
- 矢印が集まっているものが重点項目だと分かるので、解決の優先度が分かりやすく、解決への計画を立てやすくなる
- 複数人で行った場合、皆の意見が取り入れられるため参加者のモチベーションや団結力が上がる
連関図法の事例
テーマ―設定 は図書室が利用しにくい
取り上げる問題を設定します。問題は具体的に書きます。
まずは、中央に問題を配置し、その周りに思いついた原因を並べます。どんどん原因を掘り下げて書き込み、結果となるもの全てに矢印を繋ぐことで、因果関係が見えてきます。
関連記事:連関図法
系統図法
問題を解決するために、目的と手段を系統づけていくことによって、適切な手段を見出します。
系統図法は、目的を達成するために最適な手段・方法を下図のようにツリー状に配置していく手法です。目的達成のための手段を「目的」とし、その「手段」を何度も検討します。これを何段階も図で展開することで、実行すべき最適な手段を導き出します。
系統図法のメリット
- 目的達成のために必要なことがリストアップされるので実行に移しやすい
- 目的と手段の関係性を一目で理解できる
- 系統的に順序だてて手段を考えるので、発想しやすくヌケやモレが出にくい
系統図法の事例
例えば図書館をつかいやすくしたい場合。
まずは第一手段を書き出し、それを実現するために必要な作業を掘り下げていきます。具体的に実行可能なレベルまで掘り下げると、目的達成のためにやるべきことが明確になり実行しやすくなります。
マトリックス図法
二つの要素を行と列の二次元に配置し、その交点に着眼して、問題解決の糸口を見つけます。
マトリックス図法のメリット
- 各要素間の関係性を整理できる
- 全体を見渡して結論を導き出すことができる
- 系統図で手段を洗い出し、マトリックス図法で評価し優先度を決めるなど、他の手法と組み合わせることで効果的に使用できる
マトリックス図法の事例
例えば、「問題解決を行うときに有効なQC手法のガイドをつくる」場合。
どれから先に実践していくのか優先度を考える時に使用します。行にはアイデアを入れ、列には評価項目を入れます。交差点には△、〇、◎など任意の記号を書き入れることで視覚的に情報を整理できます。
関連記事:マトリックス図法
マトリックス・データ解析法
マトリックス・データ解析法とは、マトリックス図の交点に数値データが与えられた場合に多くの数値データを相関分析などで処理し、二次元平面図(X-Y平面図)に表わし、問題とその要因との関係をわかりやすく示す手法です。
英語:matrix data analysis 中国語:矩阵数据分析法
ビッグデータで使用される多変量解析では主成分分析といわれ原石(データ)をダイヤ(活きた情報)に変えることができます。
競合分析、自社・他社分析、5択式アンケートなど、市場調査結果から売れ筋を見極めて新商品開発の方向性を選択するといった場面などに使用することができます。
マトリックス・データ解析法の事例
例えば全社的に実施しているセミナー15コースを、「IT教材の充実」からはじまって、「独特なスタイル」まで6つの評価尺度で評価し、どういったセミナーがよいのかを調査する場合。
主成分分析という計算方法で多くの項目を単純化し、そこで得たデータを散布図にすることで、適性なセミナーが見えてきます。
関連記事:マトリックス・データ解析法
アローダイヤグラム法
問題を解決するための多くの作業が複雑に絡み合っている場合、各作業の関連と日程をネットワーク図で表わします。
アローダイヤグラム法とは、計画を進めるための作業順序を矢印と結合点で結んだ、アローダイアグラム(矢線図・PERT図)と呼ばれるネットワーク図で、スケジュールを管理・検討する手法です。
この手法では、各工程の進捗管理やどの程度の遅れなら許容できるか、同時に期間短縮するためのポイントを検討する際にも役立ちます。
アローダイヤグラム法のメリット
- クリティカルパスを見つけ、重点的にスケジュールを管理することで納期遅延を防げる
- プロジェクト完了までの時間短縮のために、事前に対策を考えることができる
- クリティカルパス以外の経路は、どれくらい遅れても大丈夫なのか計算ができる
アローダイヤグラム法の事例
例えば毎月開催する技術検討会議の準備を行う場合。
まずは左の表(作業内容、先行作業、所要時間)を作成し、それを元に右の図を作成します。図からクリティカルパス(=プロジェクト完了までに最も時間のかかる経路)を見つけることでスケジュールを管理しやすくなります。
関連記事:アローダイヤグラム法
PDPC法
計画を実施していく際の不測の事態を予測し、不測事態が発生したときの代替案を挙げ、目標達成のための過程を図に表わします。
PDPC法とは、プロセス決定計画図や過程決定計画図を意味するPCPD(Process Decision Program Chartの略)で、目的を達成するまでに考えられる障害を予測して対策を図示し、過程で問題が起きても目的を達成するための手法です。
PDPC法はスタートから問題解決、ゴールまでの全体像を把握できることが利点です。問題や対策を言語化することで明確にでき、過去の類似する経験を活かしやすいことも特長です。
PDPC法のメリット
- 対策を事前に準備できる
- 最適なプロセスが分かる
- 情報を共有するときに活用できる
PDPC法の事例
例えば”企画提案書を完成させる“場合です、出発点は、「企画書を作成する」とし、ゴールを「企画提案書の完成」としています。
まとめ
数値を扱うQC七つ道具と違い、新QC七つ道具は言語データという不明瞭な概念を扱います。
数値データは計測器を使用した結果として出てくるため、誰の目から見ても明らかな客観的な事実です。しかし、言語データの場合は人によって解釈が異なる例があり、推測が混じると事実と異なる可能性が生じます。
新QC七つ道具は製造現場の改善だけではなく、創造性を生み出す源泉にもなるため経営戦略にでも活用できます。
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